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荒ぶる星神 ~ 最終話 ~

《クロガネ艦橋》

エイタ「……艦長代理、 総司令部との連絡が取れました」
エイタ「アインスト群は 全て活動を停止し、消滅したそうです」
テツヤ「そうか……。 では、各機を収容しろ」
エイタ「はっ」
テツヤ「……」
テツヤ(ダイテツ艦長…… ご報告致します)
テツヤ(我々は……現時刻をもって 全作戦を完了しました……)

《???》

ブライアン「そうか……クロガネと ヒリュウが無事に帰還したか」
ニブハル「はい」
ブライアン「……彼らこそが イージスの盾であり、ハルパーの鎌だと 思いたいものだね」
ニブハル「ですが、この世界は ゆっくりと変わっていくことでしょう」
ニブハル「住人達が 望む、望まないにも拘わらず……」
ブライアン「君が言うと 妙に説得力があるね。 それに、いつもより饒舌だ」
ニブハル「……」
ブライアン「ま、ともかく…… 僕はしばらくの間、傍観者に 徹するしかない」
ニブハル「そうですね」
ブライアン「ふっ…… はっきり言ってくれるよ」
ニブハル「……では、私はこれで」
ブライアン「ああ、わざわざ報告しに 来てくれてすまなかったね。 君にも立場があるというのに」
ニブハル「いえ……」
ブライアン「で、 君は今回の結果で良かったのかな?」
ニブハル「……」
ニブハル「もちろんですよ、 ミッドクリッド前大統領……」

《L5宙域》

ギリアム「白き魔星、 ホワイトスターは消えた…… 様々な思惑や呪縛と共に」
ラミア「しかし、我々には まだ消さねばならぬ物があります」
ギリアム「ああ、 システムXN・アギュイエウスをな」
ラミア「……爆破装置の点検終了。 機外に射出します」
ギリアム「頼む」
(飛行音)
ラミア「アギュイエウスの射出を確認」
ギリアム「……」
ギリアム(さらばだ、システムXN……)
ギリアム(いや、XNガイスト…… かつての我が半身よ)
(スイッチ音、爆音、閃光)
ギリアム「……」
ラミア「……」
ラミア「……システムXN、 アギュイエウスの消滅を確認」
ギリアム(これで、俺は……)
ラミア「……」
ギリアム「すまなかったな、ラミア。 俺の後始末に付き合わせて」
ラミア「いえ」
ギリアム「……では、 クロガネに帰還しよう」
ラミア「はい……」
ラミア(これで……残る任務は後一つ)

《クロガネ艦橋》

クスハ「え?  ゼンガー少佐やレーツェルさんとは ここでお別れなんですか?」
ゼンガー「うむ」
レーツェル「実に 今さらの話で恐縮だが、この艦は 公式には存在していない物なのでな」
レーツェル「お前達と共に 伊豆へ帰還するわけにはいかんのだ」
ライ「では、これから兄さん達は?」
レーツェル「我らは レイカー司令の依頼を受け、 お前達の影となりて働く者……」
レーツェル「故に、 然るべき所へ行くつもりだ」
タスク「つまり……要はどこかに 隠れるってことッスか?」
レーツェル「そうとも言うな」
クスハ「で、でも、 それで大丈夫なんですか……?」
ギリアム「確かに、 ケネス・ギャレット少将あたりは 納得しないだろうが……」
ギリアム「修理中のハガネの件も含めて、 根回しは俺の方でする」
カイ「それに、あのタコ親父の 小言は俺の方で受けておくさ」
レーツェル「……申し訳ありません、 カイ少佐」
カイ「気にするな。それが表側にいる 俺の役目でもあるからな」
ブリット「……」
ユウキ「ブリット……俺とカーラは クロガネへ残ることにした」
ブリット「え……?」
タスク「もしかして、 レーツェルさん秘蔵の紅茶目当て?」
ユウキ「まさか」
ブリット「じゃあ、何故?」
ユウキ「俺とカーラは ノイエDCにいた身だ……」
ユウキ「レーツェルさん達と共に行く方が 何かと煩わしくなくていい」
レオナ「カーラ…… あなた、自分の夢はどうするの?」
カーラ「もちろん、諦めちゃいないよ。 でも、今はまだそれをかなえる 段階じゃないって思うんだ」
カーラ「いつまた地球を狙ってくる 異星人が現れるかわからないし……」
カーラ「ゼンガー少佐や レーツェルさんと一緒にいれば、 何だが退屈しなさそうだしね」
タスク「それどころか、 目一杯振り回されちまうぞ。 斬艦刀みてえに」
カーラ「あははは、望む所だよ。 あたし、派手好みだし」
クスハ「何だか、 かえって目立ちそう……」
テツヤ「……では、レーツェルさん。 あなたにクロガネをお返しします」
レーツェル「フッ……言ったはずだ、 この艦は私だけの物ではないと」
テツヤ「……そうでしたね」
ギリアム「ゼンガー、レーツェル…… いずれまた」
ゼンガー「うむ」
カイ「ユウキとカーラを頼むぞ」
レーツェル「わかっています」
ライ「兄さん……」
レオナ「エルザム様、どうかお元気で」
レーツェル「ああ、お前達もな」
ユウキ「ブリット…… 縁があったら、また会おう」
ブリット「ああ。頑張れよ、ユウ」
クスハ「元気でね、カーラ」
カーラ「うん。 あんた達も仲良くやんなよ」
レーツェル「では、諸君…… 再会の時まで、しばしの別れだ」

