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蒼き魔神、再び ~ 第1話 ~

<ネオ・グランゾンをディスカッターで貫いているサイバスター>

シュウ「く……うう……!」
マサキ「……終わりだ、シュウ!!」
シュウ「み……見事です……。 このネオ・グランゾンを倒すとは……」
シュウ「これで……私も悔いはありません……。 戦えるだけ戦いました……」
シュウ「全てのものは……いつかは滅ぶ……。 今度は私の番であった……それだけのことです……」
マサキ「シュウ……!」
シュウ「これで私も…… 全ての鎖から……解き放たれることが……」
シュウ「出来……まし……た……」
(ネオ・グランゾンから光りがあふれる。閃光)

〔戦域:セブンゲート〕

(スパークしているネオ・グランゾンの傍にサイバスターがいる。 サイバスターの後ろにヴァルシオーネやヒリュウ改などがいる。 隣接していたサイバスターが少し離れるとネオ・グランゾンが爆発)
マサキ「………」
マサキ「こ、これで……終わった……」
マサキ「……だけど……だけど……」
マサキ「シュウ…… 馬鹿な……奴だったぜ………くそっ!」

その報告書は、あまりにも膨大な量だった。 要約するとこうなる。

軍事結社ディバイン・クルセイダーズによる反乱、 通称『DC戦争』……異星人や化け物達と戦った 『L5戦役』、『インスペクター事件』……

後に『修羅の乱』と呼ばれる戦い……私達の部隊も それに参加したけど、幕を引いたのは地球連邦軍屈指の 特殊戦隊……後の『鋼龍戦隊』だった。

彼らは修羅の首魁だけでなく、 突如自分達に牙を剥いたシュウ・シラカワも倒した。

そう、かつてディバイン・クルセイダーズに荷担し、 異星人との戦争のきっかけを作り、 その後も暗躍を続けたシュウ・シラカワは死んだ。

でも、地球連邦政府や地球連邦軍のお偉方達は、 そのことを信じなかった。

何故かって?  

それは、シュウの搭乗機であるネオ・グランゾンの 残骸が一切発見されなかったから。

そして、お偉方達はある命令を下した。

ネオ・グランゾンの残骸を見つけ出し、 シュウ・シラカワが死んだ証拠を示せ。

そのために捜索チームが組まれ、私達の部隊が 万一の事態に備えて、彼らを護衛することになった。

任務の名は、『ミッション・デビル』。

お偉方にとって、暗躍を続けたシュウ・シラカワは よほど厄介か、恐ろしい存在らしい。

そして、捜索チームと私達の部隊は宇宙に赴き、 ネオ・グランゾンの残骸探しを始めた。

でも、何日経ってもめぼしい物は見つからず…… バレンシアの青い海が懐かしくなってきた頃、 事件が起きた。

補給のため、母艦に戻ろうとした私と同僚のアルバーダは、 突如底知れぬ淵の中へ引きずり込まれるような感覚に 襲われた…………。

SUPER ROBOT WARS OG

DARK PRISON

自由であるとは、
自由であるように呪われていることである。

--J・P・サルトル

彼の意識は、闇の一部と化していた。

彼はうねり、蠢き、彼の意識を呑み込もうとする  巨大な存在に対し、懸命に戦っていた。

久遠とも、一瞬とも思える時が過ぎ、 彼の意識が一筋の光を捉えた。

そして……彼は甦った。

<シュウの蘇生術儀式>

(浮かんでいるシュウの胸に光が不定期に集まる)

《シュテドニアス連合国領内 ヴォルクルス神殿》

[ヴォルクルス神殿 内部]

???(ルオゾール)「……お目覚めになりましたかな、シュウ様?」
シュウ「……ル……ルオゾール?」
ルオゾール「左様、私めにございます」
シュウ「……私は……くっ……」
ルオゾール「おお、そのまま、そのまま。 まだ体力が完全ではございませぬ。 無理はなさいませぬよう」
シュウ「私は……私の名は……シュウ……シュウ・シラカワ。 そして、あなたはルオゾール…… ルオゾール・ゾラン・ロイエル……」
シュウ「しかし……何故、私はここに……?  ここはどこです?」
ルオゾール「ふむ、記憶に混乱が……無理もございませぬ。 あなた様は、一度死んでおられるのですからな」
シュウ「……死んだ……私が……?」
ルオゾール「はい。その後、私めが蘇生術にて、 御魂を現世に呼び戻したのですが…… 全てが以前のままというわけではありませぬ」
シュウ「………」
ルオゾール「ですが、ここはラ・ギアスの我らが神殿の中。 ご心配には及びませぬ」
シュウ「神殿…… ヴォルクルス……様の……ですか?」
ルオゾール「左様で」
シュウ「しかし……思い出せません……。 何か重大なことがあったのですが……」
ルオゾール「時が経てば、自然にご記憶が戻ることでしょう。 今はごゆっくりお休み下さい」
(足音・ルオゾールが立ち去る)
シュウ「………」

