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暁の決戦 リュウセイルート ~ 第19話 ~


第19話
暁の決戦

〔戦域:DC本部中枢部〕

(出撃準備・選択無し)
マサキ「ここが要塞の中枢区画か…。 シュウの野郎、どこにいやがる?」
リュウセイ「おかしいな。 砲台だけで、迎撃機がいねえ」
マサキ「ああ…。 DCめ、どういうつもりなんだ?」
イングラム「…おそらく、 我々をここへ招き入れるのが 目的だったのだろうな」
マサキ「何だって…!?」
シロ「マサキ! 前方に反応が!!」
マサキ「!!」
ビアン「とうとう、ここまで来たか。 私の予想以上の成長だ。だが、私と このヴァルシオンを倒さぬ限り…」
ビアン「ディバイン・ クルセイダーズは倒せん。 さあ、かかってくるがいい!」
マサキ「シュウ! 貴様も一緒か!!」
シュウ「どうやら、 くされ縁というものらしいですね」
マサキ「くされ縁だと…!?  てめえもビアンと同じで、世界の 征服を企んでいやがるのか!?」
シュウ「まさか。 そんなものに興味はありませんよ」
シュウ「私はただ、余計な異物を 地球圏から排除したいだけです」
マサキ「余計な異物…!?  異星人のことか!?」
シュウ「…そう考えて頂いても 結構ですよ」
マサキ「だったら!  DCの世界征服なんかに手を貸さず、 奴らと戦えばいいだろうが!!」
シュウ「フッ、まったく…あなたの 記憶力のなさには呆れますね」
マサキ「何…!?」
シュウ「私が南極で何をしたか、 忘れたのですか?」
マサキ「南極だと…!?」
シュウ「そうです。あの時、私は ゲスト…いえ、異星人の戦艦を 攻撃することによって…」
シュウ「この星を彼等の手から 間接的に救ったのですよ?」
リュウセイ「ふざけんな! シロガネを 沈め、連邦軍の部隊を全滅させて おいて、何を言ってやがる!!」
シュウ「…あの茶番に 利用されていただけのあなたには、 わからないでしょうが…」
シュウ「私が行動を起こさなければ、 今頃地球圏は異星人の支配を 受けていたかも知れないのです」
マサキ「でたらめを言うな!」
ビアン「でたらめではない。あの時、 EOT特別審議会から派遣された アルバート・グレイは…」
ビアン「異星人と 和平交渉を結ぶための 大使だったのだ」
マサキ「和平交渉だと!?」
ライ「…そうか。あの時、俺達が 南極に派遣されたのは…シロガネ 施工式の警備などではなく…」
ライ「万が一の事態に 備えるためだったのか…!」
ビアン「だが、地球より高度な文明や 技術力を持つ異星人と…… 対等な交渉を行うことは不可能だ」
アヤ「じゃ、じゃあ…どうして、 彼らとの和平交渉を…?」
ビアン「連邦政府や 連邦軍の一部の高官達は…」
ビアン「異星人への事実上の 降伏をすることによって…地球圏と 人類の存続を図ろうとしたのだ」
マサキ「降伏!?」
ビアン「…そうだ。 彼らが持つ超技術や兵器と 引きかえにな」
リュウセイ「そ、そんな馬鹿な!」
リュウセイ「軍や政府の偉い連中は… 最初から地球を守るつもりが なかったってのかよ!?」
ビアン「そうだ。だからこそ、 彼らは異星人をゲストと呼び、 友好的な姿勢を見せようとした」
リュウセイ「なら、俺達は今まで 何のために戦って来たんだ!?」
ビアン「…私はDCを結成し、 異星人の脅威から地球圏を この手で守ろうと決意した」
イングラム「そして、連邦軍だけでなく、 彼らに対しても宣戦布告を行ったと いうわけか」
ビアン「そうだ。あの事件で連邦軍は… いや、我ら人類は、彼らと戦わざるを 得なくなった」
アヤ「だったら… どうして地球圏全体を戦争に 巻き込む必要があったの!?」
アヤ「あなた達DCが、 素直に連邦軍へ協力すれば いいことじゃない!」
ビアン「フフフ…協力か。私は以前から 連邦政府や連邦軍へ協力してきた。 その証拠として…」
ビアン「お前達の機動兵器にも 使われているEOT……」
ビアン「すなわち、 トロニウム・エンジンや テスラ・ドライブなどは…」
ビアン「かつて、私が設立した テスラ・ライヒ研究所やEOTI 機関が作り上げたものなのだ」
アヤ「! そ、それは…」
シュウ「ですが…」
シュウ「EOTを提供したにも 関わらず、連邦政府や連邦軍の 一部の人間は……」
シュウ「異星人と戦うことに臆し…」
シュウ「あろうことか、彼らに この地球を明け渡そうとしました」
ビアン「私達はそんなことのために EOTを解析し、ヴァルシオンや グランゾンを作ったのではない」
ビアン「全ては、この星を 異星人の侵略から守るために 取ってきた行動だった」
シュウ「しかし、軍や政府の高官、 EOT特別審議会の人間は私達が 作り上げた機動兵器を…」
シュウ「自分達の身を守るために 利用しようとしたのです」
マサキ「ヘッ…だから、てめえらは それを許せなかったってワケか」
シュウ「それもありますが、彼らに このグランゾンやヴァルシオン、 DC、そして、この私を…」
シュウ「利用することは不可能だと 知らしめるのも目的でした」
マサキ「そんなことのために てめえは南極基地の部隊を 全滅させたってのか!?」
シュウ「ええ。ビアン博士の意志を 軍や政府、EOT特別審議会… そして、世界へ伝えるため…」
シュウ「彼らには 尊い犠牲になってもらったのです」
マサキ「尊い犠牲だと?  ふざけやがって…!」
ビアン「今、この地球には宇宙からの 脅威が迫りつつある…」
ビアン「それに対抗するため、 世界はDCという力の下に 統一されねばならん」
ビアン「宇宙からの脅威に立ち向かう ため、私の理想を実現するため… お前達にはここで死んでもらう」
マサキ「うるせえ!  戦争という方法でしか世界を まとめられねえ奴が…」
マサキ「地球を危機から 救うことなんて出来るか!!」
ビアン「ならば、 お前達の手で我らを倒し… この星を守ってみせたまえ!」
マサキ「言われるまでもねえ!  俺はてめえらを…DCを倒す!!」

