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桜花幻影 エチオピアへ行く ~ 第10話 ~

ダイテツ「よし…… エクセレン少尉達が出発次第、 本艦は発進する」
テツヤ「了解です、艦長」

《アースクレイドル内部》

アギラ「さあ…… 目を覚ますんじゃ、アウルム1」
アギラ「ワシの可愛い娘……。 お前の出番が来たぞ」
???(オウカ)「……」
???(オウカ)「……母様……」
アギラ「気分はどうかえ? アウルム1」
???(オウカ)「……悪くありません」
アギラ「そうかい。 それは良かったのう、フェフェフェ」
???(オウカ)「母様、弟や妹達は……?」
アギラ「もう目覚めておる。 お前も早う支度をするんじゃ」
???(オウカ)「はい……」

《アースクレイドル内部》

バン「……連邦軍がアフリカ東部に 戦力を集結させているだと?」
ヴィンデル「ああ、 工作員から報告かあった」
ヴィンデル「彼らは このアースクレイドルへ 狙いを絞ったようだ」
バン「だが、時すでに遅かったな。 我々は予定通り明後日0600に デザートクロス作戦を発動する」
ヴィンデル「……その前に 足止めをしておきたい連中がいる」
バン「それは?」
ヴィンデル「ハガネだ」
バン「何故、あの艦にこだわる?」
ヴィンデル「彼らはDC戦争において ビアン・ゾルダークを討ち……」
ヴィンデル「L5戦役でも ホワイトスターの中枢を破壊した」
ヴィンデル「故に侮ってはならぬ存在だと 認識している」
バン「その意見はもっともだ」
バン「しかし、彼らは突出した力を 持っているとは言え、所詮は 連邦軍の一部戦力に過ぎん」
バン「ましてや、今回の作戦の成否を 握る存在になるとは思えんな」
ヴィンデル「そう言って、DC内でも アードラーを始めとする多くの者が 彼らに敗れたのではないか?」
バン「……」
ヴィンデル「戦力はこちらで用意する。 デザートクロス作戦全体には影響させん」
バン「……よかろう。 貴公がそこまで言うのならな」
DC残党兵「大佐、アーチボルド少佐が 見えられました」
バン「ようやく到着したか。 ここへ通してくれ」
DC残党兵「はっ」
(扉が開閉する)
アーチボルド「……どうやらお茶会の 時間には間に合ったようですね」
バン「陽動任務ご苦労だったな、少佐」
アーチボルド「いえいえ。 それにしても……噂以上に強固な 要塞ですね、このアースクレイドルは」
バン「うむ」
アーチボルド「おかげで内部へ入るのも 一苦労。用意されているPTやAMの 数もかなりのものですし……」
アーチボルド「中には見たことのない 兵器もあるようですが……あれは?」
バン「そこにいるヴィンデル・マウザーが 用意してくれた物だ」
ヴィンデル「……」
アーチボルド「アーチボルド・ グリムズと申します。 以後、お見知りおきを」
ヴィンデル「ああ」
ヴィンデル(アーチボルド・グリムズ…… こちらではDCと関わっていたか)
アーチボルド(ヴィンデル・マウザー…… 聞き覚えのない名前ですね)
バン「少佐、まずは疲れを癒してくれ。 諸々の報告は後で聞く」
アーチボルド「わかりました」

