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ムーンクレイドル キョウスケルート ~ 第12話 ~

《ヒリュウ改艦橋》

レフィーナ「…ムーンクレイドルの 様子は?」
ユン「すでにコロニー統合軍の 艦隊によって包囲されていますが… 攻撃は受けていないようです」
レフィーナ「いくら彼らと言えども、 簡単にあの施設を占拠することは…」
ショーン「…出来ない、とは 言い切れませんな」
レフィーナ「え…?」
ショーン「ともかく、急ぎましょう。 気になることがありますので」

《ヒリュウ改格納庫》

ラーダ「ARGAN…いえ、 R-GUNは、あのシステムなしでも 動かせるようにしたのね?」
ヴィレッタ「イングラムの指示でね。 複数のパイロットによって、 より多くのデータを取るために、と」
ラーダ「でも、動力源の不安定さは どうにもならないわね」
ラーダ「それに、ヨガ顔負けの 変形機構のせいで、フレームが 保ちそうにないし…」
ヴィレッタ「ええ。 しばらくしたら、分解して再調整を する必要があるわね…」
キョウスケ(…ヴィレッタ・バディム… どうも引っ掛かる…)
キョウスケ(あの男と… ゼンガーと同じような雰囲気を…)
エクセレン「どうしたの?  …はは~ん、ああいうのがお好み?  もう、私というものがありながら!」
キョウスケ「…お前は 何も感じないのか?」
エクセレン「え? そうねえ… なかなかのクールビューティっぷりに メロメロ気分になっちゃいそうねえ」
エクセレン「いやん、お姉様!  そんな! …って感じ?」
キョウスケ「状況がさっぱりわからん」
ギリアム「…二人とも、何をしている?  間もなく出撃だぞ」
キョウスケ「…すみません、少佐」
エクセレン「んじゃ、怒られついでに… 『ムーンクレイドル』って何なのか 教えてもらえません?」
ギリアム「そうか、 君達は知らなかったのだな。 あの人工冬眠施設のことを…」
エクセレン「人工冬眠装置って… もしかして、氷づけの眠れる美女に されちゃうとか?」
ギリアム「…美女はともかくとして、 君のいうとおりだ」
キョウスケ「…何のために そのような施設が?」
ギリアム「人類が滅亡の危機を 迎えた時のために…だ」
エクセレン「なるへそ。 要はノアの方舟…ってわけね」
ギリアム「そうだ。 ムーンクレイドルはヒトという種を 保存するための施設なのだ」
エクセレン「でも、何で統合軍は そんなものを狙うのかしら?」
ギリアム「ムーンクレイドルは 強固な外殻で守られた地下施設…」
ギリアム「内部には 人工冬眠装置やプラントだけでなく、 自動防衛システムも設置されている」
キョウスケ「自動防衛システム…。 では、軍事拠点としても使えると?」
ギリアム「ああ。それに、 ムーンクレイドルは未完成だ」
ギリアム「コロニー統合軍は あれを占拠し、完全に要塞として 改造する気なのかも知れん」
エクセレン「わお、 そんなことされたら、ますます 面倒なことになっちゃうわね」
ギリアム「…話が長くなったな。 機体に搭乗しよう」
キョウスケ「了解です」
キョウスケ(それにしても、 …種の保存か)
キョウスケ(ゼンガーが言っていた 脅威とは、余程のものらしい…)
キョウスケ(だが…引っ掛かる。 何だ…?)

《ムーンクレイドル》

リン「常務、統合軍の様子は?」
ユアン「頭上は戦艦に抑えられ、 月面にはアーマードモジュールが 距離を置いて展開しています」
ユアン「しかし… 依然、動きはありません」
リン「妙だな…」
ユアン「単に 攻めあぐねているだけなのでは?」
リン「このムーンクレイドルを 建設しているのは我が社だが…」
リン「設計はDCの前身… EOTI機関が行っている」
リン「ならば、 構造上の欠点や未完成部分の情報は 統合軍にも筒抜けのはずだ」
ユアン「た、確かに。 ネットワークまわりのシステムには まだまだ問題が…」
(アラート)
リン「!」
オペレーター「侵入警報…。 人じゃない…ネズミかしら?」
リン「何を馬鹿な。 月にネズミがいるものか」
ユアン「では、月だけにウサギとか…。 うん、このジョークは使えるな。 今度、リオに会った時にでも…」
リン「つまらん冗談は 減俸の対象にするぞ?  …ユアン・メイロン常務」
ユアン「す、すみません、社長。 ところで、君…何があったのかね?」
オペレーター「何者かがここへ 侵入したと思われますが…誤作動だと 思われます」
ユアン「誤作動?」
オペレーター「はい。 サイズが小動物程度ですから…」
リン「己の技術を過信するな。 あのヒュッケバインの事故を 忘れたのか?」
リン「こちらのシステムの ハッキングも念頭に置いて、 すぐに再チェックしろ」
オペレーター「は、はい!」


