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凶鳥は三度死ぬ ~ 第45話 ~

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(執務室)]

ニブハル「ヘンドリックス大統領より、 証人喚問は回避不可能だという連絡が入りました」
ニブハル「あの方では、さほど長く議会を抑えられないと 思われますが……いかが致しましょう?」
アルテウル「フッ、虚偽の映像に踊らされおって……。 だが、議会など、もうどうでもいい。 適当な理由を付けて、保留しておけ」
ニブハル「承知致しました。 それと、“グレイ”から返答がありました。 既に動いているそうです」
アルテウル「ほう……迅速だな」
ニブハル「アルテウル司令があの場に赴かれたおかげで、 ゼゼーナンの陰謀が暴露された様子を 記録できましたからね……」
ニブハル「あの映像を見れば、早急にこちらへ赴き、 真偽を確かめようとするでしょう」
アルテウル「“グレイ”は、お前の素性に感づいているのか?」
ニブハル「前任者には疑われましたがね。 あの哀れな放浪者達の一味ではないかと……」
アルテウル「哀れな、か……フフフ、確かにな」
ニブハル「私もそうでしたので。 なので、アルテウル様には感謝しております」
アルテウル「ゼゼーナンには?」
ニブハル「多少の恩はありますよ。 私の命を救って下さったのは、あの方ですからね」
ニブハル「しかし、私は道具として利用されていただけ…… もっとも、そのおかげで“グレイ”との パイプを得ることが出来ました」
ニブハル「そして、ゼゼーナン卿の陰謀が明らかになった以上、 我らが介入する必要はないでしょう」
アルテウル「ああ。 後は、バラルやルイーナ、鋼龍戦隊の動き次第だ」
ニブハル「ギャスパル・ギラン元帥が 彼らの逮捕命令を取り下げたということは…… いずれ、こちらに牙を剥くつもりでしょうか」
アルテウル「鋼龍戦隊を使って、牽制は行うだろうが…… 連邦軍部隊を直接差し向けてくることはあるまい」
アルテウル「あの男は、ガイアセイバーズを利用できる所まで 利用する気だ。そうでなければ、結成前に 激しい拒絶反応を示すだろうし……」
アルテウル「ゲストとの緒戦で、こちらに花を持たせるような 真似はしない。そして、とっくの昔に鋼龍戦隊を 捕らえ、我々へ差し出しているはずだ」
ニブハル「真っ当な軍人ならば、そうしますね」
アルテウル「自分の立場を守りつつ、ガイアセイバーズを利用し、 鋼龍戦隊を我らに対する牽制球として泳がせる……」
アルテウル「優れた知将であるが故、 彼は私の思い通りに動いてくれている。 後は、タイミングの問題だ」
アルテウル「アルファを出せ」

(格納庫)

エグレッタ「……その命令は納得がいかないよ、パパ」
フェフ「俺とアルテウルの計画のためだ。従え」
エグレッタ「どうして、そこまであの男に肩入れするんだ?」
フェフ「前にも言ったろう……大いなる目的のためだ」
エグレッタ「………」
フェフアースクレイドルで全てを……命まで失いかけた 俺だが、アルテウルとの出会いによって さらなる高みへの階段が見えた」
フェフ「俺の計画は、彼の力を得て昇華しつつある。 そのおかげで、お前を……ミタールの失策で 崩壊しかかっていたお前を救うことが出来たのだ」
エグレッタ「全てアルテウルのおかげってわけかい。 だけど、僕が一番気に入らないのは……あいつだ」
エグレッタ「何故、あの劣化コピーが自我を有し、脱走したんだ?  どうして、追跡した僕達を止めたんだ?」
エグレッタ「それに……何であいつがオリジネイターである この僕にない力を持っているんだ?」
フェフ「その理由を調べるためにも、俺の命令に従うのだ」
エグレッタ(本当は知っているんじゃないか……?  パパとアルテウルが仕組んだこと なんじゃないか……?)

《イティイティ島(鋼龍戦隊)》

(食堂)

タスク「……そう言えば、リューネは?  一緒にこっちへ来たがってたんじゃねえの?」
マサキ「あいつは向こうでセニアやプレシア達と留守番だ。 さんざん駄々をこねられたけどな」
ミオ「今頃、ザッシュさんが猛アプローチしてたりして」
マサキ「まあ、別にいいんじゃねえか」
ミオ「何、その反応? つまんないの」
(扉が開閉する)
リュウセイ「いや~、凄かったなぁ」
ブリット「ああ」
ミオ「どしたの?」
リュウセイ「カーラに地下秘密基地の中を 案内してもらってたんだよ。 大がかりなギミックが多くてさ、驚いたぜ」
コウタ「そうそう、BFベースみてえだった」
リュウセイ「島の地下空洞を広げる形で造ったドックとか、 隠蔽式カタパルトとか、特機用の 発進エレベーターとか……」
ミオ「他には、ヤシの木が倒れたりとか、 プールにスライドしたりとか?」
リュウセイ「後は建物の中からロケットが……って、 さすがにそういうのはなかったぜ」
ブリット「偽装地上滑走路のギミックは見られたな。 ちょうど輸送機が着陸する所だったから」
タスク「輸送機?  ダブルEXのパーツが届いたのか?」
ブリット「いや、補給物資だと聞いたけど……」
マサキ「それにしても、いつの間にこんな基地が……」
リュウセイ「元々はビアン・ゾルダーク博士の命令で 造られたDCの秘密基地だったらしいぜ」
リュウセイDC戦争後、建造が中断されたんだけど…… レーツェルさん達がそれを受け継いで、 改修しつつ完成させたんだとさ」
マサキ「ふ~ん……」

