アル=ヴァン(鋼龍戦隊……半分の戦力で、ここまで追い込むか。
彼らがガウ=ラに侵攻するようなことがあれば……)
アル=ヴァン(いや、それすらもあの男に利用される……
だから、私は……)
アル=ヴァン「……各機は後退せよ。後は私が引き受ける」
(残っている敵機が撤退)
アル=ヴァン(彼女に真実を……)
(ラフトクランズ・アウルンが北東の広場まで高速移動)
カルヴィナ「逃がさないッ!!」
(ベルゼルートが追い、追いついたところで、ラフトクランズ・アウルンが振り向く)
カルヴィナ「!!」
(ラフトクランズ・アウルンとベルゼルートが組み合う)
アル=ヴァン「迷いを断ち切ったのはわかる……
だが、それ故に動きが素直で読み易い」
カルヴィナ「負け惜しみを!
この情況から巻き返せるとでも!?」
アル=ヴァン「鋼龍戦隊の過去の戦果を知りながら、
その力の見極めが甘かったのは事実だ」
カルヴィナ「なら、悔やんで果てろ!
それが死んだ仲間達への手向けになる!」
アル=ヴァン「聞け、カリン。
アシュアリー・クロイツェルを襲撃したのは、
私ではない」
カルヴィナ「今更、命乞い!?
ジュア=ムが言ったことは、どう説明する!?」
アル=ヴァン「アシュアリーで進められていた計画は、
我らフューリーに新たな未来を
もたらすためのものだった……」
カルヴィナ「それであたし達を欺き、利用したのか!
アシュアリーのみんなを殺したのか!」
アル=ヴァン「そう受け取られても仕方がない。
そして、私もエ=セルダ様も
彼らを救うことが出来なかった……」
カルヴィナ「そんな戯言!」
アル=ヴァン「全ての発端はヴォーダの門だ。
そして、あれからもたらされる災厄を
払拭するために……」
アル=ヴァン「何としてもグランティードを取り戻さねばならない。
そして、私は君も……」
(遠方からラフトクランズ・アウルンとベルゼルートの間に砲撃。
砲撃を避けるために、ラフトクランズ・アウルンとベルゼルートが離れる)
(東端にラフトクランズ・ファウネアが出現している)
フー=ルー「そこまでよ、アル=ヴァン」
アル=ヴァン「フー=ルー……!」
フー=ルー「グ=ランドン様のご命令よ。
直ちに退きなさい、アル=ヴァン・ランクス」
アル=ヴァン「待て、私は……!」
フー=ルー「あなたと彼女が何を話していたか知らないけど……
もし、説得するために真実を教えていたのなら、
それは大逆罪に相当するわ」
アル=ヴァン「………」
フー=ルー「あなたは任務に失敗した。直ちに退きなさい。
これは友としての忠告よ」
アル=ヴァン「聞き入れなければ?」
フー=ルー「グ=ランドン様から与えられた命令を遂行するわ。
あなただけではなく、部下達にも
累が及ぶことになるでしょうね」
アル=ヴァン「くっ……」
フー=ルー「ここで戻るのなら、私が取り成してあげる。
最悪の事態は回避できるわ。
さあ、行きましょう」
アル=ヴァン「……了解した」
(ラフトクランズ・アウルンとラフトクランズ・ファウネアが撤退)
カルヴィナ「アル=ヴァン!!」
ユン「戦域内の敵機反応、全て消失!」
カルヴィナ(見逃した……などとは思わないわよ、アル=ヴァン)
ショーン「……結局、彼らは例の手を使いませんでしたな」
レフィーナ「ええ……」
グ=ランドン「アル=ヴァン・ランクス……
私は此度の作戦で貴様を試していたのだ」
アル=ヴァン「………」
グ=ランドン「貴様は玉座機の奪還より、地球人との接触を
優先させた。フー=ルーの報告によれば、
こちらの情報を漏洩したわけではなさそうだが……」
グ=ランドン「ベルゼルートを破壊しないのであれば、
二心ありと疑われても致し方あるまい」
アル=ヴァン「私は、皇女殿下のご意思を汲んで行動したまでです」
