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招かれざる異邦人(後編) ~ 第25話 ~

《ブリーフィングルーム》

リュウセイ「ん? ライ、お前だけか?」
ライ「ああ。まだヴィレッタ隊長や アヤ大尉は来ていない」
リュウセイ「ふ~ん……」
リュウセイ「そう言や、アヤの奴…… 何やってんだろうな? こっちへ 戻って来てからまだ顔を見てないぜ」
ライ「R-GUNパワードの調整を 手伝っていると聞いていたが……」
リュウセイ「あれ、もう使えるのか?」
ライ「ああ、 今日明日で仕上がるらしい」
リュウセイ「じゃあ、 今からやるミーティングって、 天上天下一撃必殺砲関連の話かな」
ライ「天上天下……何だと?」
リュウセイ「天上天下一撃必殺砲。 俺が考えたHTBキャノンの別名さ」
ライ「……そのネーミングセンスは 何とかならんのか?」
リュウセイ「じゃあ、 お前なら何て名づけるんだよ?」
ライ「……」
ライ「…………」
ライ「……………………」
リュウセイ「悪かった、 聞いた俺が悪かったよ」
(扉が開閉する)
アヤ「二人共、お待たせ」
リュウセイ「あれ、アヤだけ?  ヴィレッタ隊長は?」
アヤ「今、父のラボにいるわ。 私はあなた達を呼びに来たの」
リュウセイ「ラボ? いったい、 何のミーティングなんだ?」
アヤ「それは……」
(アラート)
リュウセイ「な、何だ!?」
ライ「敵襲警報!?  しかし、このグレードは……!」
テツヤ「緊急事態発生!  伊豆基地内にアインストの 転移反応を多数感知した!」
テツヤ「総員第一種戦闘配置!  各機は直ちに出撃せよ!!」
リュウセイ「ア、アインストだと!?」
ライ「奴らが 直接攻撃を仕掛けてきたのか!」
リュウセイ「こうしちゃいられねえ!  俺達も行こうぜ!!」
アヤ「あ、でも……!」
リュウセイ「なに言ってんだ!  お前がいなきゃ、SRXに 合体できねえだろうが!」
アヤ「!」
アヤ「わかったわ、行きましょう!」


第25話
招かれざる異邦人(後編)

〔戦域:伊豆基地周辺〕

(出撃準備)
カチーナ「くそっ、 次から次へとわいてきやがって!  ゴキブリかよ、あいつら!」
クスハ「も、もしかして、 アインストは龍虎王を狙って……!?」
ブリット「いや、それだけじゃない!  奴らはここを……俺達全てを 潰す気だぞ!」
(アラート)
オペレーター「だ、第9区画で 重力異常を感知!!」
サカエ「何っ!?」
オペレーター「あ、新手の アインストシリーズです!!」
(アインストアイゼンが出現)
サカエ「あ、あれは!?」
アラド「ア、アルトアイゼン!?」
カチーナ「マ、マジかよ!?」
イルム「あの数、形…… アインストが作った物か?」
ラトゥーニ「ええ、おそらく」
レオナ「しかし、何故アインストは アルトだけを……!?」
ライ「キョウスケ中尉やエクセレン少尉と 何か関係があるのか?」
レイカー「迎撃システム、全機作動!  非戦闘員の避難を急げ!」
サカエ「はっ!」
レイカー「百里と小松からの支援は どうなっている?」
オペレーター「そ、それが 当基地と同じくアインストシリーズの 襲撃を受けています!」
レイカー「!  ここを孤立させる気か……!」
ダイテツ「だが、 敵の本命はワシらのはずだ。 全機、直ちに敵を迎撃せよ!」
カイ「了解!」
リオ「リョウト君、 AMボクサーの調子はどう?」
リョウト「大丈夫…… 出力、シンクロ共に安定してる」
リオ「あまり無茶しないでね?」
リョウト「うん、リオも……!」
アヤ「システム、オールグリーン…… T-LINK開始」
リュウセイ「アヤ、いけるな?」
アヤ「ええ…… 隊長の訓練の成果、見せてあげるわ」
アヤ(……あの子はまだシミュレーターで 訓練をしている段階……)
アヤ(実戦に出るのはまだ無理。 だから、私が頑張らなきゃ……!)
アヤ「二人共、 すぐにフォーメーションRを 仕掛けるわよ! いいわね?」
リュウセイ「おう!」
ライ「了解!」
カイ「よし!  各機、攻撃を開始しろ!!」