(ヒリュウ改 ブリッジ)

ショーン「……それで、私に話とは?」
アクア「あの……さっき届いた補給物資なんですが…… もしかして、私の父が手配したものでは ありませんか?」
ショーン「何故、そのようなことを?」
アクア「女性用の支給品の中に、 私がいつも使ってる化粧品とかアロマオイル、 サプリメントが入っていて……」
アクア「それらは珍しい物なので…… 私の好みを知っていないと……」
ショーン「まあ、私からは何とも言えませんな」
アクア「そうですか……」
ショーン「……ところで、少尉。 戦線に復帰すると聞いていますが?」
アクア「はい。 残ったTEアブゾーバーを一人でも 動かせるようにしてもらいました」
アクア「そのような状況ですし、いつまでも 塞ぎ込んでいられません。ヒューゴ少尉の 遺志を継いで、戦いたいと思います」
アクア(そして……あの人の…… ミッテ先生の真意を確かめる……)
ショーン「……わかりました。 ですが、必ず生き残らなければいけませんよ」
ショーン「私達以外にも、あなたのことを心配する者が いるのですから……」
アクア「……はい」

(格納庫)

ロバート「先程、アッシュへの トロニウム組み込み作業が完了した」
リョウト「思っていたより、早かったですね」
マリオン「優秀なスタッフが揃っておりますもの、 当たり前ですわ」
クリフォード「……では、私はジンライの改修作業を 手伝わなければならないのでね。これで失礼する」
(足音・クリフォードが立ち去る)
リョウト「ドクトルも作業を……」
マリオン「色々と協力的でしてよ。 自分の仕事にしか興味がないと思っていましたが」
ロバート「それは、昔のラドム博士も……」
マリオン「何か仰いまして?」
ロバート「あ、いえ。話を戻しましょう。 Mk-X用のブラックホール・エンジンとパーツは、 まもなくこちらへ到着する予定だが……」
ロバート「先にトロニウム・エンジンの 稼働データを取っておきたいんだ。 イングに慣れてもらうためにもな」
イング「わかりました」
ロバート「ライ、マイ……お前達も同行して、 彼に出力調整のコツを教えてやってくれ」
ライ「了解です」
マイ「わかった」
ヴィレッタ「データ取りと万一の場合に備えるため、 ラウル達とリョウト、リオ、アリエイルも 一緒に行ってもらうわ」
ラウル「はい」
リオ「ところで、オオミヤ博士…… Mk-Xの正式名称はもう決まってるんですか?」
ロバート「ああ、アッシュのコンピューターには もうインプットしてあるが……機体が仕上がった時の 楽しみに取っておいてもらいたいな」
マリオン「あれは……舌を噛む者が出ますわね、きっと」
リョウト「え?」
ロバート「カークと一緒に 色々考えた上で付けた名前なんだけど……。 ま、ともかく、気をつけて行ってくれ」
アリエイル「了解です」
イング(……アッシュが新たな力を得れば、僕は……)
マイ「イング……」
イング「……!」
マイ「過去の記憶を取り戻すことに 拘り過ぎるのは良くない……」
イング「何故、そんなことを……」
マイ「私も過去の記憶がないから…… そして、真実を知って辛い想いをしたから……」
イング「………」
マイ「過去を取り戻すことが、 いい結果につながるとは限らない……」
マイ「イングの場合はどうかわからないけど、 知らない方がいいことだってある……。 だから、拘り過ぎるのは……」
イング「……わかった……覚えておくよ。 ありかどう、マイ」