《ヒリュウ改艦橋》

ユン「艦長、 クロガネからの人員と機体、 物資の移送作業が終了しました」
レフィーナ「了解です」
ユン「コンベアチューブ、分離。 クロガネ、発進します」
レフィーナ「発光信号上げ。内容は 『貴艦の航海の安全を祈る』で」
ユン「はい」
レフィーナ「本艦も 伊豆基地へ向けて発進します。 準備を急いで下さい」
ショーン「了解致しました」
レフィーナ「……」
ショーン「……今回はレイカー司令の 先見の明に助けられましたな」
レフィーナ「ええ。 あの方がクロガネをレーツェルさんに 託していなければ、今頃は……」
ショーン「……しかし、これから先は 上の体制が変わったせいで、 やりにくくなるでしょうな」
レフィーナ「でも、私達がやるべきことに 変わりはありません」
レフィーナ「それに…… レイカー司令もあのままで 終わられる方ではないでしょう?」
ショーン「そうですな。 今の体制もどこまで長続きするか わかりませんし……」
(通信)
ユン「!?  艦長、第1デッキでアンジュルグが 発進態勢に入っています!」
レフィーナ「え!?」
ユン「応答せよ、アンジュルグ!  発進命令は出ていない!  応答せよ、アンジュルグ!」
(飛行音)
ユン「艦長、 アンジュルグが艦外に出ました!」
レフィーナ「ラミア……!」

《地球近海》

ラミア(……静かだ。 宇宙はこれぐらい静かな方が いいのかも知れない……)
ラミア(レモン様、ヴィンデル様、 アクセル隊長……あなた達が求めた 世界よりもいいかも知れません)
ラミア(そして、シャドウミラー隊は 私を除いて全滅……)
ラミア(アギュイエウスも消滅した今、 残った私が機能を停止すれば…… 全てが終わる)
ラミア(任務を放棄し、 敵組織へ寝返り、 創造主を殺し……)
ラミア(レモン様、私はWナンバーズの 失敗作なのかも知れません)
ラミア(人形の私があなたの傍に 行くことは出来ないでしょうが……)
ラミア(W17、 Wナンバーズ最後の活動を停止します)
(通信)
アラド「ラミアさん!  ちょっと待った! 待ったぁぁっ!!」
ラミア「アラド……!」
カチーナ「ラミア!  暴れるだけ暴れといて、さっさと おさらばしようなんざ甘えんだよ!」
ラミア「カチーナ中尉……」
ブリット「ラミアさん、 これからが大変なんですよ」
ブリット「壊すよりも、 創って、守っていく方が何倍も……」
ラミア「ブリット……」
クスハ「お願いです……!  もう自爆なんて止めて下さい……!」
ラミア「クスハ……」
ギリアム「何故、君は死に急ごうとする?  この世界は君を受け入れたと言うのに」
ラミア「……ですが、 世界を混乱させたのは 我々シャドウミラー隊……」
ラミア「そして、 私は直接手を下したWナンバーズ……」
ラミア「命じられるがままに 実行した人形。やはり、この世界で 存在することは許されません」
マサキ「最初は敵だったかも知れねえ。 でも、今は違うだろ?」
ラミア「マサキ……」
エクセレン「ラミアちゃん…… 最後は自分の意思で私達と一緒に 戦ってくれたじゃない」
ラミア「エクセ姉様……」
アイビス「それとも……残った自分の 可能性を自分自身の手で 消そうって言うの?」
ラミア「だが、私は地球人…… いえ、人間ですらない」
ヴィレッタ「それは……私も同じだ」
ラミア「……!」
リュウセイ「素性なんて関係ねえぜ。 ……仲間なんだからさ」
ラミア「だが、私はW17……」
ラトゥーニ「ううん……。 あなたはラミア・ラヴレス…… もうW17じゃない……」
ラミア「……」
キョウスケ「もし自分の心変わりを 心配しているのなら、気にするな」
キョウスケ「その時は…… おれ達がお前を止めてやる」
ラミア「キョウスケ中尉……」
キョウスケ「だから、戻ってこい」
ラミア「……」
ラミア「もう少し…… 変わっていく自分を見るのも 悪くない……」
キョウスケ「ラミア……」
ラミア「W17…… いえ、ラミア・ラヴレス…… これより帰還します」
キョウスケ「……了解した」
ラミア「……」
ラミア(もう少し…… この世界にいようと思います、 レモン様)
ラミア(数々の敵を打ち破った 強大な力を持ちながら……)
ラミア(闘争を 日常とする世界を良しとしない者達が 支える世界で…………)