〈敵機12機撃墜〉

(アラート)
サカエ「何だ!?」
オペレーター「第4区画に重力異常!  ア、アインストですっ!!」
サカエ「!!」
(アインストが出現)
シャイン「ま、まだ 出てくるのでございますの!?」
ラーダ「数で押す気ね……!」
ラッセル「まさか、この調子で どんどん増えるんじゃ……!?」
アラド「くそっ、 こんな時にマサキさんやリューネさんが いてくれりゃあ……!」
ブリット「弱音を吐くな、アラド!  一体でも多くの敵を倒すんだ!」
アラド「は、はいっ!」
リュウセイ(……このまま 敵が増え続けたら、 みんなが保たねえ……!)
リュウセイ「アヤ、 ヴァリアブル・フォーメーションだ!  SRXで奴らを一気に倒すぞ!」
アヤ「そうした方が良さそうね……!」
ライ「……」
アヤ「ダイテツ艦長、 SRXの合体許可を下さい!」
ダイテツ「いや、まだだ」
アヤ「え!?」
ダイテツ「この戦いは持久戦になる。 さらに、戦力の高い個体が現れる 可能性も高い」
アヤ「だから…… SRXの合体可能時間のことも 踏まえて、まだ許可は出せないと?」
ダイテツ「その通りだ。ただし、 いつでも合体できるようにしておけ」
アヤ「了解!」
リュウセイ「戦力の高い個体って…… アルフィミィって奴が乗ってた 赤いロボットか?」
ライ「そうだ。そして、 別の個体が現れる可能性もある」
リュウセイ「別の?」
ライ「ああ。 エクセレン少尉を誘き出したのが アルフィミィであり……」
ライ「アインストが ここで俺達を殲滅する気ならば」
リュウセイ「もっと上の奴が 出てくるかも知れねえってことか」
アヤ「リュウ、ライ!  いざと言う時に備えて、 フォーメーションを崩しちゃダメよ!」
リュウセイ「わかったぜ!」
ライ「了解!」
ヴィレッタ(リュウセイ、ライ…… アヤ……!)
ヴィレッタ「オオミヤ博士、 R-GUNはまだ出られないのか?」
ロバート「すまない、接続部分の調整に もうしばらくかかる!」
ヴィレッタ「なら、 T-LINKシステムを切って、 ノーマルモードに!」
ヴィレッタ「それなら、 すぐに出られるでしょう?」
(扉が開閉する)
ケンゾウ「……それは許可できん」
ヴィレッタ「コバヤシ博士……!」
ケンゾウ「ヴィレッタ大尉、 R-GUNにはマイを乗せる」
ヴィレッタ「彼女を いきなり実戦に出すというのか?」
ケンゾウ「そうだ。 今の状況を打開するためにな」
ヴィレッタ「……!」

〈敵機12機撃墜〉

(アインストが出現)
ユン「12時方向、敵の増援です!」
レフィーナ「艦回頭! 迎撃を!!」
カチーナ「チッ!  倒した分だけ出てきやがるのかよ!?」
タスク「こ、これじゃ、 わんこアインストたぜ……!」
シャイン「わんこ? 犬ですの?」
タスク「そっちの わんこじゃねえっつーの!」
カチーナ「ヘッ、王女様は まだ余裕があるみてえだな?」
シャイン「ご、ごめんなさいませ。 私にはラトゥーニや皆様が いて下さいますから……」
カチーナ「だったら、あたしらが くじけるわけにゃあいかねえぞ、 タスク!」
タスク「合点承知!  こうなったら、毒を食らわば テーブルクロスまで!」
カイ「全機、密集隊形を取れ!  援護フォーメーションで 敵機を撃破するんだ!」

〈敵機12機撃墜〉

(アインストが出現)
ラッセル「ま、まだ出てくるのか!」
イルム「だが、さっきより数が少ない。 そろそろ在庫切れか?」
カチーナ「よし、 一気に片づけちまおうぜ!!」

