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知られざる決戦 ~ 最終話 ~

[ペレグリン級 ブリッジ]

メキボス「そうか、ゴライクンルが……」
ヨン「はい」
メキボス「ふん、あいつらも懲りねえな」
セレーナ「どういうこと?」
メキボス「ゴライクンルは、 俺とウェンドロが地球に攻め込んだ時も 独自に手先を送っていてな」
メキボス「もっとも、そいつらは俺達と同様、 地球軍と戦ってやられちまったようだが……」
セレーナ「ふ~ん……」
ヨン「……私が接触した傭兵は、 キナハ・ソコンコと名乗りました」
メキボス「知らねえな。後でロフに聞いてみるか」
アルバーダ「ゼゼーナンとの決戦で、 ゴライクンルの連中は出て来なかったのかよ?」
メキボス「ああ、こっちじゃ見掛けなかった。 ゼゼーナンが劣勢に追い込まれたのを知って 見捨てたか……」
メキボス「最初から助けるつもりがなかったか」
セレーナ「キナハ・ソコンコの行動や言葉から判断すると、 後者っぽいわね」
シュウ「……ゴライクンル傭兵部隊の主力は、 まだ地球圏にいると思っておいた方がいいでしょうね」
メキボス「ああ、情況はゴタついたままだからな…… その隙を突いて、連中が動き出す可能性は高い」
メキボス「例のバリアのせいで地球には降りられねえから、 ターゲットはマオ・インダストリーみてえな 月の兵器開発施設かも知れねえ」
アルバーダ「俺達はマオ社に残っておいた方が良かったな……」
メキボス「いや、またあそこを襲うとは限らん。 俺の艦隊を月に回すか……」
シュウ「止めておいた方がいいでしょう。 ゲストとの戦いが終了したとは言え、 連邦軍とトラブルになる可能性があります」
シュウ「それに……地球での有事に備え、 あなたが提案した通り、艦隊はヘブンゲートに 駐留させておいた方がいいと思いますよ」
メキボス「………」
シュウ「レフィーナ・エンフィールド大佐に訳を話し、 連邦宇宙軍へ警告を出してもらいましょう」
シュウ「それで月の兵器開発施設の守りが固まれば、 ゴライクンルも簡単に手が出せないのでは?」
メキボス「……奴らが持ち込んでいる戦力次第だ」
シュウ「ですが、現状では他に方法がありませんよ」
メキボス「ああ、そうだな……」
ヨン「マスター、私はどうすればよろしいですか?」
メキボス「連邦軍が兵器開発施設の守りを固めるまで 月の上空で待機して、ゴライクンルに備えろ」
メキボス「奴らが動いた場合は、連邦軍に通報するんだ。 決して単独で無茶をするんじゃねえぞ」
ヨン「はい」
メキボス「地球軍の部隊が兵器開発施設に送り込まれたら、 ヘブンゲートへ向かってロフ達と合流しろ」
ヨン「了解です」
メキボス「これからしばらくの間、連絡が取れなくなる。 俺達は地球へ降下するからな」
ヨン「え? ですが、あの光の膜は……」
メキボス「シュウがあれを破る方法を思いついた」
アルバーダ「マジかよ!?」
シュウ「ええ、突破にはかなりのリスクが伴いますが」
アルバーダ「……あんたはゼゼーナンとの決着を付けた。 それで、地上での目的は果たされたんじゃねえか?」
シュウ「いえ、まだ戦わねばならない敵がいます。 地球圏に平穏を取り戻すためにね」
アルバーダ「それが……あんたの本当の目的だと……?」
シュウ「ええ、そうですよ」
アルバーダ「………」
シュウ「信じられませんか、 地上へ出た後の私の行動を見ても……」
アルバーダ「………」
シュウ「フッ……どうやら、結果を出さなければ 信じていただけないようですね」
メキボス「……そろそろ準備を始めなきゃならねえ時間だ。 ガヤト、ヘブンゲートで俺の帰りを待っていてくれ」
ヨン「はい……マスター、どうかご無事で……」