《伊豆基地司令室》

レフィーナ「……報告致します。 ヒリュウ改、伊豆基地へ 帰還致しました」
ケネス「ふん…… 帰ってくるものの数が、こちらで 得た情報とは違っているようだな」
テツヤ「我々の部隊には 軍属でない者もおりますので」
ケネス「まあいい。 とりあえず、貴様らには ご苦労だったと言っておこう」
テツヤ「……ケネス少将、 レイカー司令やサカエ副指令は どちらにいらっしゃるのですか?」
ケネス「前司令、だ。 そういう所はダイテツと同じだな、 テツヤ・オノデラ」
テツヤ「誉め言葉として 受け取っておきます」
ケネス「……覚悟しておけ。 貴様はワシの下でこき使ってやる」
テツヤ「……それで、 レイカー司令とサカエ副指令は?」
ケネス「案ずるな。連中には、 これからも休暇を与えるつもりだ。 ……この伊豆基地でな」
テツヤ「……」
ケネス「貴様らの今後については、 すでに決定が下されている。 今からその詳細を伝える……」

《月・マオ社》

リン「……そうか。皆、然るべき所へ 行くことになるのだな」
イルム「意外に温情的な処置でね。 こっちからの希望も だいぶ受け入れられた」
イルム「ま、俺達以外の誰かが 根回しをしたとは思うが」
リン「……」
イルム「で、そっちの様子は?」
リン「一からの出直しに近いな。 連邦軍からも援助が出るが、 極力自分達の力で何とかしたい」
イルム「……やっぱり、イスルギとの 合併吸収の話は蹴ったんだな?」
リン「無論だ」
イルム「じゃ、リョウトやリオが 軍に残ると決めた以上、 人手は多い方がいいな」
リン「イルム……」
イルム「言ったろ? こっちからの 希望も受け入れられたって」
リン「……」
イルム「しばらくの間、手伝ってやるよ。 ……長い付き合いだからな」
リン「フッ……あてにさせてもらおう」

《???》

リューネ「そっか、 マサキはラ・ギアスに……」
マサキ「ああ。今回の件は何とか 一段落ついたし……あれから シュウの野郎も動きを見せていねえ」
クロ「それにあたし達、ニャんだかんだで 長い間地上にいたし……」
シロ「ここいらで ラ・ギアスへ帰っておきたいんだニャ」
リューネ「そうだね…… あんた達には帰る所があるもんね」
マサキ「リューネ、 おめえはどうすんだ?」
リューネ「レフィーナ艦長から 誘いを受けててね。ヒリュウの みんなと一緒に月へ行くんだ」
マサキ「月へ? ヒリュウが?」
リューネ「うん。 ムーンクレイドルの警備任務に 就くんだってさ」
マサキ「ふうん……」
リューネ「艦長は今のままの 扱いにしてくれるって言うし…… みんなとは気も会うからね」
マサキ「そうか。 ……じゃ、俺達はそろそろ行くぜ」
リューネ「道に迷うんじゃないよ、 マサキ」
マサキ「ヘッ、 言われなくてもわかってらあ」
シロ「でも、 きっと迷うに決まってるニャ」
クロ「……お約束だもんニャ」
マサキ「その反応も お約束だってんだよ!」
リューネ「じゃ、マサキ……元気でね」
マサキ「ああ。 また地上で何かあったら戻ってくるぜ」
マサキ「お前や……仲間達を助けにな」