〈敵機全滅〉

エイタ「敵機、全機撃墜!」
ユン「新たな転移反応、ありません!」
ダイテツ「全機、現状維持。 周辺を警戒せよ」
テツヤ「はっ!」
アラド「こ、これで打ち止めか?」
ラトゥーニ「だといいけど……」
アヤ(……)
アヤ(何かしら、この感じ……?)
アヤ(何者かの思念のような……)
(精神感応)
アヤ「くうっ!!」
ライ「大尉!?」
龍虎王「……!!」
クスハ「! どうしたの、龍虎王!?」
ブリット「クスハ!?」
クスハ「今、龍虎王が何かを……!!」
(アラート)
ユン「ぜ、前方に重力異常!!  広範囲です!!」
(アインストレジセイアが出現)
アヤ「!!」
???(レジセイア)「…………」
カチーナ「な、何だ、ありゃ!?」
アラド「で、でけえ!!」
???(レジセイア)「…………」
リョウト「か、身体の各部に 今までのアインストのパーツが……!」
タスク「ま、まさか、あれ…… 奴らの親玉だってのかよ!?」
???(レジセイア)「…………」
龍虎王「グウウ……!」
クスハ「りゅ、龍虎王…… あなた、あれを知ってるの!?」
龍虎王「ウウウ……!!」
龍虎王「ウオオォォォォ……!!」
(龍虎王に『ど根性』『気迫』『熱血』『必中』『鉄壁』)
クスハ「!!」
???(レジセイア)「……!!」
(基地の3箇所に爆煙)
クスハ「きゃああっ!!」
ユン「ア、アインストが 攻撃を開始しました!!」
カイ「全機散開! 反撃しろ!!」

〈アインストレジセイアのHP75%以下〉

???(レジセイア)「…………」
(アインストレジセイアに『ど根性』)
ブリット「な、何っ!?」
ラーダ「ダメージを修復した!?」
クスハ「そ、そんな……っ!!」
イルム「他のアインストと違うのは サイズだけじゃないってことかい」
ラッセル「あ、あんな物を いったいどうやって倒せば……!?」
ショーン「……どうやら、 あのアインストが今回のトリですな、 ダイテツ中佐」
ダイテツ「うむ、こちも戦力の全てを 投入せねばなるまい」
ダイテツ「アヤ大尉、OOCを解除せよ!  SRXの合体を許可する!」
アヤ「了解!  リュウ、ライ、やるわよ!!」
リュウセイ「おう!!」
ライ「了解!」
アヤ「念動フィールド、ON!」
ライ「トロニウム・エンジン、 フルドライブ!」
アヤ「各機、変形開始!」
ライ「了解! プラスパーツ、パージ!」
リュウセイ「よっしゃ、行くぞ!  ヴァリアブル・フォーメーション!!」
(RシリーズがSRXへ合体)
リュウセイ「天下無敵の スーパーロボットォォォォッ!!  ここに見参!!」
アラド「す、すげえ……!  ホントにR-2が開きになってた」
リュウセイ「ライ、出力は!?」
ライ「90%をキープ…… 以前より安定性が上がっている。 各サーボモーターにも異常はない」
リュウセイ「アヤ、お前の方は!?」
アヤ「大丈夫。 あなたは戦闘に集中しなさい」
リュウセイ「よし!  挨拶代わりに一発ブチかますぞ!!」
???(レジセイア)「………」
リュウセイ「行くぜ、アインスト野郎!!」
【強制戦闘】
リュウセイ[念動爆砕剣]vs???(レジセイア)[防御]
???(レジセイア)「……!!」
カチーナ「よっしゃ!  化け物がひるみやがったぞ!」
カイ「奴の自己修復速度は!?」
ラーダ「先程までには至っていません!」
カイ「よし!  全機、あのアインストに 集中攻撃をかけろ!!」