《月軌道外宙域》

[ゴライクンル艦 内部]

キナハ「ナーモ様、ゼゼーナン卿を倒した例の部隊が 地球へ向かったようです」
クェパロク「そうか」
キナハ「今の内に事を成し遂げましょう。 月には蛮奴共の軍勢が残っておりますが、 この艦ならば……」
クェパロク「いや、動かん」
キナハ「何故です?」
クェパロク「ワシは月より、地球に興味がある。 南極の結界、地球を覆う光の膜……あのような物を 造り出すテクノロジーは、高く売れる」
キナハ「仰る通りですが、現状では入手困難かと……」
クェパロク「だからこそ、戦力を温存しておくのだ。 好機は必ず訪れよう」
キナハ「承知致しました」
クェパロク(ゼゼーナンが死んだおかげで、 ワシらは蛮族の成果物を独占できる……)
クェパロク(今頃、本国では騒ぎになっておるだろうが…… ゴライクンルの力と金で何とでもなるわ)

《月近海(ペレグリン)》

[ペレグリン級 ブリッジ]

テリウス「……ゴライクンルは動きを見せないね。 やっぱり、月の防衛隊を警戒しているのかな」
アルバーダ「だといいんだが」
テリウス「もしかして、もう本国へ帰ったんじゃないか?」
セレーナ「それはないと思うけど」
テリウス「はあ……クリストフ達から連絡はないし、 いつまでこうしていなきゃならないんだろう」
アルバーダ「文句を言うな。今は待つしかねえんだからよ」
エルマ「でも、ヒリュウ改は南極の結界への突入を 成功させましたから……もうすぐ何らかの 動きがあるんじゃないでしょうか」
アルバーダ「連中が無事に地上へ降りていたらの話だがな」
(通信)
ヨン「あっ、ヘブンゲートのロフさんから 通信が入りました」
(モニターオン)
ロフ「……ガヤットーバ、地球で動きがあった。 先程、南極の結界が消滅した」
ヨン「えっ!?」
エルマ「もしかして、ルイーナが倒されたから……!?」
アルバーダ「その可能性は高いな。 ロフ、光の膜はどうなっている?」
ロフ「結界消滅後、南極の空を覆い尽くした」
アルバーダ「チッ、地球は封印されたままってことか」
ロフ「また動きがあるかも知れん…… そちらも警戒を怠らないでくれ」
ヨン「わかりました」
ロフ「では、以上だ」
(通信が切れる)
アルバーダ「……光の膜がそのままなら、 鋼龍戦隊の安否はわからねえな」
セレーナ「そうだけど……きっと無事よ。 オペレーション・アイスブレイカーに 参加してるジェルバのみんなもね」
アルバーダ「ああ……。 もうしばらくしてゴライクンルに動きがなかったら、 メキボスに言われた通り、ヘブンゲートへ向かおうぜ」
ヨン「了解です」
アルバーダ「ヨン、コースのセットが終わったら、仮眠を取れ。 ブリッジには俺が詰めておく」
ヨン「で、ですが……」
アルバーダ「この中じゃ、お前が一番働いてるんだ。 今の内に身体を休めておけ」
セレーナ「アルの言う通りよ、ヨン」
ヨン「……わかりました。 では、お言葉に甘えさせていただきます」

《月近海(ペレグリン)》

[ペレグリン級 ブリッジ]

アルバーダ「……ヨンの奴、あれからずっと寝たままだな」
セレーナ「よっぽど疲れてたみたいね」
アルバーダ「そろそろヘブンゲートへ向かおうぜ。 ヨンを起こして……」
(アラート)
アルバーダ「何だ!?」

