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仕組まれた子供たち アビアノ基地に残る ~ 第23話 ~

《ホワイトスター内部》

ウェンドロ「ふうん…… 北米地区奪還作戦、 オペレーション・プランタジネットか」
ウェンドロ「彼らも 着々と準備を進めているようだね」
ニブハル「対応策はいかが致しますか?」
ウェンドロ「今は必要ないよ」
ニブハル「連邦軍とノイエDC軍が 手を結ぶ可能性もありますが……」
ウェンドロ「彼らのような野蛮人に そんな分別があるものか」
ウェンドロ「現に内乱は今も続いている じゃないか。僕達という共通の敵が いるにも拘わらず、ね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「彼らは 自分達の力の使い方を知らない。 幼稚で愚かな生き物なんだよ」
ニブハル「では?」
ウェンドロ「まもなく、アギーハが ハワイへ向かう手はずになっている」
ウェンドロ「あの島を極東侵攻の 足掛かりとするためにね」
ニブハル「……地球人の力を あまり甘く見られぬ方が 良いと思いますが」
ウェンドロ「それは先任者の失敗と、 このネビーイームにいた者達の 敗北を見た上での言葉かい?」
ニブハル「……ええ」
ウェンドロ「ふん……僕達を 彼らと一緒にしてもらっちゃ困るね」
ニブハル「では、 そちら側の空間転移装置は 何基あるのですか?」
ウェンドロ「……」
ニブハル「我々の技術では、 あの装置を通常サイズの機動兵器に 搭載することはまだ不可能……」
ニブハル「何故なら、 転移装置の使用には膨大なエネルギーが 必要となるからです」
ニブハル「また、 転移可能な範囲は限られており……」
ニブハル「目的地に装置がなければ、 再転移による帰還は不可能です」
ウェンドロ「まあね」
ニブハル「さらに、一基の装置で 一度に転移させられる兵器の量も 限られております」
ウェンドロ「何が言いたいんだい?」
ニブハル「空間転移装置を失えば、 戦略面での我々の優位性までも 失われるということです」
ニブハル「故に、 この戦いは空間転移装置をいくつ 保有しているかで決まると言えます」
ニブハル「ましてや、あの装置が 敵に奪われでもしたら……」
ニブハル「兵器のほとんどを 地球製の物に頼っている我々は……」
ウェンドロ「そんなことは 君に言われなくてもわかっているよ」
ニブハル「では、ウェンドロ監査官。 そちら側の転移装置の数は?」
ウェンドロ「教えるわけにはいかないね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「何故だかわかるかい?  ……それは僕が君のことを 信用していないからさ」
ニブハル「……」
ウェンドロ「君は先任者より前に 地球へやって来たようだが…… その素性は知れたものじゃない」
ウェンドロ「あの南極事件を 引き起こしたシュウ・シラカワという 男と同じくね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「案外、先任者が失脚したのは 君のせいじゃないのかい?」
ニブハル「とんでもございません」
ウェンドロ「じゃあ、 SRX計画とATX計画……」
ウェンドロ「あれを再開させたのは、 地球人の唯一の長所を伸ばし、僕達へ その成果物を渡すのではなく……」
ウェンドロ「自分の物に…… いや、僕達以外の誰かに提出する ためじゃないのかい?」
ニブハル「滅相もございません」
ウェンドロ「ふうん……。 ま、いいけどね」
ニブハル「……では、最後に。 ノイエDC軍の中に興味深い集団が おります……」
ニブハル「そして、 彼らには利用価値があります」
ウェンドロ「……」
ニブハル「こちらで詳しい情報を 入手次第、ご報告致しますので…… 今後の作戦にお役立て下さい」
ウェンドロ「……わかった。 見るだけ見ておくよ」
ニブハル「それでは……」

《???》

ニブハル「……」
ニブハル(なかなか勘の鋭い人物ですね。 あの年齢で異文明監査官を務めている ことにも納得がいきます)
ニブハル(しかし…… 地球人の力を見くびり過ぎですね)
ニブハル(グライエンの思惑通り、 ノイエDCがオペレーション・ プランタジネットに加われば……)
(扉が開閉する)
ミツコ「失礼致します」
ニブハル「おやおや、 ノックもなさらずに。 ……困りますね」
ミツコ「あら、ごめんあそばせ。 ドアがロックされていなかったので、 中へ入ってよろしいのかと……」
ニブハル「フッ……。 それで、私にアポを取られた理由は 何ですかな?」
ミツコ「ニブハル補佐官に ビジネスの話をさせていただきたいと 思いまして」
ニブハル「ほう……見返りは?」
ミツコ「あなたが 必要とされている情報です」
ニブハル「……では、そちらが 希望されるビジネスの相手とは?」
ミツコ「それはもちろん……」
ミツコ「インスペクターですわ」

