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超闘士グルンガスト リュウセイルート ~ 第12話 ~

《艦長室》

ライ「ライディース・F・ ブランシュタイン少尉です」
ダイテツ「入れ」
ライ「は。失礼します」
(扉が開閉する)
ライ「何の御用でしょうか、艦長」
ダイテツ「少尉、 お前に確認したいことがある」
ライ「………」
ライ「…自分の父と兄のことですか?」
ダイテツ「…そうだ。お前の父は、 DCと共に連邦へ反旗を翻した コロニー統合軍の総司令官…」
ダイテツ「そして、 兄はDCのAM部隊の指揮官だ」
ダイテツ「つまり、今のお前は自分の 一族を敵に回していることになる」
ライ「それで…自分が連邦軍を 裏切って、いつコロニー統合軍側に つくか、わからないと?」
ダイテツ「いや、ワシは お前を疑っているわけではない。 しかし…」
ライ「艦長、すでに 自分は彼らと縁を切った身です」
ダイテツ「だが、お前は 未だにブランシュタインの名を 背負っているではないか」
ライ「………」
ダイテツ「お前は一族を敵に回すことに わだかまりはないのか?」
ライ「…ない、と言えば 嘘になります」
ライ「しかし、自分は父や兄と… ブランシュタイン家と決別するために 連邦軍へ入ったのです」
ライ「ですから、彼らと戦うことに ためらいはありません」
ライ「そして、それは これからの戦いで証明してみせす」
ダイテツ「そうか…。お前の中で 答えが出ているのなら、それでいい」

《艦内個室》

リオ「クスハ、いる?  頼みたいことがあるんだけど…」
リオ「………」
リオ「いないのかしら?  でも、3時間前に会った時は お風呂に入るって言ってたし…」
リオ「クスハ、中に入っちゃうわよ」
(扉が開閉する)
リオ「!  な、何なの、この部屋…!?  健康グッズでいっぱい…!」
クスハ「あら、どうしたの? リオ」
リオ「どうしたのって… あなたこそ、何やってたの?」
クスハ「お風呂に 入ってたんだけど…」
リオ「お、お風呂って… ひょっとして、3時間も!?」
クスハ「うん、中で本を読みながら。 リオはどうなの?」
リオ「え?  私は艦橋勤務があるから、 せいぜい30分ぐらい…」
クスハ「ふ~ん…リオは お風呂でもテキパキしてるのね」
リオ(そういう問題じゃないと 思うけど…3時間も入ってて、 ふやけないのかしら?)
リオ「ところで、クスハ… この健康グッズの山は何?」
クスハ「あ、これ? 軍に入る前、 通信販売で買ったものなの」
リオ「通信販売…ねえ…」
クスハ「私、こういうのを見ると すぐに欲しくなっちゃって… 我慢が出来なくて…」
リオ「…で、こんなに 買っちゃったワケね」
クスハ「ねえ、リオ。 これなんか、どう?」
リオ「な、何なの?  このプロペラみたいなの…?」
クスハ「宇宙飛行士訓練用の ハイパーマッスルブレード・ スペシャルだけど…」
リオ「う、宇宙飛行士…?  スペシャル…?」
クスハ「使ってみる? 部屋の中じゃ ちょっと危ないけど…」
リオ「え、遠慮しとくわ。 それより、マサキ君を捜すの 手伝って欲しいんだけど…」
クスハ「捜すって?」
リオ「あの子… 私が艦内を案内してる間に、どっかへ 迷い込んじゃったみたいなのよ」
クスハ「あ、案内してたのに 迷っちゃったの…?」

《ハガネ艦内》

シロ「まったく、マサキの方向オンチは 今に始まった話じゃニャいけど…」
クロ「戦艦の中みたいニャ 狭いトコでも迷っちゃうニャんてね」
シロ「しかも、リオが 案内してくれてたのに… 何ではぐれるんだニャ?」
クロ「…道案内付きで 迷うニャんて信じられナャいわ」
マサキ「うるせえな。 ちょっと黙ってろ。余計に道が わからなくなるだろ!」
シロ「こうニャったら、 せめてサイバスターの所に たどり着いて欲しいもんだニャ…」

