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封印の予兆 ~ 第53話 ~

???

(バラルの神殿内)

光龍「なるほど……いい仕上がり具合だね。 神僕も現れてないんだろう?」
「はい、彼らの力が増した証かと思われます」
光龍「僕らの神も、ルイーナのおかげで ようやく目を覚ましそうだしね。 泰北、そろそろ頃合いと思うが、どうかな?」
泰北「善哉、善哉」
光龍「いつも通りの、そして望み通りの答えをありがとう。 では、憐れな俗人達に我が神の恩寵と加護を…… てなわけで、ご足労願うよ」
夏喃「いいだろう」
光龍「夏喃、ここへ連れて来る者を間違えちゃ駄目だよ。 青龍の少女にご執心なのはわかるが、 優先度ってものがあるんだからね」
夏喃「ふん……出迎えは蓬にやらせるさ」
泰北「うむ。その間、ワシと夏喃で彼奴らの気を引こう。 ……蓬、抜かりなくな」
「はっ」
夏喃「光龍、受け入れの用意を怠るなよ」
光龍「もちろん。 今回は派手にデビューしたいからねぇ、 出立の準備も進めておくさ」

《太平洋上(鋼龍戦隊)》

(データ室)

クリフォード「あの2機は、強いて言えば魔装機神に近いな」
ジョッシュ「どういう意味だ?」
クリフォード「こちら側の人型機動兵器と似た概念を持ちつつ、 独自のシステムを有した機体だということだ」
クリフォード「これまでに撃墜したルイーナのマシンを 解析して、ある程度予測はしていたが……」
クリフォード「他のメリオルエッセの機体もそうだという 確証はない。コンターギオの搭乗機のように 生体兵器の類だと思われる機体も存在しているからな」
ジョッシュ「ああ…… あれはどちらかと言えば、アインストに近い」
クリフォード「グラキエースが人間の知識や心象を抽出した上で 作られたメリオルエッセだという話…… それが本当なら……」
クリフォード「ファービュラリスやストゥディウムの構造が こちら側の人型機動兵器と似ていてもおかしくはない」
ジョッシュ「……誰の知識や心象が元になったんだ?」
グラキエース「それはわからない」
ジョッシュ(だが、あの場にいた人間となると……)
クリフォード「また、あの2機に用いられている材質の全てが 未知の物というわけではない」
クリフォード「そして、エール・シュヴァリアーや ブランシュネージュと似通った部分もある」
ジョッシュ「もしや、それは……」
クリフォード「予想していた通り、レース・アルカーナと シュンパティアに似た装置が備え付けられていた」
クリフォード「ただし、後者の方は破損しており、 現時点でその詳細はわからないが…… 君達はあの状態で戦えるのか?」
グラキエース「ああ」
ウェントス「パワーは落ちてしまうが…… 機体はコントロールできる」
グラキエース「あのシステムが破損しているからこそ、 私達は“破滅の王”の支配を受けずに済む」
クリフォード「あれがそういう類の装置であることはわかるが…… 人間の精神と同調する機能を有していた理由は?」
ウェントス「僕には人間の感情を理解する役目が 与えられていたから……」
グラキエース「私はただ、与えられた物を使っていただけだ」
クリフォード(メリオルエッセと言えど、 肝心なことは知らされていないのか……)
リム(リアナ)「ウェントス、 あたしとあんたの役目が似ているって話…… いったい、あれはどういうことなの?」
ウェントス「君はシュンパティアに触れたことによって、 二つの魂を持つようになった…… 僕は、最初の同調でそう感じたんだ」
ウェントス「そして……それは、人間の複雑な心を より深く理解するためだと思った……」
リム(リアナ)「あたしは……ううん、あたし達は人間なのよ?  何でそんな役目が……誰から与えられるって 言うのよ?」
ウェントス「わからない……。 今にして思えば、君の中にいる僕を 見たからなのかも知れない……」
リム(リアナ)「自分で自分を見たから、そう思ったって……?  明確な根拠があって、言ったわけじゃないのね?」
ウェントス「ああ、僕は感じたままのことを……。 それで、君を混乱させてしまったのなら、 すまないと思う……」
リム(リアナ)「………」
ジョッシュ「……クリフ、俺達が使っているシュンパティアや レース・アルカーナは、ルイーナの……」
クリフォード「似ているが、全く同じ物ではない。 だが、あれを作った者が参考にしたという 可能性はあり得る」
ジョッシュ「ファブラ・フォレースを作った者達か……。 心当たりはあるのか、グラキエース?」
グラキエース「いや……ウンブラ達からも聞かされてはいない」
ウェントス「それに…… 僕達は君達がファブラ・フォレースと呼ぶ場所…… その深奥部に足を踏み入れたことはないんだ」
リム(リアナ)「じゃあ……遺跡の中で父さん達を見たことは……?」
ウェントス「それもない……」
ジョッシュ「やはり、真相を確かめるには ファブラ・フォレースへ行くしかないか」
クリフォード「だが、すぐにというわけにはいかないだろう」
ジョッシュ「わかっているさ。俺達だけでルイーナは倒せない。 鋼龍戦隊と行動を共にする以上、他の連中とも 戦わなきゃならない」
グラキエース「……面倒なことだな。存在をやめれば、楽になるぞ?」
ジョッシュ「人間は死ぬのが怖い。誰だって、死にたくないんだ。 お前にも……いつかわかる」
グラキエース「私の命など、偽りのものに過ぎない」
ジョッシュ「それでも生きている者がいるのさ、この部隊には」
グラキエース「………」
ジョッシュ「あと……俺のことはジョッシュでいい」
グラキエース「略称か。ならば、私はラキと呼べ」
ジョッシュ「ラキ……確か、イグニスも……」
グラキエース「だから、認識し易い」
ジョッシュ(それだけなのか……?)
グラキエース「問題があるのならば……」
ジョッシュ「いや……構わないさ、ラキ」