第12話
ムーンクレイドル

タスク「ヒュ~ッ、ドンピシャだぜ!  降下ポイントもバッチリ!」
ブリット「あの慎重なレフィーナ艦長が 敵艦隊の中央突破をするなんて…」
エクセレン「何気にカチーナ中尉や キョウスケの影響だったりしてね」
ブリット「…悪影響の間違いでしょ?」
カチーナ「うるせえ、ブリット!  てめえもタスクと同じ目に 遭いたいか!?」
ブリット「い、いえ。 遠慮させて頂きます…」
タスク(ど、どんな目に 遭わせるつもりだったんだ?)
レフィーナ「…何はともあれ、月面への 強行降下作戦は成功ですね」
ショーン「見事なご判断でした、艦長。 しかし…」
レフィーナ「ええ、わかっています。 突破に成功した本当の理由…」
レフィーナ「それは、敵艦が本艦を 追撃して来なかったからですね」
ショーン「…はい」
ギリアム「…妙だな」
キョウスケ「同感です。 待ち伏せにしては布陣が素直すぎる」
タスク「へへっ、そんじゃ、 どんな策を練ってくるか… 逆にお楽しみといきましょうかねえ!」
エクセレン「気になるわね。 何かこう…胸のあたりが モヤモヤするっていうか…」
レフィーナ「何もないことを祈ります。 各機、出撃してください!」
(出撃準備)
レフィーナ「ユン伍長、 念のためにムーンクレイドルと 連絡を取って下さい」
ユン「了解」
ユン「…?  艦長、先方はこちらからの通信を 受信していないようです」
レフィーナ「……!」
ラーダ「ヴィレッタ、 ムーンクレイドルの通信設備は…?」
ヴィレッタ「すでに 完成しているはずよ」
タスク「となると…敵さん、 何かを企んでるみたいッスねえ」
キョウスケ「ならば、 それごと踏み倒すしかあるまい。 …いくぞ」
ギリアム「フッ…思い切ったな、少尉。 …時にはそれもやむなし、か」
ブリット(いつもなんだけどなあ)
エクセレン(いつも通りなのよね)

〈2PP〉

ユン「敵艦隊が降下を開始しました!  接触まで、あと30秒です!」
タスク「やれやれ… 敵さん、もうネタ明かしかよ?」
レフィーナ「各機、警戒して下さい!」
キョウスケ(おれ達が来たにも 関わらず、敵機がまだ動かん。 …陽動が目的か?)

〈2EP〉

(敵機が出現)
カチーナ「何だよ、 ちょっと期待してみりゃ、 中途半端な挟み撃ちじゃないさ」
エクセレン「ヒネリが欲しいわよねえ。 7回転半くらい」
キョウスケ「ひねりすぎだ。 …というよりも、まだ仕掛け自体が 完全ではないと見るべきだろうな」
レフィーナ「ユン伍長、通信は?」
ユン「不通のままです」
レフィーナ(…クレイドルの中で 何かが起きているというの…?)

〈3PP〉

(ゲシュペンストMk-II[中立]群が出現)
キョウスケ「ゲシュペンストMk-II… クレイドルの中から…?」
ブリット「こっちを 助けてくれるんでしょうか!?」
エクセレン「…さあてねえ。 でも、誰が乗っているのかしらん?」
ヴィレッタ「あれは クレイドル防衛用の無人機よ」
ブリット「ってことは、 やっぱり味方ですね?」
ヴィレッタ「クレイドル内部との 連絡が取れない以上、そう言い切る ことは出来ないわ」
タスク「う~ん…。 何かヤな予感がしてきた…」
キョウスケ「…作為的なものは 感じられるがな」
エクセレン「キョウスケもそう思う?  んふふ~、やっぱり私達って 気が合うと思わない?」
キョウスケ「じゃあ、 タスクとも合うな」
エクセレン「…そう来る?  でも、タスク君はいつ帰らぬ人に なるかわからないし…遠慮しとくわ」
タスク「ちょっと、少尉!?  そりゃカチーナ中尉なら本気で…」
カチーナ「…あ?」
キョウスケ「ともかく、油断するな」