〈アインストレジセイアのHP80%以下〉

???(レジセイア)「…………」
(アインストレジセイアに『ど根性』)
アラド「ま、また回復しやがった!?」
リオ「何てしつこい奴なの!!」
???(レジセイア)(……チカラ…… チガウ……ルーツ……)
(精神感応)
アヤ「あうっ!!」
リュウセイ「!!」
???(レジセイア)(カコ……ミライ…… キロク……)
(アインストレジセイアに『必中』『気迫』)
アヤ「リュウ! 来るわよ!!」
リュウセイ「し、しまった!!」
【強制戦闘】
アインストレジセイア[ウアタイルスクラフト]vsリュウセイ[防御]
(SRXに爆煙)
ラトゥーニ「リュウセイ!」
ロバート「エ、SRXが……!!」
アヤ「うううっ……!!」
ライ「大尉、大丈夫ですか!?」
アヤ「え、ええ!  一時的な逆流が来ただけよ!」
リュウセイ「アインスト野郎め、 SRXに狙いを絞りやがったのか!?」
ヴィレッタ「いかん、 あのままでは……!」
ケンゾウ「大尉、 R-GUNパワードを出撃させる」
ヴィレッタ「!」
ケンゾウ「あのアインストを退かせるには、 HBTキャノンを使うしかない。 でなければ、SRXが破壊されるぞ」
ヴィレッタ「……わかった」
???(レジセイア)「……アラタナ…… チカラ……」
(SRXに爆煙)
アヤ「きゃああっ!!」
リュウセイ「く、くそっ!  何なんだ、あいつは!?」
???(レジセイア)(……カギ…… ジッケンス……)
(機械音、アインストレジセイアが震える)
リュウセイ「取り付かれた!?」
アヤ「ア、アインストの触手が!!」
ライ「リュウセイ、早く引きはがせ!」
リュウセイ「や、やってるよ!!」
ロバート「まさか、あのアインスト…… SRXを取り込むつもりなのか!?」
ケンゾウ「アヤ、今から R-GUNパワードを出撃させる」
アヤ「じゃあ、隊長が!?」
ケンゾウ「違う。パイロットは彼女だ」
アヤ「そ、そんな! あの子はまだ!」
ケンゾウ「反論は許さん。 彼女とツインコンタクトを使い、 HTBキャノンを使用しろ」
ケンゾウ「現状を打開するには それしかない」
アヤ「……!!」
(R-GUNパワードが出撃)
マイ「アヤ……!」
ライ「!  パイロットは隊長ではないのか!?」
リュウセイ「あ、あいつは!?」
ラーダ「も、もしかして!」
マイ「アヤ、今助けに行く……!」
アヤ「あ、あなた……!」
マイ「アヤは私を守ってくれた……!  今度は私の番だ!」
(R-GUNパワードがSRXに隣接)
アヤ「わ、わかったわ!  あなたの力、借りるわね!」
マイ「ああ!」
アヤ「リュウセイ、 HTBキャノンの発射準備を!」
リュウセイ「アヤ!  これはいったいどういうことだ!?  どうして、あいつがR-GUNに!」
アヤ「説明は後でするわ!  今はあのアインストを!!」
リュウセイ「くっ……!  わ、わかったぜ!」
【強制戦闘】
リュウセイ&マイ[天上天下一撃必殺砲]vs???(レジセイア)[防御]
(アインストレジセイアに爆煙)
???(レジセイア)(……コレハ……アラタナ…… ナリエル……ノカ……)
(アインストレジセイアが撤退)
エイタ「巨大アインスト、転移!  反応が消えました!」
ダイテツ「……」
ダイテツ(今回は……何とか防げたか)
ダイテツ(だが、何故アインストは このタイミングで我々を……?)

《ブリーフィングルーム》

キョウスケ「新しいアインストが 現れただと……?」
リオ「え、ええ。 今までに確認された個体より 遥かに大きくて……」
リョウト「身体の各部には 他のアインストシリーズに似た パーツがありました」
リオ「それにパワー…… もしかしたら、あれがアインストの 親玉なのかも知れません」
キョウスケ「……」
アイビス「そんなのが こっちに出てきたなんて……」
ブリット「虎龍王と龍虎王は あのアインストに 強く反応していた……」
ブリット「もしかしたら、羅睺神とは 奴のことなのかも知れない」
アイビス「ラゴーシン?」
クスハ「ええ。 私達が始めて龍虎王へ乗った時、 彼から聞いた言葉で……」
クスハ「アンザイ博士によれば、 大いなる災いを呼ぶ存在だと……」
カイ「そいつが俺達を滅ぼそうと したのはともかく、SRXを 取り込もうとしたのは何故だ?」
リョウト「わ、わかりません」
マサキ「何にせよ、 そのアインストが本命だったことは 間違いねえな」
アイビス「アルフィミィが エクセレン少尉を誘い出したのは、 そいつを送り込むための陽動なの?」
キョウスケ「いや…… 奴は奴でおれとエクセレンに 用があったようだ」
エクセレン「……」
カイ「エクセレン…… 何故、あの時ヴァイスで飛び出した?」
エクセレン「何というか、 敵の気配を感じたというか……」
カイ「気配?」
エクセレン「ええ……。 で、気づいたらヴァイスちゃんに……」
マサキ「まさか、おめえ…… アルフィミィに操られてたとか 言うんじゃねえだろうな?」
エクセレン「ん~、 そういうわけじゃないと思うけど」
キョウスケ「……」
エクセレン(それにしても、 あのお嬢ちゃん……何でキョウスケ、 キョウスケって……)
エクセレン(恋のライバル……というには 物騒な相手ね。それに……私にだけ 声が聞こえる時があるのも、ね)