[ヴォルクルス神殿 内部]

サティルス「……貴公の保険が功を奏したな」
ルオゾール「うむ……よもやシュウ様のお体で 研究中の蘇生術を試すことになろうとは」
サティルス「やむを得ぬことだ。 クリストフ殿を失えば、貴公の計画にも 障害が出よう」
サティルス「あのお方も、そのようなことは望んでおられぬ」
ルオゾール「………」
サティルス「それにしても……ヴォルクルス様の冥助を受け、 力を解放したグランゾンが敗れるとは」
ルオゾール「……現状のサイバスターとその操者の力で、 ネオ・グランゾンを倒せるとは思えぬ」
サティルス「では、何故?」
ルオゾール地上人が荷担した故か、あるいは……」
サティルス「……クリストフ殿にも一因があると?」
ルオゾール「かも知れぬ」
サティルス「だが、ヴォルクルス様と契約を結んでいる以上、 背くことなど不可能」
サティルス「それに、クリストフ殿の肉体だけでなく、 グランゾンまで復元できたのは…… 貴公にとって僥倖だったのであろう?」
ルオゾール「……その通りだ」
サティルス「ならば、今回の結果はヴォルクルス様の お力と覊絏あってのこと……」
サティルス「そして、貴公がクリストフ殿と共に進めていた計画…… それが、最も確実な方法である証やも知れぬ」
ルオゾール「それは、あのお方のお考えか?」
サティルス「うむ。事を先に進めよ、と。 また、直参を遣わされた」
サティルス「まもなく、そちらへ到着しよう。 クリストフ殿に同行させよとのことだ」
ルオゾール「何者だ?」
サティルス「私は会ったことがないが…… 武術、そして靈装機魔装機の扱いに長けた男で、 名をガエンという」
ルオゾール「ガエン……神話に登場する裁きの神か」
サティルス「おそらく、真の名ではなかろう」
ルオゾール「他の大司教の横槍ではあるまいな?」
サティルス「いや、あのお方のご意志だ」
ルオゾール(ならば、監視役か……)
サティルス「それに……私はともかく、他の大司教は貴公の計画に 難があると考え、失敗すると踏んでおるようだ」
サティルスシュテドニアス連合の侵攻により、 神聖ラングラン王国が混乱しているとは言え……」
サティルス「その王族を利用して儀式を執り行うなど、 いかばかりの難儀となることか」
ルオゾール「だからこそ他でもない、 シュウ様のお力が必要なのだ」
ルオゾール「他の大司教達が静観するつもりであれば、 それはかえって好都合というもの。 邪魔をされずに済むのでな」
サティルス「私は貴公の成功を祈っておる。 こちらのことは任せよ」
ルオゾール「うむ。 長年の悲願……ヴォルクルス様の完全なる復活を 成し遂げようぞ」

[ヴォルクルス神殿 内部]