《アースクレイドル内部》

カーラ「地下シェルターって 聞いてたけど……プラントどころか、 街みたいな物まであるんだね」
ユウキ「ここは人類の方舟となるべく 造られた施設だからな」
ユウキ「人工冬眠をするだけでなく、 内部で人が暮らせるようにも なっているそうだ」
カーラ「農場もあるみたいだし、 紅茶の葉っぱを栽培してるかもよ?」
ユウキ「天日で 育っていない物は邪道だ」
カーラ「あっそ。でも、 こんだけ広いと、ダンスの練習をする スペースにも困らなさそうだね」
ユウキ「……まだそんなことを 言っているのか」
カーラ「今はしょうがないけど、 全てが終わったら……」
カーラ「元の生活に戻れるなら…… ダンサーになる夢、諦めたくないんだ」
ユウキ「……」
カーラ「それで、有名になって…… 恋愛映画に出演すんの。それも、 コッテコテでベタベタの」
ユウキ「……」
カーラ「そうなったら、 少しはヤキモチやいてくれる?」
ユウキ「……本当に元の生活へ 戻れると思っているのか?」
カーラ「……!」
ユウキ「今回の作戦が成功しても、 その後には……」
カーラ「……わかってるよ。 けど、夢ぐらい持ってなきゃ、 やってられないもの」
カーラ「もう後戻りが 出来なくても……ね」
ユウキ「……」
カーラ「あ……見て、ユウ。 あれ、ランドグリーズだよ。 結構な数が揃ってるんだね」
ユウキ「それに 見慣れん機体もある……」
ユウキ「横流しだけでなく、ここでも 相当数の機体が生産できるように なっているみたいだな」
カーラ「これだったら、 異星人とも互角に戦えるよ」
ユウキ「……」
ユウキ(だが、 奴らが現れる前に連邦の体制を 変えなければならん)
ユウキ(戦力を揃えるだけでは 異星人に勝てん……)
カーラ「ところで、 ゼオラはどこへ行ったの?」
ユウキ「セロ博士が ラボへ連れて行くと言っていた」
カーラ「そう……。あれから ずっと眠ってたみたいだけど、 大丈夫かな……?」
ユウキ「……」

《アースクレイドル内部》

レモン「え? 私達の部隊だけで ハガネの相手をするって言ったの?」
ヴィンデル「ああ。 今、デザートクロス作戦用の戦力を 割くわけにはいかんからな」
ヴィンデル「現状でリオンシリーズと Type30以外に使える機体は?」
レモン「そうねぇ、 量産型のヒュッケバインMk-IIは フェフ博士に回しちゃったし……」
レモン「ビルトファルケンは解析中、 EG-Xは行方不明……」
レモン「おまけに、 向こうから持ってきた新型の ほとんどはまだ調整中よ」
ヴィンデル「エルアインスは?  ここでの生産ラインは順調に 稼動しているのだろう?」
レモン「そうは言っても、すぐに 使えるのはせいぜい5、6機よ」
ヴィンデル「では、 あれを出撃させるしかないか」
レモン「確かに数は揃ってるけど…… エルアインスと一緒に出したら バレるわよ?」
ヴィンデル「構わん。 上手くいけば、『ヘリオス』が 反応を見せるかも知れん」
ヴィンデル「Type30を バンに渡したのは、そのためでも あるからな」
レモン「そう言うことなら。 じゃあ、指揮はW16に 執らせていいかしら?」
ヴィンデル「何故だ?」
レモン「あの子にW17の様子を 探らせたいの。もしかしたら、 何か異常が起きてるかも知れないし」
レモン「念のため、予備の通信装置を 持って行かせるわ」
ヴィンデル「よかろう」