<月上空にペレグリンがいる>

セレーナ「どうしたの、エルマ!?」
エルマ「ヘブンゲート宙域方面で 大規模な爆発光を確認しました!」
セレーナ「ええっ!?」
アルバーダ「ロフ達に何かあったのか!?」
(アラート)
エルマ「ああっ!  地球方面より巨大な、ビームのような物が来ます!!」
アルバーダ「どこに向かってんだ!?」
エルマ「月です!!」
アルバーダ「何だと!?」
(蒼いビームが月に着弾する)

[ペレグリン級 ブリッジ]

アルバーダ「エル公、ビームの着弾地点は!?」
エルマ「ムーンクレイドルの西、 約50キロメートルの所です!」
セレーナ「そこに何かあるの?」
エルマ「大規模な渓谷がありますが、 人工建造物は存在していません!」
アルバーダ「ムーンクレイドルを狙って、 何らかの理由で外れちまったのか…… そこを狙った意味があるのか……」
セレーナ「ヘブンゲートの方も気になるわ!  エルマ、ロフに通信を入れて!」
エルマ「ラジャ!」
アルバーダ「セレーナ、 俺達は全速でヘブンゲートへ向かうぞ!」
セレーナ「ええ、わかったわ!」

《月軌道外宙域》

[ゴライクンル艦 内部]

キナハ「例の巨大構造物から超高出力ビームが発射され、 ヘブンゲートが損害を被ったようです」
キナハ「また、月面も狙撃されました。 これが現時点で判明しているデータです」
(モニターオン)
クェパロク「ほう……あの光の膜を突き抜けたのか」
キナハ「それについてですが……発射直前、光の膜に 内部から穴が開けられた可能性もあります」
クェパロク「ふむ……攻撃対象から判断して、 蛮奴共の兵器ではないようだが…… 本艦が狙われた場合、防ぐ手立てはあるか?」
キナハ「既に検討済みです。プリズム・リフレクター全基で 密集陣形を取り、さらにバリアを併用すれば、 直撃を受けても耐えられます」
キナハ「ただし、1回目だけですが」
クェパロク「そうか…… 初弾を凌いだ後は、遠くへ転移すべきだな」
キナハ「なお、あの後、砲撃は止まっておりますから…… そう何度も撃てるわけではないようです」
クェパロク「よし……地球へ向かうぞ。 巨大構造物とそのテクノロジーを手に入れる」
キナハ「ですが、現状では高リスクです。 我が方には、あの光の膜を突き破る術がありません」
クェパロク「わかっている。 まず、ヘブンゲート宙域付近へ空間転移し、 様子を見るとしよう」
クェパロク「場合によっては、 そこから主砲を最大出力で撃ち込んでもいい。 何か動きがあるかも知れん」
キナハ「ヘブンゲートには 枢密院から派遣された艦隊がおりますが……」
クェパロク「あのプラントを修理すれば、足場として使える。 また、ゾガルに恩を売るために、 証人を葬っておいた方がよかろう?」
キナハ「なるほど……承知致しました」

<宇宙空間をペレグリンが移動している>

ヨン「アルバーダ少尉、セレーナ少尉、 ロフさんと連絡が取れました」
アルバーダ「無事だったか。悪運の強い野郎だ」
セレーナ「向こうの様子はどうなの?」
ヨン「ヘブンゲートを含め、かなりの損害を受けたようで…… 現在、残存艦を集結中とのことです」
(アラート)
エルマ「7時方向、仰角10に重力震反応!  何者かが転移出現したようです!」
アルバーダ「何だと!?」
セレーナ「映像を出して!」
エルマ「ラジャ!」
(ウユダーロ級制圧砲艦が横切って行く)
テリウス「な、何なんだ、あれは!?」
アルバーダ「戦艦みてえだが…… スペースノア級やアルバトロス級以上の大きさだぜ」
ヨン「あ、あれはウユダーロ級制圧砲艦……!」
セレーナ「ヨンが知ってるってことは、 ゾヴォークの物なのね?」
ヨン「え、ええ……宇宙空間から惑星地表を 砲撃することが出来る超大型砲艦です……!」
アルバーダ「枢密院が送り込んで来たのか?」
ヨン「い、いえ……そのような話は……」