(扉が開閉する)
ルオゾール「……ご加減はいかがですかな、シュウ様」
シュウ「悪くありませんね。 衰えていた体力も元に戻りつつありますし」
ルオゾール「それは何より。 では、そろそろ例の計画を 実行に移すべきかと思いますが」
シュウ「例の計画……?  すみませんが、説明していただけませんか?  まだ記憶が完全ではないようですので」
ルオゾール「おお、これは失礼致しました。 ラ・ギアス各地に眠っておられるヴォルクルス様の 分身を実体化させる計画でございます」
ルオゾール「これが成就すれば、世界は破壊と混乱に彩られ、 ヴォルクルス様の真の復活も容易くなります」
シュウ「そうですか、ヴォルクルス様が……。 それはまったくもって楽しみなことです」
ルオゾール「私はソラティス神殿に赴き、 計画の障害となる大神官イブンを始末して参ります」
ルオゾール「シュウ様は、モニカ様を我らの下へお連れ下さいませ。 復活の儀には、王族の生け贄が必要不可欠ですので」
シュウ「モニカ……」
ルオゾール「……詳しいことは、あなた様の使い魔にお聞き下さい。 記憶の欠けた部分を補ってくれるはずです」
(鳥の羽音)
チカ「お久しぶりです、ご主人様!  一時はどうなることかと思いましたよ!」
チカ「ラスボスになって倒されちゃったら、 普通はそこでお役御免ですからね。 下手をすると再生何とかで……あら?」
シュウ「………」
チカ「な、何ですか、その冷たい視線は?  あたしのことも忘れちゃったんですか?」
チカ「そりゃないですよ!  ただでさえ、ご主人様が地上へ行かれる時は 置いてきぼりにされたってのに!」
シュウ(地上……)
チカ「あ、そうだ!  ご主人様、こないだお貸しした1000クレジット、 返していただけませんか?」
ルオゾール「チカ、いい加減にせんか。 ……シュウ様、私は同行致しませんが、 代わりに……」
(扉が開閉する)
ガエン「………」
ルオゾール「ヴォルクルス教団本部から派遣された このガエンが、あなた様のお力になりましょうぞ」
ガエン「お前がクリストフ…… クリストフ・ゼオ・ヴォルクルスか」
シュウ「その名ではなく、シュウ・シラカワと 呼んでいただきましょうか」
ガエン「ふん、偽名を?」
シュウ「偽りではありませんよ。あなたと違ってね」
ガエン「貴様……」
ルオゾール「ガエン、大司教であるシュウ様に 不遜な物言いをするでない」
ガエン「俺の主は、ただ一人。 その勅諚に従い、貴様らに力を貸すが…… 敬えとは言われていない」
ルオゾール「何……?」
シュウ「言葉遣いぐらい構いませんよ、ルオゾール」
ルオゾール「はっ……。 ところで、サフィーネにあなた様と合流するよう 命じておきました。直に馳せ参じるかと」
シュウ「サフィーネ……?」
ルオゾール「我らの配下で、一言では言い表しにくい者ですが…… 直接お会いになれば、思い出されるでしょう」
チカ(今のご主人様とサフィーネ様を会わせたくないなぁ…… 何を吹き込まれるか、わかったもんじゃないし)
ルオゾール「では、シュウ様……」
シュウ「わかりました。 行きましょう、チカ、ガエン」
チカ「はい、ご主人様」
ガエン「……承知した」

