オウカ「フッ、さすがですね。
でも……」
オウカ「!」
ラトゥーニ「!?」
オウカ「く、うう……!」
ラトゥーニ「姉様……!?」
オウカ「ううっ……あ、頭が……!
くっ!!」
ラトゥーニ「も、もしかして……!?」
オウカ「ア、ASRS展開……
ブースト……!」
(オウカ機が撤退)
ブリット「逃げた!?」
イルム「あの加速……
やはり、ブースト付きの
テスラ・ドライブか」
ラトゥーニ「ね、姉様……」
エイタ「敵機の反応、全て消えました!」
ダイテツ「艦を停止させろ。
撃墜したゲシュペンストの破片を
回収し、調査する」
リョウト「……送られてきたデータを
こちらでも検討してみました」
リョウト「製造番号は
巧妙に削除されているようですが、
部品は同じ物が使われています」
イルム「ああ……
ハリボテじゃないな、あれは」
テツヤ「あのゲシュペンストがどこで
作られたか、見当はつくのか?」
リョウト「ご存じの通り、マオ社の
生産ラインは量産型ヒュッケバインに
移行しています」
リョウト「やはり、
DC残党によって量産された物と
考えるのが妥当だと……」
キョウスケ「では、
量産型のアルブレードについては?」
リョウト「試作1号機と2号機は
こちらにありますし、3号機は
リュウセイが使っています」
リョウト「また、データが
ハッキングされた形跡もありません」
キョウスケ「DC残党が
独自に開発した物だという線は?」
リョウト「あり得ません。
あそこまでこちらのプランと
そっくりだなんて……」
リョウト「仮にデータが
ハッキングされているとしても、
開発期間の辻褄が合いません」
テツヤ「だが、
あれは現実に存在している。
それについて、お前の見解は?」
リョウト「あの……
呆れずに聞いてもらえますか?」
テツヤ「? ああ……」
リョウト「非現実的だと思いますが……
あれが未来から来た物だとすれば、
納得がいきます」
テツヤ「み、未来からだと!?」
キョウスケ「……」
イルム「う~ん……
そういう考え方もあるか」
テツヤ「しかし、いくら何でも……」
イルム「ま、それぐらいに
非現実的な話だっていうことですよ」
リョウト「とにかく、僕達の方でも
ゲシュペンストMk-IIの件と
一緒に調査を進めてみます」
テツヤ「わかった。
また新たなデータを入手したら、
そちらへ送る」
リョウト「お願いします」
イルム「じゃあ、
リンやリオ、ラーダによろしくな」
リョウト「はい。
そちらもお気をつけて……」
ラミア(……よし、これで
アンジュルグの機密回路が使える。
先日のディスクの内容確認を……)
(通信)
ラミア(指令コード、0605……)
ラミア(デザートクロス作戦の
スケジュールに基づき、
潜入任務の続行……)
ラミア(さらに、
ヘリオスに関する情報の入手……。
可能であれば、身柄を確保)
ラミア(……私にまで
その指令が下ったか……)
ラミア(どうやら、
まだ本隊の方でも奴の行方を
つかめていないらしいな)
ブリット「……ラミアさん、
そこで何をやってるんです?」
ラミア「ブルックリン少尉……。
アンジュルグの整備をしていたり
してましたのよ」
ブリット「そうなんですか。ところで、
ラトゥーニを見かけてませんか?」
ラミア「いや……」
ブリット「……あの子、
どこへ行ったんだろうなあ。
カイ少佐達も捜しているのに……」
ラミア「もしや、
あのオウカという敵パイロットの
情報を彼女から聞き出すために?」
ブリット「いや、
そういうわけじゃないんですけど」
ラミア「……」
ラミア「……少尉達は、
本気で彼女を『助ける』おつもりで
ございますですか?」
ブリット「ええ……。
いくら戦争だとは言え、身内同士で
戦うのは悲しいじゃないですか」
ラミア「……」
ラミア(わからん……
何故、そんなことを言う?
理解できん)
ブリット「実は、
俺にも似たような経験があるんです」
ブリット「だから……ラトゥーニには
そういう思いをさせたくないんです」
ラミア「甘い考え……ですことね。
こちらを倒しにくる敵に
そんな理屈は通用しませんのよ?」
ブリット「……わかってますよ。
でも、俺は憎しみのためだけに
戦ってるわけじゃありません」
ラミア「任務だから
戦っているのでございましょう?」
ラミア「兵士から任務を取ったら、
何が残るんでございますです?」
ブリット「人間が残ると思います」
ラミア「……!」
ラトゥーニ「……」
ラトゥーニ(あの時の姉様の反応……
もしかして、まだ……?)
(扉が開閉する)
ライ「ラトゥーニ、ここにいたのか」
ラトゥーニ「ライディース少尉、
カイ少佐……」
カイ「彼女の……オウカのことだが……」
ラトゥーニ「……私は大丈夫です。
それに……姉様の誤解は
予測がついていました……」
ライ「彼女は……
ああ思い込まされているということか」
ラトゥーニ「……おそらく」
カイ「オウカは
また我々の前に現れるだろう」
カイ「その時にアラドがいれば、
彼女の認識が変わるかも知れん。
だから、諦めるなよ」
ラトゥーニ「はい……」
ラトゥーニ(……オウカ姉様……)
アウルム1「……ラトゥーニ……」
ラトゥーニ11「……」
アウルム1「……どうしたの?
泣いているの?」
ラトゥーニ11「……姉様……うう……」
アウルム1「……訓練が厳しかったのね。
可哀想に……」
ラトゥーニ11「………」
アウルム1「……いいわ、私の方から
コッホ博士に言ってあげる。あなたの
メニューを考え直すようにって」
ラトゥーニ11「……でも……
あの人は……私を……」
アウルム1「安心なさい。私がいる限り、
あなたに妙な真似はさせないわ。
今度の実験は私が変わってあげる」
ラトゥーニ11「……」
アウルム1「私が守ってあげる。
あなたを……そして、弟や妹達を」
ラトゥーニ「姉様……」
アウルム1「だから、泣かないで。ね?」
ラトゥーニ11「はい……姉様……」
クエルボ「どうですか、セトメ博士……
オウカの状態は?」
アギラ「拒否反応が出ておるの。
まあ、予測しておったことじゃが」
クエルボ「スクール時代、彼女は
ラトゥーニを可愛がっていました。
やはり、その記憶のせいで……」
アギラ「いや、
原因はそれだけではなさそうじゃ」
クエルボ「え?」
アギラ「どうやら、ブロンゾ28が
生きておるらしい。レコーダーに
それらしい会話が記録されておった」
クエルボ「アラドが……!」
アギラ「そのせいで
アウルム1の深層意識に乱れが生じ、
拒否反応を起こしたのじゃろうな」
クエルボ「……」
アギラ「ブロンゾ28め、欠陥品のくせに
悪運だけは強いようじゃの」
アギラ「フェフが目をつけただけのことは
あるということか」
クエルボ「では、睡眠調整中のゼオラに
アラドが生きていることを……」
アギラ「この際じゃ、
奴に関するアウルム1とブロンゾ27の
記憶をリセットし、再構築しよう」
クエルボ「もしや、それは……」
アギラ「そうじゃ。ブロンゾ28を
完全に敵だと思い込ませる……」
アギラ「その方が
アウルム1とブロンゾ27も任務を
遂行し易かろう、フェフェフェ」
クエルボ「……」