《アースクレイドル内部》

オウカ「ゼオラ……具合はどう?」
ゼオラ「大丈夫です。 母様に診てもらったおかげで、 頭痛も収まりました」
オウカ「そう……良かった。 この間のこともあったから、 心配していたのよ」
ゼオラ「ごめんなさい……。 あの時、私はラトを助けて あげることが出来なかった……」
ゼオラ「まさか、 アラド・バランガがビルトビルガーで 私に挑んでくるなんて……」
オウカ「ビルガー……。 あなたのファルケンと対で 開発されたという機体ね?」
ゼオラ「ええ……。 でも、ファルケンの中にあった データとは違っていたせいで……」
ゼオラ「いえ、 私が未熟だったせいです……」
オウカ「元気を出しなさい、ゼオラ。 あなたの代わりに、私が アラド・バランガを倒してあげる」
ゼオラ「え? じゃ、じゃあ……」
オウカ「そう。ラピエサージュが 使えるようになったのよ」
オウカ「だから、私が行って…… ラトを連れ戻してくるわ」
ゼオラ「はい……。 姉様なら、きっと……」

《アースクレイドル内部》

アギラ「あの二人の記憶調整は 上手く行っておるようじゃの」
クエルボ「……ええ」
アギラ「だが、ブロンゾ27が持つ ブロンゾ28の記憶は、予想以上に 根深い所へ食い込んでおる……」
アギラ「前回のようなケースが 起きた場合は、人格書き換えも 検討せねばならんか」
クエルボ「し、しかし、それは……!」
アギラ「危険度が高いのはわかっておる。 調整に失敗すれば、廃人じゃからの」
アギラ「スクール時代のように サンプルの数が揃っておれば 使い捨てでも構わんのじゃが……」
アギラ「今は ブーステッド・チルドレンも 残り少なくなってしまったからのう」
クエルボ「……ラピエサージュの ゲイム・システムの方は 大丈夫なのでしょうか?」
クエルボ「いくらオウカとは言え、 あれを使いこなせるかどうか……」
アギラ「ふむう…… 確かに不安な点ではあるのう」
(扉が開閉する)
イーグレット「……アウルム1は 俺にとっても貴重なサンプルだ。 奴に何かあっては困る」
アギラ「フェフか。何の用じゃ?」
イーグレット「アウルム1に 保険が必要ではないかと思ってな」
アギラ「保険じゃと?」
イーグレット「ああ。 テストを兼ねて、俺の子供達を出す」
アギラ「!」
クエルボ「彼らが目覚めたのですか?」
イーグレット「その通り。 すでに出撃準備は出来ている。 どうだ、セトメ博士?」
アギラ「フン、いいじゃろう。 奴らの能力を見せてもらおうか……」

《ハガネ艦橋》

ヴィレッタ「サマ基地奪還作戦?」
テツヤ「ああ。今、あそこは ムータ基地と並び、ノイエDCの 前線基地となっている」
テツヤ「そこで、我々が サマ基地の奪還に成功すれば…… 敵はまた大きく後退することになる」
ヴィレッタ「敵中央への 直接攻撃を担当するのは私達か?」
テツヤ「そうだ、 リクセントの時と同じくな」
アラド「な、何かおれ達…… 突っ込んでばっかりッスね」
ヴィレッタ「でも、 あなたはその方が性に合って いるのでしょう?」
アラド「そりゃもちろん。 正面突破、望むところッス。 細かいことは後で考えるッス」
ヴィレッタ「フッ…… カイ少佐がにらんでいるわよ」
アラド「え!?」
カイ「アラド、貴様…… まだそんなことを」
アラド「い、いえ!  臨機応変に対応するであります!」
ダイテツ「総員第三種戦闘配置。 海岸線を越え、サマ基地へ向かうぞ」
テツヤ「了解です、艦長」


第23話
仕組まれた子供たち

〔戦域:基地周辺〕

一般兵「中佐! 敵部隊が 最終防衛ラインに到達しました!」
基地司令「うぬっ、何て速さだ!  支援要請は出したか!?」
一般兵「はっ!」
基地司令「よし……!  援軍が来るまで基地を死守せよ!」
NDC艦長「了解。総員、迎撃準備!」
(アラート)
一般兵「敵は最終防衛ラインを突破!  こちらへ侵入してきます!!」
(ハガネが出現)
テツヤ「艦長、基地エリア内への進入に 成功しました!」
ダイテツ「PT各機、出撃せよ!」
(アラド機、ラトゥーニ機が出撃、出撃準備)
ダイテツ「これより、残存敵機を掃討し、 サマ基地を奪還する!」
テツヤ「スティール2より、各機へ!  攻撃を開始せよ!」
リュウセイ「了解!」
アラド「ファルケンが見当たらねえ……。 ゼオラはここにいねえのか?」
カイ「アラド、 今は目の前の敵に集中しろ。 いいな?」
アラド「は、はい!」
カイ「臨機応変な対応も忘れるな!」
アラド「もちろんッス!」
カイ「よし、行くぞ!!」