〔戦域:渓谷付近〕

(北にグランゾンとガディフォールが出現し、少し南下する)
チカ「……どうですか、ご主人様?」
シュウ「このグランゾンに乗って、 思い出したことがいくつかありましたよ」
シュウカバラの稼働率は約60%…… サブのロジック・サーキットが補うとしても、 一部の武装や機能が使えませんね」
チカ「ええ、どうやってルオゾール様が グランゾンを復元したかわかりませんけど…… 本調子じゃないのは確かです」
チカ「でも、ご主人様…… そのご様子だと、機体の扱いは大丈夫そうですね」
シュウ「ええ、戦闘もこなせるでしょう」
チカ「だけど、ご主人様が亡くなられたと 聞いた時は心臓が止まりましたよ。 いえ、例えじゃなくてホントにです」
チカ「だって、ご主人様に何かあったら、 その無意識から切り取られたあたしも 死んじゃいますからね」
チカ「でも、こうやって無事に甦られたんで、 あたし、ホントに嬉しいんですよ」
シュウ「……よく喋りますね、あなたは」
チカ「そうですか?  ところで、あのガエンって奴…… 生意気だし、胡散臭いですよね」
チカ「しかも、ガディフォールなんかに乗っていて…… ここはシュテドニアスの領内ですから、 見つかったら問答無用で攻撃されちゃいますよ」
シュウ「どのみち、私達の味方など ほとんどいないのでしょう?」
チカ「まあ、そうですね。 ラングランに行ったら、目の敵にされるでしょうし」
シュウ「ラングラン……」
チカ「正しくは、神聖ラングラン王国ですけどね」
シュウ「王国……王女…… もしや、モニカという人物はそこに?」
チカ「ええ。 でも、シュテドニアス軍の侵攻を受け、 今、ラングランの王都は占領されてます」
シュウ(シュテドニアス……侵攻……)
チカ「多分、モニカ王女は 王都辺りにいらっしゃると思いますよ」
シュウ「では……ラングランだけでなく、 シュテドニアスの者達の目をかいくぐって、 王女を連れ出さねばならないのですか」
チカ「そう、割と面倒なんですよね。 でも、ラングランのカークス将軍が、部隊をまとめて シュテドニアス軍に抵抗しているようですから……」
チカ「王都奪還作戦なんかが始まれば、混乱に乗じて 事を上手く進められるかも」
チカ「あ、そうそう、知ってました?  モニカ王女、どうもご主人様に 気があるみたいなんですよね」
チカ「ほら、王女って、昔から面食いでしたから……」
シュウ「お喋りはそこまでにしましょう。 どうやら、前方で戦闘が行われているようです」
チカ「え!? あっ、あっ、すみません!  気づきませんでした!」
チカ「この反応はシュテドニアスの魔装機と……あれ?  そうじゃないのが2体いますよ」
チカ「ふむふむ、グランゾンのデータベースに 記録されてますね。パーソナルトルーパー、 量産型ゲシュペンストMk-II改と……」
チカ「もう1機はデータがありませんが、 ゲシュペンストの系列機みたいですね」
シュウ「ゲシュペンスト……」
チカ「地上の機体ですよ。覚えてないんですか?」
シュウ「何故、それがこのラ・ギアスにいるのです?」
チカ「えーっと、説明すると長くなるんですが……」
シュウ「では、後で聞きましょう」
(グランゾンが少し南へ移動する)
ガエン「待て、シュウ。 その先には、シュテドニアス軍の魔装機がいる」
シュウ「わかっています。 リハビリですよ、私とグランゾンのね」
ガエン「馬鹿な。奴らに我らの動きを知られるぞ」
シュウ「遅かれ早かれ、気づかれますよ。 気が進まなければ、あなたはそこで待っていて 下さって結構です」
(グランゾンが南端まで移動し撤退)
ガエン「奴め……」
(ガディフォールが高速で南端まで移動し、撤退)


