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遭遇 ヒリュウ改に立ち寄る ~ 第12話 ~

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ヤンロン「レフィーナ大佐、カークス軍側から情報が入りました。 フェイル殿下の軍がラングラン王都の奪還に成功…… カークス軍も各方面で勝利を収めつつあるようです」
レフィーナ「それで戦争の趨勢(すうせい)が決まりそうなのですか?」
ヤンロン「いえ。敵はレドナ峡谷付近で戦力を集結させる つもりのようですし、当然のことながら カークス将軍もそれを看過しないでしょうから……」
ヤンロン「ラングランの命運を決する戦いは これからが本番といった所です」
ショーン「第一王位継承者であるフェイル殿下が 王都を奪還したのなら、ラングラン軍側の 士気は上がるでしょうが……」
ショーン「カークス将軍がどう思っておられるかは微妙ですな」
レフィーナ「将軍がテリウス殿下の即位を望んでいるのなら、 フェイル殿下との対立は避けられないでしょうね」
ショーン「とは言え、テリウス殿下は そう簡単に御輿へ乗らなさそうではありますが」
ヤンロン「シュテドニアスへの反撃の狼煙を上げたのは、 カークス将軍です。ラングラン解放のきっかけを 作ったという自負はあるでしょう」
ヤンロン「それに、戦力はカークス軍の方が上回っている…… 彼はテリウス殿下を擁立した後で、新政権の樹立を 目論んでいるのかも知れません」
レフィーナ「それがカークス将軍の野望……」
ショーン「侵略戦争の次は内乱ですか。 やれやれ、どこの世界でも人間は 似たようなものですな」
レフィーナ「……ヤンロン、 あなたはどうするつもりなのです?」
ヤンロン「僕はカークス将軍に直接会い、 彼の考えを見極めようと思っています」
ヤンロン「そして、彼の行動がラングランのみならず、 ラ・ギアスを混乱に陥れるとわかった場合は……」
ヤンロン「魔装機神操者としての義務を 果たさなければなりません」
レフィーナ「かつて、マサキからも少し話を聞いたことが ありますが、魔装機神操者の義務とは……」
ヤンロンラ・ギアスにおいて、魔装機神操者は あらゆる権力に従わなくていいのです。 判断は、操者自身に委ねられます」
ヤンロン「そして、その義務とは…… 世界存続の危機に際しては、 全てを捨てて立ち向かうことです」
レフィーナ「では、カークス将軍の考え次第では……」
ヤンロン「ええ……彼を止めるつもりでいます」
レフィーナ「フェイル殿下側に付いて……ですか?」
ヤンロン「それは……わかりません。 しかし、まずはカークス将軍の考えを 直接確かめたいと思っています」
ヤンロン「また、彼は鋼龍戦隊の他のメンバーに関する 情報を持っている可能性が高いと思います。 地上送還の件も含めて、確認します」
ショーン「仮にハガネがフェイル殿下の下にいたとしても、 将軍はそのことを我々に隠すでしょうな……」
レフィーナ「ともかく、私達の地上送還の鍵を握っているのは、 カークス将軍とフェイル殿下なのでしょう?」
ヤンロン「ええ」
レフィーナ「では、私達も彼らの意志を確かめる必要があります。 まずは、カークス将軍から…… ヤンロン、本艦も同行しましょう」
ヤンロン「わかりました」
(警告シグナル)
ユン「……艦長、この近くにいるカークス軍部隊が 何者かと戦闘を行っているようです」
レフィーナ「戦闘……?  もしや、まだこの辺りにシュテドニアス軍が?」
ヤンロン「レフィーナ大佐、 そちらへ向かっていただけませんか?」
レフィーナ「わかりました。 総員、第一種戦闘配置!」


