エ=セルダ「……対応が速いな、アル=ヴァン」
アル=ヴァン「エ=セルダ様……聖禁士長と言えど、
皇女殿下の許しなくガウ=ラ・フューリアの扉を
開くこと……」
(グランティードを正面から見る)
アル=ヴァン「そして、その玉座機に乗ることは許されません」
エ=セルダ「言われずとも、承知している」
アル=ヴァン「何故です? あなたほどのお方が
何故、このような真似を……」
エ=セルダ「私は行かねばならん。
行って、真相を伝えねばならない」
アル=ヴァン「真相……同化計画の、ですか?」
エ=セルダ「いや……我らフューリーに関わる全て、だ」
アル=ヴァン「!!」
エ=セルダ「もはや猶予はない」
アル=ヴァン「血迷われたか!?
全てが明かされてしまっては、
今までの苦労は……」
アル=ヴァン「いや、幾星霜耐え忍んできた
民達の想いは、どうなるのです!?」
エ=セルダ「アル=ヴァン……私はもう、
閉じこもっていることに耐えられぬのだ」
アル=ヴァン「馬鹿な……!
あなたは聖禁士長でありながら、先帝の、そして
シャナ=ミア様のご意志に背くおつもりですか!」
エ=セルダ「………」
(グランティードを正面から見る)
アル=ヴァン「その玉座機を持ち出すことが
何を意味するか、ご存じのはず!」
エ=セルダ「無論だ。
彼らへの手土産として、これ以上の物はない」
アル=ヴァン「なっ……!」
エ=セルダ「道を譲れ、アル=ヴァン」
エ=セルダ「私は、本気だ!」
【強制戦闘】
エ=セルダ[フィンカー・クリーブ]vsアル=ヴァン[オルゴン・クロー]
エ=セルダ『いざ』
エ=セルダ『フィンガー・クリーブ!』
エ=セルダ『もう一撃!』
エ=セルダ『行けい!』
(ラフトクランズ・アウルンに1300のダメージ)
アル=ヴァン『エ=セルダ様に先手を取られたか……!
だが!』
アル=ヴァン『あなたを見逃すわけには行きません……!』
アル=ヴァン『推進力を奪えば、玉座機と言えど!』
アル=ヴァン『止めてみせる!』
アル=ヴァン『捉えた!』
アル=ヴァン『これでっ!』
(グランティードに1800のダメージ)
エ=セルダ『……腕を上げたな、アル=ヴァン』
エ=セルダ「……さすがだと言っておこう」
アル=ヴァン(エ=セルダ様には、揺らぎも迷いもない。
造反は本意か……!)
エ=セルダ「時間がないのだ……!
これ以上邪魔をするのなら、
お前でも躊躇なく倒す!」
アル=ヴァン「たとえ、師であろうと……
フューリア聖騎士団の騎士として、
ここを通すわけにはいきません!」
エ=セルダ(そうだ……お前は、それで……)
(グランティードの後方から砲撃。ラフトクランズ・アウルンは少し後退する)
(エ=セルダは額から出血している)
エ=セルダ「うぐうっ……がはっ……!!」
アル=ヴァン「エ=セルダ様!!」
(ラフトクランズ・アウルンがグランティードを見る。南端にラフトクランズ・カロクアラが出現)
カロ=ラン「……よくやった、アル=ヴァン。
貴様のおかげで、大逆者を処分できる」
アル=ヴァン「カロ=ラン様!?」
カロ=ラン「今の一撃にも耐えたのだ……やはり、玉座機の力は
侮れぬ。それに、我らの機体同士だと
ラースエイレムは効かぬからな」
アル=ヴァン「皇女殿下の許可なく、
戦いであれを用いるなど……!」
カロ=ラン「確かに、容易く使える代物ではないが……
貴様ら騎士の理は、我ら諜士には関係なきことよ」
アル=ヴァン「だから、背後から撃つのも厭わぬと?
卑怯な……!」
カロ=ラン「耳に心地良いぞ。
貴様ら騎士は、優位の時に
そのような台詞を吐かぬ」
カロ=ラン「敗れる時、死ぬ時になって初めて、
敵を卑怯卑怯と罵るのだからな」
エ=セルダ「……真理……かも知れんな。
人は……逆境に瀕してこそ……本性が現れる」
アル=ヴァン「エ=セルダ様!」
カロ=ラン「皇家を護る禁士の長でありながら、
我が軍の要、玉座機グランティードを
独断で持ち去ろうとした罪は重い」
エ=セルダ「………」
カロ=ラン「アル=ヴァン・ランクス。
貴様の忠義、見届けてやろう。
グランティードを拿捕し、この場で師を誅せよ」
アル=ヴァン「ここで……?