〈4PP〉

ブリット「エクセレン少尉、 あの無人機…こちらへは攻撃を 仕掛けて来ません」
ブリット「やっぱり、味方ですよ!」
エクセレン「う~ん、どうかしら?  …捜査の基本は疑うことよ?  ブリット君?」
ブリット「そ、捜査って…?」
タスク「俺の第六感も、あいつらは 怪しいってささやいてるぜ」
ブリット「でも、 俺にはあの無人機がヒリュウ改の 護衛に回っているとしか…」
エクセレン「! ブリット君、 いいとこに気づいたじゃなぁい?」
ブリット「…は?」
エクセレン(んじゃ、もうちょっとだけ 様子見といきましょうかねえ…)

〈中立のゲシュペンストMk-II以外全滅〉

エクセレン「みんな、 無人機のゲシュちゃんは敵よ!  しかも、狙いはヒリュウ改…」
エクセレン「すぐに やっつけちゃって!」
ブリット「ちょ、ちょっと 待って下さい! どうして そんなことが言えるんです?」
エクセレン「あのゲシュちゃん、 こっちだけじゃなくって、統合軍にも 攻撃してなかったもの」
ブリット「それは、 ヒリュウ改を護衛するために…」
ギリアム「…なるほど。 あの無人機は守るべき相手を 間違っているというわけか」
ブリット「え!?」
タスク「つまり、あいつらは 敵に操られてるってこった」
ヴィレッタ「クレイドルのシステムが、 ネットワームか何かでハッキング されたのかも知れないわね…」
ショーン「そして、回線を封鎖したのは そのことを我々に知らせないために… ということですな」
エクセレン「大ピンポン!  この中でヒリュウ改を沈めて 得するのはコロニー統合軍だし…」
キョウスケ「数少ないPTを破壊して、 損をするのはおれ達というわけか」
エクセレン「そそ。見極めるのに ちょっと時間がかかっちゃったけど、 信じてもらってOKよん?」
キョウスケ「いいだろう。 …その賭け、乗った」
エクセレン「あらら、賭けって… 信用してないってこと?」
キョウスケ「さあな。想像に任せる」
カチーナ「統合軍め、 つまらねえ芝居を打ちやがって… そうと決まれば、遠慮はしねえ!!」
(量産型ゲシュペンストMk-II群が敵に)

〈敵機全滅〉

カチーナ「ヘッ、 これで片づいたか…?」
キョウスケ「いや、まだだ。 この三文芝居…舞台ソデで 見ていた者がいるはずだ」
ヴィレッタ「ええ。 クレイドルのシステムにハッキングを 仕掛けた張本人がね」
エクセレン「そろそろ 出てくるんじゃなぁい?」
エクセレン「『策士、先におぼれる』って 言うしね」
ヴィレッタ「それを言うなら、 『策士、策におぼれる』よ」
エクセレン「ツッコミ早っ!  …いやん、お姉様! そんな…!」
ヴィレッタ「お姉様?  …私に妹はいないが…」
エクセレン「あらん、 ボケも早かったりするのね」
ヴィレッタ「ボケ? 花の名前か?」
カチーナ「コントやってる場合か!  敵が来やがったぜ!!」
(ジーベルが出現)
ジーベル「俺の作戦を見破るとは 大したものだ。だが…策は二重三重に 張りめぐらせてこそよ」
エクセレン「あらら、大した自信ねえ だけど、役者の演技の方はイチゴ味… って感じだったけど?」
ヴィレッタ「イチゴ?」
キョウスケ「詰めが『甘い』… ということだ」
ヴィレッタ「…なるほど。深いわね」
ブリット「ヴィレッタさん、 あまり真に受けない方が…」
ジーベル「フン…これを見ても まだつまらんことが言えるか?」
(ミサイルが出現)
レフィーナ「あのミサイル… まさか、MAPW!?」
カチーナ「ムーンクレイドルごと あたし達を吹き飛ばすつもりか!?」
ジーベル「残念だが、 ここで消滅するのはお前達だけだ」
ジーベル「エアロゲイターの攻撃を 想定して建造されたクレイドル…」
ジーベル「その外殻は、MAPWの 破壊力程度ではビクともせんのでな」
エクセレン「ふ~ん。 小手先の作戦が通用しなかったから、 最後は力押しってわけ?」
エクセレン「策士ぶってる割には、 考え方がなんかセコいのよねえ~」
ジーベル「何だと、貴様…!  女の分際でこの俺を愚ろうするか!」
エクセレン「わお、古いわねえ。 時代は男女平等…こっちにはたくさん キャリアウーマンがいるしね」
レフィーナ「キャリアウーマンって…」
タスク「…むしろ古っ」
キョウスケ「挑発はそこまでにしろ、 エクセレン。今は…」
???「その必要はない!」
エクセレン「!?」
(グルンガスト零式が出現)
ジーベル「グルンガスト零式…!  ゼンガー・ゾンボルトか!?」
ゼンガー「ジーベル少佐…。この戦いの 意味を理解していないようだな」
ジーベル「何だと!?」
エクセレン「様子がおかしくない?  ボス…もしかして戻って来て くれるとか?」
キョウスケ「………」
ジーベル「ゼンガー、貴様は今回の 作戦と関係がなかったはずだ!  新参者故に手柄を焦っているのか!」
ゼンガー「俺の目的はただ一つ!」
(零式がミサイルに隣接し爆破する)
ユン「グルンガスト零式が 大型ミサイルを墜落させました!」
レフィーナ「!!」
ジーベル「貴様…! 所詮は裏切り者、 再び寝返ろうというのか!?」
ゼンガー「ムーンクレイドルは 未完成だ。至近距離でMAPWを 爆破させれば、損害が出る」
ゼンガー「それに、 総司令の命令はここの破壊ではなく、 占拠だったはず」
ジーベル「うぬっ…!」
ゼンガー「にも関わらず、 お前はヒリュウ改を沈めるため、 MAPWを使った…」
ゼンガー「手柄を焦っているのは お前の方ではないのか?」
ジーベル「おのれ、邪魔をしおって!  本艦を月面から離脱させろ!」
(ジーベル艦が撤退)
エクセレン「どういう風の吹き回し?  …ま、ボスが嫌いなタイプだとは 思ったけど」
ゼンガー「………」
レフィーナ「ゼンガー少佐、どうして 私達を助けてくれたのですか…?」
ゼンガー「…さらばだ」
キョウスケ「待て、 ゼンガー・ゾンボルト」
ゼンガー「今、ここで お前達とやりあうつもりはない」
ゼンガー「そう遠くない未来… ふさわしい場所で決着をつける」
キョウスケ「…了解」
エクセレン「ちょっとキョウスケ!  それにボス! ちょっとってば!」
(グルンガスト零式が撤退)
キョウスケ「………」
ブリット「隊長は 何のために自分達を…?」
ヴィレッタ「ムーンクレイドルの 損害を食い止めたかっただけかも 知れないわね」
レフィーナ「…少佐は損得勘定だけで 動く人ではありません…」
エクセレン「まあ、ね。キョウスケ、 あなたはどう思ってるの?」
キョウスケ「何もない。今はな。 …結果は近いうちに出る」
キョウスケ「…それが どんな結果にせよ、な」
エクセレン「………」
ユアン「社長、 ネットワームの駆除を完了しました!  システム、正常に戻ります!」
リン「よし、 クレイドルの上部ゲートを開け。 ヒリュウ改を迎え入れる」