[ヘブンゲート 内部(指令室)]

ロフ「……間違いない。 あのウユダーロ級は、クェパロク・ナーモの 座乗艦メッケンノーザだ」
セティ「ナーモ……ゼゼーナンが懇意にしていた男ね。 何度か交信していたようだけど…… 地球圏に来ていたとはね」
ゼブ「ロフちゃんは、そ~のことを知ってた~の?」
ロフ「いや……」
ゼブ「も~しかして、助けに来てくれたのか~な?」
セティ「だったら、こっちに連絡を入れるでしょ。 そうしないってことは……ナーモは、私達が ゼゼーナンと戦って、倒したことを知っているのよ」
セティ「だから、多分……今回の事件の証人となる私達を 消しに来たんでしょうね」
ゼブ「い~きなり攻撃して来ないのは、 こ~のヘブンゲートを後で使う気な~のか。 さて、ど~する?」
ロフ「本国に戻って、やらねばならないことがある…… だから、ここで死ぬわけにはいかない。 セティ、君との約束を果たすためにも」
セティ「ロフ……」
ロフ「出撃する。そして、必ず生きて帰ろう」
セティ「ええ、もちろん」
(アラート)
ゼブ「……こ~っちの艦に攻撃を仕掛けてき~たか。 じゃ、俺も出撃す~るよ」
ゼブ「……黙って殺されるのは、嫌だからな」


最終話
知られざる決戦

〔戦域:暗礁宙域周辺〕

(西端にウユダーロ級がいて、敵機が出撃済み。 東端に転移したゼラニオを含むゲスト軍の機体が出現直後に攻撃を受け、爆発)
クェパロク「ふふん、他愛ないな」
キナハ「ナーモ様、証人達が現れました」
(東端にオーグバリュー、ゼイドラム、ビュードリファーが出現)
ロフ「セティ、ゼブ、 ターゲットはウユダーロ級、クェパロク・ナーモだ」
セティ「ええ、1点集中突破で行くしかないわね」
クェパロク「グロフィス・ラクレイン……この裏切り者めが。 貴様を拾ってやった恩を忘れたか」
ロフ「傭兵は廃業だ……! 俺達が知り得た事実と共に、 闇に葬り去られるわけにはいかん!」
クェパロク「ふん……このウユダーロ級の力は、 貴様らもよく知っているはずだ。 勝てると思っているのか?」
セティ「知っているだけに、やりようはあるわよ」
(ゼブ機に警告シグナル)
ゼブ「ん? こ~の反応は……」
(北東端で出撃準備)
ヨン「ロフさん!」
ロフ「ガヤットーバ、お前達も出て来たのか」
ヨン「はい。 あのウユダーロ級に乗っているのは、 ゴライクンルの者なのですか?」
ロフ「ああ、クェパロク・ナーモだ」
セティ「あの男に戦闘中止命令を出したって、無駄よ」
ヨン「わかっています……!  実力行使で彼らを阻止します!」
アルバーダ「ああ、あんな連中がうろついていたら、 ゲストとの戦争が蒸し返されかねんしな」
セレーナ「というわけで、加勢するわよ」
ロフ「……すまん」
アルバーダ(情況が情況だ……正直言って、援軍は期待できねえ)
アルバーダ「テリウス、ヤバくなったら、下がれよ」
テリウス「……本当は出撃したくなかったけど、 そうも言ってられないしね。 出来るだけ頑張ってみるよ」
クェパロク「ふん、蛮奴め…… グロフィス・ラクレイン達もろとも 始末してくれるわ」
(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「セレーナさん、地球方面で高エネルギー反応が!  例の巨大構造物辺りからです!」
セレーナ「何が起きたの!?」
エルマ「あの光の膜が消えていきます!」
アルバーダ「マジかよ、そいつぁ!?」
エルマ「はい、地球が元の色に戻りつつあります!」
セレーナ「ゆっくり見たいけど、今はそれどころじゃないわ!  あの砲艦を何とかしないとね!」
キナハ「ナーモ様、地球が……!」
クェパロク「わかっている。 情況が落ち着くまで、様子を見る。 今は奴らの処分を優先させるぞ」
キナハ「はっ」
アルバーダ「光の膜が消えたんだ、地球へ帰れるかも知れん…… ここでやられるわけにはいかねえぜ!」
セレーナ「了解! 行くわよ、エルマ!」
エルマ「ラジャ!」
(作戦目的表示)