〔戦域:孤島〕

(リョウト機、フリッケライ・ガイスト、R-2パワード、アッシュが出現)
ライ「よし、この辺りでいいだろう」
イング「わかりました」
ラージ「データ取りを開始します。ミズホ、準備を」
ミズホ「はい。 エンジン出力ゲージ、パラメータ、 モニターに出します」
イング「では、エンジンを切り替えます」
(アッシュでシステムダウン)
イング「プラズマ・ジェネレーター、インアクティブ。 Eクラッチ」
ライ「まずはレベル1、クォータードライブでの稼働。 それで、エネルギー・ポリーラインの特性を掴め」
イング「了解。トロニウム・エンジン、スタート。 EFホイール、接続」
(アッシュでシステム起動)
イング「起動確認。オペレーション・ノーマル。 コンディション・グリーン」
ライ「次の段階、ハーフドライブに移行するには、 ポリーラインがピークに達した時に スロットルを開けなければならない」
ライ「ボトムで開けると、最悪の場合は エンジン停止という事態を招く」
イング「出力が不安定な上に、 その調整にも制限があるということですね」
ライ「そう、それがトロニウム・エンジンの欠点だ。 出力を上げ、攻撃をしようと思っても、 ポリーラインが低ければ不可能だ」
ライ「ある意味、運任せな所もある。 以前よりはマシになったがな」
イング「それでも、ポリーラインの変動を気にしつつ 戦闘するなんて、大変ですね」
ライ「選任のオペレーターがいれば、そうでもない。 俺もSRX合体時は、R-2の時より出力調整に 気が回せるからな」
ライ「それに、フルドライブ以上の状態になれば、 ポリーラインのブレが少なくなる」
イング「出力が高いほど安定するということですか?」
ライ「ああ。それもトロニウム・エンジンの特徴の一つだが、 フルドライブ、もしくはオーバードライブ状態が 長引けば……」
ライ「オーバーヒートや暴走の危険性が高まり、 機体にも著しい負担をかける。気をつけろ」
イング「わかりました」
リョウト「あと、T-LINKシステムトロニウム・エンジンの 両方が搭載されている場合……」
リョウト「パイロットのリンク・レベルが高ければ、 出力が安定するだけでなく、さらに向上させるという 特性もあるんだ」
ライ「そうだな。リュウセイやアヤ大尉、マイの念動力が 高まった時、SRXはオーバードライブ時以上の パワーを発揮する。両刃の剣だがな」
イング「T-LINKシステムとトロニウム・エンジンには 相乗効果があるんですか?」
リョウト「僕自身の体験も含めて、実例はあるんだけど…… 詳細については、まだよくわかっていないんだ」
リョウト「一説には、トロニウムに精神感応性が あるんじゃないかと……」
(エクサランス・レスキューに警告シグナル)
連邦軍兵「メーデー、メーデー、メーデー!  こちらT303! アンノウンの攻撃を受けている!  救援求む! 位置は……」
デスピニス「!  ラウルさん、エマージェンシー・コールを 受信しました!」
ラウル「ああ、T303って、確か……!」
フィオナ「Mk-Xのパーツを運んでる輸送機よ!」
デスピニス「発信位置は……ここから近いです!」
ライ「マイ、ヒリュウへ報告。 我々が現場へ先行すると伝えろ」
マイ「わかった」
ライ「イング、お前は戻れ。 機体改装前に何かあったら事だからな」
イング「いえ、僕も行きます。 輸送機の積荷を失えば、意味がありませんから」
ライ「……わかった。 ただし、トロニウム・エンジンは使うなよ」
イング「はい」
マイ「ライ、先行許可が出た」
ライ「よし。では、行くぞ!」
(全機、西端まで移動し撤退)


第45話
凶鳥は三度死ぬ

〔戦域:群島〕

(敵味方とも出現済み。島の南端にいる量産型ヒュッケバインMk-IIに爆煙、スパーク)
連邦軍兵「だ、駄目だ! 脱出します!」
(量産型ヒュッケバインMk-IIが爆発)
連邦軍兵「ハミル博士、残ったのは我々だけです!」
カーク「あと一歩の所で……!  一筋縄でいかんのは、凶鳥の眷属たる所以か」
連邦軍兵「博士、あなただけでも脱出を!」
カーク「ダブルEXのパーツを見捨てるわけにはいかん。 あれには、我々の意地がかかっている……!」
エグレッタ「この辺りに連邦軍の施設などない。 やはり、あれは……」
(キャニス・アルタルフに警告シグナル)
エグレッタ「この反応は……フフッ、確定だな」
(アッシュ、R-2パワード、フリッケライ・ガイスト、リョウト機が出現)
ラウル「あの機体、ガイアセイバーズの……!」
フィオナ「エグレッタだわ!」
イング「………」
エグレッタ「フフフ……こうも上手くお前と出会えるとは。 嬉しいよ、イング。いや……イーグレット・イング」
イング「!」
マイ「イーグレット!?」
リオ「そ、その名前って……!」
アリエイル「もしや、イングは……!?」
エグレッタ「そこの裏切り者も知らぬことだが…… マシンナリー・チルドレン、その22番目の個体だ」
リョウト「!!」
イング「マシンナリー・チルドレン……」
エグレッタ「僕のパパ、イーグレット・フェフによって 作り出された、新たな世界の主となる存在さ」
イング「僕が……作り出された……!?」
エグレッタ「ああ。 本来なら、お前はアルファ・セイバーの一員として 僕の下にいて然るべきなんだ。自我を持つことなくね」
イング「どういうことなんだ……!?」
エグレッタ「現行のマシンナリー・チルドレンは、 オリジネイターである僕を除いて、 自我を持たず、物を言わない存在だからさ」
量産型MC「………」
量産型MC「………」
リョウト「人の形をした、機体制御装置だとでも……!?」
エグレッタ「君達に倒されたアンサズやスリサズは、 人格設定に問題があったからね。 僕も今の兄弟達の方がコントロールし易い」
イング「なら、何故、僕には自我があるんだ!?」
エグレッタ「さあね。 お前がグランド・クリスマスから脱走した理由も含め、 よくわかっていないそうだよ」
イング「何だって……!?」
エグレッタ「パパにとっても不測の事態だったみたいだけど…… まあ、自分で思い出すんだな」
イング「………」
ライ(奴のみならず、イーグレット・フェフも生きていて、 ガイアセイバーズにいるのか……!)
エグレッタ「イング、お前が単なる欠陥品なら、 どうでも良かったんだが…… 気に入らないことがあってね」
イング「何だ?」
エグレッタ「念動力さ。 コピーが僕にない力を持っているなんて、 ちょっと腹が立つんだよ」
エグレッタ「だから、僕はイレギュラーである お前の存在を消す」
イング「そんな理由で殺されてたまるか……!  念動力だって、何故それを持っているか、 僕は知らないんだ」
エグレッタ「知る必要はないよ。お前はここで死ぬんだから」
イング「いや、僕がフェフという男に造り出された存在なら、 その理由を直接問い質す」
エグレッタ「パパの所まで行けると思っているのか?」
イング「行ってやるさ……!」
アリエイル「イング……!」
イング「出自が判明した以上、自分の行動で証を立てます。 僕がマシンナリー・チルドレンであっても、 エグレッタ達とは違うという証を……!」
ライ「その言葉、今は信用しておく。 ……ラウル、エクサランスは真っ直ぐ輸送機へ向かえ」
ラウル「了解。 それで、ガードに専念すればいいんですね?」
ライ「ああ、俺達は敵を牽制する」
(輸送機の脱出ポイントを示す)
ライ「各機、輸送機に接近する敵機を優先して狙え!」
(アッシュが高速で北の島の北端へ移動)
リオ「イング!?」
イング「僕がここでエグレッタを引き付けます」
リョウト「単機じゃ、危険すぎるよ!」
イング「エグレッタの狙いは僕です。 彼に対して壁になることが出来ます」
アリエイル「ならば、私がカバーに入ります」
イング「いえ、あなたは輸送機の方をお願いします」
マイ「もしや、イング、お前は……」
イング「死ぬつもりはないよ、マイ。 僕の記憶と存在理由を探る糸口が はっきりと見えたんだ」
マイ「だけど、過去の記憶を取り戻しても……」
イング「僕は答えが欲しいんだ。 それが……今、僕が生きている理由の一つだから」
ライ「……わかった。エグレッタの牽制はお前に任せる」
マイ「ライ!」
ライ「状況はこちらが不利だ。 敵の狙いを散らさねば、輸送機が堕とされる」
ライ「ただし、イング。お前とアッシュが倒されたら、 凶鳥の系譜が途切れることになる。 それを忘れるな」
イング「何故、そんなことを……?」
ライ「ヒュッケバインとは因縁があってな。 左手と引き替えにした機体……その末裔が 滅び行く様を見るのは忍びん」
リョウト(そうか、ライディース少尉は ヒュッケバイン1号機のテストパイロットだった……)
(キャニス・アルタルフが高速でアッシュに近づく)
イング「!」
エグレッタ「イングの相手は僕がする。 お前達は他の連中を仕留めろ」
量産型MC「………」
イング「答えは、彼らの向こうにある…… ここで終わるわけにはいかない!」
(作戦目的表示)