《京都地区》

ライ「……ヒリュウの出航日が 決まっただと?」
レオナ「ええ、明後日に」
ライ「俺達のハガネが出る日と同じか」
レオナ「でも、 私達の今回の行き先は月だから、 長い航海ではなくてよ」
シャイン「では、 またすぐにお会いできるかも 知れませんね」
レオナ「ですが、王女……あなたは」
シャイン「もちろん、 リクセント公国に帰りますわ」
シャイン「でも、その後…… 連邦政府からの依頼で、各地の視察と 慰問を行うことになっておりますの」
ライ「そうなのですか」
シャイン「ラトゥーニやライディ様達と お別れするのは寂しいですけど……」
シャイン「私は私の責務を 果たすつもりでございます」
ライ「……」
シャイン「よろしかったら、 一度皆様でリクセントへ 遊びに来て下さいませ」
シャイン「皆様は私達の恩人ですもの。 国を挙げて歓迎致しますわ」
ライ「わかりました」
レオナ「ライディース……あれを見て」
ライ「……!」
レオナ「カレトアの花……エルザム様ね」
ライ「フッ…… 相変わらずだな、兄さんは」
シャイン「私達もカトライア様のお墓に お花を……」
レオナ「はい……」
ライ「……」
ライ(義姉上……。 約束通り、カトレアの花を捧げに……)
ライ(そして、あなたに本当の別れを 告げるために来ました……)
ライ(どうか、義姉上…… 安らかにお眠り下さい………)

《連邦軍伊豆基地》

アラド「え!?  おれとゼオラを教導隊に!?」
カイ「ああ。 それにラトゥーニとラミア……」
ラーダ「私も外部スタッフとして、 あなた達の面倒を見ることに なったの」
アラド「……」
カイ「何だ、その顔は?」
アラド「い、いや、あの……。 ラトとラミアさんはともかく、 おれなんかが……」
カイ「その点は心配するな。 俺がこれからもお前を みっちりと鍛えてやる」
アラド「ゲ!!」
カイ「だから……何だ、その顔は?」
アラド「い、いえ…… 今後とも宜しくお願いします」
カイ「おう、覚悟しておけ」
アラド「もうしてるッス」
ラーダ「大丈夫よ。 ヨガを体得すれば、厳しい訓練にだって 耐えられるようになるわ」
アラド「その前に 終わっちまいそうな気がするッス」
(扉が開閉する)
ゼオラ「アラド、準備が出来たわよ」
アラド「わかった。ラトは?」
ゼオラ「荷物がたくさんあるから、 先に行ってるって。 地図はもらっておいたわ」
ラーダ「……アラド、ゼオラ。 ジャーダ達によろしく伝えてね」
カイ「双子が生まれたら、 俺達も顔を見に行くとな」
ゼオラ「はい。 じゃ、行きましょう、アラド」
アラド「ああ」

《連邦軍伊豆基地正門》

ゼオラ「……ね、アラド。 一つ聞いていい?」
アラド「何だよ、藪から棒に」
ゼオラ「あなた、別れ別れになる前に 私との約束以外に守るものがあるって 言ったわよね?」
アラド「そ、そうだったっけ?」
ゼオラ「あれって……何だったの?」
アラド「え、え~と……」
ゼオラ「……地球圏に住む人達のこと?」
アラド「それもあるけど……」
ゼオラ「じゃあ、 自分のプライドとか……」
アラド「そんなの、 あってねえようなもんだからなあ」
ゼオラ「オウカ姉様達との想い出?」
アラド「そりゃ、当たり前だろ」
ゼオラ「うん……」
アラド「……」
ゼオラ「……じゃあ、何なの?」
アラド「お前って…… そういう所は鈍いんだよな、昔から」
ゼオラ「え?」
アラド「あの時に言った おれが守るものって……」
アラド「お前だよ」
ゼオラ「!」
アラド「そう、ゼオラ…… お前のことなんだ」
ゼオラ「アラド…… あなた、私のことを……?」
アラド「う、うん……まあね」
ゼオラ「どうして、今まで……」
アラド「ほ、ほら、そういうのって…… いちいち口に出すもんじゃないしさ」
ゼオラ「……」
ゼオラ「……バカ……」
ゼオラ「本当にバカなんだから……」