〈5PP〉

(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「あっ、この反応は!!」
セレーナ「どうしたの、エルマ?」
エルマ「グランゾンです!  シラカワ博士達が来てくれました!」
アルバーダ「何っ!?」
(北端にグランゾン、ウィーゾル、ノルス・レイが出現)
シュウ「取り込み中のようですね、アルバーダ」
アルバーダ「シュウ……サフィーネに王女さんも…… 無事だったか……!」
サフィーネ「ま、色々と大変だったけどね」
モニカ「ええ……」
セレーナ「もしかして、 光の膜が消えたきっかけを作ったのは……」
サフィーネ「そう、私達と鋼龍戦隊よ」
テリウス「いったい、何があったんだ……?」
サフィーネ「説明すると長くなるわよ、かなりね」
ヨン「あ、あの、マスターは…… マスターはご無事なんでしょうか……!?」
シュウ「ええ。彼は今、鋼龍戦隊と共にいます」
ヨン「ああ……良かった……!」
アルバーダ「じゃあ、シュウ……あんたは何でここに?」
シュウ「必ず戻ると言ったでしょう?」
アルバーダ「だったら、テリウスに連絡して、 さっさとラ・ギアスへ帰ることも出来たはずだ」
シュウ「………」
シュウ「……ヨン、彼らはゴライクンルの者ですね?」
ヨン「はい、指揮官はクェパロク・ナーモという男です」
チカ「クェ、ケパロ……言いにくい名前だなー、もぅ」
シュウ「……アルバーダ、クェパロク・ナーモは 地球上空に出現した物体に興味を示し、 手に入れようとするでしょう」
シュウ「私は、それを阻止するためにここへ来たのです」
アルバーダ「物体って、何なんだ?」
シュウ「あなたが知る必要はありませんが…… どうしてもと言うのなら、 後で鋼龍戦隊に聞いて下さい」
アルバーダ「………」
キナハ「ナーモ様、例の巨大構造物が消えています!  その代わりに……」
クェパロク「うむ、こちらも拡大映像で確認した。 何だ、この大きなリングは……!?」
キナハ「人工物のようですが……」
クェパロク「興味深いな。行って、確かめるとしよう」
シュウ「あれは、あなた達の手に負える物ではありませんよ」
クェパロク「ふっ、ますます興味が湧いたわ。 あのリングは、雇い主への極上の土産となろう」
クェパロク「だが、その前に……貴様の機体を手に入れる」
シュウ「陰謀の証拠を押さえるというわけですか」
クェパロク「ふん……ゼゼーナンの件でゾガルはともかく、 ゴライクンルを糾弾できる者はおらぬ」
ヨン「そんなことはありません! 枢密院の中には、 あなた達のやり方をよしとしていない人達がいます!  必ず本格的な追及が……」
クェパロク「その者達が何をしようと、ゴライクンルは揺るがんわ」
シュウ「……あなた達は、 ゼゼーナンの密謀に荷担していたのですね」
クェパロク「貴様に事実を知られた所で、憂いはない」
シュウ「ほう……」
クェパロク「そして、ワシらは雇い主の利益のために動く。 グランゾンの入手もその一環だ」
クェパロク「また、ここで裏切り者共を抹殺しておけば、 ゾガルに恩を売ることが出来る。それで奴らに対する ゴライクンルの影響力が、さらに増す」
シュウ「なるほど……複数の目的を一気に果たすと?」
クェパロク「そうだ」
シュウ「……この戦いを長引かせるつもりはありません。 それに、今の鋼龍戦隊にはここへ来て、 戦う力が残っていませんから……」
シュウ「切り札を使うことにしましょうか」
チカ「あ、ご主人様、もしかして……!」
シュウ「クェパロク・ナーモ、あなたにお見せしましょう…… グランゾンの真の姿を」
シュウ「マハーカーラ、解放…… オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ」
(グランゾンが黒い煙のようなものに包まれ、スパークを発した後、ネオ・グランゾンが出現)
キナハ「あ、あれは!?」
シュウ「これがネオ・グランゾンです。 あなた達にもう勝ち目はなくなりました」
クェパロク「ふん、土産の価値が上がったわ。 是が非でも手に入れてやる」
シュウ「フッ、あなたが得る物などありませんよ」
クェパロク「ほざくな。 ゼゼーナンやハバーデと同じ轍は踏まぬぞ」
ヨン「ハバーデ……!?」
シュウ「何者か知りませんが…… あなたをゼゼーナンと同じ所へ送って差し上げますよ」
ヨン「シラカワ博士、クェパロク・ナーモを 捕らえて尋問をする必要が……!」
シュウ「……彼の口振りから判断すれば、ゾヴォーク本国での 根回しは既に進んでいるようです」
シュウ「下手をすれば、あなたとメキボスの方が 窮地に追い込まれかねませんよ」
ヨン「だからと言って……!」
シュウ「……ここで彼らを確実に排除しなければ、 鋼龍戦隊に累が及ぶことになります」
シュウ「メキボスに万一のことがあれば、 地球とゾヴォークの関係が悪化しますよ」
ヨン「……!」
シュウ「何より、クェパロク・ナーモはゼゼーナンの共謀者…… 私を欺き、利用した者の一人です。 許すわけにはいきませんね」
ヨン「で、ですが……!」
シュウ「どうしても承服しかねるのであれば、 私を実力で止めるしかありませんよ。 あなたにそれが出来ますか?」
ヨン「う……!」
サフィーネ「ヨン、シュウ様の仰ることに従った方がいいわよ。 この情況を何とかしたかったらね」
ヨン「わ……わかりました……!」
シュウ「では……戦争の残り火を消すとしましょうか」