〈vs エグレッタ〉

[イング(1回目)]

エグレッタ「さて、真実を知るのが先か、死ぬのが先か…… 無論、前者を選択させるつもりはないけどね」
イング「真実はお前じゃなく、 イーグレット・フェフに聞く!」
エグレッタ「ハッ! コピー如きが大口を叩くな!」

[イング(2回目)]

エグレッタ「そんな継ぎ接ぎだらけの機体で、 僕のアルタルフに勝てると思っているのか!」
イング「姿形は変われど、 アッシュはヒュッケバインの系列機だ!  やってみせる!」
エグレッタ「ベルゲルミルならいざ知らず、 ヒュッケバインなんて、もう過去の機体なんだよ!」

〈レイディバードが指定ポイントへ到達 or キャニス・アルタルフのHP60%以下〉

エグレッタ「遊びは終わりだ、イング。 そのガラクタをお前の棺にしてやる!」
(キャニス・アルタルフがアッシュの傍を高速で通過しながら攻撃。アッシュに爆煙)
イング「ぐうっ!!」
(キャニス・アルタルフがアッシュの傍を高速で通過しながら攻撃)
イング「は、速い!」
エグレッタ「それだけじゃない、 出力も攻撃力もアルタルフの方が上さ!」
(キャニス・アルタルフからアッシュへ砲撃。アッシュに爆煙)
イング「くうっ! このままじゃ!」
エグレッタ(さあ、見せてみろ、お前の力を!)
イング「出力で敵わないのなら、やるしかない!  ジェネレーター、インアクティブ! Eクラッチ!」
マイ「! イング、それは駄目だ!」
イング「トロニウム・エンジン、スタート!  EFホイール、接続!」
(アッシュでシステム起動)
ライ「やめろ、イング!  今の状態では出力が安定しない!」
ミズホ「こ、これは!?」
ラージ「どうしました?」
ミズホ「アッシュの出力ゲージを見て下さい!  ポリーラインにピークがいくつも出来ています!」
ラージ「!」
エグレッタ「フッ、何をする気か知らないが!」
(キャニス・アルタルフがアッシュの傍を高速で通過しながら攻撃するが、アッシュが南へ移動しかわす)
エグレッタ「かわした!?」
イング「スロットル・オープン!  上がれ! 上がれぇっ!!」
(アッシュに精神感応、青白い光に包まれ、『EN回復』)
ミズホ「ア、アッシュのトロニウム・エンジン、 フルドライブ状態です!」
ライ「起動直後に、しかも短時間でそこまで……!」
リョウト「そんなに都合良くポリーラインのピークは 出て来ない……!」
リョウト「偶然……いや、T-LINKシステムとの 相乗効果なのか!?」
イング「行けぇぇぇぇっ!!」
(アッシュがキャニス・アルタルフに高速で近づき、キャニス・アルタルフを弾き飛ばす)
エグレッタ「くっ! 何だ、あのパワーは!?」
ラウル「T303! 今の内に離脱を!」
連邦軍兵「りょ、了解!」
(レイディバードが撤退
フィオナ「ミズホ、アッシュの状態は!?」
ミズホ「フルドライブ状態で安定、 まだピークが出続けています!」
ラージ「これまでのデータと一致しないパターンですね」
デスピニス「まさか、暴走……!?」
ラージ「それ以前に、機体が…… トロニウム・エンジンの本格的な運用は、 改修後を想定していたんです」
ラージ「現状のアッシュではもちませんよ」
エグレッタ(あれがイングに秘められた力か?  だとしたら、聞いていたほどではないな)
イング「ここからだ、エグレッタ!」
エグレッタ「ふん、調子に乗るな。 マシンセル、パート・コート!」
(キャニス・アルタルフに『ド根性』)
フィオナ「ダメージを修復した!?」
エグレッタ「行くぞ、イング。 継ぎ接ぎだらけの醜い機体こそ、 お前の棺桶に相応しい!」
(作戦目的表示)