《ハガネ格納庫》

リュウセイ「それにしても、 カッコいいなあ…サイバスター。 ほれぼれするぜ」
アヤ「あなたって…ロボットなら 何を見ても、そう言うのね」
リュウセイ「そういうわけじゃねえよ。 俺にはカッコいいロボットの基準って モンが、ちゃんとあるんだ」
アヤ「じゃあ、リュウにとって 格好悪いロボットって何なの?」
リュウセイ「う~ん、そうだな…」
リュウセイ(…思いつかねえ)
ロバート「ふう~、やれやれ。 とりあえず、調査はこんなもんか」
アヤ「お疲れさまです、博士」
リュウセイ「ロブ、どうだった?  サイバスターは…」
ロバート「いやあ、もう… 驚いたの何のって」
ロバート「機体構造や関節部分は、 テスラ研で研究していたロボット 工学の概念に割と近いんだが…」
ロバート「動力源とか、 その伝達方法になると… 完全に専門外だね、ありゃ」
ロバート「はっきり言って、 こいつを作った奴は天才だ。 弟子入りしたいぐらいだよ」
リュウセイ「まさか… 異星人が作ったロボット?」
ロバート「いや、EOTとは 全く別系統の技術だ」
リュウセイ「じゃあ、 連邦軍やDCの秘密兵器とか?」
ロバート「それも違うだろうな。 ま、詳しい話はマサキって奴に 聞くしかないな」
リュウセイ「秘密兵器って言えば、 極東支部にはグルンガストっていう スーパーロボットがあるんだろ?」
リュウセイ「何であれを ハガネに載せてないんだ?」
ロバート「極東支部には 2機のグルンガストが あったんだが…」
ロバート「2号機は オーバーホールのために テスラ研へ戻されているんだ」
ロバート「そして、3号機は……」
ロバート「リンが軍を辞める時に 月へ持って行ったんだ。PTの 開発参考用にな」
リュウセイ「…ってことは、 まだ1号機があるんだよな?」
ロバート「ああ。 北米のラングレー基地にね」
ロバート「だけど、北米地区が DCに制圧された今となっては、 無事かどうか…」
リュウセイ「そっか…」
リュウセイ「俺、一度でいいから グルンガストみたいなスーパー ロボットに乗ってみたかったなあ」
ロバート「…乗れるさ。いずれはな」

《ハガネ艦橋》

テツヤ「艦長、針路クリアです」
ダイテツ「よし… 今の内に距離を稼ぐ。強速前進」
テツヤ「強速前進、よーそろ!」
エイタ「ウェーク島を 落としただけあって、さすがに 敵は攻めて来ませんね」
テツヤ「だが、この海域を 抜けた後が問題だ。無事に 赤道を通過出来るかどうか…」
エイタ「そうですね…。 敵はもう本艦を見逃しては くれないでしょうからね…」
テツヤ「ところで、 リオはどこへ行ったんだ?」
エイタ「あいつなら、 マサキを捜しに行ってます」
テツヤ「捜す?  彼を艦外に出したのか?」
エイタ「いえ、どうやら 艦内で迷っているみたいです」
テツヤ「迷ってるって… あれから、このハガネの中でか!?」
エイタ「多分…」
テツヤ「信じられん程の 方向オンチだな…ある意味、才能か」
(アラート)
テツヤ「何だ!?」
エイタ「緊急事態信号を受信!  発信源の識別は…T3です!  方角は3-1-2!」
エイタ「なお、DCのAM部隊の 追撃を受けているようです!」
テツヤ「T3… タウゼントフェスラーの3番機か」
エイタ「ええ。北米支部、 ラングレー基地の所属機ですが…」
エイタ「すでに、あそこは DCによって制圧されています」
ダイテツ「ラングレーから 脱出して来たのか…それとも、 敵のワナか…」
エイタ「あ、待って下さい。 T3から通信が入りました」
エイタ「…大至急、 イルムガルト中尉を戦闘機で T3まで寄こしてくれとの事です」
テツヤ「イルムを…!?」