(個室)

(モニターオン)
アリエイル(哨戒任務のコース確認……)
アリエイル(敵との遭遇確率…… ルイーナ……ゲスト……バラル……)
アリエイル(そして、ガイアセイバーズ…… 他のセイバーとは接触しても、ドゥバンは……)
アリエイル(あの人は……どこで何を……?  うっ……!)
アリエイル(くっ……! こ、これは……)
アリエイル(思っていたより……早い…… この症状……もうステージ2に……?)
アリエイル(体性神経系の機能を……一部制限…… 心拍数制御……強制休眠を…………)

(食堂)

アラド「また夢を……?」
イルイ「そう……前と似たような感じだけど……」
イルイ「何を話したか、覚えてないけど…… 帰らなきゃって思って……」
ゼオラ「帰るって……どこへ?」
イルイ「わからない……」
ゼオラ(もしかして……イルイの記憶が戻りかけてる……?)
アラド「ゼオラ、この話…… アイビスさんやクスハ少尉達にもした方が いいんじゃねえか?」
ゼオラ「だけど、アイビスさん達は今、哨戒任務中よ」
アラド「じゃあ、みんなが戻って来てからか……」
イルイ「………」
アラド「イルイ、心配するな。 何かあっても、おれ達が守るからさ」
ゼオラ「そうよ……だから、元気を出して」
イルイ「うん……ありがとう……」

(格納庫)

キョウスケ「アイビス達が戻り次第、おれ達が出る。 コースの変更はなし、フォーメーションはA5だ」
エクセレン「了解。それじゃ、アリエイルちゃん…… 哨戒任務、いってみましょか」
アリエイル「はい……」
エクセレン「ん? 何か顔色悪いみたいだけど……大丈夫?」
アリエイル「……ええ」
アリエイル(強制休眠で回復したけれど、 エクセレン少尉達に心配を掛けるわけにはいかない。 話題を変えなければ……)
エクセレン「ねえ、ホントに大丈夫?」
アリエイル「はい。 それより……私はお邪魔ではありませんか?」
エクセレン「え? どういうこと?」
アリエイル「今回のメンバー…… 私がいない方が良かったのではないかと」
エクセレン「いやん、もう。そんなこと、気にしなくていいのよん。 アリエイルちゃんのフリッケライは、アルトちゃんの 妹分なんだから。他人じゃないって感じ」
アリエイル「そうですか……」
エクセレン「それより、アリエイルちゃんが そんなことを言うなんてねぇ」
アリエイル「変……でしょうか?」
エクセレン「ううん。むしろ、いい感じ。 周りにいる人達の影響かしらん?」
アリエイル(私……変わってきている?)
アリエイル(いいえ、私も……彼も……変わらない。 ……変わらない)
エクセレン「あっ、そうだ!  今回の騒動が片付いたら、ATXチームに来ない?  歓迎するわよん」
アリエイル「ですが、私はガイアセイバーズの……」
エクセレン「そこら辺はギリアム少佐とかカイ少佐に 何とかしてもらうってことで…… どうかしらん、キョウスケ?」
キョウスケ「アリエイルが良ければ、おれは構わん」
エクセレン「わお! どう、アリエイルちゃん?」
アリエイル「お気持ちはありがたいのですが……」
エクセレン「あらら、駄目?」
アリエイル「いえ……」
アリエイル(どのみち、私は……)
エクセレン「まあ、いきなりの話だったもんね。 ゆっくり考えてみて……」
(精神感応)
エクセレン「!!」
キョウスケ「どうした、エクセレン?」
エクセレン「こ、この感じ……久しぶり……」
エクセレン「ア、アルフィミィちゃんが……近くに…… 助けを……」
キョウスケ「アルフィミィが……!?」
アリエイル「助けとは……まさか……!」
キョウスケ「アリエイル、アクセルを呼び出せ。 それと、ブリッジに事情を話し、 おれ達は先に出ると伝えろ」
アリエイル「は、はい!」
キョウスケ「エクセレン、大丈夫か?」
エクセレン「う、うん……早く行かなきゃ……」
キョウスケ「ああ、わかっている。機乗するぞ」