〈vs エグレッタ〉

[イング]

エグレッタ「ハハッ、出力が先程とは段違いじゃないか」
イング「これがアッシュに与えられた新たな力だ!」
エグレッタ「だが、関節から煙が出ているぞ。 モーターが灼けつく前触れだろう?」
イング(言われずとも……!  早く決着を付けなければ、機体がもたない!)
エグレッタ「バラバラにしてやるよ、哀れな鳥をね!」

〈2 NEXT PP or キャニス・アルタルフのHP70%以下〉

エグレッタ「フン、意外にもつな」
イング「切り札を出した割には 手こずっているじゃないか!」
エグレッタ「切り札? マシンセルが?  そんなことを言った覚えはないね」
イング「……!」
エグレッタ「むしろ、切り札を出してしまったのは、 お前の方だろうが!」
(アッシュに爆煙)
イング「うぐうっ!!」
エグレッタ「!?」
マイ「イング!」
ラウル「今の、下からか!?」
デスピニス「は、はい! 海中に熱源反応!  急速で浮上してきます!」
エグレッタ「もしや……!」
(北端の海中からガリルナガンが浮上する)
リオ「ガ、ガリルナガン!」
エグレッタ「アーマラ、お前も来ていたのか! 邪魔をするな!」
アーマラ「エグレッタ、 お前は与えられた任務を果たしていない」
エグレッタ「何……!?」
アーマラ「あの継ぎ接ぎの力を引き出しても、 プロセスの一つに過ぎん」
アーマラ「それに、トロニウム・エンジンなど そう珍しい物ではない」
イング「う……ぐ……アーマラ……!」
アーマラ「イング…… お前にガリルナガンの真の力を見せてやる!」
【強制戦闘】
アーマラ[アキシオン・アッシャー]vsイング[防御]
(念動フィールドが発生。アッシュのHP0)

<空中のアッシュに爆煙>

アリエイル「イ、イング!!」
(黒煙に包まれたアッシュにスパーク)
アーマラ「ふん、かろうじてバリアで防いだか」
フィオナ「ミズホ! イングとアッシュは!?」
ミズホ「パ、パッチ・アーマーとコーティング・クロークが 欠落! イング君の生命反応はありますが、 危険な状態です!」
フィオナ「エクサランスで助けに行くわ!  デスピニス、エクスフェアリーの射出準備!」
デスピニス「は、はい!」
ライ「ガリルナガンのエネルギー反応…… トロニウム・エンジンか……!?」
ライ「それに、先程の攻撃は……!」
アーマラ「何だ、反応がないな。 終わったか、イング?」
(アッシュを正面から見る)
イング「………」
イング「……僕が……」
イング「僕が……今、使える力……」
イング「探す……どこだ……?」
(アッシュのモニターアイが光る)

<エクサランスが高速移動中>

ミズホ「え!? こ、この反応は!」
ラウル「どうした!?」
ミズホテレキネシスαパルスの数値が……!  イング君が!」
ラウル「何だって!?」
マイ「と、とても強い念を感じる!」
リョウト「あ、あの時と…… イングが初めてアッシュに乗った時と同じだ!」

<レイディバードが飛行している>

カーク「何だ!?」
連邦軍兵「カ、カーゴ内の積荷が動いているようです!」
カーク「馬鹿な、スタンドアローンで動く物ではないぞ。 T-LINKスライダーならともかく……」
カーク「いや、だからこそか?  あの時と同じように……!」
(レイディバードの振動が激しくなる)
連邦軍兵「揺れが激しくなった!」
カーク「カーゴのハッチを開放しろ!」
連邦軍兵「え!?」
カーク「早く! でないと、中から突き破られるぞ!」
連邦軍兵「りょ、了解! ハッチ、開放します!」

<アッシュが右腕を上げていて、右腕の先が光ってる>

イング「……来い……!」
(精神感応)
イング「来いッ!!」
(右腕の光が強くなり、レイディバードから四つの光が飛び出る)