《東京地区》

ガーネット「お帰り、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「ガーネット……」
ジャーダ「何だ何だ、この荷物は!?」
ラトゥーニ「みんなからの 出産祝いなの……」
ジャーダ「まだ生まれてねえのに、 気がはええな」
ラトゥーニ「それと……これを……」
ガーネット「家のカタログ?  どういうこと?」
ラトゥーニ「家族が 増えて大変だろうからって、 シャイン王女が……」
ジャーダ「だ、だけどよ、 そんな物までもらうわけには……」
ガーネット「いいじゃない。 あんたの今の稼ぎじゃ、これ以上 広い所に引っ越せないんだし」
ガーネット「王女様の気持ち、 ありがたくもらっておこうよ」
ジャーダ「まあ、 お前がそう言うんなら……」
ガーネット「さあさ、中に入って、 ラトゥーニ。ご馳走たっくさん 作ってあるんだから」
ジャーダ「ああ。アラドとゼオラも すぐに来るんだろ?」
ラトゥーニ「……でも…… オウカ姉様は……」
ガーネット「ラトゥーニ…… 姉さん達の分も作ってあるの」
ラトゥーニ「え……?」
ジャーダ「……お前達の 心の中にいるんだろ、姉貴達は」
ガーネット「きっとあなたの 姉さんも喜んでくれるよ。ここへ 無事に戻ってこれたことを……」
ジャーダ「だから、みんなで……な?」
ラトゥーニ「うん……」

《伊豆基地格納庫》

カチーナ「トロロパブロフ・ ビーフジャーキー!?」
エクセレン「ちゃうちゃう。 ペトロパブロフロクス・ ガムスキーよん」
タスク「ペトロポロロックス・ グァンダムダイスキーっしょ?」
マイ「グァンダ……?」
リュウセイ「どっかで聞いたような、 聞かないような……」
ヴィレッタ「……ペトロパブロフスク・ カムチャッキーでしょう?」
キョウスケ「ええ、そうです」
アヤ「ど、どこなの?」
キョウスケ「ここから遥か北…… カムチャッカ半島にある基地です」
エクセレン「そうそう、 もうほとんど北極なの。 下手したら凍死しちゃうかも」
アヤ「そ、そうね…… ノースリーブじゃ、ちょっとね」
ラッセル「どうして またそんな所へ……?」
エクセレン「ん~、ケネス少将は ラングレーにいた時から私達のことを よく思ってなかったみたいだから……」
キョウスケ「有り体に言えば、 飛ばされたということだな」
カチーナ「ケッ…… 見た目に似合わず陰険なヤローだな、 あのハゲダコは」
リュウセイ「ブリットやクスハも その何とかチャッキーに行くのか?」
キョウスケ「ああ、 テスラ研での仕事を終えた後でな」
エクセレン「まあ、 辺境警備ってのもオツなものよん」
エクセレン「それに、私達の愛で 雪が解けちゃうかも♥」
キョウスケ「……氷づけにするぞ」
エクセレン「いやん、そんな」
カチーナ「ま、おめえらなら どこへ行っても相変わらずだろうな」
タスク「カチーナ中尉もッスね」
カチーナ「ああ。 グウの音って奴が出るまで 鍛えてやるからな、覚悟しとけ」
タスク「今、言っておくッス。 …………………グウ」
カチーナ「バッキャロー、 そりゃてめえの腹の虫だろうが!」
(通信)
ユン「出航30分前。ヒリュウ改クルーは 直ちに乗艦して下さい」
ユン「繰り返します。ヒリュウ改クルーは 直ちに乗艦して下さい」
エクセレン「……時間ね」
ヴィレッタ「アヤ、リュウセイ、マイ…… 私達もハガネに行きましょう」
アヤ「わかりました」
リュウセイ「了解」
キョウスケ「リュウセイ、お前達は?」
リュウセイ「SRXチームは ハガネに乗って……しばらくの間、 色んな所をパトロールするんだ」
エクセレン「あらら、 そっちはそっちで大変そうねぇ」
リュウセイ「ホントは たらい回しだったりして」
カチーナ「ま…… 頑張れよ、SRXチーム」
アヤ「ええ、カチーナ中尉達もね」
エクセレン「マイちゃん、 お姉さんと仲良くするのよ?」
マイ「うん……」
リュウセイ「キョウスケ中尉、 みんなして風邪ひくなよ。 クスハのアレが出てくるぜ?」
キョウスケ「フッ、そうだな。 気をつけよう」
エクセレン「みんな、元気でね」
ヴィレッタ「ええ、また会いましょう」