第53話
封印の予兆

〔戦域:湖周辺〕

(北東端にペルゼイン・リヒカイトが出現し、少し南へ移動すると攻撃を受ける)
アルフィミィ「くっ……!」
(北東端にアレス・ガイストが出現。ペルゼイン・リヒカイトがアレス・ガイストの方を向く)
ドゥバン「おれの狙い通りだったな。鋼龍戦隊をマークすれば、 お前と出会える可能性が高い……。 逃がさんぞ、アインスト・アルフィミィ」
アルフィミィ「言ったはずですの……私の力を手に入れても……」
ドゥバン「それはどうかな」
(アレス・ガイストが脈動)
ドゥバン「この通りだ、ファウ・ケルンが活性化している…… 前回以上にな」
アルフィミィ「そんな……おかしいですの…… ペルゼインの力が……」
ドゥバン「さあ、お前のコアをいただくぞ!」
(アレス・ガイストが高速でペルゼイン・リヒカイトに隣接)
アルフィミィ「!!」
(アレス・ガイストがペルゼイン・リヒカイトを片手で持ち上る。ペルゼイン・リヒカイトがスパークを発し、黒い煙のようになる。 黒い煙のようなものがアレス・ガイストに吸い込まれ、アレス・ガイストの右手に光が残る。 アルトアイゼン・リーゼとソウルゲインが出現)
エクセレン「ア、アルフィミィちゃん!!」
(アレス・ガイストの右手にあった光の玉がアレス・ガイストに吸い込まれる)
アリエイル「ドゥバン!!」
ドゥバン「クッ、ククク……遅かったな、アリエイル。 おれは手に入れたぞ、アインストのコアをな……!」
アリエイル「そ、そんな……!」
キョウスケ「アルフィミィも奴の中に取り込まれたのか?」
アクセル「どうやら、そのようだな」
エクセレン「アルフィミィちゃん! 返事をして!」
(アレス・ガイストのファウ・ケルンが光り脈動する)
ドゥバン「く、うっ……!  さすがのパワーだ、抑え込むだけで精一杯か」
エクセレン「そんな……!  偽物のコアが本物を吸収するなんて!」
ドゥバン「だが、この力があれば、おれは呪われた宿命を…… 命の在り方を変えられるかも知れん」
アリエイル「命の在り方……?  ドゥバン、あなたは……!」
ドゥバン「やはり、お前は既に知っていたのだな、 イデアラントに定められた寿命のことを」
アリエイル「う……!」
エクセレン「ど、どういうことなの、アリエイルちゃん!?」
アリエイル「そ、それは……」
ドゥバン「知っていて、おれを嘲笑っていたわけか。 真実に気づくことなく、ガイアセイバーズの 手先となっていたおれを」
アリエイル「ち、違います……!」
ドゥバン「まあいい、おれはもう行動を起こした。 呪われた宿命を覆し、プロジェクト・イデアランツを この手で昇華させるために……」
ドゥバン「おれはガイアセイバーズを捨てたのだ」
アリエイル「えっ……!?」
ドゥバン「これが最後通告だ、アリエイル。 おれの下へ来い。このアレスのパワーを使えば、 おれ達はイデアラントを超える存在になれるだろう」
アリエイル「アルフィミィを犠牲にして、ですか」
ドゥバン「それがどうした?  奴はこの世界の消滅を目論んだ アインストの眷属なのだぞ」
エクセレン「昔の話よ、それは。 今のアルフィミィちゃんは違うわ」
ドゥバン「どのみち、同じこと……」
(アレス・ガイストのファウ・ケルンが光り脈動)
ドゥバン「うぐっ……!?」
アクセル「抑え切れんようだな、アルフィミィの力を」
ドゥバン「だが、お前も この力で命をつないだのだろうが……!」
アクセル「アルフィミィはそう言っていたが、 ただ単に悪運が強かっただけかも知れん」
ドゥバン「フン、データは見ている……あの小娘には、 死にかけた人間を蘇生させる力がある。 お前が何よりの証拠だ」
ドゥバン「そして、ただの人間ではなく、 イデアラントたるおれが、それを物にすれば……」
アリエイル「ドゥバン、私達にはアインストを抑える力も、 人を操る力もありません……」
アリエイル「ただ滅び行くだけの者が、 これからを生きる者の上に立てると 思っているのですか?」
アリエイル「その後は、どうすると言うのです……?」
ドゥバン「新たな秩序を打ち立てる。 絶対的な力を以て支配するものと支配されるもの…… そこに人間が介在する必要はない」
キョウスケ「なら、お前は何を支配する気だ?」
ドゥバン「この世界に存在するエネルギーの流れだ。 それこそが、プロジェクト・イデアランツが 定義する支配……」
ドゥバン「異世界より来たりしアインスト、ルイーナ…… それらがもたらすエネルギーをも制御し、 新しい秩序を築く」
ドゥバン「そう、人間ではなく…… この世界そのものを統べる存在となるのだ、おれは」
エクセレン「随分と大きく出たわね。 前にマシンナリー・チルドレンも 同じようなことを言ってたけど?」
ドゥバン「奴らやマシンセルなど、 アインストの力を物にしたおれの足元にも及ばん。 そして、アリエイル……お前も加われば」
アリエイル「……ドゥバン、これまでの歴史が証明しています。 DC、マシンセル、ODEシステム……それらが 打ち立てようとした秩序は、全て否定されました」
アリエイル「何故だかわかりますか?」
ドゥバン「必要以上に事象へ介入し、 自らが起こした奔流に飲み込まれたからだ」
アクセル「いや、もっと単純な、そして致命的な原因がある」
ドゥバン「何……?」
アクセル「奴らも……いや、かつてのおれ達も 倒すべき敵を、然るべき時に始末できなかった」
アクセル「そう、この世界には厄介な抑止力が 存在しているのさ、これがな」
ドゥバン「なるほど…… 今、おれはそれを目にしているということか。 だから、アリエイル……お前はそこにいるのか」
アリエイル「そうです……あなたを止めるために!」
ドゥバン「いいだろう。人間共の中にいるお前と、種としての 使命に生きるおれ……どちらがより優れた支配種なのか お前の仲間達の前で証明してやる!」
(作戦目的表示)