《ムーンクレイドル》

レフィーナ「…では、 ネットワームによるハッキングが 原因だったのですね?」
ユアン「ええ。そのため、無人機の 制御システムと通信システムを 統合軍に乗っ取られてしまいました」
リン「誠に申し訳ない。我々の処置が 早ければ、あのような事態には…」
レフィーナ「いえ…。 こちらも防衛用のゲシュペンストを 破壊してしまいましたから…」
リン「PTは失っても、 また作ることが出来る。しかし、 人間はそういうわけにはいかない」
エクセレン「へ~え…。あの人が マオ社のシャッチョーさん?」
キョウスケ「ああ、そうだ」
エクセレン「まだ若いのねえ。 ラーダさんと同じ年ぐらい?」
キョウスケ「彼女は 前社長だった父親の後を継いで 間もないからな」
エクセレン「あらん、キョウスケ… あの人のこと、知ってるの?」
エクセレン「ヴィレッタさんの 時といい、ここんとこ女の人の チェック…細かくない?」
キョウスケ「リン・マオ社長… いや、元中尉はPTXチームの メンバーだった」
エクセレン「PTXチームって、 キョウスケが前にいた極東支部 お抱えのPT特殊部隊よね?」
エクセレン「ってことは… わお! あの人って、エリート パイロットさんだったの?」
キョウスケ「ああ。おれが まだ極東支部基地にいた頃から、 凄腕として有名だった」
エクセレン「凄腕のパイロット兼、社長… 何だか凄くない?  私も目指そうかしら?」
キョウスケ「どこの社長になる気だ」
エクセレン「う~ん、そうねえ…」
キョウスケ「………」
キョウスケ(今回の戦い、ゼンガーの おかげで勝ったようなものだ…)
キョウスケ(だが、ムーンクレイドルを 守り切ったところで、現状を 好転させることは出来まい…)
キョウスケ(後手後手では勝てん… どこかで大きく賭ける必要がある…)

『エナジーテイカー』を入手した
『ジャムグレネード』を入手した

『G・リボルバー』を入手した
『マグナ・ビームライフル』を入手した
『ブーステッド・ライフル』を入手した

『アサルトブレード』を入手した
『ロシュセイバー』を入手した

『ソーラーパネル』を入手した


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