《ハガネ格納庫》

イルム「何だって?  俺に戦闘機で出て来いだと!?」
エイタ「ええ、T3からの要請で…」
イルム「何で戦闘機なんだ…?  それに、T3と言えば ラングレー所属の輸送機……」
イルム「! まさか……」
ライ「どうしました、中尉?」
イルム「F-28を回してくれ!  すぐに出撃する!!」
ジャーダ「すぐにって… 中尉だけじゃ危険だ!」
イルム「こんな無茶なことを 言って来るのはあいつしかいない!」
ジャーダ「あいつって… 誰なんです!?」
(速い足音・イルムが走り去る)
リュウセイ「お、おい。 どうしたんだ、イルム中尉は…?  あんなに血相を変えて…」
ジャーダ「…わからん。 俺達も戦闘機で出るか?  PTじゃ追いつけないからな」
ライ「だが、DCのAM相手に 戦闘機だけでは不利だ」
マサキ「なら、俺が追いかけてやるせ」
リュウセイ「お、お前…!」
シロ「やれやれ、 やっと格納庫にだどりついたニャ。 もうクタクタだニャ…」
クロ「でも、 休んでる暇はニャいみたいね」
ジャーダ「お前ら…今まで どこに行ってたんだ? リオと クスハがずっと捜してたぜ」
マサキ「うっ…それは…」
シロ「道に迷ってたニャんて、 カッコ悪くて言えニャいニャ」
クロ「…って、シロ。 思いっきり言ってるじゃニャい」
マサキ「とにかく! 敵がDCなら、 シュウについて何か手がかりが つかめるかも知れねえ」
マサキ「行くぜ、クロ、シロ!」
シロ「まったく… ファミリア使いが荒いニャ」
リュウセイ「お、おい!  待てよ、マサキ!!」


第12話
超闘士グルンガスト

〔戦域:北太平洋上〕

エルザム「フッ…私は運がいい。 日本から引き揚げる途中で、 あんな獲物と遭遇出来るとはな…」
エルザム「あれがゼンガーからの 情報どおりの輸送機だとしたら、 中身はGシリーズ…」
エルザム「入手すれば、 我らDCにとって強力な戦力となる。 奴の零式のようにな…」
DC兵「エルザム少佐!  この空域に接近する機体を 感知しました!」
(F-28メッサーが出現)
イルム「案の定、 敵機に囲まれてやがるな。 応答しろ、T3!」
ジョナサン「おお、イルム。 待っていたぞ」
イルム「うっ…。やっぱり、 俺を呼びつけたのはあんたか」
ジョナサン「どうした、イルム。 久々の対面で照れているのか?」
イルム「照れるっていうより、 あきれてるんだよ。あんた、 そんな所で何やってんだ?」
ジョナサン「息子のお前に 渡したい物があってここまで来た。 早く私のT3に接触するんだ」
イルム「渡したい物…?」
ジョナサン「そう。 とっておきのプレゼントだ」
イルム「…何なんだよ?」
ジョナサン「それは見てのお楽しみだ」
イルム「…あのな、今まで あんたが俺にまともなプレゼントを したことがあったか?」
ジョナサン「ん?  …昔の話は忘れたな」
イルム「…俺は覚えてるぞ。 ロケットブースター付きの三輪車とか 変形機構付きの自転車とか…」
イルム「仕事のついでに作ったワケの わからん物を押しつけやがって!」
イルム「死にかけたのは 二度や三度じゃねえんだぞ!!」
ジョナサン「いいから、 早く私の機体に接触せんか。 でないと損をするのはお前だぞ」
イルム「そこまで言うからには、 この状況を何とか出来る代物 なんだろうな?」
(サイバスターが出現)
マサキ「よし、追いついたぜ!」
シロ「DCの アーマードモジュールとかいう 機体がいっぱいいるニャ!」
イルム「マサキ…だったな。 すまねえが、援護を頼むぜ。 面倒な用事が出来たんでな」
マサキ「面倒な用事…?」
イルム「俺は今からあの輸送機に 接触する。ハガネの連中が来るまで、 敵機を引きつけておいてくれ」
マサキ「お、おいおい… 勝手なことを言うんじゃねえよ!」
イルム「悪いな。 …文句は俺の親父に言ってくれ」
マサキ「親父ぃ!?」
エルザム「あの機体は…もしや、 シュウ・シラカワが言っていた…」
エルザム「異世界から来たという 人型兵器か。ならば、我がトロンベで その実力を見定めるのも一興だな」