〈vs キナハ〉

[シュウ]

キナハ「その機体……必ず本国へ持ち帰ります」
シュウ「フッ……このネオ・グランゾンは、 あなた達が好きに出来る物ではないのです」
キナハ「いえ、後でゆっくり時間を掛けて 解析してみせますよ」
シュウ「私の協力なくしては不可能です。 もっとも、あなた達に和協する気などありませんが」

[サフィーネ]

サフィーネ「ガンエデンに比べたら、 あんたなんて大したことないわよ」
キナハ「ガンエデン……? 何です、それは?」
サフィーネ「知る必要はないわよ。 あんたはここで終わるんだから」

[モニカ]

モニカ「あの激戦の後ですが、 シュウ様の御為に力を振り絞られます」
キナハ「……君達は、いったい何と戦っていたのです?」
モニカ「とても一言では言い表せませんわ」

[テリウス]

テリウス「これで最後だからね……陽動ぐらいはやるよ」
キナハ「確かに最後ですね。君はここで死ぬのですから」
テリウス(でも、僕の機体を手に入れるつもりなんだろ…… 隙は出来るはずさ)

[アルバーダ]

キナハ「目障りな蛮奴は早急に排除せねば。 まだまだ仕事が残っていますからね」
アルバーダ「何を言ってやがる!  てめえのビジネスは、ここで終わるんだよ!」

[セレーナ]

キナハ「さて、前回の借りを返すとしましょうか」
セレーナ「今回は大損するどころじゃ済まないよ!」

[ヨン]