〔戦域:孤島〕

(アッシュのいた所に強い光があり、四つの光の玉が光りの中に吸収されると、 光が収まりエグゼクスバインが出現)
イング「……フィッティング・データ、ロード。 スペック、FCS、T-LINKダイレクト。 ラーニング・スタート」
イング「モーション誤差、サーボモーター限界値、RT修正。 過負荷部分はフィールド・コート。 リスタート、オミット。オプティマイゼーション」
リオ「Mk-Xのパーツを念で呼び寄せたの!?」
ライ「アヤ大尉もSRX合体時に 似たようなことをやったが、あれは……」
リョウト「プリセットやシミュレーションをしていたからって、 あんな形で装着し、瞬時に最適化するなんて あり得ない……!」
ラージ「ええ、非常識の域を超えていますよ……!」
アーマラ「………」
アーマラ(アルテウル様から聞いていた話と違う…… 念動力であのような真似が……)
アーマラ(これもあの方が望まれていた結果なのか……!?)
イング「オプティマイゼーション、コンプリート」
エグレッタ「面白い芸当だったぞ、イング。 だが、ガラクタに継ぎ接ぎを重ねたところで 僕には勝てない……」
エグレッタ「凶鳥の系譜はここで、お前と共に滅び去るんだよ!」
イング「……凶鳥は二度死に、 その血はエクスバイン・アッシュに受け継がれた」
イング「そして、アッシュは死を乗り越え、 灰の中から甦生する……」
イング「EXエクスバイン……エグゼクスバインとしてな!」
エグレッタ「世迷い言はスリサズやアンサズに聞かせろ!  地の底でな!」
イング「それは、僕の台詞だ!!」
【強制戦闘】
イング[T-LINKセイバー]vsエグレッタ[回避]
(キャニス・アルタルフに9000のダメージ。キャニス・アルタルフに爆煙)
エグレッタ「く、うっ……!」
イング「これが新生したヒュッケバイン…… エグゼクスバインの力だ! お前では勝てない!」
エグレッタ「言ったな……!  コピー如きが、オリジネイターであるこの僕に!」
エグレッタ「お前こそ、僕を超えることは出来ない!  マシンセル、パート・コート!」
(キャニス・アルタルフに『根性』)
エグレッタゲイム・システム、スタンバイ! アクティブ!」
(キャニス・アルタルフに青白い光、『集中』『必中』『加速』)
エグレッタ「殺してやるよ、イング!」
イング「違うな!  死ぬのはエグレッタ、お前の方だ!」
(作戦目的表示)

〈vs エグレッタ〉

[イング]

エグレッタ(イングのあの力…… あれもパパの計画の内なのか?)
エグレッタ(だとしたら、 踏み台になっているのは僕の方……?)
エグレッタ(いや、そんなことはない!  僕はオリジネイターだ、僕がいなければ、 兄弟達もイングも、生まれてはこなかった!)

〈AFTER 1 PHASE NEXT PP or キャニス・アルタルフのHP40%以下〉

(キャニス・アルタルフに通信)
エグレッタ「別働隊が来たか!」
(西側にキャニスが多数出現)
ラウル「まだあんなにいたのか!」
フィオナ「あれだけの数をあたし達だけで……!」
(エクサランス・レスキューに通信)
デスピニス「フィオナさん、 鋼龍戦隊の皆さんが来てくれました!」
(ヒリュウ改とハガネが出現)
レフィーナ「各機、直ちに出撃せよ!」
(アクア機が出撃、出撃準備)
アヤ「この念……やっぱり、イングなの……!?」
クスハ「アッシュが起動した時よりも強い……!」
リュウセイ「お、おい! あれ!」
(エグゼクスバインを指す)
タスク「アッシュ……って、形が変わってるぞ!」
リュウセイ「全身に付けてるのは T-LINKスライダーか……!?」
テスク「それって、こっちへ輸送してた奴だろ!?  どうやってくっつけたんだよ!?」
ライ「その話は後だ! 援護を頼む!」
リュウセイ「お、おう!」
エグレッタ「ふん、向こうも手勢が揃ったか」
ゼンガー「エグレッタ・ウーノ……性懲りもなく現れたか」
アラド「じゃあ、 あいつがイーグレット・ウルズなんスか!?」
ゼンガー「そうだ」
エグレッタ「ゼンガー、ブロンゾ28……反逆者共め。 お前達との因縁もここで断ち切ってやるよ!」
アラド「その台詞、そっくり返してやるぜ!  いつまでもおれ達を反逆者扱い出来ると 思うんじゃねえ!」
カイ「……アクア、いけるか?」
アクア「はい。 出力は低下していますが、許容範囲内…… DFCを行いつつ、戦闘可能です」
カイ「くれぐれも無理をするな。 そして、残された者の務めを果たせ。 復讐ではなく、生還するという務めをな」
アクア「は、はい……!」
アクア(ヒューゴ……あなたがいてくれたからこそ、 何とかやってこれたんだって、実感できる……)
アクア(正直言って、一人で この機体に乗るのは心細いけど……)
アクア(これからは、私がパイロット・シートに座る。 あなたが教えてくれた色々なこと、 残してくれたデータと共に……)
アクア(一人だけど、一人じゃない。 私と一緒に戦って、ヒューゴ)
カイ「各機、攻撃開始!」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[アクア]

アクア(機体の動きと出力調整をシンクロさせる…… なるべく穏やかに……そして、正確に……)
アクア(手足の動きと肌の感覚を同調させ…… ヒューゴのコントロールや モーション・パターンをイメージ……)
アクア(ヒューゴの動きに……私の感覚を乗せる!)