〈敵機15機撃墜〉

一般兵「敵部隊、さらに侵攻!  こ、このままでは!」
基地司令「援軍はどうなっている!?」
一般兵「そ、それがまだ……!」
基地司令「やむを得ん、 残存機を全て出撃させろ!」
(敵機増援が出現)
リュウセイ「チッ、 まだ出てくるのかよ!」
イルム「やれやれ…… 逃げ出すのかと思ったら、 往生際の悪い連中だな」
レオナ「彼らとしてもあの基地を 失うわけにはいかないのでしょう」
レオナ「もしかしたら、 援軍が来るまで持ちこたえる つもりなのかも知れません」
イルム「じゃ、そいつが 無駄だってことを教えてやるか」
ライ「了解」

〈敵機全滅〉

基地司令「お、おのれ!  もはやここまでか……!?」
一般兵「中佐!  後方より友軍機が接近中です!」
基地司令「おお、間に合ってくれたか!」
(ラピエサージュが出現)
アラド「な、何だ!?」
ヴィレッタ「データにない機体……!  敵の新型か?」
リュウセイ「たった1機で 飛び込んでくるたあ、 いい度胸じゃねえか!」
アラド「あいつ、何となく似てる…… ビルガーやファルケンに……!」
ライ「右手の格闘用武器、 左手の機関砲、背部の翼……」
ライ「手持ちの武器は オクスタン・ランチャーか?」
リュウセイ「ああ……ATX計画機が ごちゃ混ぜになってやがるぜ」
オウカ「このラピエサージュはATX計画の データを基にして作られた機体……」
オウカ「そして、 あなた達を貫くための牙なのです」
ラトゥーニ「!!」
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
リュウセイ「オウカだと!?」
シャイン「なら、 あの人がラトゥーニやアラドの……」
ライ「ええ、かつてのスクールで 彼らの姉代わりだった人物です」
オウカ「……」
アラド「ね、姉さん……!」
オウカ「アラド・バランガ…… あなたに姉呼ばわりされる 覚えはありません」
アラド「!!」
ラトゥーニ「そんな……!  この間はアラドのことを弟だと……」
オウカ「何を言うの、ラト?  アラド・バランガは私達から あなたを奪い去った男……」
オウカ「私達の憎むべき敵…… そして、倒すべき標的なのよ」
ラトゥーニ「……!!」
カイ「……前と言っていることが違う。 記憶操作を受けているのか?」
ラーダ「ええ。それも、強力な……」
オウカ「聞き捨てなりませんね。 記憶操作を行っているのは、 あなた達の方でしょう?」
ラーダ「え!?」
オウカ「よくも私のラトを……自分達の 兵器として利用するために……!」
アラド「姉さん、それは違う!  利用されてんのは姉さんや ゼオラの方なんだ!!」
オウカ「お黙りなさい!」
(アラド機に爆煙)
アラド「う、うわっ!!」
ラトゥーニ「姉様!」
アラド「く、くうっ……!!」
オウカ「あなたがラトを 連れ去ったりしなければ、 こんなことには……!」
アラド「ね、姉さん……!  本気なのか!? おれのことを 本気で忘れちまってるのか!?」
オウカ「私にあなたのような弟は いません。ラトを惑わすような 真似はもうおやめなさい」
アラド「!」
アラド「ち、ちきしょう!  ゼオラと同じだってのかよ!?」
オウカ「アラド・バランガ…… 前の戦闘では、ゼオラをひどい目に 遭わせてくれたようですね」
アラド「そ、それは違う!」
オウカ「その罪…… そして、ラトをたぶらかした罪…… あなたの命をもって償いなさい」
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
ヴィレッタ「アラド、 それ以上言っても無駄よ」
アラド「で、でも!!」
ヴィレッタ「おそらく、 言葉だけでは彼女の呪縛を 解くことは出来ない……」
ラーダ「でも、 私達の所へ連れてくることが 出来れば、あるいは……!」
アイビス「どんな力を持った機体か 知らないけど、たった1機……!  あたし達で力を合わせれば!」
オウカ「フフフ、私を捕らえられると 思っているのですか?」
アイビス「やってみせるよ……!  このアステリオンで!」
オウカ「いいでしょう。あなた達に スクールの長姉たるこの私と……」
オウカ「ラピエサージュの力を 見せてあげましょう」
アイビス「!?」
オウカ「ゲイム・システム、起動……!  シンクロ!」
(オウカに『ひらめき』『必中』)
ラトゥーニ「ゲイム・システム!?」
レオナ「まさか、あの時の……」
ラーダ「ヴァルシオン改に 搭載されていたマン・マシン・ インターフェース……!」
リュウセイ「じょ、冗談じゃねえ!  あれを使ったら、テンザンみてえに 暴走しちまうんじゃねえのか!?」
シャイン「そ、そうでございますわ!  わ、私もあのシステムで……!」
ラトゥーニ「ね、姉様!」
オウカ「心配はいらないわ、ラト。 私は以前からゲイム・システムへの 適応調整を受けている……」
オウカ「だから、必ずアラドを倒し…… あなたを救ってあげるわ」
リュウセイ「何を言ってやがる!  例え、ゲイム・システムを 使いこなしたってな……」
リュウセイ「あんたが アギラ・セトメって奴に操られてる事に 変わりはねえだろうが!!」
オウカ「お黙りなさい。 母様を愚弄することは許しません」
リュウセイ「なっ……!!」
イルム「ゲイム・システムなんて 代物を持ち出された以上、 強攻策でいくしかないな」
ライ「ええ、あの時と同じ方法で」
リュウセイ「あの時!?」
シャイン「ライディ様達が 私を助けてくれた時のことで ございますわ!」
ラーダ「そう、彼女を物理的に システムから切り離す。つまり……」
リュウセイ「あのロボットの ゲイム・システムを ブッ壊せばいいんだな?」
ライ「ああ、そうだ」
ラトゥーニ「……」
シャイン「ラトゥーニ、 私もお手伝い致します!  あなた達の姉君を助けなさいませ!」
ラトゥーニ「はい!」
アラド「そうだ……!  ゼオラも姉さんも必ずスクールの 呪縛から解き放ってみせるっ!!」
(作戦目的変更)