第1話
蒼き魔神、再び

〔戦域:森付近〕

(北側にシュテドニアス軍、南側に量産型ゲシュペンストMk-IIとゲシュテルベン改がいる。 量産型ゲシュペンストMk-IIの前に多数の爆煙)
アルバーダ「おっと、撃ってきやがったか」
セレーナ「私達を保護するとか言っておきながら、 乱暴じゃない」
エルマ「当然の反応ですよ。 こちらが向こうの武装解除命令に 応じていないんですから」
セレーナ「正体不明の連中の命令なんて、聞く義理ないわよ」
エルマ「彼らはシュテドニアス連合国軍と 名乗りましたよ」
セレーナ「そんな国の名前やあいつらの機体データが あんたにインプットされてる?」
エルマ「いえ」
セレーナ「なら、アンノウンでしょ」
ザレス「次は命中させるぞ、地上人!  直ちに武装解除し、我らに従え!」
セレーナ「また私達のことを地上人って言ったわね」
アルバーダ「あいつらは天使にゃ見えねえ。 つまり、ここは天国じゃねえってこった」
セレーナ「私達、宇宙にいたんだけど」
アルバーダ「じゃあ、異星人か? どういう仕組みかわからねえが、 こんな空間ごとやって来たってんなら、 エアロゲイターインスペクター以上かもな」
セレーナ「宇宙船の中だとは思えないけど…… ここに来てから、太陽が動いてないわ。 ずっと同じ位置にあるみたい」
セレーナ「それに、地平線が……」
アルバーダ「ああ…… 異世界に転移しちまったと考える方がいいか」
セレーナシャドウミラー修羅の逆パターン?」
アルバーダ「案外、お前のゲシュテルベンに 次元転移装置が仕込まれてたんじゃねえか?」
セレーナ「それが本当だったら、 ダニエル・インストゥルメンツは 世界を牛耳ってるわよ」
アルバーダ「そりゃそうだ」
エルマ「あの……シュテドニアス軍と名乗った人々の 言葉の端々や、周りの状況から判断して……」
エルマ「ボクは、ここが地底世界の類ではないかと推測します」
セレーナ「地底世界……?  だったら、あの太陽や空はどう説明すんのよ?」
エルマ「それについては、シャンバラアガルタ…… ハレー彗星で有名な旧西暦の天文学者、 エドモンド・ハレーによる地球空洞説や……」
エルマ「オイラーの公式やオイラーの多面体定理で 有名な天才数学者、レオンハルト・オイラーが 仮定した地球内太陽など、諸説あり……」
エルマ「近年では、LTR機構のマコト・アンザイ博士が……」
アルバーダ「わかった、わかった。 セレーナ、とりあえず武装解除だ」
セレーナ「本気なの、アル?」
アルバーダ「おう、情報を手っ取り早く集めるためにな。 ここがエル公の言った通り地底世界で、 何らかの原因で転移しちまったってんなら……」
アルバーダ「元の世界へ戻る方法を見つけなきゃならねえ。 隊長達も心配してるだろうしな」
エルマ「あの、もしかしたら…… チーム・ジェルバの皆さんもボク達みたいに……」
セレーナ「この世界へ……?」
アルバーダ「何にせよ、グランゾンの残骸を 探してる場合じゃねえってこった。 ここは、あいつらの申し出を受けるぜ」
セレーナ「あの様子じゃ、もてなしは期待できなさそうだけど」
アルバーダ「相手が女じゃねえのが幸いだ。 腰を落ち着けずに済む」
セレーナ「頃合いを見て、抜け出すってこと?」
アルバーダ「そっちの方が俺達らしいだろ」
セレーナ「まあね」
ザレス「地上人よ、返答は如何に!?」
アルバーダ「あんたのご厚意に甘えさせてもらうぜ。 だから、撃つんじゃねえぞ」
ザレス「良かろう。 ただし、妙な真似をした場合は……」
(ソディウム級移動要塞にアラート)
兵士「クワイアー大佐! 高熱源体、0時方向より接近中!  数は2! 味方の識別信号を出していません!」
ザレス「ならば、敵……いや、待て。 ラングランの魔装機がこんな所にいるはずがない」
兵士「いえ、1機はガディフォールです!  もう1機は……」
(東端にグランゾンとガディフォールが出現)
セレーナ「あ、あれは!?」
ザレス「グ、グランゾン……!  何故、奴がこんな所に!?」
アルバーダ「日頃のくじ運の悪さをここで取り戻したか。 残骸どころか、本体と出くわすとはな……」
ガエン(あの2機……もしや、地上の人型兵器か?)
セレーナ「エルマ、データ照合!」
エルマ「ラジャ。形状、全高はボクが保有している グランゾンのデータと一致、熱反応もほぼ同じ。 本物である確率は、86.4%」
エルマ「内部に専任パイロットである シュウ・シラカワ博士が搭乗していれば、 確率はさらに……」
セレーナ「あの男は死んだはずでしょ」
アルバーダ「だが、俺達は実際に連中の決戦を見たわけじゃねえ。 報告書を読んだだけだ」
セレーナ「お偉方の懸念が的中したってこと……?」
アルバーダ「……くじの当たり外れを確認するぜ」
(グランゾンに通信)
チカ「ご主人様、 あのゲシュペンストがコンタクトを求めてます。 どうします?」
シュウ「つないで下さい」
アルバーダ「……グランゾンのパイロット、聞こえているか?  映像を出して、名乗りやがれ」
シュウ「………」
チカ「ちょっと! 何なんですか、その言い草は!  ご主人様に対して失礼極まりない!  顔を洗って、出直してこいってなもんですよ!」
アルバーダ「な、何だ?」
チカ「あっ、何をするんですか、ご主人様!?  モガ、モガガガ!」
エルマ「……ミッション前に渡された シラカワ博士の音声データと全然違いますね。 喋り方も別人のような……」
セレーナ「それに、ご主人様って?」
アルバーダ「……てめえは誰だ? 名前は?」
シュウ「人に名を尋ねる時は、 まず自分から名乗るものではありませんか?」
アルバーダ「ふん……問われる度に名乗ってたら、 エージェントはやってられねえが……」
アルバーダ「この機体を見られた以上、 地球連邦軍の所属だってことはバレバレか」
アルバーダ「俺は特殊部隊“チーム・ジェルバ”の アルバーダ・バイラリン少尉。 こっちはセレーナ・レシタール少尉だ」
シュウ「私の名はシュウ……シュウ・シラカワです」
セレーナ「映像が来た……!」
エルマ「セレーナさん、顔と音声はデータと一致します」
セレーナ「だからって、 本物だと決まったわけじゃないでしょ」
アルバーダ「……シュウ・シラカワ、 あんたは死んだと聞いていたんだかな」
シュウ「……あなたは、私のことを御存知のようですね」
アルバーダ「直接会うのは、これが初めてだ」
シュウ「なるほど。 道理であなたのことを覚えていないわけですね」
アルバーダ(覚えていない……?)
兵士「クワイアー大佐……!」
ザレス「あの悪魔をのさばらせるわけにはいかん!  攻撃だ、攻撃を開始せよ!」
兵士「地上人の機体はどうします?」
ザレス「放っておけ!  ここでグランゾンを破壊するのだ!」
(グランゾンの周りに爆煙)
ガエン「……面倒事になったな」
アルバーダ「シュウとあの連中は敵対関係ってわけか」
セレーナ「どうするの、アル?」
アルバーダ「……予定変更だ。シュウに加勢するぜ」
セレーナ「それ、本気で言ってるの?」
アルバーダ「ああ。少なくとも今、奴は俺達に仕掛けて来ねえ。 その気があったら、とっくの昔に撃ってるだろうしな」
セレーナ「まあ、そうね」
アルバーダ「それに、俺達はあのシュウ・シラカワが本物かどうか 見極めなきゃならねえ」
アルバーダ「その上でビンゴだったら、 元の世界へ戻れる方法があるってことになる」
アルバーダ「ミッション・デビルを果たし、帰還するには 奴と行動を共にするのがベストだ」
セレーナ「そうだけど……あなたはそれでいいの?」
アルバーダ「……ああ」
セレーナ「………」
アルバーダ「ま、向こうも疑ってるだろうからな。 信用させるためにも、本気でやれよ」
セレーナ「了解」
アルバーダ「……シュウ・シラカワ、聞こえるか?  俺達はあんたを援護するぜ」
シュウ「わかりました。お願いします」
アルバーダ(随分とあっさり受け入れやがったな……)
セレーナ(ここに現れたことと言い、 何か魂胆があるのかしら……)
ガエン「どういうつもりだ、シュウ?」
シュウ「戦力は少しでも多い方がいいでしょう?」
ガエン「だからと言って、地上人を……」
シュウ「敵が仕掛けて来ますよ。迎撃を」
アルバーダ「行くぞ、セレーナ!」
セレーナ「ええ!  エルマ、コンバット・プログラム・スタート!」
エルマ「ラジャ!」
(作戦目的表示)