〈vs シュウ〉

[マサキ]

マサキ「シュウ!  そんな所で高見の見物かよ!?」
シュウ「……無理に 私の相手をしていただく 必要はありませんよ?」
シュウ「それに…ビアン総帥と あなたたちの決戦を邪魔するつもりも ありませんので」
マサキ「そんなことが 信用できるか!!」
シュウ「…仕方ありませんね。 どうしても戦うと言うのなら…」
シュウ「お相手しましょう」

[撃墜]

シュウ「くっ…! ば、馬鹿な… グランゾンを倒すとは…」
シュウ「わ、私の予想を 超えた力を持っていたと…!?」
シュウ「そんなことが……!!」
(グランゾン爆発)
マサキ「や、やったのか…!?」
マサキ「………」
マサキ「いや、あの野郎が そう簡単に死ぬわけねえか…」

〈vs ビアン〉

[マサキ]

ビアン「マサキ・アンドーよ。 この戦い…生き残った方が 地球圏の未来を担うことになる」
マサキ「!!」
ビアン「お前達が ヴァルシオンを倒せなければ…」
ビアン「私は武力で世界を統一し… 異星人達との戦いに臨む」
マサキ「だったら!  ここでてめえを倒し、異星人とも 戦うまでだっ!!」

[リュウセイ]

リュウセイ「もう逃げ場はねえぞ、 ビアン・ゾルダーク!!」
ビアン「ふふふ…そうだな。 だが、それは人類全体に対しても 言えることだ」
リュウセイ「何っ!?」
ビアン「…いずれわかる日が来る。 さあ…己の全てをかけて、 この私に挑んできたまえ!!」
リュウセイ「おおっ! 行くぜ!!」

[リョウト]

リョウト「…あなたは ご存じないでしょうが…僕はかつて DCにいた者です。でも…」
ビアン「…リョウト・ヒカワよ、 お前の判断は間違っておらん」
リョウト「! 僕の名前を…!?」
ビアン「DCに賛同出来ぬと 言うのなら…この私を倒すがいい」
リョウト「わかりました…。 では、行きます…!  ビアン・ゾルダーク総帥…!」

[撃墜]

ビアン「フ、フフフ… よくぞ、ここまで成長した… これならば、大丈夫だろう…」
マサキ「な、何!?」
ビアン「年寄りの出番は ここまでのようだ…未来は お前達のような若者が作っていく…」
マサキ「未来だと!?  て、てめえはいったい…!?」
ビアン「だ、だが…これだけは忘れるな… やがて来る脅威に立ち向かうのは お前達の若い力だ…」
ビアン「平和を求めるのはよい… だが、それにおぼれては…ならん」
マサキ「ま、まさか… てめえは、DCは…!?」
ビアン「守るべきものがあるなら、 それを守るだけの勇気と力を 持ち続けるのだ…。ぐっ…げふっ…」
ビアン「ど、どうやら…ここまでか…」
マサキ「ビアン!!」
ビアン「…リューネよ…我が娘よ…。 お前の姿を見れぬのは心残りだ…」
マサキ「リューネ? 娘…!?」
ビアン「フ、フフフ… 先に逝くのは…親の宿命…」
ビアン「…ゆ…る…せ……」
(ヴァルシオン爆発)