〈vs オウカ〉

[リュウセイ]

リュウセイ「いくらゲイム・システムに 慣れてるって言ったって……」
リュウセイ「長時間使い続けたら、 タダじゃすまねえはずだぜ!!」
オウカ「あなたに そのような心配をしてもらう 必要などありません……」
オウカ「そして、ラトを あなた達の好きにはさせません」
リュウセイ「くそっ!  ラトゥーニやアラドの気持ちも 知らねえで!」
オウカ「ラトの記憶を操作しておいて、 よくそのようなことが 言えるものですね」
リュウセイ「誰がそんなことをするか!  それに、あいつはあんたを 助けようとしてんだぞ!」
オウカ「あなたも そうだと言うのですか?」
リュウセイ「ああ!」
オウカ「何のために?」
リュウセイ「ラトゥーニとアラドのために 決まってんだろうが!!」

[アラド]

オウカ「ラトを連れ去り、 ゼオラを苦しめた罪…… その命で購いなさい!」
アラド「今、姉さんがおれのことを どう思っていようが構わねえ!」
アラド「おれはそのマシンを壊し、 姉さんを正気に戻してみせる!!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「姉様!  ゲイム・システムを使ってはダメ!」
オウカ「これは あなたを連れ戻すための……」
オウカ「あなたを利用する者達を 倒すための手段なのよ!」
ラトゥーニ「違う!  利用されているのは姉様の方よ!」

[シャイン]

シャイン「私はゲイム・システムの 恐ろしさを知っております!  それを使うのはお止めなさいませ!」
オウカ「この機体のゲイム・システムは 改良型……あなたが知っている物とは 違うのですよ?」
シャイン「それでも危険であることに 変わりはございませんわ!」
シャイン「私の時と同じ方法で、 あなたをお助けします!」
シャイン「お友達のラトゥーニと アラドのために!!」

[ラーダ]

ラーダ「時間が経てば、 システム暴走の可能性が高まる……!」
オウカ「だから、 どうだと言うのです?」
ラーダ「暴走したら、 あなたが取り戻すべき記憶まで 失ってしまうかも知れないのよ!」
オウカ「取り戻すべき記憶……?  戯れ言を!」

[HP70%以下]