〈vs ドゥバン〉

[キョウスケ]

ドゥバン「かつてアインストと対峙したお前であっても、 おれを倒すことは出来んぞ」
キョウスケ「お前が本物ならな。 紛い物には後れを取らん……!」

[エクセレン]

ドゥバン「お前も完全に物とすることが出来なかった アインストの力……おれは使いこなしてみせる!」
エクセレン「言っとくけど、ただじゃ済まないのよね、経験上。 戻ってこれないかもよ、あなた」
ドゥバン「元より覚悟の上…… おれは人間を、イデアラントを超える!」
エクセレン「その前に、アルフィミィちゃんを返してもらうわ!」

[アクセル]

アクセル「この世界はシャドウミラーだけでなく、 アインストをも拒絶した。 お前に御せるものではないぞ」
ドゥバン「事象収束点を見極めれば、可能だ!  おれはその能力を与えられた新しい種、 イデアラントなのだ!」
アクセル「フン、大口を叩くのもイデアラントの特徴か」

[HP50%以下]

ドゥバン「フン、アインストの力を得たアレスを 甘く見るな!」
(アレス・ガイストに『ド根性』)

〈4PP〉

ドゥバン「……どうした、おれを止めるのではなかったのか?」
アリエイル「ドゥバンはアルフィミィの力を 制御しつつあると言うの……!?」
アクセル(いや、奴は……)
エクセレン「ちょっと洒落にならなくなってきたかもね」
ドゥバン「フン、それで抑止力などと……」
(西端に雀武王、マガルガなどが出現)
アリエイル「バラル……!」
泰北「ふむ……変わった魂色を持った者がおるのう。 感興が湧くわい」
夏喃「ああ、自らの意思で 百邪の欠片を取り込んだようだね」
ドゥバン「奴らは……!」
夏喃「ともかく、役者が出揃うのを待とうか。 もうそこまで来ているからね」
(ヒリュウ改とハガネが出現)
レフィーナ「各機、直ちに出撃せよ!」
(ファービュラリスが出撃、出撃準備)
リム(リアナ)(クリス…… この子に乗っても、やっぱり声は聞こえない……。 心に穴が空いたままだ……)
ジョッシュ「大丈夫か、リアナ……?」
リム(リアナ)「……寂しいんだね、一人で乗るのって」
ジョッシュ「………」
リム(リアナ)「心配しないで、アニキ。 あの子は必ず戻ってくる……そう信じて、 今はやるべきことをやるわ」
ジョッシュ「ああ」
グラキエース「………」
ミチル「あいつら、ホンマに大丈夫なんかいな」
ジョッシュ「……ラキ、いけるか?」
グラキエース「ああ。私は戦うために作られた者…… そして、消え行く宿命にあった者。 存在の消滅に対する恐怖はない」
ジョッシュ「そうじゃない、生き残る…… いや、生きるという意思を持たなきゃ駄目だ」
グラキエース「……お前がそう言うのなら、やってみよう」
リム(リアナ)「ウェン……あんたもね」
ウェントス「ウェン……?」
リム(リアナ)「グラキエースがラキなら、あんたはウェンよ。 そう呼ぶことにするわ」
ウェントス「……わかった」
リム(リアナ)「ウェン……あんたがいなくなったら、 クリスの想いが無駄になってしまう。 だから、生きてもらうわ」
ウェントス「ああ……君達のために命を懸けよう。 そのことの意味をいつか知るために……」
リム(リアナ)「命を懸けるのはいいけど、捨てちゃ駄目だからね」