事情聴取を要すると判断しますが」
カロ=ラン「目の前にいるのは大逆者だ。
それとも、貴様の忠誠は私的な恩義で
揺らぐ程度の物か?」
アル=ヴァン「………」
カロ=ラン「加えて言うが、
エ=セルダの抹殺は、総代騎士の意志でもある」
アル=ヴァン「シャナ=ミア様は?
皇女殿下は何と仰せなのです?」
カロ=ラン「そのようなこと…………む?」
(グランティードがラフトクランズ・アウルンの方を向き、攻撃。
その後、ラフトクランズ・カロクアラの方を向き攻撃)
カロ=ラン「ぬうっ!」
エ=セルダ「ここは行かせてもらう!
二つの星の民のために!」
(グランティードが北端まで高速で移動し撤退)
カロ=ラン「奴め、まだあのような動きを……!」
アル=ヴァン「私が追います!」
カロ=ラン「待て、迂闊に外へ出るな」
(ラフトクランズ・アウルンが北端まで高速で移動し撤退)
カロ=ラン「アル=ヴァンめ、先走りおって……」
(ラフトクランズ・カロクアラに通信)
???(グ=ランドン)「首尾はどうか、カロ=ラン」
カロ=ラン「……仕損じた。
手応えはあったが、玉座機は外へ……
そして、アル=ヴァンがそれを追った」
???(グ=ランドン)「何だと……?
何故、彼奴がそこにいたのだ?」
カロ=ラン「騒動に気づき、先回りしたようだ」
???(グ=ランドン)「エ=セルダはアル=ヴァンに事実を話したのか?」
カロ=ラン「いや……彼奴は事情を知らぬ様子」
???(グ=ランドン)「ふん、弟子の行く末を考えたか」
カロ=ラン「かくなる上は、私もエ=セルダを追おう」
???(グ=ランドン)「いや、こちらの手の内を必要以上に
知られるわけにはいかぬ」
カロ=ラン「だが、グランティードとラフトクランズ・アウルンが
外界へ出てしまった」
???(グ=ランドン)「構わん。エ=セルダは深手を負ったのだろう?」
カロ=ラン「ああ、間違いなくな」
???(グ=ランドン)「では、玉座機に乗っておれば、長くはあるまい。
仮に、あれが彼奴らの手に渡ったとしても、
操ることなど出来ぬ」
カロ=ラン「だが、エ=セルダの同化計画は……」
???(グ=ランドン)「紛い物に何が出来ようか。
玉座機の主たる皇女は、我らの下にいるのだ」
???(グ=ランドン)「それに、あれが外界に出たのなら、
我らが表立って動く理由の一つとなろう」
カロ=ラン「確かに……シャナ=ミア様に
もう一押し出来るか」
???(グ=ランドン)「事を知り、騒ぎ始めた者もいる。
貴様にはそやつらを……特に、禁士達を
抑えてもらう必要がある」
???(グ=ランドン)「後は配下に任せ、戻れ。
アル=ヴァンには、私から直々に命令を出す」
カロ=ラン「……わかった」
(敷地外すぐの所にカレイツェドとグラシドゥ=リュが3機いる。
アシュアリー・クロイツェルの西側と東側に爆煙)
ソ=デス「……これで粗方終わったか。
だけど、つまらない任務だったな……」
ソ=デス「どいつもこいつも、
ただ死んでいくだけだったしねぇ」
(カレイツェルに警告シグナル)
ソ=デス「ん? この反応は……」
(南側にグランティードが出現)
エ=セルダ「ま……間に合わなかったか……!!」
ソ=デス「何だ、僕を止めに来たのか?
堂々と玉座機でやって来るなんて、
いい度胸してるよ」
ソ=デス「僕なんか、正体がバレないよう
こんな機体に乗ってるのにさ」
エ=セルダ「お前は、カロ=ランの部下の……!」
ソ=デス「ああ、そうさ。
そして、お前も殺していいって言われてる」
エ=セルダ「……!!」
(グランティードから通信)
エ=セルダ「応答してくれ、誰か生存者は……!」
(アシュアリー・クロイツェル本社の建物を指すが反応はない。グランティードに雑音)
エ=セルダ「くっ……ならば、生体反応を……!」
ソ=デス「僕はさ……人殺しって、あまり好きじゃないんだ」
エ=セルダ「何……!?」
ソ=デス「人間はすぐに死んでしまう。長持ちしないからね。
でも、機動兵器に乗ってると、狙い所さえ
考えれば、そう簡単には死なない」
ソ=デス「相手が玉座機と聖禁士長様なら、尚更さ!
