back index next


レンカウンター ~ 第14話 ~

<ネオ・グランゾンとウィーゾル以外の味方機が平原を疾走>

アルバーダ「おいおい……マジかよ、その話」
シュウ「ええ」
モニカ「あの子ったら……相変わらずなんだから」
セレーナ「こっちはようやく追っ手を振り切ったってのに…… 無駄足だったってわけ?」
シュウ「いえ、結果が出るのが少々遅れるだけですよ」
ガエン「確証はあるのか?」
シュウ「手応えはありました。 あともう一押しか、二押しと言った所ですね」
アルバーダ「それを待つってのかよ。随分と優しいんだな」
シュウ「モニカと同じく、 自分の意志で決断することが肝要ですからね」
ガエン「もう一押しと言ったが、 具体的にはどうするつもりなのだ?」
シュウ「テリウスはザイア市方面へ向かっていますが、 いずれカークス将軍の下へ連れて行かれるでしょう。 しばらくの間は彼の様子を見ることにします」
ヨン「……もしかして、シラカワ博士は テリウス王子の後を追っているんですか?」
シュウ「ええ」
モニカ「では、私達も合流致しますわ」
シュウ「先へ進めば、カークス軍の勢力圏内に入りますし、 フェイル軍とも遭遇する可能性があります。 目立たぬように行動しなければなりません」
シュウ「ですから、テリウスは私とサフィーネで追跡します」
モニカ「そんな……。 私も行って、テリウスを説得されていただきます」
シュウ「今、そちらと合流している時間はありません。 あなた達はアジトへ戻って下さい。それでは」
(通信が切れる)
モニカ「あっ、シュウ様……」
アルバーダ「奴を追いかけるかい、王女様?」
モニカ「そうしたいのは山々ですが、 シュウ様のお言いつけですから……」
アルバーダ「王女様が自分で決断するなら、 俺とセレーナは付き合ってやるぜ。 こっちとしても、何かあったら困るからな」
モニカ「……あなたもシュウ様のことを 心配しておられるのですね」
アルバーダ(どっちかって言うと、その逆に近いがな……)
セレーナ「………」
モニカ「わかりました。私はシュウ様の後を追います」
アルバーダ「いい返事だ。ガエン、ヨン、異論はあるか?」
ガエン「いや、俺も行こう」
ガエン(俺の目が届かぬ所で 何か企んでいるかも知れんからな……)
ヨン「私も同行します」
セレーナ「じゃ、満場一致ってことね」
アルバーダ「よし……じゃあ、ザイア市に向かうぞ」

《神聖ラングラン王国 ザボール州 ザイア市》

[カークス軍 ソディウム級移動要塞 ブリッジ]

ラテル「殿下、これよりこの移動要塞にて カークス将軍の下へお連れ致します」
テリウス「もう移動か……。 あと一日ぐらい、ゆっくり休ませて欲しいよ」
ミラ「そんな余裕はありません。 ザイア市へ来る前にシュテドニアス軍の襲撃を 受けたことをお忘れですか?」
テリウス「でも、ヤンロン達のおかげで何とかなったじゃないか」
ミラ「そういう意味ではありません。 クサカ市にいた時も、アクロス少佐達が クリストフの一味と思われる者と交戦しています」
テリウス「………」
ミラ「彼らの狙いが殿下だった可能性もあります。 幸い、グランゾンとウィーゾルは 野営地に現れませんでしたが」
テリウス「……だから?」
ミラ「御身を狙ってくる者が多いということです。 なので、一刻も早くカークス将軍の所へ 赴く必要があるのです」
テリウス「狙っているというのなら、カークスもそうだろ?  急がなければならない本当の理由は……」
テリウス「フェイル兄さんが王都奪還作戦を遂行中か、 もう奪還に成功したからじゃないか?」
テリウス「カークスは、兄さんに手柄を挙げられ過ぎると 都合が悪いんだ。だから、僕の存在を必要としている。 飾り物としての僕をね。違うかい?」
ミラ「その件に関しましては、 私の口から申し上げることは出来ません」
テリウス「……そうかい。 カークスの所へ無事に辿り着けることを祈るよ」
ラテル「他部隊にも殿下の護衛を要請しております。 途中で一度停泊し、彼らと合流致します」
テリウス「わかった。僕は、この移動要塞の中で 大人しくしてりゃいいんだろ」
ラテル「御意」
テリウス(……このままだと、僕は……)


第14話
レンカウンター

〔戦域:草原周辺〕

(北西端にネオ・グランゾンがいる)
チカ「……あ~、暇ですねぇ。 いつまでここにいなきゃならないんでしょうか」
シュウ「………」
チカ「もう丸一日止まったままですよ。 あいつら、急いでるんだか、急いでないんだか どっちなんですかねぇ」
シュウ「テリウスの身に何かあれば、 カークスの目論見は崩れ去りますからね。 急ぎつつも、慎重を期しているのでしょう」
チカ「だけど、じっとしたままってのも 問題じゃないですか?」
シュウ「最後の魔装機部隊が移動要塞へ向かってから、 3時間ほど経っています」
シュウ「これまでに比べて間隔が空いてますから、 合流は終了したのかも知れません。 彼らはもうすぐ動くと思いますよ」
チカ「ホントですか?  ……あっ、サフィーネ様が戻って来られました」
(ネオ・グランゾンの南側にウィーゾルが出現)
サフィーネ「シュウ様、ソディウム級が動くようですわ」
シュウ「わかりました。では、私達も行きましょうか」
(ネオ・グランゾンに警告シグナル)
チカ「ご主人様、精霊レーダーに反応が!  魔装機の集団です!」
シュウ「どこに向かっています?」
チカ「移動要塞の方に……あっ、転進しました!  こっちに来ますよ!」
シュウ「合流する部隊がまだいましたか。 こちらが動き出すタイミングと同時に現れるとは…… 運が悪かったですね」
サフィーネ「これで、シュウ様と私が追っていることを 敵に知られてしまいましたわね」
シュウ「その方が、かえっていいかも知れませんよ。 カークス達の動きに捲きが入るでしょうから」
サフィーネ「それがさらなる混乱を呼ぶ、と?」
シュウ「そうです」
(東側にカークス軍が出現)
兵士「こんな所にグランゾンが! アクロス隊に報告!  各機、攻撃を開始しろ!」
(ネオ・グランゾンとウィーゾルの傍に爆煙)
チカ「わっ、撃ってきましたよ!」
シュウ「サフィーネ、あまり時間は掛けられません。 テリウスを見失うわけにはいきませんからね。 敵の陣形を一気に崩し、突破します」
サフィーネ「わかりましたわ」
(作戦目的表示)

〈5PP〉

シュウ「あと2分ですよ、サフィーネ」
サフィーネ「わかりましたわ、シュウ様」

〈6PP〉

シュウ「あと1分ですね。急いで突破しましょう」
サフィーネ「はい、シュウ様」

状況選択

敵機全滅させた
敵機を25機以上撃墜した


back index next