〈vs アーマラ〉

[イング]

アーマラ「どのような姿になろうと、 凶鳥は黒焔に灼かれる! それが運命だ!」
イング「お前は僕とエグゼクスバインに脅威を抱いている!  違うか!」
アーマラ「馬鹿なことを!  我がガリルナガンは根本が違う!」
アーマラ「凶鳥の血を取り入れ、姿が似ていても 決定的な差があるのだ!」
イング「その差が、雌雄を決する要因になると思うな!」

[HP30000以下]

アーマラ「チッ、奴らを調子付かせるわけには!」
(ガリルナガンに通信)
アルテウル「……そこまででいい。後退しろ、アーマラ」
アーマラ「アルテウル様、まだ私は!」
アルテウル「お前は私が与えた任務を果たした。 上々の……いや、予想を超えた結果だ」
アーマラ「あれが……!?  イングがあのような力を発揮するとは……」
アルテウル「いいのだ。 お前はよくやった。戻って来るがいい。 ここで優秀な部下を失うわけにはいかん」
アーマラ(!  アルテウル様は、私がイングに敗れると……!?)
アルテウル「帰投せよ。これは命令だ」
アーマラ「は……はっ!」
(ガリルナガンが撤退)
アリエイル「撤退した……!」
イング「………」

〈vs エグレッタ〉

[アラド]

エグレッタ「ブロンゾ28…… お前の存在は消しておかなきゃならない。 マシンナリー・チルドレンの名誉のためにもね!」
アラド「こっちだって心外なんだよ!  おれのデータがてめえらに使われてるなんてな!」
エグレッタ「なら、イングにも同じことを言うんだな!」
アラド「何だって……!?」

[ゼンガー]

エグレッタ「ゼンガー、この世界は生まれ変わるんだよ、 僕達の手によってね!」
ゼンガー「飽きもせず、戯言を吐く!  その続きは、冥府の鬼共にでも聞かせるがいい!」

[アクア]

エグレッタ「何だ?  前回見た時よりも、動きがぎこちないね。 パイロットが変わったか?」
アクア「ええ、確かに変わったわよ!  でもね、私は今もヒューゴと一緒に戦ってる!」
アクア「そして、あなたなんかに関わってる暇はないわ!」

[撃墜]

エグレッタ「よくも……よくも。この僕を……!!」
イング「逃がさんぞ、エグレッタ!」
エグレッタ「イング……覚えているがいい……!  お前は、お前だけは僕の手で殺す!」
(キャニス・アルタルフの周りに爆煙後、キャニス・アルタルフが撤退)
アリエイル「! ダミーボム!?」
テツヤ「敵隊長機はどうなった!?」
エイタ「ロ、ロストしました!」
テツヤ「逃げた、のか?  あの状況からどうやって……!」
イング「………」

〈敵機全滅〉

ユン「戦域内の残敵、反応ありません!」
レフィーナ「全周警戒を厳となせ。 各機収容後、帰投します」
ユン「了解。各機に伝達」
アリエイル「……イング、帰艦命令です。 機体の状態はどうですか?」
イング「う……ううう……!」
アリエイル「イング!?」
ミズホ「イング君の脳波、脈拍が急速に弱まっています!」
(エグゼクスバインがシステムダウン)
ラージ「いけません、機体の方も限界です!」
フィオナ「ラウル、あたし達で回収を!」
ラウル「ああ、わかった!  エクスフェアリーも出すぞ!」

(ブリーフィング・ルーム)