クハハッ!」
エ=セルダ「まだだ……!
私はまだ、倒れるわけにはいかん……!」
(作戦目的表示)
エ=セルダ「私の邪魔を……するな!」
ソ=デス「つまらない任務だと思ってたけど、
ここに来て良かったよ」
ソ=デス「こういう機会でもなきゃ、
大戦の英雄と遊ぶことなんて
出来ないからねぇ」
エ=セルダ「そんな機体で、グランティードを
止められると思っているのか……!」
ソ=デス「それは、お前も込みで
万全な状態だったらの話だろ!」
ソ=デス「カロ=ラン様からは、すぐに殺せと言われてるけど、
少しは楽しませてもらわなきゃ!」
エ=セルダ「くっ、外道が……!」
ソ=デス「ちっ、死に損ないのくせに……!
こんな拾い物の機体じゃ、さすがに玉座機とは
遊べないか……!」
エ=セルダ「消えよ、下郎!」
ソ=デス「嫌だね!
目覚めて間もないのに、死ぬのは御免さ!」
ソ=デス「でも、聖禁士長様は時間の問題だね!
クハハハッ!」
(カレイツェドが撤退。他の敵機が撤退)
エ=セルダ「う……ぐっ……」
(グランティードがアシュアリー・クロイツェルの敷地内へ移動)
エ=セルダ「誰か……生き残っていないのか……」
(グランティードに警告シグナル。グランティードが西を向く)
エ=セルダ「! 生体反応が、二つ……!」
(グランティードが西の建物の側へ移動し、建物を持ち上げる)
エ=セルダ「ここか……!」
(グランティードが隣接した建物内にカティアがいるらしい)
カティア「あ……うう……」
エ=セルダ「私の声が聞こえるか……?」
カティア「! 嫌ぁぁぁっ!!」
エ=セルダ「君は……カティアか。
落ち着きたまえ……私だ」
カティア「セ、セルドアさん……!?」
エ=セルダ「ああ、そうだ……君の隣にいるのは……?」
カティア「メルアです……。
でも……気を失っていて……」
エ=セルダ「そう、か……」
カティア「お……お父さんとお母さんが……
み、みんなが……瓦礫の下に……」
カティア「ど、どうして……こんなことに……
わ、私達は……何も……」
エ=セルダ「彼らがここまでやるとは……。
私に油断があった……すまない……」
カティア「彼ら……?」
エ=セルダ「……そこを動くな。君達を助ける」
カティア「で、でも、テニアは……」
エ=セルダ「ここで生き残っているのは……君達だけだ。
すぐに追っ手が来るだろう……。
今から、君達をこの機体に乗せる……」
カティア「追っ手って……どうして……?
何故……私達が……?」
エ=セルダ「君の両親も私も……
正しいと信じたことを行ってきた……」
カティア「じゃあ……何で私達が……こんな……」
エ=セルダ「それを許せない者達がいるのだ……。
さあ、早く……グランティードに……」
カティア「グラン……ティード……」
エ=セルダ「ああ……今、ハッチを開ける」
(ハッチが開き、カティア達がグランティードに乗り込む)
カティア(な、何なの、ここ? 結構広い……
それに、あの座席……)
カティア(上にあるリング……
確か、ベルゼルートのコックピットにも
似たような物が……)
エ=セルダ「カティア、後ろに座るんだ……」
カティア「! セルドアさん、その怪我は……!!」
エ=セルダ「大丈夫だ……心配はいらない……」
メルア「う……ううん……」
カティア「メルア……」
メルア「こ、ここは……」
メルア「!? お母さん! お父さん!
どこ!? どこにいるの!?」
カティア「メルア、落ち着いて!」
メルア「カ、カティアちゃん……!
お母さんとお父さんは……みんなは……!?」
カティア「………」
エ=セルダ「カティア、メルア……
今から君達を……地球へ送り届ける……」
メルア「えっ、私達だけ……!?」
エ=セルダ(連邦軍の警戒網をくぐり抜けられるかどうか、
わからんが……今の私に出来ることは……)
エ=セルダ(すまない……みんな……)
(グランティードが撤退)