〈vs エルザム〉

[マサキ]

マサキ「こいつ…!  他の奴とは動きが違いやがる!」
エルザム「サイバスターの力を この私に見せてもらおうか!」
マサキ「な…!?  こいつ、サイバスターのことを 知ってやがるのか!?」
(戦闘)
エルザム『魔装機神の力、 私に見せてもらおうか』
エルザム『これもまた 一つの試練…』
マサキ『どこを狙ってやがる』
マサキ「てめえ、 何でサイバスターのことを 知ってるんだ!?」
エルザム「シュウ・シラカワから 話を聞いていたのでな」
マサキ「シュウだと!  あいつのことを知ってんのか!?」
エルザム「ああ。 彼はこう言っていた…」
エルザム「いずれ… 自分を追ってサイバスターという 機体に乗った少年が現れると」
マサキ「!!」
マサキ「あ、あの野郎…!  よくもヌケヌケと!  ふざけやがって!!」
エルザム「ほう、その怒り… シュウとの間には並々ならぬ憎悪が 渦巻いているようだな」
マサキ「うるせえ!  知った風な口を利くんじゃねえ!」
マサキ「それよりも、シュウの 居場所を教えやがれっ!!」
エルザム「…激しい怒りは、 力を生み出す源となるが… 同時に己を見失う原因ともなる」
エルザム「だからこそ、 己の精神は常に水の如くあらねば ならぬ…これは我が家訓でもある」
マサキ「な…!?」
エルザム「だが、お前も我が弟も… その境地に至るには程遠い」
マサキ「てめえの説教なんざ 聞いてる時間はねえ!  俺の質問に答えやがれ!!」
エルザム「少年よ… シュウ・シラカワと相見えたくば、 ハガネと行動を共にするがいい」
マサキ「! ハガネと…!?」

[イルム in F-28メッサー]

イルム「黒いAM… ライの兄貴か! F-28じゃ、 相手が悪すぎるぜ!」
エルザム「悪いが… Gシリーズは我々が頂く」

〈イルムがT3に接触〉

イルム「待たせたな、親父。 ご要望どおり、来てやったぜ」
ジョナサン「さすが、私の息子だ。 さあ…これを受け取るがいい」
イルム「!?」
ジョナサン「お前へのプレゼントだ」
イルム「! こ、こいつは…!!」
(グルンガストが出撃)
マサキ「な、何だ、あのロボットは!?」
エルザム「やはり、起動させたか。 名機とうたわれた超闘士……」
イルム「グルンガスト…!  こいつはラングレー基地に あった奴か!」
ジョナサン「そうだ。 それは私とテスラ研のメンバーが 作り上げたスーパーロボット…」
ジョナサン「超闘士の異名を持つ グルンガストの第1号機だ」
イルム「親父…あんたは この機体をわざわざ…?」
ジョナサン「フフフ… だから、言ったろう? お前への とっておきのプレゼントだと…」
イルム(だったら、 初めからそう言えってんだ)
ジョナサン「さあ、存分に戦え。 そして、私達のグルンガストの 力をDCに示すのだ!」
イルム「何か、上手く親父に 乗せられてるような気もするが…」
ジョナサン「おお、そうだ… 言い忘れていた。そいつの 脳波制御装置なんだが…」
ジョナサン「どうも調子が悪くてな。 今は使えないようにしてある」
イルム「つまり、マニュアルで 操縦しろってか? まったく、 あんたは自分勝手な都合ばかり…」
ジョナサン「リン・マオなら、 そんな文句は言わんぞ?」
イルム「う…。 わかったよ、わかった!  とにかく!」
イルム「DCにグルンガストの 実力を思い知らせてやるってのは やぶさかじゃないんでな!」
エルザム「よかろう。 相手にとって不足はない!」