イルム「……やれやれ、ホントに見た目も 中身もガチガチだな、ありゃ」
カイ「このままでは こちらが消耗する一方だ。 何とか手を打たんと……!」
オウカ「……これ以上、 あなた達と無駄な時間を 過ごすつもりはありません」
オウカ「ラト以外の者は抹殺します。 そうすれば、あの子も私に 従わざるを得ないでしょう」
(精神感応)
オウカ「!?」
オウカ「つ……うっ!!」
ラトゥーニ「!?」
オウカ「う……く……!  も、もうシステムの限界が……!?」
レオナ「ラピエサージュが 動きを止めた……!?」
オウカ「早過ぎる……!?  ど、どうして……!?」
オウカ「身体が……動かない……!  何故……!?」
オウカ「私は……あの者達を 討たねばならない……のに……!」
ラトゥーニ「オ、オウカ!」
基地司令「あの機体はどうしたのだ!?  何故、攻撃を中断した!?」
一般兵「わ、わかりません!」
基地司令「ええい、ここまで来て……!」
(アラート)
基地司令「何だ!?」
一般兵「識別不明の機体が こちらへ接近中です!」
基地司令「敵の援軍か!?」
一般兵「い、いえ、これは!」
(ベルゲルミルが3機出現)
アイビス「!!」
カイ「新手か!?」
一般兵「機体にDCのマーキングが!  友軍です! 友軍機です!」
基地司令「だが、あんな機種は 見たことがないぞ……!?」
オウカ「あ、あなた達は……!?」
アンサズ「フフフ…… どうしたんだい、アウルム1?  苦しいのかい?」
ウルズ「所詮、あの女は旧型の ブーステッド・チルドレン……」
ウルズ「強化措置を受けても、 改良型のゲイム・システムを 完全に使いこなすことは無理か」
オウカ「あなた達は何者です!?  ここへ何をしに……!?」
アンサズ「もちろん、出来損ないの 人形を助けに来たのさ」
アンサズ「このベルゲルミルのテストを 兼ねて、ねえ」
オウカ「く……!」
スリサズ「テストなんてもう充分さ!  ここまで来て、あの女を助けるだけ なんて、僕は嫌だね!」
ウルズ「スリサズ、 パパの命令を忘れたのか?  アウルム1の回収が先だ」
スリサズ「あんな不良品など 知ったことか! 僕は好きにやる!  パパだってわかってくれるさ!」
基地司令「お前達、何をしている!?  早くこちらの援護を!!」
スリサズ「! うるさいんだよ!!」
(基地の司令部辺りに大きな爆煙)
ラーダ「!!」
リュウセイ「し、司令部を!?」
アイビス「あいつら、ここの部隊を 助けに来たんじゃないの……!?」
スリサズ「アハハハ!  愚かなヒトの分際で僕に命令するから そうなるんだよ!」
ウルズ「スリサズ……」
アンサズ「いいじゃないか、ウルズ。 どうせこの基地は終わりさ」
アンサズ「それに、 無能な人間は排除するに限る。 ……少しずつ……少しずつね」
ウルズ「……」
アンサズ「それとも、 僕達の間で話し合って決めたことに 異存があるのかい?」
ウルズ「……いいだろう。 僕はアウルム1を連れて帰る」
アンサズ「それが今回の任務だからね。 スリサズ、君はどうする?」
スリサズ「決まっている!  あの中にいる遺伝子提供者を 消去するのさ!」
アンサズ「なるほど……僕達の 名誉のために、というわけかい?」
スリサズ「そうさ! 出来損ないの データが組み込まれているなんて、 僕には我慢できないんだ!」
ウルズ「わかった。 パパには僕から話をしておく」
ウルズ「だが、くれぐれも 彼らの力を甘く見るなよ」
ウルズ「僕達マシンナリー・チルドレンが ヒトに敗北するなど、 あってはならないことだからな」
スリサズ「わかっているよ、ウルズ」
ウルズ「……じゃあ行こう、アンサズ」
アンサズ「ああ」
(ウルズ機がラピエサージュに隣接)
アイビス「! は、速い!!」
(アンサズ機がラピエサージュに隣接)
オウカ「! な、何をするのです!?」
スリサズ「言ったろう?  出来損ないの人形を助けに来たって」
オウカ「あ、あなた達などに!」
スリサズ「僕だってパパの命令でなきゃ、 こんなことはしたくないさ」
ウルズ「パパ達は お前のデータを必要としている……。 ただそれだけだ」
オウカ「……!」
(ウルズ機、アンサズ機、ラピエサージュが撤退)
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
ラトゥーニ「アラド、追跡を!!」
アラド「お、おう!!」
(スリサズ機が西へ移動)
スリサズ「お前達の相手は僕がする!」
アラド「邪魔すんじゃねえ!  そこをどけぇっ!」
スリサズ「そうはいかない!  アラド・バランガ…… いや、ブロンゾ28!」
アラド「!!」
スリサズ「お前には ここで死んでもらう!  僕達の名誉のためにね!!」
アラド「な……何だって!?  どういう意味だ!?」
スリサズ「それを知る必要はない!」
スリサズ「さあ、行くよ!  ゲイム・システム、フルコンタクト!」
(スリサズに『ひらめき』『集中』『必中』)
(作戦目的変更)

〈vs スリサズ〉

[アラド]

アラド「何でおれがお前の名誉のために 死ななきゃならねえんだ!?」
スリサズ「知る必要はないと 言ったはずだ!」
スリサズ「ブロンゾ28!  お前は黙って僕に殺されれば いいんだよ!!」
アラド「おれをその名で呼ぶんじゃねえ!  おれはアラド・バランガだ!!」

[アイビス]

アイビス「この機体、何なの!?  アステリオン並みの機動性が……!」
スリサズ「ハッ! お前の下らない玩具と 一緒にするな!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「あの動き…… スクールのデータがベースに なっているの……!?」
スリサズ「それに気づいたか?  なら、お前も殺さなきゃならないな!」

[ラーダ]

ラーダ「あの子、ゲイム・システムを 使いこなしている……!?」
スリサズ「当たり前だ!  僕をアウルム1と同じにするな!」

[HP80%以下]