グ=ランドン「そこにはベルゼルートのパイロットに対する
個人的な感情も絡んでいるのではないか?」
アル=ヴァン「………」
グ=ランドン「否定せぬのか」
アル=ヴァン「……この期に及んで、偽りは申しませぬ」
グ=ランドン「貴様もエ=セルダと同じか。
私は同化計画を認めぬ。皇女殿下のご意向がどうあれ、
それに賛同する者もな」
アル=ヴァン「………」
グ=ランドン「貴様の沙汰はいずれ決定する。
それまでは獄中にて謹慎せよ」
アル=ヴァン「……はっ」
レフィーナ「……カルヴィナ少尉、
アル=ヴァン・ランクスとの交信記録を
聞き終えました」
レフィーナ「どうやら、彼は少尉の誤解を
解きたいと考えているようでしたね」
カルヴィナ「……ええ」
レーツェル「彼の言葉を素直に解釈するならば、フューリーには
アシュアリー・クロイツェルを襲撃した者達と、
それを阻止しようとした者達がいることになる」
カルヴィナ「……信じられるものか」
レーツェル「しかし、事実だとしたら認識が変わる。
後者は地球人なのかも知れない」
トーヤ「……!」
レーツェル「かねてからの推測通り、
フューリーに協力する地球人が存在していて、
セルドアことエ=セルダがそうだとすれば……」
レーツェル「トーヤが地球人であることの説明が付く」
カルヴィナ「アル=ヴァンもそうだと言うの?」
レーツェル「それは逆にこちらが尋ねたい。
事件前の彼をよく知っているのは、君なのだから」
カルヴィナ「………」
トーヤ(俺は……父さんが異星人だなんて思いもしなかった)
レーツェル「どうなのだ?」
カルヴィナ「……地球人だと思っていたわ。
あの男もそう振る舞っていた。
疑いの余地なんてなかった」
レーツェル「プライベートでもか?」
カルヴィナ「はっきり聞くわね」
レーツェル「無粋であることは承知の上だ」
カルヴィナ「答えは同じよ。
あの男のことなんて、何一つ信じられない」
ゼンガー「だが、アル=ヴァンは
お前の誤解を解こうとしていたのではないか?」
カルヴィナ「あたしを欺いてきた男が何を言おうと……
そうよ、手を汚していないなんて、信じられるものか。
あいつは必ずあたしが倒す」
カチーナ「その言葉が信用できるかどうかは、
今後の行動次第だぜ」
カルヴィナ「……もちろん」
レフィーナ「気になるのは、アシュアリー・クロイツェルで
進められていたという計画ですね」
レーツェル「アル=ヴァンはそれがフューリーに
新たな未来をもたらすと言っていた……」
ゼンガー「アシュアリー絡みで思い当たるのは、ベルゼルートか」
ジョッシュ「カルヴィナ少尉、心当たりは?」
カルヴィナ「あたしは雇われテストパイロットよ。
あいつらの計画なんて知らないわ」
ジョッシュ「でも、アシュアリー・クロイツェルにいたのなら、
全くの無関係というわけではないでしょう」
カルヴィナ「だったら、カティアとテニア、メルアもよ。
あの子達は、サイトロン・システムを起動させるために
月へ呼ばれたみたいだから」
ジョッシュ(果たして、それだけなのか……)
カルヴィナ「あたし達を信用できないんだったら、
事情聴取をやり直す?」
レーツェル「いや、その必要はない」
レフィーナ「最後に気になったのは、ヴォーダの門という言葉です。
それが災厄をもたらすと言うのであれば、まるで……」
キョウスケ「……クロスゲート、か」
(通信、モニターオン)
ショーン「……デブリーフィング中、失礼します。
艦長、マイルズ司令から連絡が入りました」
ショーン「オペレーション・トリオンフは成功、
パリはラマリスから解放されたそうです」
レフィーナ「そうですか……。
それは喜ばしいことですね」
ショーン「ハガネはアビアノ基地で補給と補修を受けるそうです。
ヒリュウ改もそこで合流するようにと」
レフィーナ「了解しました」