〈vs エルザム〉

[イルム in グルンガスト]

エルザム「グルンガスト…。 その攻撃力は侮りがたいが、 機動性なら、こちらの方が上だ!」
イルム「悪いが、 こいつの扱いには慣れてるんでね」
イルム「昔取った杵柄ってのを、 あんたに見せてやるぜ!!」

〈NEXT PP〉

テツヤ「よし、間に合ったか!」
リュウセイ「お、おい!  あのスーパーロボットは…」
ロバート「グルンガスト…!  無事だったのか!!」
テツヤ「各機、出撃せよ!」
(味方機が出撃)
ライ「あの黒いAM…エルザムか!」
エルザム「フッ…。 まだ生きていたようだな、ライ」

〈ガーリオン・トロンベ以外の敵機全滅〉

エルザム「フッ…予想以上に 成長していたようだな、ハガネ」
エルザム「だが、その程度ではDCを 倒すことなど出来ん。そして… 我が任務もまだ終わることはない」
エルザム「………」
エルザム「…許せ、部下達よ。 お前達の犠牲は…決して無駄にせん」
(ガーリオン・トロンベが撤退)
リオ「敵機、撤退していきます」
ダイテツ「T3は?」
リオ「健在です。 本艦への着艦許可を求めています」
ダイテツ「よし…着艦を許可する」