スリサズ「ふふふ、ベルゲルミルに ダメージを与えるなんて…… 人間の分際でやるもんだね」
スリサズ「だけど、 僕を怒らせたのが運の尽きだ!」
(スリサズに『ど根性』)
アラド「な、何っ!?」
シャイン「こ、壊れた所が!!」
ラトゥーニ「じ、自己修復機能……!?」
ヴィレッタ(あれは……まさか……!?)
スリサズ「さあ、これで仕切り直しだ」
アラド「て、てめえ! 卑怯だぞ!!」
スリサズ「そうかい?  なら、お前にも打ち込んでやるよ…… このマシンセルをな!」
(通信)
ウルズ「……そこまでだ、スリサズ」
スリサズ「ウルズ!?」
ウルズ「ベルゲルミルのテストは もう充分だろう。後退するんだ」
スリサズ「嫌だ!  ブロンゾ28を殺すんだ!!」
ウルズ「僕の言うことが聞けないのか?」
アンサズ「そうだよ、スリサズ。 ウルズに逆らうと後が怖いよ、 フフフフ」
ウルズ「帰ってくるんだ。 パパもお前を待っている」
スリサズ「くっ……!」
スリサズ「お前達、命拾いしたな……!」
(スリサズ機が撤退)
アラド「くそっ、逃がすかよ!  オウカ姉さんを返せ!!」
カイ「やめろ、アラド。 今から追っても無駄だ」
アラド「しょ、少佐……!」
カイ「こちらの消耗も大きい。 そして、俺達の任務がサマ基地の 奪還であることを忘れるな」
アラド「……」
アラド「わ、わかりました……」

《ハガネ格納庫》

アラド「くっ……!  オウカ姉さんまでおれのことを 完全に敵だと思ってるなんて……」
ラーダ「どうやらセトメ博士達は、 彼女やゼオラにとって都合の悪い 記憶を次々と修正しているようね」
ツグミ「そんな……!  ヒトの記憶をまるでコンピューターの データのように……」
ラーダ(そして、 クエルボもそれに荷担して……)
ライ「しかも、 その上にゲイム・システムを 持ち出してくるとはな」
アイビス「あのシステムって、 どういうものなの?」
ライ「機体を人に合わせるのではなく、 人を機体に合わせるための装置だ」
ライ「それによって、 パイロットの力は極限まで 引き出されるが……」
ライ「その代償は大きい。 DC戦争ではあれを暴走させ、 精神崩壊に至った者もいた」
リュウセイ「ああ、 テンザンやテンペストは……」
シャイン「私も運が悪ければ…… ライディ様や皆様があのシステムを 壊して下さらなければ……」
アイビス「でも、シャイン王女という 前例があるってことは……」
ライ「ああ。時間勝負になるが、 オウカを救い出すことは 不可能ではない」
シャイン「ラトゥーニ、アラド…… あなた達の姉君も、きっと……」
ラトゥーニ「はい…… 諦めたりはしません……」
アラド「例え、姉さんがおれのことを 敵だと思っていても…… 必ず助け出してみせます」
ラーダ「アラド……」
アラド「セロ博士はともかく、 やっぱりアギラはおれ達のことを 実験体としか思っちゃいない……」
アラド「これ以上 姉さんやゼオラをあいつの好きに させるわけにはいかない」
ラーダ「……ええ……」
ツグミ「ところで、 彼女の後に現れた子供達…… 彼らはいったい?」
リュウセイ「あいつらも スクールの出身なのか?」
ラトゥーニ「ううん……違うと思う」
アラド「あの連中……アースクレイドルでも 見たことないです」
アラド(それに、あいつら…… いったいおれに何の恨みがあるって 言うんだ……?)

《ハガネ艦橋》

テツヤ「ダイテツ艦長、 後発隊がサマ基地に到着しました」
テツヤ「以後、彼らが 基地の防衛任務に就くそうです」
ダイテツ「了解した。 では、我々は撤収の準備を」
テツヤ「はっ」
(通信)
エイタ「艦長、 極東方面軍のレイカー司令から 通信が入っています」
ダイテツ「こちらに回してくれ」
エイタ「了解です」
(通信)
レイカー「ダイテツ、 ダンスト司令から話は聞いた。 サマ基地の奪還に成功したそうだな」
ダイテツ「ああ。現在、ノイエDC軍は リビア地区から撤退しつつある」
レイカー「そうか……」
ダイテツ「……そちらで何かあったのか?」
レイカー「うむ……。 ハワイ地区がインスペクターの 攻撃を受け、彼らに占拠された」
ダイテツ「!」
テツヤ「では、インスペクターは 太平洋や極東方面に……!?」
レイカー「そうだ。 彼らはハワイを足掛かりにし、こちらへ 侵攻するつもりだと思われる」
ダイテツ「なら、もう時間はないな」
レイカー「うむ。 この事態に反応するため……」
レイカー「予定より早く オペレーション・プランタジネットを 発動させる」
レイカー「お前達も すぐに伊豆へ向かってくれ」
ダイテツ「了解した」
レイカー「では、以上だ」
(通信)
ダイテツ「大尉、各員に伝達し、 撤収準備を急がせろ。本艦はこれより 日本・伊豆基地へ向かう」
テツヤ「はっ!」

