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星から来るもの ~ 第15話 ~

《DC戦艦格納庫》

(着艦音とハッチが開く音)
アクセル「ふん…… まさか、DCの戦艦へ 乗ることになるとはな」
アクセル「だが、ヴィンデル達が この艦にいると言うことは……」
エキドナ「アクセル・アルマー隊長」
アクセル「W16……おれの出迎えか」
エキドナ「はい。 ヴィンデル様とレモン様が ブリッジでお待ちです」
アクセル「……わかった」

《ノイエDC戦艦艦橋》

レモン「アクセル!  あなた、今までどこに……!?」
アクセル「こちらへ来たのは半年前…… どうやら、しんがりだったおれが 一番手だったらしいな」
レモン「え、ええ…… オペレーションSRWの最中に 来たことまではわかっていたけど」
アクセル「おれはそのまま戦闘に 巻き込まれてな。ソウルゲインは 大破し、地球へ落下した」
アクセル「その際、傷を負い…… 動けるようになったのが、つい最近だ。 それで合流が遅れたのさ」
レモン「身体は大丈夫なの?」
アクセル「おれはな。 だが、ソウルゲインの方は かなりガタがきている……」
アクセル「ここへたどり着くまで 色々あったんでな」
ヴィンデル「ともかく、 よく戻ってきてくれた……アクセル」
アクセル「ああ……。 作戦は上手くいっているようだな」
ヴィンデル「うむ、ほぼ予定通りだ」
アクセル「……ベーオウルフは?  奴はまだ生きているのだろうな?」
ヴィンデル「知っているのか…… あの男が存在していることを」
アクセル「おれは お前達より先に来たんだぞ。 それぐらいの情報は入手している」
アクセル「もっとも…… 奴と接触することはなかったがな」
ヴィンデル「……今、彼はハガネにいる」
レモン「そ。W17がマークしてるわ」
アクセル「ふん……奴らの懐へ 潜り込むことに成功したのか、 あの人形が」
レモン「もちろん。 彼女はWシリーズの最高傑作だもの」
アクセル「そんなことはどうでもいい。 ソウルゲインの修理が済み次第、 おれは出る」
レモン「出るって…… まさか、ベーオウルフを?」
アクセル「ああ。 こちらの作戦が本格的に始まる前に 奴との決着をつける」
ヴィンデル「それは許可できん」
アクセル「何故だ?  向こうでの奴の部隊に何をされたか、 忘れたとは言わせんぞ」
ヴィンデル「理由は……例の事件が まもなく起きると思われるからだ」
アクセル「何……?」
ヴィンデル「そして、地球圏は さらに混乱することとなる。その中で 我々が理想を実現するためには……」
アクセル「ベーオウルフ達を泳がせて おいた方がいいというわけか」
ヴィンデル「そうだ。 彼らへの対抗戦力の一つとしてな」
アクセル「………」

《L5宙域》

リューネ「……ホワイトスター、か。 またここへ来ることになるなんてね」
(通信)
リューネ「ヴァルシオーネよりドラゴン2へ。 今からそっちへ着艦するよ」
ユン「ドラゴン2、了解。 ガイドビーコンに従い、本艦の 後部第2格納庫へ入って下さい」
リューネ「ああ、わかったよ」

《ヒリュウ改艦橋》

リューネ「久しぶりだね、 レフィーナ艦長」
レフィーナ「ええ。 わざわざこんな所まで来ていただいて すみません」
リューネ「ううん、 困った時はお互い様だからね。 ……ところで、ギリアム少佐は?」
レフィーナ「今、本艦のデータルームで 調べ物をなさっています」
リューネ「そう。 じゃ、ヴィレッタ大尉は?」
リューネ「あの人も ギリアム少佐に呼ばれて こっちに来てるんでしょ」
レフィーナ「大尉は格納庫で 自分の乗機の調整をしています」
リューネ「じゃ、 あの二人に挨拶すんのは後でいいか」
リューネ「それにしても、 随分と物々しい警戒態勢だね」
ショーン「地上でのいざこざがなければ、 もっと数が揃っていた所なのですが」
リューネ「……ノイエDCの話は あたしも知ってるよ」
リューネ「わかっちゃいたことだけど、 火種は完全に消えてなかった」
リューネ「しかも、あんな形で 再燃することになるなんて……」
レフィーナ「ええ……」
ショーン「今回の騒動に 何か心当たりが?」
リューネ「たった半年で あれだけの勢いを盛り返したのは、 どう考えてもおかしいよ」
リューネ「いくらバン大佐でも、 あそこまでの手勢を揃えることは……」
ショーン「彼をご存じなのですか」
リューネ「戦争前に 何度か会ったことがあるよ」
リューネ「DCの組織内じゃ、あまり表へ 出なかったみたいだけど……」
リューネ「EOTI機関が出来る前から 親父に協力してたって聞いてる」
ショーン「単なるゲリラ屋と言うわけでは なさそうですな」
リューネ「あの男は、親父が 選ばなかった道を進もうとしてる」
リューネ「だから、親父の決断に 納得がいかなかった連中が、 あの男の下に集まるのはわかるよ」
リューネ「けど……」
ショーン「半年という期間は 短すぎると?」
リューネ「ああ、 ノイエDCには何か裏がありそうだね」
ショーン「……」