《ハガネ艦橋》

レフィーナ「……では、 我々は先に出航します」
テツヤ「わかりました。 どうかお気をつけて」
レフィーナ「ええ、そちらも」
ショーン「ダイテツ中佐の後を継ぎ、 しっかりとハガネの艦長職を 務めて下さい」
テツヤ「はい」
レフィーナ「それでは…… またお会いしましょう、テツヤ艦長」
(通信切れる)
テツヤ「……」
テツヤ「エイタ、 こちらの出航準備は?」
エイタ「後は、 新しいクルーの到着を待つだけです」
テツヤ「了解した」
エイタ「ところで、艦長…… 新任のオペレーターが来るって 聞いたんですけど、誰なんです?」
(扉が開閉する)
リオ「私よ」
エイタ「ええっ!? な、何で!?」
リオ「人手不足だからって、 艦長に頼まれてね。ほら、私…… 前はハガネのオペレータやってたし」
エイタ「し、新人だと思ってたのに……」
リオ「その新人が来るまでの 一時配置だから、先輩風を 吹かすのは我慢しなさい」
エイタ「で、でも……リオとリョウトは マオ社に行くんじゃなかったのか?」
リオ「それなんだけど……」
(扉が開閉する)
リョウト「……艦長、 機体のチェックが終わりました。 これがリストです」
テツヤ「ご苦労」
エイタ「リョウト、その服は……?」
リョウト「うん……。 僕は整備班の人間として、 ハガネに乗ることにしたんだ」
リョウト「これなら、将来のための 勉強にもなるし……いざという時には 戦うことも出来るからね」
エイタ「そうか……」
テツヤ「……みんな これからもよろしく頼むぞ」
リオ「はい!」
リョウト「了解です、艦長」
テツヤ「では、 本艦はこれより出航する!  総員、直ちに持ち場へつけ!」

《テスラ・ライヒ研究所》

エリ「……では、超機人は このテスラ・ライヒ研究所へ 預けると言うことでいいのですね?」
ブリット「ええ。 軍の管轄下においておくのは あまり良くないと思いますので……」
クスハ「それに……龍虎王や虎龍王を 休ませてあげたいんです」
リシュウ「そうじゃな…… その方が良かろう」
エリ「わかりました。私の方の解析作業も 一時中断しましょう」
ジョナサン「それでいいのか、 アンザイ博士?」
エリ「ええ。超機人は、 私だけのものではありませんし……」
エリ「また彼らの力が必要になる時が 来るかも知れません」
ジョナサン「……そうだな では、クスハ、ブリット。龍虎王は 私達が責任を持って預かるよ」
ブリット「お願いします」
ジョナサン「君は この後、キョウスケ中尉達と 合流するのか?」
ブリット「ええ」
リシュウ「クスハ、 お前さんはどうするんじゃ?」
クスハ「ブリット君と 一緒に行きます。先生に言われた 使命を果たすために……」
リシュウ「うむ」
ジョナサン「なら、ちょうど良かった。 参式の3号機に乗っていきたまえ」
ブリット「こっちに 戻って来ていたんですか?」
ジョナサン「ああ、 もう組み立ても完了している。 以後はATXチームで使ってくれ」
ブリット「わかりました」
リシュウ「息災でな、二人共」
クスハ「はい、先生達も……」
ジョナサン「暇が出来たら、いつでも 遊びに来たまえ。アイビスや ツグミ達も待っているからな」
ブリット「ええ。 ……では、行ってきます」