キナハ「事の真相は闇に葬り去られることになります。 そう、君は知られざる決戦で死ぬのですよ」
ヨン「ゴライクンルには屈しない!  この戦いを制して、それを証明してみせる!」

[ロフ]

キナハ「グロフィス・ラクレイン…… 裏切り者、そして陰謀の真相を知ってしまった 部外者の末路は決まっていますよ」
ロフ「俺は責任を取り、 相応の罰を受けなければならない……!」
ロフ「だが、それは今という時ではない!」

[ゼブ]

ゼブ「あ~んた達の思いど~りにはい~かないよ。 地球人が絡むと、特に~ね」
キナハ「ふっ、実感がこもった台詞ですね」

[セティ]

キナハ「君達に生きて本国に帰ってもらっては困るんですよ。 私達ではなく、ゾガルがね」
セティ「責任を取る人間は必要でしょ!  恩の押し売りのために殺されてたまるものですか!」

〈vs クェパロク〉

[シュウ]

クェパロク「シュウ・シラカワ…… 貴様を殺し、ネオ・グランゾンを我が物とする」
シュウ「その欲があなたの命取りになるのです」
クェパロク「戯言を。ワシのメッケンノーザに敵うと思うな」
シュウ「フッ……過信もあなたの敗因の一つとなりますよ」

[サフィーネ]

サフィーネ「アダマトロンに比べたら、 あんたなんて大したことないわよ」
クェパロク「何だ、それは?  もしや、あの巨大なリングと関係があるのか?」
サフィーネ「それは、あんたがあの世に行ったらわかるかもね」

[モニカ]

クェパロク「貧弱な魔装機など必要ない。 ワシは魔装機神が欲しいのだ」
モニカ「私達があなたの前にいる限り、 そんなことは出来ませんわよ!」

[テリウス]

テリウス「他の敵はともかく、 あいつと戦う気はなかったんだけど…… しょうがないな」
クェパロク「生半な覚悟でメッケンノーザとの戦いに臨むとは…… 愚か者め、命乞いなど通用せぬぞ」

[アルバーダ]

クェパロク「このメッケンノーザに挑むとは…… 地球の蛮奴はつくづく愚かだな」
アルバーダ「火事場泥棒の分際で、 偉そうなことを言うんじゃねえ!  ここできっちり叩き潰してやるぜ!」

[セレーナ]

クェパロク「いずれ、ゴライクンルの力を以て 枢密院の決定を覆すことも出来よう。さすれば、 地球そのものを手に入れることも夢ではない」
セレーナ「この戦いにも私達の世界の命運が懸かってる…… あんたみたいな身勝手で強欲な奴に 負けるわけにはいかないのよ!」

[ヨン]

クェパロク「ふん……ワシを討つ気か、小娘」
ヨン「あなたが先へ進むと言うのなら、やむを得ない……!」
ヨン「地球人との戦争は、もう終わったのよ!  事態を悪化させないために、あなたを食い止める!」

[ロフ]

クェパロク「恩知らずめ、消え失せろ。 貴様が知った事実と共にな」
ロフ「クェパロク・ナーモ!  お前を倒すことに躊躇いはない!」

[ゼブ]

ゼブ「や~れやれ、 あの艦とやり合うこ~とにな~るなんてね」
クェパロク「ワシのメッケンノーザは各部を強化してある。 貴様が知るウユダーロ級とは一味違うぞ」

[セティ]

クェパロク「貴様の任務はワシが引き継いでやる。 安心して、あの世へ行けい」
セティ「それはこっちの台詞!  ゼゼーナンがあなたを待ってるわよ!」

状況選択

ウユダーロ級制圧砲艦を最後に撃墜した
ウユダーロ級制圧砲艦撃墜時にキナハ機が健在だった
ウユダーロ級制圧砲艦撃墜時にキナハ機以外の敵機が健在だった


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