ウェントス「……覚えておくよ」
泰北「ほう、あやつら…… ルイーナの虚人を手勢に加えておるぞ」
夏喃「正邪清濁を併せ呑み、自らの力とする…… それ故、巫女は彼らに目を付けたのかも知れないな」
泰北「うむ、ワシらの目的と似ておるからのう」
エクセレン「悪いけど、仙人さん達に かまっている暇はないのよね」
ブリット「夏喃、泰北……お前達が何度現れようと、 尸解する気もバラルに降る気もない」
夏喃「そう気負うな。今日はしばしの間、 妖機人達の相手をしてくれるだけでいいのさ」
クスハ「え……!?」
夏喃「まあ、暇潰しかな?」
ヤンロン「それだけの理由で仕掛けて来たとは思えん。 真意は何だ?」
泰北「利を以てこれを動かし、詐を以てこれを待つ…… 然様なことを言っておった賢者がいたのう」
ヤンロン「善く戦う者は、人を致して人に致されず…… 僕達にそれが通用すると思うな」
夏喃「……ククル、僕達の本懐を忘れるなよ」
ククル「はっ」
ドゥバン(奴らに潰し合いをさせれば、流れはおれに傾く。 この事象の収束点を見極めてやる)
アクセル「とんだ邪魔が入ったが……逃がさんぞ、ドゥバン。 アルフィミィには、まだ借りがあるんでな」
ドゥバン「フッ、もうそれを返す必要はない」
アクセル「……キョウスケ、エクセレン、アリエイル。 今の奴は、危ういバランスで保たれているだけに 過ぎん。必ず揺り返しが来る」
キョウスケ「そこが賭け所か」
エクセレン「暴走、という可能性はどうなのかしらん?」
アリエイル「否定は出来ません、急がねば!」
(作戦目的表示)

〈アレス・ガイストのHP50%以下〉

ドゥバン「フッ、フフフ……馴染んできたぞ、コアが。 もはや、おれのアレスを止めることは出来ん!」
(アレス・ガイストに『ド根性』)
アクセル「長くは続かんぞ。紛い物のコアなら、尚更な」

〈アレス・ガイストのHP50%以下(2回目以降)〉

ドゥバン「フン、無駄だ!」
(アレス・ガイストに『ド根性』)
ドゥバン「この力があれば、おれは鋼龍戦隊だけでなく、 バラルやルイーナとも渡り合える!」

〈12PP or マガルガのHP40%以下 or 雀武王のHP60%以下 or 雀武王、マガルガ、アレス・ガイスト以外の敵機全滅〉

夏喃「……さあ、もう充分に時は稼いだ」
泰北「うむ、蓬が事を進めておる頃じゃて。 朗報を待とうかのう」

[不明]

???(……イルイよ……)
イルイ(………)
???(我が巫女、イルイよ…… 南の果てにて、星難をもたらす凶神が 目覚めようとしている……)
???(我らは楽園の守護者……そこに生きる我が子らを 災いから……天と地と海より来たる災いから 護らねばならぬ……)
イルイ(……護る……楽園を……みんなを……)
???(目覚めよ、イルイ……その強念を解き放て…… 楽園を……我が愛する者達を護るために……)
???(約束の地、バラルの園へ来たれ…… 我が巫女、イルイよ……バラルへ来たれ……)
イルイ(……バラル……へ……)

[ヒリュウ改 艦内(個室)]

イルイ「………」
「我が所業、何人たりとも見ること、聞くこと、 憶えること能わず……」
「お迎えに参りました、イルイ様。 いざ、我らがバラルの神の下へ……」
イルイ「………」