《アースクレイドル内部》

アギラ「そうか、 ラトゥーニ11がブロンゾ28をな……」
クエルボ「はい……」
アギラ「ハガネと接触したと聞いた時、 よもやと思ったが……」
ゼオラ「………」
アギラ「これでブロンゾクラスは お前だけになってしまったが……」
アギラ「これからもDC再興のために 戦い、良いデータを残しておくれ」
ゼオラ「はい……セトメ博士」
(扉が開閉する)
???(オウカ)「ゼオラ……」
ゼオラ「オウカ姉様……!」
オウカ「話は聞いたわ。 辛い想いをしたようね……」
ゼオラ「……」
オウカ「あの子が……ラトが生きていて 私の弟を殺しただなんて……」
ゼオラ「私のせいです、姉様。 アラドを守ってあげることが 出来なかった……」
オウカ「ゼオラ、自分を責めては駄目。 そして、ラトも」
ゼオラ「え?」
オウカ「私の可愛い妹が…… ラトが自分の意思でアラドを 殺したとは思えない」
オウカ「きっとあの子は 連邦軍の人間に再教育され、 そうするよう仕向けられたのよ」
ゼオラ「……」
オウカ「だから、 あなたとラトは悪くない……」
オウカ「悪いのは連邦軍…… ラトを操っている者達……」
オウカ「アラドの仇はラトじゃない。 だから、あの子を恨んでは駄目」
ゼオラ「はい。 姉様がそう言うのなら……」
オウカ「……母様、 私を出撃させて下さい。 ラトを連れ戻したく思います」
アギラ「いいじゃろう。 ちょうどヴィンデルの配下の者達が 出るところじゃ」
アギラ「奴にはワシが話をつけておく。 ウォーミングアップも兼ね、 共に出撃するがいい」
オウカ「承知致しました、母様」
ゼオラ「オウカ姉様……」
オウカ「ラトのことは私に任せて、 あなたは休みなさい」
アギラ「そうじゃ、ブロンゾ27。 メイガス・ケーナズの下で しばらくの間眠るがいい」
アギラ「そうすれば、28号を 失った悲しみも癒されるじゃろう」
ゼオラ「……わかりました」
オウカ「じゃあ、行きましょう…… ゼオラ」
ゼオラ「はい、姉様」
(足音・オウカとゼオラが立ち去る)
アギラ「……クエルボ、 ブロンゾ27の応急処置は 上手くいったようじゃな」
クエルボ「ええ。 ここへ戻る途中、記憶と感情の 調整をしておきました」
クエルボ「ですが、アラドは……」
アギラ「所詮、 28号は新型のベースとして肉体を 改造しただけのサンプルに過ぎん」
アギラ「それ以外は ロクな成績を残さなかった欠陥品 だからのう。惜しくはないわ」
クエルボ「……」
アギラ(じゃが、27号が つがいを失ったとなると……)
アギラ(シングルとして人格と記憶を 再構築した方がいいかも知れんの)
クエルボ「……ところで、 オウカは大丈夫なのですか?」
アギラ「記憶の調整はしてある。 もっとも、戦闘中に弊害が 少し出るかも知れんがの」
アギラ「それより、興味深いのは ラトゥーニ11じゃ」
アギラ「あれが 生きていることは知っておったが、 まだ戦場に出ているとはの」
クエルボ「オウカが言った通り、 ラトゥーニは連邦軍で調整を 受けているのでしょうか?」
アギラ「ケンゾウ・コバヤシなら あるいは……」
アギラ「いや、あり得んな。 奴が念動力者以外に 興味を持つとは思えん」
クエルボ「……」
アギラ「じゃが、11号が 自分の意思で戦っておるとなると…… ふむ、面白い」
アギラ「スクール時代に 廃棄されたクラスとは言え、 連れ戻して調べてみる価値はある」
クエルボ「……」
アギラ「何じゃ、その顔は。 不満でもあるのかえ?」
クエルボ「……いえ」
アギラ「フン……くれぐれも、 ブーステッド・チルドレンに つまらぬ情けなどかけるでないぞ」
クエルボ「……」

《ハガネ格納庫》

テツヤ「間もなく、 本艦はアラビア半島に進入する。 総員、第二種戦闘配置」
カイ「みんな、聞いての通りだ。 準備が済み次第、機体に搭乗しろ」
ライ「了解です」
ラミア(……アースクレイドルまで あと少しか)
ラミア(W16がDC残党と 行動を共にしているのなら…… 本隊はそこにいると見て間違いない)
ラミア(だが、 指令のディスクは見れない…… その状況を知らせることも出来ない)
ラミア(何とも不安だな)
ブリット「?  どうしたんです、ラミアさん?」
ラミア「え?」
ブリット「そんな顔をするなんて 珍しいですね。 何か気になることでも?」
ラミア「そんな顔とは どんな顔でございますことですか?」
ブリット「落ち着きがないって言うか、 不安そうって言うか……」
イルム「さしずめ、 母親とはぐれた子供だね」
ラミア「そ、そんなこと…… ありませんです……」
キョウスケ「……」
カイ「無駄話はそこまでだ。 さっさと機体に……」
(アラート)
ブリット「! 敵襲!?」

《ハガネ艦橋》

エイタ「本艦の前方より、 機動兵器群が急速接近中!  友軍機ではありません!」
テツヤ「DCの残党か!」
ダイテツ「総員、第一種戦闘配置!  PT各機を出撃させろ!」
テツヤ「了解!  エイタ、敵機の識別は!?」
エイタ「待って下さい……」
エイタ「! こ、これは!?」
テツヤ「どうした!?」
エイタ「こんな馬鹿な……!!」