〔戦域:アイドネウス島DC本部周辺〕

(ハガネはリオンF×3、ラストバタリオン×3、キラーホエール、ライノセラス、クロガネに囲まれている)
エイタ「本艦の損傷率が70%を 越えました! 武装も80%以上が 使用不可能です!」
テツヤ「くそっ…!  ここまでなのか…!?」
ダイテツ「まだだ!  まだ沈むわけにはいかん!」
エイタ「!!  艦長、敵要塞内で高熱源反応が!」
(基地の一部が爆発)
エルザム「! あの爆発は… もしや、ヴァルシオンの…」
アードラー「ば、馬鹿な…!  総帥が…ヴァルシオンが 倒されたというのか!?」
エルザム「……ビアン総帥…」
エルザム「試練の時は… 終わったのですね」
アードラー「…そ、総帥が 死んでも、ワシが生き残っておれば DCは滅びることはない!」
アードラー「皆の者、ワシを 守るのじゃ! そして、ハガネを…」
エルザム「全機に告ぐ! こちら、 エルザムだ。現時刻を以て作戦終了。 直ちにアイドネウス島より撤退せよ」
アードラー「な、何じゃと!?  貴様、アイドネウス島を 放棄するつもりか!?」
エルザム「繰り返す!  現時刻を以て作戦終了! 直ちに アイドネウス島より撤退せよ」
アードラー「ば、馬鹿な…!  貴様ら、DCを…世界征服の野望を 捨てるというのか!?」
エルザム「フ…… あなたにはビアン総帥の真意など 察することは出来ないだろうな」
アードラー「な、何…!?  総帥の真意じゃと!?」
エイタ「!  クロガネが針路反転します!」
テツヤ「何!? 本艦に トドメを刺すのではないのか!?」
エルザム「さらばだ、ハガネ… そして、我が弟よ。また、会おう」
(アードラー艦以外が撤退)
アードラー「う…うぬっ!  ほ、本艦も撤退じゃ! 撤退しろ!」
(アードラー艦が撤退)
エイタ「敵部隊、撤退して行きます!」
テツヤ「何故だ…?  戦況は向こうの方が 有利だったというのに…」
ダイテツ「………」
ダイテツ「…我が方のPT部隊は?」
エイタ「健在です。イングラム少佐から ヴァルシオンの撃破に成功したと いう報告が入っています」
テツヤ「ヴァルシオンを!?  もしや、奴らはそのせいで…?」
ダイテツ「…彼らは、 総司令官の死で総崩れになるほど 軟弱ではあるまい…」
テツヤ「…そ、そうですね…」
ダイテツ「おそらく、ビアンは 自分が戦死した場合、撤退するように 命令を出していたのだろう…」
テツヤ「では…」
ダイテツ「あの男は…初めから この戦いの幕引をワシらにやらせる つもりだったのかも知れん…」
ダイテツ「だからこそ、ハガネは ここまで来られたのだ……」
テツヤ「…自分達は、 ビアンにこのアイドネウス島まで 導かれたということですか…」
ダイテツ「………」
ダイテツ(…そして… あの男はワシらに新たな使命を 託した…)
ダイテツ(…侵略者と 戦うための剣になるという 使命を…………)