〔戦域:湖周辺〕

(南東にアレス・ガイスト、ソウルゲイン、フリッケライ・ガイスト、アルトアイゼン・リーゼ、ライン・ヴァイスリッターがいる)
ドゥバン「見えて来たぞ、この事象の収束点が。 アクセル、かつてのお前が成し遂げられなかった 抑止力の排除……おれは、それを……」
(アレス・ガイストのファウ・ケルンが光り脈動する)
ドゥバン「!?」
(アレス・ガイストでシステムダウン)
ドゥバン「何っ、ファウ・ケルンが!?  何故、出力が下がる!?」
アクセル「紛い物で抑え切れるものか!  暴走せずに済んだことをありがたく思うんだな!」
キョウスケ「今だ、奴を抑えるぞ!」
アリエイル「了解です!」
(アルトアイゼン・リーゼの傍と戦域中央と湖の傍で爆煙)
キョウスケ「!!」
アリエイル「上空から!?」
(北側中央にカナフ、ケレン、ザナヴが出現)
ツグミ「あ、あれは!」
アイビス「もしかして、さっきの攻撃は……!?」
ドゥバン「フッ、ツキはまだおれに方にあるようだな……!  勝負は預けるぞ、アリエイル!」
(アレス・ガイストが撤退)
アリエイル「ドゥバン!」
(フリッケライ・ガイストの前方に爆煙)
アリエイル「くうっ!」
(戦域中央の森に爆煙、ハガネに爆煙)
エイタ「か、艦尾テスラ・ドライブ・パイルに直撃!!」
テツヤダメコン(ダメージコントロール)、急げ!」
アイビス「あいつら、 今まであたし達には仕掛けて来なかったのに……!」
夏喃「それは即ち、僕らの願いが叶ったことを意味する」
アイビス「えっ!?」
ブリット「どういうことだ!?」
泰北「フオッホッホッホ! 善哉、善哉!」
マサキ「笑って誤魔化すんじゃねえ!!」
夏喃「その内にわかる。否応なくね」
(雀武王に通信)
「……泰北師父」
泰北「首尾良く行ったようじゃの。 神僕が迎えに来おったわ」
「私は巫女をお連れし、縮地法にて戻ります」
泰北「うむ。ワシらも引き揚げるとしよう」
夏喃「では、クスハ……また会おう」
(雀武王、マガルガ、妖機人、カナフ、ケレン、ザナヴが撤退)
アイビス「消えた……!」
ブリット「あ、あの3体も……!」
ツグミ「バラルを助けに来たというの……?」
クスハ「じゃ、じゃあ、彼らは……!」
アクセル「……あと一息という所で 流れを掴めなかったか」
アリエイル「………」
エクセレン「アルフィミィちゃん…………」

(ブリーフィング・ルーム)