《連邦政府・大統領府》

ブライアン「……5日後の午前0時?」
ニブハル「ええ。 それがオペレーション・プランタジネットの 開始日時です」
ブライアン「予定より 少し早まったようだね。 やはり、ハワイの件が原因で?」
グライエン「そうだ」
ブライアン「作戦指揮官は 当初の予定通り、極東方面軍の レイカー少将かい?」
グライエン「ああ。 それにケネス・ギャレットが オブザーバーとしてつく」
ブライアン「ほう…… あの二人は犬猿の仲だと 聞いているが、大丈夫なのか?」
グライエン「ケネスは 北米方面軍の司令官であり、 インスペクターとの交戦経験者だ」
グライエン「彼の知識は オペレーション・プランタジネットの 作戦指揮に役立つ」
ブライアン「つまり、 敗軍の将が兵を語るわけだね」
グライエン「何が言いたい?」
ブライアン「いや、別に。 ところで、あなたが進めている ノイエDCとの交渉の方は?」
グライエン「根回しは済んでいる。 後はバンの確約を得るだけだ。 作戦開始までには間に合わせる」
ブライアン「そうか…… それをきっかけに連邦軍とノイエDCの 戦いが終わればいいんだが」
ブライアン「いや…… そういう流れになっているかな?」
グライエン「……」
グライエン(こやつ…… 気づいておるのか?)
ブライアン「では、ムブハル補佐官。 インスペクターとの交渉の方は?」
ニブハル「残念ながら、未だ彼らとの パイプは見つかっておりません」
ブライアン「ふうん……意外と 近くにあるんじゃないのかい?」
ニブハル「……」
ブライアン「まあいい。 プランタジネット発動後も彼らとの コンタクトを試みてくれたまえ」
ニブハル「承知致しました」
ブライアン「さて……後は待つだけか」
グライエン(フン……お前が 今後のことを気に病む必要はない)
グライエン(オペレーション・ プランタジネットが始まった時……)
グライエン(お前は その椅子に座っていないのだからな)

《シロガネ艦橋》

レモン「そう…… ハガネが極東へ向かったの」
エキドナ「おそらく、 オペレーション・プランタジネットに 参加するためだと思われます」
ヴィンデル「だが、 我々の方が一足早かったな」
レモン「ええ。 W16、あなたが持ってきてくれた このシロガネのおかげでね」
エキドナ「はっ」
レモン「じゃあ、行っていいわ」
エキドナ「では……」
(扉が開閉する・エキドナが立ち去る)
ヴィンデル「ところで、 リー・リンジュンの様子は?」
レモン「独房で 大人しくしているみたいだけど…… 本気で彼を引き入れるつもり?」
ヴィンデル「うむ。 リーはハガネやヒリュウと 行動を共にしていた……」
ヴィンデル「だから、 彼らを排除せねばならぬ状況を 迎えた時、あの男の経験が役に立つ」
レモン「素直に こちらの言うことを聞くかしら?」
ヴィンデル「心配はいらん。 奴は異星人と戦う力を求めている」
ヴィンデル「そして、 それを我らが与えれば……」
ヴィンデル「いずれ、 混沌をも望むようになるだろう」
レモン「つまり、ローズのお嬢ちゃんや フェフ博士と同じように…… こちらの手の内を見せるのね?」
ヴィンデル「ああ、その方が早い」
(扉が開閉する)
アクセル「……今、戻ったぞ」
ヴィンデル「任務ご苦労。 ……自重したようだな、アクセル」
アクセル「ふん、 今日はほんの挨拶代わりだ」
ヴィンデル「では、 これより我々は日本近海に潜伏し、 ハルパーの発動を待つ」
(扉が開閉する・ヴィンデルが立ち去る)
レモン「で、どうだったの?  ヒリュウ改の狼さんは?」
アクセル「機体の外見や性能は 若干違っているようだが、 手応えはほぼ同じだった」
レモン「そうじゃなくて…… キョウスケ・ナンブが あなたをどう認識しているか」
アクセル「聞くまでもないだろう?  ……W17の報告通りだ」
レモン「そう……。 ちょっと寂しい気もするわね」
アクセル「……この世界にも 特殊任務実行部隊は 存在しているが……」
アクセル「名称と構成員が違う」
レモン「ええ、 その調べはもうついているわ」
レモン「今は…… 私達と関係のない所で任務を 遂行しているみたいだけど」
アクセル「だから、 おれ達のことを知る者はいない。 ……ヘリオスを除いてな」
レモン「そうね……。 それに、彼女も……」
アクセル「……」
アクセル「……先程の戦闘で、 お前と同じ名前の女と接触した」
レモン「え!?」
アクセル「シャトル事故で 死んだというお前の妹……。 まだ名前を聞いていなかったな」
アクセル「……エクセレンか?」
レモン「……!」
アクセル「どうなんだ?」
レモン「……」
レモン「……正解、よ」
アクセル「……」
レモン(そう……。 こちらではそうなっているの……)
アクセル「……あの女もベーオウルフと 同じだ。おれ達のことを知らん」
アクセル「そういう存在だ。 共通点はあっても、 お前の妹などではない」
レモン「……ええ、わかっているわ。 あの子は……もう死んだもの」
アクセル「……」
レモン(エクセレン…… エクセレン・ブロウニング……)
レモン(あなたがこちらにいるのなら、 私は……)

