シュウ「見た所、イスルギ製の機体のようですが……
私のネオ・グランゾンを倒すことは出来ませんよ」
アラセリ「ふん、慧眼だな。
それに、貴様を倒さずとも交戦データが
取れればいいのだよ」
アラセリ「ほう、面妖な機体だな。
非人間型機動兵器との交戦データが取れる」
サフィーネ「ふふふ、私の魅力も教えてあげるわよ」
アラセリ「ガディフォールか……交戦データは既に取得済みだ。
お前に用はない」
ガエン「奇遇だな。それはこちらも同じだ」
アルバーダ「てめえ、
ノイエDCの残党ってわけじゃなさそうだな」
アラセリ「何故、そんなことがわかる?」
アルバーダ「連中特有の匂いがしねえからさ」
アラセリ「ほう……連邦の犬は鼻が利くのだな」
アルバーダ「てめえも犬だろうが。ただし、戦争商人のな」
アラセリ(フッ、確かにいい鼻だ)
アラセリ「ふん……
私に告死鳥の鳴き声は聞こえなかったがな」
セレーナ「それより、あんた達はノイエDCの残党?
それとも、GSかしら?」
アラセリ「そのどちらでもないと言ったら、どうする?」
セレーナ「どうもしないわ。
邪魔をするなら、容赦しない……それだけよ」
アラセリ「ラングランやシュテドニアスではなく、
シュウ・シラカワに与するとは、物好きだな」
ヨン(初めてみる機体……データを取っておかないと!)
アラセリ「くっ、目的は果たした。
データを持ち帰らねばならんのでな……後退する」
(アラセリ機が撤退)
チカ「ご主人様、敵機は全部いなくなりましたよ」
シュウ「わかりました。
近い内に王都周辺は戦場となるでしょう。
早くこのラングラン州から離れた方がいいですね」
アルバーダ「戦場って……今更の話じゃねえか」
シュウ「そうですが……先程、私が遭遇した鋼龍戦隊の中に、
マサキのサイバスターとガッデスがいました」
アルバーダ「!」
ガエン「ガッデス……水の魔装機神か」
シュウ「そうです」
アルバーダ(こいつ、サイバスターと鋼龍戦隊のことを
思い出したのか……?)
シュウ「おそらく、彼らはフェイル軍に合流するでしょう。
また、先程の者達はカークス軍の強行偵察部隊だと
思われます」
ガエン「シュテドニアス軍とフェイル軍の
動向を探っていたのかも知れんな……」
シュウ「ええ。フェイル軍は王都奪還を画策し、
本格的に進攻するつもりだと見て間違いありません」
ガエン「ならば、お前が言った通り、
巻き込まれぬ内にここから立ち去るべきだな」
シュウ「鋼龍戦隊との再接触も避けたい所ですしね。
では、行きましょうか」
アルバーダ「………」
セレーナ「ふーっ、やっと一息つけるわね。
今回は色々と肝を冷やしたわよ。
特に鋼龍戦隊とのニアミスが」
ヨン「……お二方ほどのパイロットでも、そうなのですか」
セレーナ「万一、彼らを敵に回したらの話よ。
何たって、エアロゲイターやインスペクターの
親玉と渡り合った連中だし」
ヨン「………」
サフィーネ「そんなことより、シュウ様は!?
まだ降りてきていらっしゃらないの!?」
エルマ「あ、来たみたいですよ」
(足音)
モニカ「皆様、モニカ・グラニア・ビルセイアです」
ガエン「………」
セレーナ「ふ~ん、実際に会ってみれば……
エルマも納得のお姫様じゃない?」
エルマ「は、はい……!
ボクの持ってるデータにばっちり合致です!」
モニカ「この度は、皆様のご尽力のおかげで虜囚の身から
解放されました。厚く御礼申し上げられますわ」
セレーナ「上げられますわ?」
シュウ「……モニカ、言葉遣いがおかしいですよ」
サフィーネ「シュウ様!
モニカに変なことをされませんでしたか!?」
シュウ「いきなり何です?」
モニカ「変なことをしたいのは、
サフィーネさん……あなたの方でしょう?」
サフィーネ「あーら、いい度胸じゃないの!」
セレーナ(火花、ますます散ってるわねぇ)
アルバーダ「それより、シュウ……記憶がだいぶ戻ったみてえだな」
シュウ「ええ……
マサキとの接触がきっかけとなったようです」
アルバーダ「……地上でのことも全て……全て思い出したか?」
シュウ「まだそうだとは言い切れませんが……それが何か?」
アルバーダ「いや……いいんだ。気にするな」
シュウ「………」
セレーナ(アル……)