アリエイル「申し訳ありません、私が至らなかったせいで……」
キョウスケ「……お前の責任じゃない」
アリエイル「ですが、そもそもの発端は プロジェクト・イデアランツが……」
アクセル「今更言っても詮無いことだ、これがな」
アクセル「それに、アルフィミィは 完全に消滅したと決まったわけじゃない」
ラミア「ええ、彼女の力を抑え切れていなかったようで ございますし……ヒューゴ・メディオ少尉の例も ありましょうのことよ」
アクセル「……いずれまた、 おれ達とドゥバンの道は交わることになる。 奴が抑止力を排除するつもりなら、尚更な」
アクセル「次にどう対処するか……重要なのは、そこだ」
エクセレン「そうね……」
アクセル「アリエイル……ドゥバンの次の手を予測するためにも イデアラントの真実を教えてもらおうか」
アリエイル「………」
アリエイル「……わかりました。 皆さんにご心配をお掛けしたくなかったため、 今まで黙っていたのですが……お話しします」
アリエイル「イデアラントは、人間の不確定要素を 可能な限り排除し、完全な統治と危機管理を行う 理想人種……」
アリエイル「しかし、その試験体である私とドゥバンには 大きな欠点があるのです」
アクセル「奴は限られた寿命と言っていたが……それか?」
アリエイル「はい。 私達の肉体は、約3年で限界を迎えるのです」
エクセレン「えっ!?」
ラミア「3年……?」
アリエイル「ええ……肉体の生成時に問題が生じ、イン・ピトロ的で 特殊なヘイフリック限界が設定されてしまったのです」
エクセレン「そ、それって……つまり……?」
アリエイル「一定の期間が経つと、肉体が崩壊し始めるのです。 私達が試験体となれたのも、3年という比較的 長い時間の肉体維持が可能と予測されたからです」
アクセル「3年の命が……長いだと……?」
キョウスケ「………」
アリエイル「私達の生みの親であるエンジ・オヅヌ博士が 亡くなった今、私達の延命策の目処は立たず……」
アリエイル「真実を知ったドゥバンは、 アルフィミィを取り込むことによって 命をつなぎ、イデアラントの限界を超え……」
アリエイル「いずれはアレス・ガイストとも完全に同化し…… アインスト・レジセイアのような存在に なるつもりではないかと……」
キョウスケ「それで新たな秩序などと…… アインストの後継者になる気か」
アリエイル「私は……残された時間で 何としてもドゥバンを止めなければなりません」
アクセル「その時間はどれぐらいだ?」
アリエイル「私の計算では、2年弱…… ただ、それより短くなる可能性はあります」
エクセレン「そんな……何とかする方法はないの?」
エリック「……ないこともないでの」
エクセレン「えっ!? っていうか、いつの間に!?」
アクセル「聞いていたのか、エリック」
エリック「まあ、無関係ではない話での」
アリエイル「ですが、ワン博士……」
エリック「前向きな解決策ではないがの。 お主を人工冬眠させての、その間に 寿命を延ばす方法を考えるでの」
エリック「ぶっちゃけ、問題を先送りするわけじゃがの。 とりあえず、お主の肉体の崩壊を止めるには それしかないでの」
ラミア「私は、アリエイルと違うタイプの人造人間ですが…… この身体に用いられているテクノロジーが 役立ったりしちゃいますでしょうか」
アリエイル「ラミア少尉……」
エリック「んむ、 後で協力してもらうことになるかも知れんの」
アリエイル「延命の可能性はゼロではないと……?」
エリック「その数字を引き上げるためには、 すぐに眠ってもらった方がええでの」
アリエイル「いえ…… その前にやらなければならないことがあります」
エクセレン「ねえ、アリエイルちゃん…… 全てを引き替えにしても、ってのはなしにしてね」
アリエイル「エクセレン少尉……」
エクセレン「今だけじゃなく、先のことも…… この戦いが終わった後のことも考えて」
エクセレン「それで答えが見つからなかったら、 出撃前にした話をちょっと思い出してみて。ね?」
アリエイル「しかし、私は……」
キョウスケ「どう生きていくか、決めるのはお前だ。 おれ達では時間を与えてやれないが……」
キョウスケ「お前の居場所を作ることは出来る」
アリエイル「ありかどうございます、エクセレン少尉…… キョウスケ中尉……」
アリエイル(ドゥバン……あなたが別の形で この人達と接触していれば……)
アリエイル(私とあなたは…………)

(ブリーフィング・ルーム)

ゼンガー「イルイがいなくなっただと……?」
クスハ「は、はい……」
ゼオラ「出撃前は、私やアラドと一緒にいて…… その後、あの子はアイビスさん達の部屋に 一人で戻ったんですが……」
アイビス「あたし達が帰艦したら、 イルイの姿が見当たらなくて…… いつもは出迎えてくれるのに……」
カイ「戦闘中に一人で降艦したとは思えん。 もう一度、艦内を捜索してみろ」
アラド「も、もちろん、そのつもりなんスけど…… あの子、気になることを言っていて……」
ゼンガー「何だ?」
アラド「夢を見て……帰らなきゃって……」
ゼンガー「どこへ帰ると?」
ゼオラ「そ、それは本人もわからないと……」
ゼンガー「………」
カイ「だが、戦闘中に部屋から出たのは事実だろう。 その後、艦内で彼女の姿を見掛けたクルーが いるかも知れん」
ブリット「ええ、それで……艦内放送での呼びかけを お願いできませんか? あと、艦内映像の チェックも……」
カイ「ああ、わかった。俺が手配しておく」
アラド「それじゃ、おれ達…… もう一度あの子を捜しに行ってきます!」
(扉が開閉する・ゼンガー、カイ以外が立ち去る)
ゼンガー(イルイ……何があったと言うのだ……?)

(ブリーフィング・ルーム)