《伊豆基地・ラボ》

リュウセイ「さあ、 納得のいく説明をしてもらうぞ」
アヤ「……」
ヴィレッタ「……」
ライ「……」
リュウセイ「何であいつがR-GUNに 乗ってるんだ?」
リュウセイ「いや、それ以前に どうやってあの戦いから……?」
アヤ「それは……」
(扉が開閉する)
ケンゾウ「揃ってるな、SRXチーム」
リュウセイ「コバヤシ博士……!」
ケンゾウ「リュウセイ少尉、 ライディース少尉、お前達に SRXチームの新メンバーを紹介する」
マイ「……」
リュウセイ「……」
ケンゾウ「マイ・コバヤシ。 私の娘であり、アヤの妹だ」
ライ「……」
ケンゾウ「マイ…… 以後、お前は彼らと行動を共にし、 ハガネに乗れ。いいな?」
マイ「わかった……父様」
リュウセイ「……」
ケンゾウ「ヴィレッタ大尉、マイ、 お前達はR-GUNの移送を」
ヴィレッタ「了解。 行きましょう、マイ」
マイ「ああ」
(扉が開閉する・マイとヴィレッタが立ち去る)
ライ「……」
リュウセイ「あいつ…… もしかして、過去の記憶が?」
ケンゾウ「そうだ。 コアから排除される以前の記憶を 失っている」
ライ「コア?」
ケンゾウ「お前達が オペレーションSRWで撃墜した ホワイトデスクロス……」
ケンゾウ「ホワイトスターの 中枢でもあった大型機動兵器・ ジュデッカの中心核だ」
ライ「そんなものが 残っていたとは……」
ケンゾウ「お前達がジュデッカを 撃墜した後、コアが本体から 弾き飛ばされて地球へ落下……」
ケンゾウ「それを メテオ3……いや、セプタギンが 回収し、再生を行ったと思われる」
ライ「しかし、あれは……」
ケンゾウ「そう、セプタギンもお前達の 手によって破壊され……」
ケンゾウ「ジュデッカのコアは アイドネウス島の海底に沈んだ」
ケンゾウ「そして、それが回収され、 私のラボへ持ち込まれたのだ」
ライ「……」
ケンゾウ「解析の結果、 コアは自己再生を行っていたことが 判明し……」
ケンゾウ「さらに詳しく調べるため、 切開作業を行った。そして、内部から 出てきたのが……彼女だった」
リュウセイ「じゃあ、 やっぱりあいつはレビ……!」
ケンゾウ「……ジュデッカの コアは損傷が著しく、自己再生機能 そのものにも異常が生じていた」
ケンゾウ「その結果、再生は レビ・トーラーへ至る前の段階で 止まっていたのだ」
ライ「前の段階? では……?」
アヤ「そう……私の妹、マイよ」
ライ「……」
ケンゾウ「彼女はマイとしての 自我を持っているが、再生される前の 記憶は失っている」
リュウセイ「じゃあ、 ホワイトスターにいた時のことも 覚えてねえってのか?」
ケンゾウ「……そうだ」
アヤ「……」
ライ「大尉…… 彼女にはレビ・トーラーのことを?」
アヤ「いえ……教えていないわ」
リュウセイ「じゃあ、 あいつは何も知らないまま R-GUNに乗ってるのかよ?」
アヤ「……」
ライ「……我々と行動を共にすれば、 彼女はいずれ事実を知ることに なると思いますが」
アヤ「そう…… 隠し通すことは出来ないわ」
ケンゾウ「……」
リュウセイ「じゃあ、何でだ!?  何で本当のことを教えずに あいつを戦わせようとする!?」
リュウセイ「これじゃ、 やってることはジュデッカや スクールと同じじゃねえか!」
アヤ「……!」
リュウセイ「事実を知らせず、 このまま戦わせようってのか?」
ケンゾウ「その通りだ」
リュウセイ「ふざけんな!  そんなのはもうたくさんだぜ!!」
ケンゾウ「だが、 マイのSRXチームへの導入は すでに決定されたことだ」
ケンゾウ「そして、その理由は…… お前達にもわかっているはずだ」
リュウセイ「何……!?」
ライ「あの時、 HTBキャノンの発射を可能にした T-LINKツインコンタクト……」
ライ「大尉と彼女で それを行わせるためですか?」
ケンゾウ「そうだ。 あのシステムを使えば、SRXは さらなる力を発揮する」
リュウセイ「……!」
ライ「そのことはヴィレッタ隊長も 承知の上なのですね?」
ケンゾウ「……ああ」
ライ「……」
ケンゾウ「なお、この件に関しては 箝口令を敷く」
ケンゾウ「ハガネやヒリュウのクルーに 事実を教えてはならん」
リュウセイ「な……! 俺達で 上手く誤魔化せってのかよ!?」
ケンゾウ「そうだ」
ライ「……」
リュウセイ「遅かれ早かれ、 あいつのことに気づく奴は出てくる!  それでもかよ!?」
ケンゾウ「ああ。これは命令であり…… マイのためでもある」
リュウセイ「くっ……!  無茶苦茶だぜ、こんな話!」
(扉が開閉する・リュウセイが立ち去る)
アヤ「リュ、リュウ……!」
ライ「自分も…… 今回の措置には疑問が残ります」
(扉が開閉する・ライが立ち去る)
アヤ「ライ……」
ケンゾウ「……」
アヤ「お父様、 あの二人が言った通りです」
アヤ「このままマイを偽り続けても、 いずれは……」
ケンゾウ「……レビ・トーラーの 残留思念が消えるまでだ」
アヤ「!」
ケンゾウ「レビの存在が マイの中から消え去った時…… 私は彼女に真実を告げる」
アヤ「で、でも、どうやって レビの残留思念を……!?」
ケンゾウ「それは……マイ次第だ。 内なる呪縛は自分自身の力で 断ち切らねばならん」
アヤ「あの子自身の力で……」
ケンゾウ(そうだ……。 もう私が直接手を下しては ならない……)
ケンゾウ(過去の過ちを…… 繰り返すわけにはいかんのだ。 マイや……アヤに対しても)