《極東支部司令部》

オペレーター「レイカー司令、 ハガネより入電が!」
レイカー「ハガネからだと?  電文内容は?」
オペレーター「読み上げます。 『ワレ、冥王ノ封印ニ成功セリ』、 『ワレ、冥王ノ封印ニ成功セリ』」
サカエ「そ、その電文は、確か…!」
レイカー「うむ。 ダイテツ達はアイドネウス島を 陥落させることに成功したのだ」
サカエ「お、おお…!」
ハンス(…アイドネウス島が… 陥ちただと…。そんな馬鹿な…)
ハンス(アードラーは いったい何をやっていたのだ…!?)
レイカー「よくやってくれた、 ダイテツ…そして、ハガネ…」

《EOT特別審議会》

アルバート「議長!  シュトレーゼマン議長!」
カール「騒々しい…何ごとか?」
アルバート「ビアン・ゾルダークが ハガネとの戦闘において 死亡したそうです」
カール「そうか…。ビアンが死んだか」
アルバート「各地のDC部隊は 撤退を開始している模様です」
カール「コロニー統合軍の方は?」
アルバート「総司令のマイヤー・V・ ブランシュタインもまた…」
アルバート「衛星軌道上の ヒリュウ改との戦闘で 戦死したそうです」
アルバート「これで、 我々EOT特別審議会の最大の 障害がなくなりました」
カール(…今回の反乱の首謀者が ほぼ同時に戦死か…)
カール(彼らのことだ、 単なる偶然ではあるまい)
カール(おそらく、異星人に 対抗しうる戦力を連邦軍の中から 見出し、育てるために…)
カール(まったく、 死の間際まで小賢しい連中だ)
アルバート「あの二人の戦死で、 ようやくこの戦争が終わりますな」
カール「終わってなどいない。 本当の戦争はこれから始まるのだよ、 アルバート」
アルバート「…そ、そうでした。 我々にはまだ、エアロゲイターという 敵が…」
カール「これ以上、地球の情勢を 不安定にさせて、異星人共に 隙を見せるのは得策ではない」
カール「ノーマンに命じて、連邦軍に DCとコロニー統合軍の残党狩りを させるのだ」
アルバート「では、 安全保障委員会と連邦会議への 根回しはいつものように…」
カール「それから… ニブハル・ムブハルと コンタクトを取れ」
アルバート「あの男と? では…」
カール「うむ。先手を打って、 彼らとの交渉を再開する…」

『バイオセンサー』を入手した
『デュアルセンサー』を入手した
『チョバムアーマー』を入手した


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