《ハガネ格納庫》

ロバート「よくご無事で… ジョナサン・カザハラ博士…!」
ジョナサン「久しぶりだな、ロブ。 君も元気そうで何よりだ」
ガーネット「あの人…誰なの?」
リオ「テスラ・ライヒ研究所の人で… グルンガストの開発者、それに イルム中尉のお父さんだそうです」
ガーネット「へ~え、あの人が…。 ちょっとカッコいいじゃない?」
クスハ「カザハラ博士、 おケガの方は大丈夫ですか?」
ジョナサン「ああ…これぐらい 君の笑顔があれば何ともないよ、 可愛いお嬢さん」
クスハ「か、可愛いって…そんな…」
リオ「真に受けちゃダメよ。 そういうの、口説き文句だから」
クスハ「え? そうなの…?」
ジョナサン「はっはっは、 こりゃ手厳しいな」
ロバート「…博士も相変わらずですね」
ジョナサン「ロブ、 君がうらやましいよ。こんなに 美しいお嬢さん達に囲まれて…」
ジョナサン「私もこのままハガネに 乗り込みたいぐらいだ」
ガーネット「何か、イルム中尉の お父さんだっての…納得できるわね」
リオ「え、ええ…」
イルム「…何が納得できるって?」
リオ「あ、中尉…」
ジョナサン「おお、 イルム…お前も無事だったか」
イルム「何を今さら… グルンガストを持って来たんなら、 最初からそう連絡しろっての」
ジョナサン「そんなことをして スーパーロボットの登場シーンを 盛り下げるつもりはない」
イルム「あ、あのなあ…」
ジョナサン「それよりも…」
ジョナサン「先程の戦闘を見ていたが、 まだグルンガストの性能を完全に 引き出しているとは言えんな」
ジョナサン「あれでは、 リシュウ・トウゴウ先生達の 努力が無駄になるぞ」
イルム「だったら、 脳波制御装置の再調整ぐらい やっておけってんだ」
ジョナサン「リンなら、 そんな泣き言は言わんはずだ」
イルム「うっ…」
リオ「話には聞いてましたけど、 やっぱり、リンさんって…」
リオ「パイロットとしても凄い人 だったんですね…!」
イルム「そうか…お前は あいつのこと知ってたっけ」
リオ「ええ。私の憧れの人で、 とっても尊敬してます」
イルム(憧れの人、ねえ…。 ま、元エースパイロットで 今は大企業の社長だからなあ…)
ロバート「ところで、博士… 北米支部のラングレー基地はDCに 制圧されたと聞いていますが…」
ジョナサン「…うむ。 DC機動部隊と、彼ら側に寝返った 連邦軍部隊の猛攻を受けてな…」
ジョナサン「あっと言う間に 我々の基地は制圧されてしまった」
ロバート「えっ!?」
ジョナサン「…私は グルンガストを持ち出し、 逃げるのだけで精一杯だった…」
ロバート「ま、待って下さい。 あの基地には、教導隊出身の ゼンガー・ゾンボルト少佐や…」
ロバート「キョウスケ、エクセレンが 所属しているPT特殊部隊の 『ATXチーム』がいたはずです」
ロバート「彼らがいて、何故そんな 簡単に制圧されたのです?」
ジョナサン「その理由は一つ。 ゼンガー・ゾンボルト少佐が DC側についたからだよ」
イルム「な、何だって…!?」
ロバート「あのゼンガー少佐が…!」
ガーネット「また、 元教導隊のメンバーが DC側についたっていうの!?」
ガーネット「あの部隊って、 カイ少佐以外は全員敵に 回ってんじゃない!?」
イルム「エルザムも、 こないだの奴もそうだったし… 案外、言えてるかもな」
ガーネット「それって、最悪…」
ロバート「では、カザハラ博士…。 キョウスケやエクセレン… それにリシュウ先生は!?」
ジョナサン「彼らは、 私達の脱出を手伝ってくれたが… その後の消息は不明だ」
イルム「………」
ロバート「………」
ジョナサン「だが、心配はいらん。 ATX計画の機体を乗りこなす 彼らのことだ…」
ジョナサン「私は、きっと無事だと 信じている。君達ハガネのクルーが こうして、ここにいるようにな」
ロバート「ええ…」
ジョナサン「では、 そこの可愛いお嬢さん。私を 第一艦橋まで案内してくれないかね?」
リオ「わ、私のことですか!?」
ジョナサン「もちろん。 艦長にあいさつをしたいのでね」
リオ「は、はい、喜んで!」
クスハ(………)
クスハ(…リオも 真に受けてると思うけど…)

《ハガネ艦橋》

ジョナサン「では、ダイテツ中佐。 グルンガスト壱式の1号機と…」
ジョナサン「ラングレー基地から 持ってきた量産型ゲシュペンスト Mk-IIを2機、お預けします」
ダイテツ「ご協力を感謝する。 ところで…博士は極東支部へ 向かわれるのか?」
ジョナサン「ええ…。 あそこではグルンガストの量産計画が 進められていますからね」
ジョナサン「ロバートが この艦に乗っている間、その計画の 手伝いをしようと思っています」
ダイテツ「グルンガストと ATX計画の開発担当者である博士の 申し出は、レイカーも喜ぶだろう」
ジョナサン「では、艦長。 息子達と、この地球の未来を… くれぐれもよろしくお願いします」
ダイテツ「うむ…。 君も道中の無事を祈る」

『M13ショットガン』を入手した
『スラッシュリッパー』を入手した

『G・リボルバー』を入手した
『メガ・ビームライフル』×2を入手した

『ゲシュペンストMk-II』×2を入手した
『防塵装置』を入手した


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