レフィーナ「イングの様子は……?」
ラーダ「力を使い果たし、昏睡しています。 ただし、命に別状はありません」
テツヤ「彼がマシンナリー・チルドレンだったとは……」
ヴィレッタ「でも、その兆候は見受けられなかった…… また、これまでに念動力を有した個体も 確認されていない……」
レフィーナ「アリエイル、あなたはこのことを?」
アリエイル「いえ、 彼に関するデータは存在していませんでしたので。 脱走した後、消去されたと推測します」
レフィーナ(もしかして、素性を隠すために……?  でも、ガイアセイバーズ側でそうする理由は……)
ゼオラ「ですが、あの子はマシンナリー・チルドレンと言っても エグレッタやかつてのスリサズ、アンサズ達とは 様子や感じが違いますし……」
アラド「おれ達みたいな ブーステッド・チルドレンでもなかった……」
ゼンガー「しかし、 イーグレット・フェフに造り出された存在なら、 普通の人間だということはあるまい」
ゼンガー「イングの念動力は、 奴によって与えられたものなのではないか?」
ギリアム「……ヴィレッタ、君の見解は?」
ヴィレッタ「あそこまでの力を発揮させるとなると、 ホワイトスターにあった施設を 使っても可能かどうか……」
ヴィレッタ「でも、それらはL5戦役のオペレーションSRWで、 全て破壊されてしまっているわ」
ギリアム「ならば、エアロゲイターの 技術によるものではないのか……」
アヤ「仮に私の父が何らかの形で関与していたとしても…… 意図的にあのような力を授けられるとは……」
ギリアム(ならば、突然変異だとでも……?)
ライ「エアロゲイターの技術と言えば、 ガリルナガンに疑わしい点があります」
ライ「あの機体にはトロニウム・エンジンが搭載されており、 R-GUNリヴァーレと似たような攻撃を行いました」
ヴィレッタ「映像記録で見たが、 あの機体も失われてしまっている…… イングラムと共に」
アヤ「………」
ライトロニウムに関しては、 ガリルナガンが奪取したことで説明できますが……」
ライ「あの機体には、 R-GUNリヴァーレと同レベルの技術が 用いられているのではないでしょうか?」
リュウセイ「だけど、どうやって、それを手に入れるんだよ?  リヴァーレだけじゃなく、ホワイトスターだって 消えちまってるんだぜ」
ライ「事前に何らかの手段で入手したか…… あるいは、何者かによってもたらされたか」
リュウセイ「ま、まさか……」
ライ「ヴィレッタ隊長、ホワイトスターを送り込んだ者が ガイアセイバーズに手を貸しているのでは ありませんか?」
ヴィレッタ「その可能性は否定できないわね」
リュウセイ「じゃあ、第二のエアロゲイターが 動いてるってのかよ……!?」
ヴィレッタ「ただし、疑問もある」
ライ「何です?」
ヴィレッタエアロゲイターの目的は、 戦士として優れた資質や旺盛な闘争心を持つ 地球人にEOTを与えた後……」
ヴィレッタ「幾多の戦いを勝ち抜き、戦闘能力を昇華させた者達を 自軍の戦力として取り込むことだった」
ヴィレッタ「結果的にそれは失敗したが…… L5戦役のオペレーションSRWの時点で、 見出した者達の育成は終了していた」
ヴィレッタ「次なる手として妥当なのは、 再びホワイトスターを送り込み、さらなる成長を 遂げた戦士達と兵器を捕らえることよ」
イルム「その前段階だってことは?  イングラム少佐だって、事前に潜伏して 準備を進めていたわけだし……」
ヴィレッタ「エアロゲイターがガイアセイバーズ…… いえ、アルテウルと結託しているのなら、 もっと手っ取り早く目的を達成できるはず」
ヴィレッタ「彼はイングラムとは違い、連邦政府の…… それも中央に近い立場の人間なのだから」
レフィーナ「そうですね……私達を捕らえるつもりなら、 今までにいくらでもチャンスがあったはずです」
ショーン「あの時、完全に我々を包囲し……実力行使で ねじ伏せていれば、事は済みましたからな」
テツヤ「つまり、第二のエアロゲイターが動いている 可能性は低いということですか……」
ライ「しかし、ガリルナガンという機体が存在し、 あのような力を見せた以上……」
ライ「ガイアセイバーズがエアロゲイターか、 それに近しい何かと関係を持ち、その技術を 有していると疑うべきでは?」
ヴィレッタ「そうね。 イングの件も踏まえ、事実を調べる必要がある」
レフィーナ「……ギリアム少佐、 この件をジェイコブ中将に報告して下さい」
ギリアム「わかりました」
カイ「レフィーナ大佐、今後のイングの扱いですが…… どうすればよろしいでしょうか」
レフィーナ「………」
アラド「あいつ、記憶が戻ったら エグレッタみたいになっちまうのかな……」
リオ「イングは、身の証を立てると言って、 自分の意志でエグレッタやアーマラと戦ったのよ。 記憶を取り戻したって、あの子はきっと……」
リョウト「それに……彼はもうアルファ・セイバーに帰れない。 帰っても、エグレッタが……」
リオ「ええ……あの子の居場所は、 もうここにしかないのかも知れない……」
アラド「………」
イルム「だが、あいつに何らかの暗示がかけられていて…… 記憶を取り戻した時か、他の条件が揃った時、 俺達の敵になるかも知れないぜ」
レフィーナ「……その時は、その時でしょう」
カイ「では?」
レフィーナ「エグゼクスバインは、我々にとって貴重な戦力です。 そして、それを扱えるのはイングのみ……」
レフィーナ「引き続き、彼が我々と行動を共にすることを望むなら、 そうさせましょう」
レフィーナ「ただし、最悪の事態が発生した場合は……」
カイ「わかっています」
リョウト「その時は……僕達が彼を止めます」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(執務室)]

アーマラ「アルテウル様、 イングのあの力はいったい何なのです?」
アルテウル「私の計画を成就させるために必要なものだよ」
アーマラ「しかし……」
アルテウル「危ぶむことはない。 お前とガリルナガンは最高の仕事をしてくれた。 連れて来て良かったと、心の底から思っている」
アーマラ「アルテウル様……」
アルテウル「イングは、私の願いを叶えるための道具に過ぎん。 だが、アーマラ……お前は違う」
アルテウル「私が最も信頼しているのは、お前なのだ。 以後も私を信じ、任務を遂行してくれ」
アーマラ「はい……どこまでもお供致します、アルテウル様」

(格納庫)

フェフ「……イングを殺すつもりだったようだな」
エグレッタ「だけど、パパが望む結果が出たんだろう?」
フェフ「不満か?」
エグレッタ「いや……命令に従うよ。 パパの望みは……僕の望みでもあるからね」
フェフ「そうか……それでいい、エグレッタ」
エグレッタ(迂闊に逆らって、調整されたら困るからね…… しばらくの間は大人しく従うさ)
エグレッタ(そして、イングを必ず殺す……僕の手でね)

REPORT
強化パーツ『G・テリトリー』を入手しました。

REPORT
換装武器『ハイパー・ビームライフルS』を入手しました。
換装武器『ステルス・ブーメラン』を入手しました。
換装武器『マインドブラスト』を入手しました。

REPORT
換装武器『エナジー・テイカー+』を入手しました。

REPORT
換装武器『グラビトン・ランチャー』を入手しました。


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