〈有人機との初戦闘〉

[シュウ]

シュウ「さて、行きますよ。 私もグランゾンも、早く調子を 取り戻さねばなりませんので」

[ガエン]

ガエン「こうなってしまった以上、早く終わらせねばな」

[アルバーダ]

アルバーダ「さあて、地底人のマシンがどんなもんか、 見せてもらおうか!」

[セレーナ]

セレーナ「このゲシュテルベンが ただのゲシュペンストじゃないってことを 教えてあげようじゃない!」
エルマ「あの人達、ゲシュペンスト自体を 知らないと思いますけど……」
セレーナ「エルマ! お約束の啖呵に突っ込む暇があったら、 敵機のデータを取る!」
エルマ「ラ、ラジャ!」

〈vs ザレス〉

[シュウ]

ザレス「背教者クリストフ!  何故、貴様がこんな所にいるのだ!?」
シュウ「あなたも私のことを知っているようですね」
ザレス「お、おのれ……ここで意趣を晴らす!  グランゾンに集中砲火を浴びせろ!」

[ガエン]

ガエン(シュウはともかく、 こちらの素性を知られるわけはにいかん)
ザレス「ガディフォール…… ラングラン軍の者がクリストフに 手を貸しているのか……!?」

[アルバーダ]

ザレス「地上人め!  クリストフに手を貸すなら、容赦はせん!」
アルバーダ「クリストフ? シュウ・シラカワのことか?  何にせよ、あんたらより奴に付いた方が 好都合なんだよ」
ザレス「貴様らにも災いが降りかかるぞ、必ずな!」
アルバーダ「……かも知れねえな。 だが、今は目の前の火の粉を振り払うぜ!」

[セレーナ]

セレーナ「見たところ、ライノセラス級みたいな地上戦艦ね」
エルマ「艦体中央に大口径ビーム砲らしき物があります!  気をつけて下さい!」
セレーナ「あんなのに当たるほど、トロくないっての!」

状況選択

ソディウム級移動要塞を撃墜した
ソディウム級移動要塞のHPを9000以下にした


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