《ヒリュウ改・データ室》

ギリアム(オペレーションSRWに 確認された『マスタッシュマン』……)
ギリアム(ハガネが接触したという 量産型のゲシュペンストMk-II…… そしてアルブレード)
ギリアム(この世界に 存在しているはずのない機体……。 もはや、疑いの余地はない)
(通信)
ギリアム(そして、アンノウン…… ヒリュウが月で接触した謎の特機……)
ギリアム(系統から見て、 彼らとの関係はなさそうだが……)
(扉が開閉する)
ヴィレッタ「少佐、 タイプRの調整が終わったわ」
ギリアム「問題はないか?」
ヴィレッタ「ええ。 今となっては貴重な機体だもの、 大事に使わせてもらうわ」
ギリアム「ああ」
ヴィレッタ「ところで、そのデータは?」
ギリアム「マオ社を襲撃した例の特機だ。 マスタッシュマンとの関連性を 調べていた」
ヴィレッタ「マスタッシュマン……。 連邦軍やエアロゲイターの物ではない 謎の機体ね」
ギリアム「うむ…… 我々がホワイトスター内部へ 突入した後、現れた人型……」
ギリアム「オペレーションSRWに 参加していた連邦軍の戦艦が、 その映像を記録した」
ヴィレッタ「正体の見当がついたの?」
ギリアム「……」
ヴィレッタ「少佐?」
ギリアム「すまない。 今はまだ……君にも教えられん」
ヴィレッタ「……わかったわ」
ギリアム「ところで…… マオ社を襲撃した特機に関して、 君の見解は?」
ヴィレッタ「エアロゲイターの 機動兵器でないことは確実ね」
ギリアム「では、 L2宙域に現れたバグスと バイオロイドについては?」
ヴィレッタ「やはり、違うわ。 そして、ノイエDCの物でもない」
ギリアム(やらば、やはり……)
(アラート)
ギリアム「!」
ヴィレッタ「敵襲警報……!  まさか!?」


第15話
星から来るもの

〔戦域:ホワイトスター周辺宙域〕

(アラート)
基地指令「全艦、第一種戦闘配置!  繰り返す! 全艦、第一種戦闘 配置! これは演習ではない!」
ユン「前方に転移反応多数!  どんどん増えていきます!!」
レフィーナ「総員、迎撃態勢!!」
(敵機が出現)
基地指令「何て数だ……!  直ちに月面軍、L4宙域軍に 支援要請を出せ!」
オペレーター「了解!」
ギリアム「照合完了…… あれはL2宙域軍第34、 第19戦闘航宙団の機体だな」
リューネ「あいつら、 本当にエアロゲイターじゃないの!?」
ヴィレッタ「ええ、先程の転移反応は 彼らのものではないわ」
ギリアム(そして、アンノウンや 彼らのものでもない……)
リューネ「じゃ、新顔ってこと!?」
ギリアム「おそらくな。 もしかしたら、今回で連中の正体が 判明するかも知れん」
リューネ「ハッ、望むところだよ!  スッキリしないのは嫌いだからね!」
ショーン「……どうやら敵は こちらの戦艦集結に合わせ、 行動を起こしたようですな」
レフィーナ「では、彼らの目的は……?」
ショーン「我々ではなく、 ホワイトスターそのものかも 知れませんな」
レフィーナ「……!」
ギリアム「……」
ショーン「不幸にもノイエDCの蜂起と タイミングが重なったとは言え……」
ショーン「我々の対応は 遅すぎたかも知れませんぞ」
レフィーナ(でも、地球で内乱が 起きている今だからこそ、ここは 何としても守らねばならない……!)
基地指令「駐留艦隊は現在位置で ホワイトスターの防衛に当たれ!」
基地指令「ドラゴン2と、PT各機は 前進して敵機を迎撃せよ!」
ユン「ドラゴン2、了解!」
レフィーナ「機関、第1戦速!  各機は敵の迎撃をお願いします!」
リューネ「了解!」
ギリアム「リューネ、今回はおそらく 多数の敵との戦闘になる……」
リューネ「任せなって。 こういう時のためにあたしを ここへ呼んだんでしょ?」
ギリアム「ああ。 くれぐれもサイコブラスターの 使い所は慎重にな」
リューネ「わかったよ」
ギリアム(後は どちらの援軍が先に来るかだが……)
ギリアム(すでに 俺達は敵の術中にはまったか……?)

