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銃と拳 キョウスケルート ~ 第22話 ~

《輸送艦内》

エクセレン「もうすぐ日本ね。 ブリット君、王女様は?」
ブリット「今はキャビンで寝てます」
エクセレン「眠れる森の美少女… ってとこねえ」
(通信)
ブリット「ん? 少尉、 極東支部から通信が入って来ました」
イングラム「…こちらはSRXチームの イングラム・プリスケン少佐だ。 T12、応答せよ」
ブリット「SRXチームって… 確か、マリオン・ラドム博士が ライバル視してた…」
エクセレン「そそ。EOTを応用した、 『Rシリーズ』っていう試作PTの テストを行ってるチーム…」
エクセレン「ウワサじゃ、凄腕が 勢ぞろいしてるらしいわよん」
ブリット「へえ~。 どんな人達なんだろう…」
キョウスケ「…こちらは ATXチーム隊長代理、 キョウスケ・ナンブ少尉です」
イングラム「R-GUNの輸送任務、 ご苦労だった」
キョウスケ「いえ…」
イングラム「T12は極東支部基地の 第4滑走路に着陸してくれ」
エクセレン「ふ~う、これで 私達の旅もようやく終わり…」
イングラム「いや…。 お前達にはもう一働きしてもらう」
キョウスケ「…何か任務が?」
イングラム「こちらでは今から Rシリーズ及びグルンガスト新型機の 模擬戦闘訓練を行う予定だ」
キョウスケ「…ATXチームは それに参加しろと?」
イングラム「察しがいいな」
キョウスケ「了解。直ちにペイント弾を 装填し、出撃します」
イングラム「実弾のままで構わん」
キョウスケ「…!」
ブリット「イングラム少佐、 どういうことなんです!?  味方と本気で戦えと!?」
イングラム「そうだ」
エクセレン「ちょっとちょっと!  大事な試作機や新型機を壊しても いいってわけ?」
イングラム「遠慮はいらん。 お前達同様、SRXチームの面々も DC戦争を生き抜いて来ている」
イングラム「この程度の 試練で死ぬようなら…彼らは所詮 そこまでの素材だと言うことだ」
ブリット「そ、素材って…」
キョウスケ(…この男……)
キョウスケ(…いや、明言するだけ ハンス中佐よりはマシか…)
イングラム「今から、 Rシリーズ及びグルンガスト新型機の スペックデータを送る」
イングラム「では、お前達の機体の 性能と、技量を見せてもらおうか」
キョウスケ「…了解」