第10話
桜花幻影

〔戦域:荒地〕

(出撃準備、敵機が出現)
ブリット「あ、あれは!?」
カイ「量産型の ゲシュペンストMk-IIだと……?」
ライ「妙ですね。あの機体は 生産が休止されているのに」
カイ「うむ。L5戦役後、代わりに リオンシリーズが量産されたからな」
カイ「俺の機体を含め、今でも いくつかの部隊が量産型の ゲシュペンストを使用しているが……」
カイ「あれだけの数が DC残党側にあるのは確かに妙だ」
ブリット「もしかして、 彼らが量産していたんでしょうか?」
ライ「リオンシリーズがあるにも 関らずにか?」
ブリット「あ……」
キョウスケ「可能性があるとすれば、 L5戦役の時にエアロゲイターが 複製した機体だが……」
ラトゥーニ「ホワイトスターやメテオ3が 破壊された今……そんな物が現存し、 稼動しているとは思えません」
キョウスケ「そうだな」
イルム「空を飛んでいる所を見ると、 テスラ・ドライブを積んだ 改良型らしいが……」
イルム「性能面はともかく、 コスト面じゃリオンの方が上だ」
イルム「連邦軍ならいざ知らず、 連中にゲシュペンストMk-IIを 量産する理由はないぜ?」
ブリット「じゃあ、あれは何なんです?」
イルム「その名の通り、 幽霊だったりしてな」
ブリット「い、いくら何でもそんな」
キョウスケ(……奴らは、今までの DC残党と違う。そんな気がする)
ラミア(……間違いない、 あれは本隊の機体だ)
ラミア(ならば、 こちらの状況が伝えられる)
カイ「各機へ! 詮索は後だ!  散開して敵機を撃破しろ!」
ブリット「了解!」

〈vs 量産型ゲシュペンストMk-II〉

[ラミア]

ラミア(機密通信装置は使えんが、 本隊で使用している暗号ならば……)
ラミア(……)
ラミア(……応答がない。だが、 こちらの状況は伝わったはずだ)