第12話
遭遇

〔戦域:町周辺〕

(ブローウェル5機が大量にいるデモンゴーレムの攻撃を受けている)
兵士「くううっ、このままでは!!」
(北端にグランゾン、ヴィーゾルがいる)
サフィーネ「先に手を出してきたのはあなた達よ。 さあ、覚悟おし」
(南端にヒリュウ改が出現)
サフィーネ「あ~ら、何がやって来たのかと思ったら」
シュウ「………」
レフィーナ「グランゾン……!!」
ショーン「シラカワ博士とグランゾン…… いえ、ネオ・グランゾンはあの時に……!」
レフィーナ「ともかく、各機は出撃を!」
(出撃準備)
ヤンロン「ここは僕達に任せて、君達は下がれ!」
兵士「りょ、了解です!」
(ブローウェル5機が撤退)
シャイン「あ、あのグランゾンは本物ですの!?」
レオナ「エネルギー反応から判断して、 間違いないようですが……」
キョウスケ「乗っているのはシュウ・シラカワか?」
ブリット「しかし、彼は修羅の乱で戦死したはずです!」
リューネ「直接確かめた方が早いよ!  シュウ! グランゾンに乗ってるのは、 あんたなのかい!?」
シュウ「……どうやら、あなた達も私のことを 知っているようですね」
リューネ「は!? 何をとぼけてんのさ!  あたし達を忘れたとは言わせないよ!」
シュウ「申し訳ありませんが、 私には以前の記憶がないんですよ」
リューネ「はあ!?」
ブリット「本当なのか!?」
カチーナ「記憶喪失だなんて、信じられるかよ!」
リューネ「いや、あのシュウがそんな嘘をついて 誤魔化すわけないか……」
リュウセイ「それ以前に…… あいつ、どうやって生き延びたんだ?」
タスク「も、もしかして、幽霊とか……」
チカ「失礼な! 本物のご主人様ですよ!  確かに一度死んじゃいましたけど、 こうやって復活されたんですから!」
リュウセイ「な、何だ、あいつ!?」
タスク「鳥が喋ってるぜ!」
クスハ「もしかして、ファミリア……?」
リューネ「何でシュウがそんなものを……?  いや、それより、どうやって復活したっての!?」
チカ「実はですね、ヴォ……」
シュウ「黙っていなさい、チカ」
チカ「モ、モガモガモガモガ! モガモガガモガガガモッ!  (ご、ご主人様、掴まないで下さいよ!)」
サフィーネ「シュウ様、ここは私が引き受けますわ。 先に行って下さい」
シュウ「わかりました。では……」
(グランゾンが撤退)
リューネ「あっ! 待ちな!」
サフィーネ「あなた達と戦うつもりはなかったんだけど…… 少しの間、付き合ってあげるわ」
リューネ「あんた、誰よ!?」
サフィーネ「私はサフィーネ…… サフィーネ・ゼオラ・ヴォルクルス。 紅蓮のサフィーネって呼ぶ人もいるけどね」
レオナ「ヴォルクルス……?  なら、あのルオゾールと関係が……」
ヤンロン「ああ、サフィーネもヴォルクルスの信者だ」
サフィーネ「そういうこと」
タスク「でっ……でかい……まさに爆……」
レオナ「爆……何かしら?」
タスク「……いえ、何でもないッス」
ヤンロン「サフィーネ、シュウを甦らせたのは お前とルオゾールか?」
サフィーネ「さあ、どうかしらね」
リューネ「あんた、あいつと一緒に何をやろうってのよ!?」
サフィーネ「そりゃもう、あんなことやこんなこと♥ 教えてあげてもいいけど、昼間じゃまずいかもね」
シャイン「えっ? どういうことですの?」
ヤンロン「シャイン王女、彼女の言うことを 真に受けてはいけません」
サフィーネ「あ~ら、相変わらず固いわねえ、ヤンロン。 まあ、柔らかいよりはいいけど♥」
カチーナ「あのアマ、ふざけてんのか!?」
サフィーネ「さあ、いらっしゃいな、仔猫ちゃん達。 いい声で鳴くのよ?」
(作戦目的表示)

〈vs サフィーネ〉

[リューネ]

リューネ「シュウの手下なら、 黙って見過ごすわけにはいかないよ!」
サフィーネ「手下だなんて…… 私はシュウ様に身の心も捧げた下僕よ♥」

[ヤンロン]

サフィーネ「今回は戦うことになっちゃったわね、ヤンロン」
ヤンロン「もう貸し借りはないからな……遠慮なく行くぞ!」

[キョウスケ]

キョウスケ「何者か知らんが……邪魔をするなら、撃ち貫く」
サフィーネ「貫く? 私を? ああん、楽しみ♥」
キョウスケ(……エクセレンとは違うタイプだな)

[タスク]

タスク「あ、あの色気と胸……只者じゃねえ!」
サフィーネ「あら、可愛い坊やじゃない。 たっぷりいじめてあげるわ♥」
タスク「ちょ、ちょっと楽しみかも……!」

[カチーナ]

カチーナ「行くぜ、色気ババア!」
サフィーネ「だ、誰がババアよ!  あんたとそう歳は変わらないでしょ!」

[ゼンガー]

ゼンガー「紅蓮の妖女よ……いざ勝負!」
サフィーネ「ああん、その目付き、その緊張感……!  ゾクゾクしちゃう♥」
ゼンガー「何だ、この女は……!?」

[HP8000以下]

サフィーネ「……はあ、とても良かったわよ。 それじゃ、また会いましょ」
(ヴィーゾルが撤退。残っているデモンゴーレムも撤退)
ユン「戦域内の敵機反応、全て消えました」
レフィーナ「…………」
ショーン「どうしました、艦長?」
レフィーナ「世の中には色々な人がいるものだと思って……」
ショーン「まあ、艦長とは逆の路線ですからな。 多少は見習っていただいてもよろしいかと」
レフィーナ「えっ!?」
ショーン「あ、いえ……何でもありません」

[ヒリュウ改 格納庫]

リューネ「……シュウが生きてたなんてね」
ヤンロン「ああ……。 ルオゾールかサフィーネが蘇生させたのかも知れんな」
ブリット「でも、何故、記憶を失っていたんでしょう?」
ゲンナジー「……わからん」
リュウセイ「ルオゾールが絡んでるのなら、 今のシュウの目的はヴォルクルスの復活なのかよ?」
ヤンロン「おそらく、そうだろうな」
リューネ「ヤンロン、あいつらを放っておいていいの?」
ヤンロン「追うとしても、手掛かりがない。 精霊レーダーにも反応しないということは…… 隠形の術を使っている可能性が高い」
ヤンロン「シュウやサフィーネのことは気になるが、 今はカークス将軍の所へ急ごう」


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