《3PP》

(アラート)
ユン「新たな転移反応あり!  数、4! 大型ですっ!!」
レフィーナ「!!」
(メキボス達が出現)
???(ヴィガジ)「…………」
ユン「あ、あれは!!」
レフィーナ「つ、月に現れた 大型機動兵器……!!」
ユン「残り3体は こちらのデータにありません!」
ギリアム「ここに来て、 一気に未確認機が3体か……!」
ショーン(どうやら、向こうに 切り札を出されたようですな)
(通信)
ユン「!? 敵機から通常周波数で 通信が入って来ています!」
レフィーナ「通信!?」
???(ヴィガジ)「地球人に告ぐ……」
ヴィガジ「私の名はヴィガジ。 文明監査次官だ」
ヴィレッタ(文明監査……だと?)
ヴィガジ「貴様らの言葉で言えば、 『異星人』となるのかな」
レフィーナ「!!」
リューネ「!!」
ギリアム「やはり、そうか……!」
ヴィガジ「もっとも、 我々は貴様らが知る所のバルマー…… いや、エアロゲイターではない」
ヴィレッタ「!」
ギリアム「ならば、『ゲスト』か?」
ヴィガジ「『ゲスト』?  『客』とはどういう意味だ?」
ギリアム「……」
ヴィガジ「……ふむ、 こちらの翻訳機の調子が 悪いわけではないらしい」
???(メキボス)「ああ、そりゃあれだ。 あの連中のコードネームだろ?」
ヴィガジ「フン、なるほどな。 では、その呼び方にならって……」
ヴィガジ「我々のことは 『インスペクター』とでも 呼んでもらおうか」
ギリアム「インスペクター……」
ショーン(すなわち、監査官。 そのままですな)
ギリアム(彼らは 『ゲスト』のことを知っている……。 出所は同じということか?)
リューネ「こそこそと人んちの物を かすめ取るような真似をして……」
リューネ「あんた達の目的は いったい何なのさ!?」
シカログ「……」
リューネ「!? 何とか言いなよ!」
ヴィガジ「おい、シカログ!  こんな時ぐらい喋れ!」
シカログ「…………」
ヴィガジ「まったく、 何度こんな奴が……」
アギーハ「ちょっと、ヴィガジ!  あたいのシカログをバカにすると 許さないからね!」
ヴィガジ「フン」
シカログ「………………」
アギーハ「あ、紹介しとくよ。 こっちのシブいハンサムがシカログ。 あたいのステディさ」
リューネ「は!? ステディ!?」
アギーハ「そうさ。 で、あたいはアギーハってんだ」
アギーハ「短い付き合いになるとは 思うけど、一応覚えときな」
リューネ「ふざけんじゃないよ!  この年増!!」
アギーハ「だ、誰が年増だってぇ!?  あたいはまだ……!」
???(メキボス)「やれやれ、 あんな野蛮人共相手にバンザイ…… あれ、何だっけ?」
ショーン「マンザイ……ですかな?」
???「そう、それそれ。 とにかく、まともにあいつらの相手を するこたぁねえだろうによ」
ギリアム「……」
???(メキボス)「おっと、紹介が遅れたな。 俺はメキボス。一応、リーダーだ」
ヴィガジ「待て!  いつから貴様がリーダーになった!?」
アギーハ「そうよ!  リーダーはとってもシブい あたいのシカログよ!」
ヴィガジ「違うっっ!!  リーダーはこの俺、ヴィガジだ!!」
メキボス「はいはい、わかってるって。 そんでもって俺が影のリーダーな」
アギーハ「そいじゃ、 あたいは裏のリーダーね♥」
シカログ「…………」
アギーハ「わかってるわよぉ♥ シカログは真のリーダーよ♥」