第22話
銃と拳

〔戦域:伊豆基地周辺〕

(SRXチームが出撃)
ハンス「よろしいのですか、司令?  調整段階の機体で、今回のような 模擬戦を行うなど…」
レイカー「構わん。Rシリーズや Gシリーズの運用に関しては、 全てイングラム少佐に任せてある」
レイカー「それとも、君は 彼がこの基地へ戻って来ることに 異論があるのかね?」
ハンス「もちろん…あの男は不幸を 呼びますからな。出来れば永久追放 処分にしたいところです」
リュウセイ「こちらR-1、 各部チェック終了。起動する!」
カーク「ライ、 エンジンの出力を25%以下に キープすることを忘れるな」
ライ「了解。R-2、起動する」
オペレーター「R-2の起動を 確認しました」
ロバート「とりあえず、 動くには動いたか。後は模擬戦闘が まともに出来るかどうか…」
カーク「出力の安定度は低いが、 かつてのヒュッケバインよりは マシだ。ライなら大丈夫だろう」
ロバート「他人事のように言うね。 それより、弐式のパイロットのことは リュウセイ達に伝えてあるのか?」
イングラム「まだだ」
ロバート「な、何だって!?」
イングラム「今回の模擬戦は 突発的な事態への対処訓練も 兼ねているのでな」
ロバート「そんな無茶な!」
イングラム「指揮車より各機へ。 イレギュラーであるが、模擬戦闘に PTを参加させる」
ライ「イングラム少佐、 そのような話はブリーフィングで 聞いていませんでしたが」
イングラム「だから、 イレギュラーだと言った」
ライ(臨機応変に 対応してみせろということか…)
オペレーター「指揮車よりG2へ。 マニュアル操作で上体を 起こして下さい」
ライ「リュウセイ、グルンガストの 新型機が起動するぞ」
リュウセイ「!」
(グルンガスト弐式が出撃)
リュウセイ「あれが… グルンガスト弐式か…!」
オペレーター「G2、 上体の揺らぎが大き過ぎます。 機体重心位置に注意して下さい」
クスハ「は、はいっ!」
リュウセイ「ク、クスハ!?  あれに乗ってるのはクスハなのか!?」
イングラム「指揮者よりR-1、 R-2へ。G2が定位置に付き次第、 模擬戦闘訓練を開始する」
リュウセイ「どういうことなんだ、教官!  何でクスハが弐式に乗ってるんだ!?」
リュウセイ「あいつは 看護兵だったはずだろ!!」
イングラム「その質問に答える必要はない」
リュウセイ「ふざけんな!  俺にキッチリと説明しろ!!」
クスハ「やめて、リュウセイ君!」
リュウセイ「クスハ…!?」
クスハ「私は…イングラム少佐に 強制されて、このグルンガスト弐式へ 乗っているわけじゃないの」
リュウセイ「何だって…!?」
クスハ「だから、心配しないで。 私は…自分の意志でここにいるから」
リュウセイ「お前、わかってんのか!?  グルンガストに乗るってことは、 戦争をするってことなんだぞ!!」
クスハ「…わかってるわ。 それに私…みんなに守られてる だけなんて…嫌だもの」
リュウセイ「何言ってんだ!  お前が戦う必要なんてない!  今すぐ、そいつから降りろ!!」
クスハ「どうして、 リュウセイ君は私の気持ちを わかってくれないの!?」
リュウセイ「!」
クスハ「…私だって戦うのは怖いし、 嫌よ。でも…」
クスハ「エアロゲイターとの戦いで、 死ななくてもいい人達が死ぬのは もっと嫌! だから、私…」
リュウセイ「お、お前…」
(アラート)
オペレーター「高熱源体、急速接近中!  各機、警戒せよ!!」
リュウセイ「何っ、DCか!?」
(アルトアイゼンが出現)
キョウスケ「…あれがRシリーズと グルンガストの新型か」
リュウセイ「AMじゃねえ!  あれはゲシュペンスト…!?」
ジョナサン「アルトアイゼン!?  どうしてキョウスケがこんな所に?」
キョウスケ「この間合い…もらった」
(アルトアイゼンがR-1に隣接)
【強制戦闘】
キョウスケ[ヒートホーン]vsリュウセイ[防御]
キョウスケ『止められると思うな!  R-1のパイロット!』
リュウセイ『うぐっ、こいつ ただのゲシュペンストじゃねえ』
リュウセイ「こ、こいつ!  何なんだ、いきなり!?」
キョウスケ「データ以上の反応速度…。 どうやら、機体の性能に頼っている わけではないらしいな」
リュウセイ「何!?」
ライ「気を付けろ、リュウセイ!  2時方向から新手が来たぞ!」
(ヴァイスリッターが出現)
ライ「識別は007-03C…。 ゲシュペンストMk-IIの カスタムタイプだと?」
(ヒュッケバインMk-IIが出現)
ライ「あれはヒュッケバイン…。 だが、機体の形状が違う。 もしや、新型か?」
リュウセイ「何者なんだ、 こいつら!?」
ライ「…なるほど。 そういうことか、イングラム少佐」
リュウセイ「そういうことかって… どういうことだ!?」
イングラム「こちらイングラムだ。 これより、模擬戦の内容を変更する」
イングラム「全機、 実弾を装填した武器を使用し…」
イングラム「R-1はアルトアイゼン、 R-2はヴァイスリッター…」
イングラム「グルンガスト弐式は ヒュッケバインMk-IIと戦い、 これらを撃破せよ。以上だ」
リュウセイ「な、何だって!?  冗談じゃねえぞ!!」
エクセレン「当たんなきゃ、 大丈夫! フフフ…もしかして、 怖くなっちゃったの、ぼ・う・や?」
リュウセイ「ぼ、坊やだとぉ!?」
キョウスケ「エクセレン、茶化すな。 R-1のパイロット…命が惜しければ すぐにその機体から降りろ」
リュウセイ「て、てめえ… マジでやり合おうってんだな!?」
キョウスケ「こちらは そういう命令を受けている」
リュウセイ「だったら、遠慮はしねえ!  行くぜ!!」
ジョナサン「やはり、 アルトとヴァイスに乗っているのは あの二人か…!」
ロバート「少佐、どういうつもりだ!?  ATXチームとSRXチームを 戦わせるなんて…!」
イングラム「………」

ブリットはクスハを
攻撃した 攻撃しない


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