《テスラ・ライヒ研究所》

フィリオ「アイビス、 一服して、お茶にしようか」
ツグミ「今日のケーキは ブルーベリータルトよ」
アイビス「やったぁ!  朝からトレーニングしてたんで もうお腹ペコペコだよ」
ツグミ「ハードなトレーニングが 続くのに、随分と楽しそうね」
アイビス「当たり前だよ。 戦いが終わってプロジェクトTDが 再開されたんだもの」
アイビス「やっぱり、あたし…… 戦うよりも飛ぶことの方が 好きだしね」
フィリオ「僕も同じだよ、 アイビス」
ツグミ「でも、うらやましいわ。 食べたカロリーが完全に 燃焼されちゃうなんて……」
ツグミ「私もトレーニングに 付き合おうかな……」
フィリオ「そうだね。 ナビゲーターとしての訓練を 再開したらどうだい?」
ツグミ「……そうね。 私もその時期が来たと思うわ」
フィリオ「ああ……」
アイビス「二人で何の話?」
フィリオ「大事な夢の話だよ。 君が宇宙を飛ぶための」
アイビス「それってツグミの 体重と関係あるの?」
ツグミ「もう! アイビス!」
フィリオ(アイビス…… もうすぐ君の新しい翼『α』が 完成する……)
フィリオ(そして、スレイが戻り 『β』が完成した時、 僕達の夢は銀河へ旅立つ……)
フィリオ(……でも、僕は その時を迎えられないだろう……)
アイビス「どうしたの、フィリオ?  何だか顔色が悪いけど…」
ツグミ「出来の悪い ナンバー04のせいよ」
アイビス「ぐっ!」
フィリオ「そんなことはないよ、 アイビス」
フィリオ「今の君は アステリオンを駆るに足る勇気と 力を備えているさ」
アイビス「まだまだだよ……。 まだ、あたしはスレイに 勝てない……」
アイビス「だから、スレイは あたし達のところに 帰ってこないんだ……」
ツグミ「……スレイの消息は 不明のままね……」
アイビス「そんな顔しないでよ、 ツグミ。あたし……まだまだ 頑張るからさ」
アイビス「それでさ……。 あたし、明日……挑戦するよ」
ツグミ「まさか……!?」
アイビス「RaMVsを超える Sランクのマニューバー…… GRaMXsを」
ツグミ「でも、あれは理論では 完成しているけど、実際に 出来るかは……」
アイビス「アステリオンと あたしならやれる……。 いや、やってみせるよ」
フィリオ「それでこそだよ。 アイビス……君の力を信じてる」
アイビス「はい!」
フィリオ(その笑顔…… 君ならきっといつか飛べる……)
フィリオ(アイビス、ツグミ…… そして、スレイ。 僕の夢、君達の翼に託すよ……)

《輸送機・機内》

エクセレン「……キョウスケ、 ペトロ中略チャッキー基地まで あと2時間だって」
キョウスケ「ああ、わかった」
エクセレン「今、 ブリット君とクスハちゃんも ペチャッ基地に向かってるみたいよん」
キョウスケ「妙な略し方をするな」
エクセレン「だって、 舌噛みそうな名前なんだもの」
キョウスケ「……確かにな」
エクセレン「……ラミアちゃんが カイ少佐にスカウトされちゃったから、 寂しくなったけど……」
エクセレン「また会えるわよね?  みんなとも……きっと……」
キョウスケ「……」
キョウスケ「……どうした?  何か気になることがあるのか?」
エクセレン「うん……」
エクセレン「あの時、アインストシリーズは 全部塵になったじゃない?」
キョウスケ「ああ……」
エクセレン「ヴァイスちゃんも 元通りになって……」
エクセレン「だけど……私は残った」
キョウスケ「……」
エクセレン「後は私がいなくなれば…… あいつらの……」
キョウスケ「以前、 お前はお前のままでいろと言ったぞ」
エクセレン「……」
キョウスケ「もしもの時は…… おれがお前を殺してやる。 ……だから、心配するな」
エクセレン「ふふふ、 そんな慰め方ってあり?  これがホントの殺し文句って奴?」
キョウスケ「……その調子だ おれの傍にいればいい、エクセレン」
エクセレン「うん。 でね、殺し文句ついでに お願いがあるんだけど……」
キョウスケ「何だ?」
エクセレン「近い将来…… ううん、もっと先でいいけど…… 私、双子の赤ちゃんが欲しいな」
キョウスケ「双子……?」
エクセレン「そ。女の子の双子。 お姉さんの方の名前はレモンで、 妹は……」
キョウスケ「……アルフィミィか」
エクセレン「駄目かしらん?」
キョウスケ「フッ……覚えておこう」

<スタッフロール>

SUPER ROBOT WARS
ORIGINAL GENERATION2

THE END


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