ヴィガジ「わかった…… わかったから、もういい……」
レフィーナ「………」
ユン「な……何なの、あの連中……」
ショーン「エアロゲイターに比べて、 随分と愉快なメンタリティを お持ちのようですな」
ヴィレッタ「………」
ギリアム(……エクセレン少尉も ここへ呼んでおくべきだったか)
リューネ「あ……あいつら、 本当に異星人なの!?」
ショーン「まぁ、 宇宙は広いと言うことでしょうな」
メキボス「ほ~れ見ろ。 ンなことやってっから、あんな 下等生物にバカにされンだぜ?」
ヴィガジ「元はと言えば、 貴様が原因だろうが!」
メキボス「そうだっけ?」
ヴィガジ「もういい。 さっさと任務を遂行し、 ウェンドロ様を迎えるぞ」
メキボス「待てよ、ヴィガジ。 お前だけ先に楽しんでおいて そりゃねえだろ?」
ヴィガジ「何……?」
アギーハ「そうよ。 ここんトコ退屈だったし、 暇つぶしは欲しいわよね」
アギーハ「シカログもそうでしょ?」
シカログ「……」
アギーハ「ほら、 シカログもそう言ってるわよ」
ヴィガジ「だが、 ウェンドロ様の命令は……」
メキボス「ま、 お前にゃ月での前科があるからな。 だったら、これでどうだ?」
(メキボスに『気合』、グレイターキンがホワイトスターまで移動)
連邦艦長「!!」
メキボス「そ~ら、一気に行くぜ!」
メキボス「サンダークラッシュ!!」
(ホワイトスターにいた友軍機が全滅)
ヴィレッタ「!!」
リューネ「ああっ!!」
ユン「ちゅ、駐留艦隊がっ!!」
レフィーナ「そ……そんな!!」
ギリアム「やはり、彼らの目的は ホワイトスターの占拠だったか!」
(グレイターキンが四天王の傍まで戻る)
メキボス「ほら、 これで任務終了だ。文句あるか?」
ヴィガジ「……俺はウェンドロ様の 出迎えの準備をする。 後は好きにしろ」
メキボス「了解だぜ、リーダー」
ヴィガジ(ち……!)
(ガルガウがホワイトスターまで移動し消える)
レフィーナ「ユン! 残存艦や ホワイトスター内部との連絡は!?」
ユン「だ、駄目です! 音信不通!!」
ショーン「勝負あり……ですな」
レフィーナ「ふ、副長……!」
ショーン「早急に撤退すべきです。 現在の戦力で、彼らとまともに やり合っても勝てませんよ」
レフィーナ「……」
メキボス「さて、 獲物の配分だが……どうする?」
アギーハ「あたいは あの小生意気な小娘にするよ」
アギーハ「年増呼ばわりしたことを 死ぬほど後悔させてやるんだから」
メキボス(年増……は あながち間違っちゃいねえんだが)
アギーハ「ねえ、 シカログはどれにする?」
シカログ「……」
アギーハ「大物狙いでいくって」
メキボス「なら、 俺はあの黒いゲシュペンストだ。 情報じゃ、レア物らしいからな」
ギリアム「! 来るか」
レフィーナ「やむを得ません!  ホワイトスターを放棄し、 現宙域から離脱します!」
レフィーナ「本艦、及び各機は 外周エリアへ!」
(離脱位置の指示)
レフィーナ「Eフィールド、後方で 集中展開! 機関、最大戦速!」
リューネ「悔しいけど、 逃げるしかなさそうだね……!」
ヴィレッタ「そう、今は……!」
ギリアム「くれぐれも 彼らの機体速度を侮るな。行くぞ!」
リューネ「ああ、わかったよ!」
メキボス「おおっと、逃げる気か?」
アギーハ「そうはさせるか!  たっぷり楽しませてもらうよ!!」
(作戦目的変更)