〈敵機全滅〉

(アラート)
テツヤ「何だ!?」
エイタ「敵の増援部隊、 本艦へ向けて急速接近中!」
テツヤ「各機、警戒せよ!」
(エルアインスなどが出現)
ブリット「くっ、 またゲシュペンストか!」
イルム「いや、待て!」
ブリット「え!?」
イルム「あ、あの機体は……!?」
ライ「まさか……!」
(エルアインスを指す)
イルム「アルブレード……!?」
カイ「何だと!?」
ライ「確かに似ています。しかし……」
ラトゥーニ「あの機体は リュウセイが乗った物を含めて、 3機しか作られていないのに……」
ライ「ああ。こんな所に……しかも、 2機も存在しているわけがない」
キョウスケ「マオ社から試作機の データが流出した可能性は?」
ライ「ないとは言い切れんが、 可能性は限りなく低い」
イルム「ライの言う通りだ。 それに、あれはこの世に存在して いるはずのない機体だからな」
キョウスケ「……!」
ラミア(そう……。 その表現はある意味正しい)
キョウスケ「どういうことです?」
イルム「細かい所は色々違うようだが、 肩のビームキャノン、 背中のテスラ・ドライブ……」
イルム「あれは試作機じゃない。 量産型アルブレード…… 『エルシュナイデ』だ」
ブリット「りょ、量産型……?  エルシュナイデ!?」
イルム「ああ、アルブレードってのは コードネームでな……」
イルム「正式採用の暁には そう名付けられることになっている」
ブリット「……」
イルム「もっとも…… マオ社じゃ、まだ骨組みを 作っている最中だがな」
ブリット「ええっ!?」
キョウスケ「現時点で 完成しているはずのない機体、か」
キョウスケ「どうやら、幽霊は ゲシュペンストだけではないらしい」
ラミア(あれが出てきたという事は…… 本隊が本格的に動き始めたのか?)
ラミア(何にせよ、 上手くコンタクトを取らねば)
(通信)
ラミア(来たか。 だが、通常周波数を使うとは…… どういうつもりだ?)
オウカ「……ラト、 聞こえているなら返事をなさい」
ラトゥーニ「!!」
カイ「ラトゥーニを知っているだと?  まさか……!」
ラトゥーニ「オウカ……!!」
カイ「オウカだと?」
ライ「では、 あれがスクールの……!」
オウカ「久しぶりね、ラト。 あなたが生きていてくれて 嬉しいわ」
ラトゥーニ「ね、姉様……」
オウカ「アラドのことは知っているわ。 でも、私はあなたを責めはしない」
ラトゥーニ「え?」
オウカ「……あなたは自分の意思で 戦っているつもりなのでしょうけど…… それは違うの」
ラトゥーニ「姉様、何を……!?」
オウカ「今のあなたは 本当のあなたじゃない……」
オウカ「あなたは連邦軍に 再教育されてしまっているのよ」
オウカ「彼らがあなたを自分達の 兵器として利用するために……」
ラミア(……なるほど、 要は私と同じか)
ラトゥーニ「違う……!」
ラミア「!」
ラトゥーニ「姉様、私は!」
オウカ「……可哀想なラト。 自分がだまされていると わからないのね」
オウカ「だから、 あなたはゼオラと戦い…… アラドを殺してしまった」
ラトゥーニ「え……!?」
ブリット「違う、あれは事故だ!  それにアラドは死んじゃいない!」
オウカ「戯れ言を。 弟が生きているという証拠は あるのですか?」
ブリット「そ、それは……!」
イルム「今は 宇宙へ上がってる……と言っても 信じちゃくれないだろうねえ」
オウカ「……思い出して、ラト。 スクールで私達と過ごした 日々のことを……」
ラトゥーニ「……!」
オウカ「本当の自分を思い出して。 そして、私と一緒に帰るのよ」
オウカ「母様とゼオラが あなたを待っているわ」
ラトゥーニ「嫌……」
オウカ「!」
ラトゥーニ「私は……帰らない。 だまされているのは、 姉様達の方……」
オウカ「何を言うの。あなたは 母様やメイガスに育ててもらった 恩を忘れたの?」
オウカ「私達と一緒に過ごした日々を 忘れてしまったの?」
ラトゥーニ「……みんなのことは 忘れていない……」
オウカ「なら、何故?」
ラトゥーニ「……私はスクールで 本当の自分を失ってしまった……」
ラトゥーニ「そして、 それをジャーダやガーネット、 リュウセイ、シャイン王女……」
ラトゥーニ「ハガネやヒリュウ改の みんなのおかげで取り戻せたの」
オウカ「……」
ラトゥーニ「だから、姉様…… 私はあなた達の所へ帰らない」
ラトゥーニ「そして、私が姉様達に かけられた呪縛を解く……」
オウカ「それは私の台詞よ、ラト。 私の言うことが聞けないなら、 力ずくでもあなたを連れて帰る」
オウカ「そして、私と母様の手で 本当の自分を思い出させてあげるわ」
ブリット「冗談じゃない!  それじゃ、スクールの時と 同じじゃないか!!」
オウカ「お黙りなさい。 部外者であるあなたに何がわかると 言うのです?」
ブリット「何!?」
オウカ「私とラトの絆を知らぬあなたに 口を挟まれるのは心外です」
オウカ「そして……ラトを利用し、 アラドを殺させたあなた達…… 連邦軍を許すわけにはいきません」
オウカ「弟の仇はこの私…… スクールの長姉たるオウカ・ナギサが 討ちます」
イルム「やれやれ、 見た目以上にガチガチだな、ありゃ」
カイ「だが、 量産型アルブレードのこともある。 出来れば、機体ごと捕らえたい」
カイ「やれるな、ラトゥーニ?」
ラトゥーニ「は、はい」
オウカ「……エキドナ、 攻撃を開始しましょう。 ラトの相手は私が致します」
エキドナ「了解」
エキドナ(だが、その前に……)
(通信)
ラミア(! 本隊の暗号か)
エキドナ(そちらの状況は把握した。 やはり、機密通信装置が 故障していたようだな)
ラミア(それと、言語機能もだ。 次の接触時に交換用シナプスを頼む)
エキドナ(了解した。 では、機密通信装置の予備を 落としていく。後で回収しろ)
ラミア(了解した)

〈vs エキドナ〉

[キョウスケ]

キョウスケ「こいつの動き…… ラミアに似ている……!?」
エキドナ「ベーオウルフか。 データはW17の方でも 収集しているだろうが……」
エキドナ「こちらでも その能力を確かめさせてもらおう」

[ラミア]

ラミア(W16…… 対戦するのは初めてではないが……)
エキドナ(レモン様の命令もある。 致命傷を与えるわけにはいかん……)

エキドナ機を
撃墜した 撤退させた


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