ジェイコブ「……以後、例のアンノウンは 『クストース」と呼称することになった。 ラテン語で守護者という意味だ」
レフィーナ「守護者……何故、そのような?」
ジェイコブ「君達を守るような行動を取ったという 報告を受けていたからね」
レフィーナ「ですが、今回は……」
ジェイコブ「ああ……あれがバラルの守護者だとしたら、 由々しき問題だな」
レフィーナ「はい……」
ジェイコブ「……では、統合参謀本部の決定事項を伝えよう。 まもなく、オペレーション・レコンキスタが 開始されるが……」
ジェイコブ「鋼龍戦隊はそちらではなく、 オペレーション・アイスブレイカーの方に 参加してもらう」
ジェイコブ「ただし、アイスブレイカーは準備にまだ時間を要する。 その間、君達は宇宙で待機してくれ」
テツヤ「宇宙……ですか?」
ジェイコブ「ああ。 これは君達に南極上空からルイーナを 監視してもらうためであり……」
ジェイコブ「また、現在集結中のオペレーション・レコンキスタ 連合艦隊に万一の事態が発生した場合、早急に 対応するためでもある」
ショーン「その本音は……連邦軍が準備を行っている間、 敵の目を上手く引き付けろということですかな?」
ジェイコブ「有り体に言えば、そうなのだが……」
ジェイコブ「オペレーション・アイスブレイカーでは 連邦軍部隊が地上で陽動を行い、君達は上空から ルイーナの結界へ突入してもらうことになる」
レフィーナ「了解ですが……ハガネは先程の戦闘で テスラ・ドライブを損傷し、修理に時間が掛かります」
レフィーナ「先にヒリュウ改が宇宙へ上がろうと思いますが、 それでよろしいでしょうか?」
ジェイコブ「うむ。では、頼むぞ、諸君」
(通信が切れる)
レフィーナ「では、テツヤ中佐。我々は宇宙へ行きます」
テツヤ「了解しました。 テスラ・ドライブの修理が終わり次第、 我々も後を追います」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(AI1ケージ)]

エルデ「ガイアセイバーズを脱走したあなたが 私に何の用かしら? 事と次第によっては、 上に報告するわよ」
ドゥバン「つまり、おれの話に興味があるということか」
エルデ「そうね、ほんの少しだけ。 先のない者がたった一人で何をするつもりなのか……」
ドゥバン「フッ、おれはアインストのコアを…… 未来を手に入れたぞ」
エルデ「……!」
ドゥバン「その上で、貴様に話がある……」

???

(バラルの神殿内)

光龍「さて……これで準備は整った。 巫女はバラルの神の下へ帰り、 総人尸解計画は次なる段階へ進む」
夏喃「ふふ……いよいよだね、光龍」
光龍「ああ、緞帳を上げよう……」
光龍「パーッと、ドーンと派手にねぇ!  あはははははははははは!!」

SELECT-SCENARIO

ルートを選択してください
地上ルート
テツヤ (ハガネ) シャイン (フェアリオン・タイプG) リオ (AMガンナー)
キョウスケ (アルトアイゼン・リーゼ) ゼンガー (ダイゼンガー) アリエイル (フリッケライ・ガイスト)
エクセレン (ライン・ヴァイスリッター) レーツェル (アウセンザイター) サーベラス・イグナイト
クスハ (龍王機) トウマ (雷鳳) フェアリオン・タイプS
ブリット (虎王機) リシュウ (グルンガスト零式) ヴァイサーガ
アクセル (ソウルゲイン) ヒューゴ (ガルムレイド・ブレイズ) フォルテギガス
カイ (量産型ゲシュペンストMk-II改) ジョッシュ (ジェアン・シュヴァリアー) アルブレード・カスタム
ラミア (アンジュルグ) リム (デア・ブランシュネージュ) グルンガスト参式
アラド (ビルトビルガー) ウェントス (ストゥデイウム) F-32Vシュヴェールト改
ゼオラ (ビルトファルケン) グラキエース (ファービュラリス) 量産型ヒュッケバインMk-II
ラトゥーニ (ビルトラプター・シュナーベル) イング (エグゼクスバイン) アシュセイヴァー
ラーダ(量産型ゲシュペンストMk-II改) リョウト (アーマリオン)
宇宙ルート
レフィーナ (ヒリュウ改) ザッシュ (ガルガード) ショウコ(Gサンダーゲート)
リュウセイ (R-1) アイビス (アルテリオン) ミチル(Gバンカラン)
ライ (R-2パワード) スレイ (ベガリオン) ラウル(エクサランス・レスキュー)
アヤ (R-3パワード) ユウキ (ラーズアングリフ・レイブン) アルブレード・カスタム
マイ (ART-1) カーラ (ランドグリーズ・レイブン) グルンガスト参式
ヴィレッタ (R-GUNパワード) イルム (グルンガスト改) F-32Vシュヴェールト改
マサキ (サイバスター) ギリアム (ゲシュペンスト・タイプRV) 量産型ヒュッケバインMk-II
リューネ (ヴァルシオーネR) カチーナ (量産型ゲシュペンストMk-II改) アシュセイヴァー
ヤンロン (グランヴェール) ラッセル (量産型ゲシュペンストMk-II改)
ミオ (ザムジード) タスク (ジガンスクード・ドゥロ)
テュッティ (ガッデス) レオナ (ズィーガーリオン)
プレシア (ディアブロ) コウタ (コンパチブルカイザー)

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