〈vs アギーハ〉

[リューネ]

アギーハ「小娘が……!  よくも年増呼ばわりしてくれたわね!」
リューネ「ハッ! 図星を突かれて 怒ってんじゃないよ!」
アギーハ「黙りな!  そんな口を利いてられるのは 今の内だよ!」

〈vs メキボス〉

[ギリアム]

メキボス「お前、 色々と知っているようだな?」
メキボス「ひょっとして、 例の事件に関わっていたのか?」
ギリアム「そちらはどうなのだ?」
メキボス「おいおい、 質問に質問で返すんじゃねえよ」
メキボス「まあいい。 そのゲシュペンストは 記念にもらっておくが……」
メキボス「お前はここで死にな!」

《東端へ到達》

[リューネ]

リューネ「くっ!  生き残ったのはあたし達だけ……?」
リューネ「覚えときなよ、 インスペクター……!  今回の借りは必ず返すからね!!」

[ギリアム]

ギリアム「……敵の情報と 引き換えにするには、あまりにも 大きな代償だった……」
ギリアム「だが、いずれは……!」

[ヴィレッタ]

ヴィレッタ(この屈辱…… 忘れはしない……!)

[レフィーナ]

ユン「目標地点に到達!」
レフィーナ「速度このまま!  後方へ弾幕、及びチャフ展開!  現宙域より離脱します!」
ショーン「了解です、艦長」
レフィーナ(……私達にもっと力が あれば、こんなことには……!)
レフィーナ(すみません……!  今は……今はこうするしか……!)

〈味方機全機離脱〉

アギーハ「あらら、行っちゃったよ。 どうする? 追う?」
メキボス「もうすぐあの方が着く頃だ。 やめとこう」
アギーハ「わかったわ。 でも結構やるじゃない、あの連中」
メキボス「まあな。 あのネビーイームの機能を 止めただけのことはあるってこった」
シカログ「……」
アギーハ「そうね、ダーリン♥ だから、あたい達は この星へ来たんだもんね」
アギーハ「じゃ、あたい達も ウェンドロ様の出迎えに行こうよ」
メキボス「わかった」
メキボス(さて…… これからは退屈せずに済みそうだな)

《ホワイトスター内部》

ヴィガジ「……お待ちしておりました、 ウェンドロ様」
ウェンドロ「作戦は 上手くいったみたいだね、ヴィガジ」
ヴィガジ「はっ。あのような連中など、 物の数ではございません」
ウェンドロ「じゃ、 今回の功績で前回の命令違反は 不問にしよう」
ウェンドロ「ただし……次は許さないよ」
ヴィガジ「承知しております」
ウェンドロ「それじゃ、報告を聞こうか」
アギーハ「既に空間転移装置の設置は 終了し……現在はこのネビーイーム内の 改修作業を行っております」
ウェンドロ「使えそうか?」
アギーハ「我々の拠点としては。 しかし、プラントは完全に 破壊されており、修復不可能です」
ウェンドロ「さしもの地球人も そこまで愚かじゃなかったか」
ウェンドロ「なら、ヴィガジ…… 次の作戦は持ってきたメギロート改を 主力にしよう」
ヴィガジ「はっ」
シカログ「……」
アギーハ「……そうね、シカログ。 それ以降はちょっと厳しいよね」
シカログ「……」
ウェンドロ「先にプラントを手に入れよう。 ……メキボス、君に任せるよ」
メキボス「了解」
ウェンドロ「最後に…… 地球の状況について聞かせてくれ」
ヴィガジ「北アフリカ地区を中心に 内乱が広がっています」
ヴィガジ「また、 工作員からの報告によれば……」
ヴィガジ「行政機関内でも 反乱の兆しが見られるようです」
ウェンドロ「ふふ…… 僕達の到来を予想しておきながら、 内輪もめを抑えられない……」
ウェンドロ「やっぱり、 地球人は野蛮な下等生物だな」
ヴィガジ「ええ。あのような連中を 野放しにしておくことは出来ません。 一刻も早く……」
ウェンドロ「そう焦らなくてもいいさ。 こちらの戦力を増強しつつ、 事を進めるとしよう……」
ウェンドロ「そう…… 彼らに対するお仕置きを、ね」


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