《ハガネ艦内》

レモン「……というわけ。 理解してくれたかしら?」
ラミア「了解致しておりますですことよ。 そちらのタイミングに合わせて ハガネを制圧するですのね」
レモン「ふふ…… あなたのその喋り方、可愛いわよ。 意外な一面が見えた感じね」
ラミア「ご報告致しました通り、 言語回路がやられてますですので……」
レモン「まあいいわ。 ……で、ブリッジを占拠して 動きを封じてくれればいいの」
レモン「あなたにとっては簡単よね?」
ラミア「その隙に 内部へ侵入して艦内制圧…… いつもの手口ですわけね」
レモン「そ。 W16もそうやってシロガネを 手に入れてくれたわ」
レモン「それに、こういう時のために アンジュルグには自爆装置を つけてあるんだから」
ラミア「コードATA……乗員には 気の毒な話だったりしてますが」
レモン「……」
レモン「……ねえ、W17…… あなた、大丈夫なの?」
ラミア「は……?」
レモン「指令に対して 戸惑いを見せるなんて……」
レモン「あなたがロールアウトしてから、 一度もなかった」
ラミア「いえ……」
レモン「まあいいわ。 それから、一つ聞きたいことがあるの。 指令とは関係のないことだけど」
ラミア「……!」
レモン「感づいたわね、さすがよ。 ……もう一人のブロウニング…… そちらにいるんでしょう?」
ラミア「……はい……」
レモン「搭乗している機体は?」
ラミア「PTX-007-03C…… ヴァイスリッター……」
レモン「……わかったわ」
ラミア「……」
レモン「とにかく、ようやくなのよ。 お願いね。これが終わったら……」
ラミア「了解……通信終わる」
レモン「……?」
(通信)
ラミア「……」
ラミア「いよいよ……か……」
ラミア(何故だ……?  やはり、転移の影響なのか……?)
ラミア(ここへ来る前、 私は指令について疑問を 持ったことはない……)
ラミア(任務遂行の結果…… 何が起こるか予想できても、 興味はなかった)
ラミア(何故……今回に限って こんな気持ちになる……?)
ラミア(私は…… やはり狂っているのか……?)

『ハイブリッドアーマー』を入手した
『マルチセンサー』を入手した
『ABフィールド』を入手した

『ハイパービームキャノン』を入手した
『レクタングル・ランチャー』を入手した

『エナジーテイカー+』を入手した
『エナジードレイン+』を入手した

『資金80000』を入手した


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