《伊豆基地・ラボ》

スタッフ「……R-GUN、 スタンバイモードで起動」
ケンゾウ「T-LINKコネクター、 1番から10番までを接続しろ」
スタッフ「……接続。 パイロットの脳波、脈拍共に異常なし」
ケンゾウ「R-3の方は?」
スタッフ「すでに準備は出来ています」
ケンゾウ「よし……。 アヤ、T-LINKツインコンタクトの テストを開始するぞ」
アヤ「わかりました」
ケンゾウ「仮想サイコドライブ、起動。 R-GUN、T-LINK開始」
スタッフ「R-GUN、 T-LINKコンタクト確認」
ケンゾウ「アヤ、 マイのTPレベルが4に到達した時点で ツインコンタクトを始めろ」
アヤ「はい……」

《???》

(精神感応)
マイ「う、うう……!」
???(レビ)「……」
マイ「ま、また……お前が……!」
???(レビ)「お前は そこで何をしている……?」
???(レビ)「そんな物に乗って 何をしている……?」
マイ「お、お前は……誰だ……?  何故、私に語りかけてくる……?」
???(レビ)「まだ私のことが わからないのか……?」
マイ「うう、う……!」
???(レビ)「思い出せ……私の名を……」
マイ「ううう……!」
レビ「レビ・トーラー…… お前の真の名を……思い出せ」
マイ「レ、レビ……!?」
(精神感応)
マイ「うっ! あああっ!!」
レビ「お前の真の姿を 思い出せ……!」
マイ「あ、ああ……あ……!」
(精神感応)
アヤ「マイ、どうしたの!?  しっかりして!」
マイ「ア、アヤ……!!」
レビ「また……あの女か……!」

《伊豆基地・ラボ》

(アラート)
マイ「うあああああっ!!」
スタッフ「念が逆流します!  自我境界線、レッドゾーンに!!」
マイ「あああ……ああああっ!」
アヤ「マ、マイ!!」
ケンゾウ「……」
スタッフ「博士、 このままでは危険です!!」
ケンゾウ「T-LINK中止。 R-GUNのサイコ・クラッチを切れ」
スタッフ「は、はいっ!」
(システムダウン)
マイ「はあっ、はあっ……は……」
ケンゾウ「……」
ケンゾウ(マイ…… もしや、お前は……?)

《連邦軍伊豆基地》

アヤ「マイ……大丈夫?」
マイ「……」
アヤ「何があったの?  ツインコンタクト中に……」
マイ「夢を……見た」
アヤ「夢?  あなた、この間もそんなことを……」
マイ「アヤ……教えて。 あれはいったい誰……?」
アヤ「え……?」
マイ「私と同じ顔をした者…… あれはいったい……?」
アヤ「!!」
マイ「レビ・トーラー…… あの子は……私の何なの……?」
アヤ(そ、そんな……!  彼女がまだマイの中に……!?)
マイ「もしかして…… 私が失った記憶と関係が……?」
アヤ「そ、それは……」
マイ「怖い……自分が自分で なくなるような感じが……」
マイ「あの時、アヤが 呼びかけてくれなかったら……」
マイ「アヤが 私を助けてくれなかったら、 私は……」
アヤ「マ、マイ……」

《伊豆基地・ラボ》

ロバート「何ですって!?  マイにあの時の記憶が!?」
ケンゾウ「ああ。 もしかしたら、深層意識の中に 彼女が残っているのかも知れん」
ロバート「そ、その根拠は?」
ケンゾウ「本人がレビの名を口にした」
ロバート「!!」
ケンゾウ「それに、ツインコンタクトの テスト中に不可解なテレキネシスα波が 検出された」
ケンゾウ「その時のTPレベルは14…… 今のマイの倍近い」
ロバート「……ど、どうするんです?  あの子に事実を教えるんですか?」
ケンゾウ「いや。 現状でもアヤとマイのツインコンタクトは 予想以上の結果を出している……」
ケンゾウ「これにリュウセイの力が 加われば、SRXは安定した状態で HTBキャノンを使用できるだろう」
ロバート「しかし、今のあの子が 自分の過去のことを知ったら……!」
ケンゾウ「マイとアヤには 口止めしてある。このことは 我々の間での秘密にするぞ」
ロバート「そんな!  いずれはわかることです!  隠し通せはしない!」
ケンゾウ「それでも、だ。 今、マイの自我を崩壊させるわけには いかん。全ては計画のためだ」
ロバート「……」

『大型ジェネレーター』を入手した
『アポジモーター』を入手した
『メガブースター』を入手した

『アーマーブレイカー』を入手した


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