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パーソナルトルーパー リュウセイルート ~ 第2話 ~


新西暦と呼ばれる時代。

人類が宇宙へ本格的に進出してから
2世紀近くがすぎていたが、
人々の生活そのものは21世紀初頭と
さほど変わらない時代…。

その理由は、落下した2つ隕石による被害と
混乱のため、人類の進歩が一時的に
停止したからであった。

そして、新西暦179年。
3つめの隕石『メテオ3』が、南太平洋
マーケサズ諸島沖に落下した。

地球連邦政府の調査団による調査の結果、
その隕石は人工物であることが判明。
そこには人類にとって全く未知の物質と技術の
情報が封印されていた。

それらは『EOT』と称され、
『EOT特別審議会』と『EOTI機関』による
厳重な情報管理の下、調査が進められた。

そして、EOTI機関の代表者である
ビアン・ゾルダーク博士は、研究結果から
地球外知的生命体による侵略の危機を
地球連邦政府や地球連邦軍に示唆…
それを受けて人型機動兵器、
通称『パーソナルトルーパー』の開発が
開始された………。

《秋葉原》

クスハ「…リュウセイ君、 そろそろ行こうよ…」
リュウセイ「も、もうちょっとだけ!」
クスハ「そう言って、さっきから 30分ぐらい経ってるんだけど…」
リュウセイ「だってさ… この限定版の超合金、 もう手に入らないんだぜ?」
クスハ「…早くしないと 病院の面会時間…終わっちゃうよ?」
リュウセイ「だから、 もう少しだけって言ってんじゃん」
クスハ「…リュウセイ君のお母さん、 待ってると思う…」
リュウセイ「…わかったよ、クスハ」

《秋葉原》

クスハ「リュウセイ君って、 ホントにロボットが好きなのね」
リュウセイ「ああ。何てったって、 ロボット…特にスーパーロボットは 男のロマンだからな」
クスハ「スーパーロボットって、 こないだ新聞に載っていた 軍のパーソナル何とかっていう…」
リュウセイ「違う違う。 パーソナルトルーパーはリアル系」
リュウセイ「スーパー系の ロボットってのはな、見た目の インパクトがドーンとあって…」
リュウセイ「変形とか、 合体とかをバリバリやって、 ものすげえ必殺技も持ってて…」
クスハ「でも、 結局はロボットなんでしょ?」
リュウセイ「あ、あのなあ。 …やっぱ、女にゃわかんねえか。 男のロマンってのは」
クスハ「うふふ」
リュウセイ「な、何だよ?」
クスハ「ロボットの話をしてる リュウセイ君って、子供みたい。 それに、すっごく嬉しそう」
リュウセイ「そうかい? ま、俺の夢は 本物のロボットに乗ることだからな」
クスハ「だから、あのゲーム… 『バーニングPT』を やってるんだ?」
リュウセイ「ああ。 あれは操作方法とかグラフィックが リアルだし、それに…」
クスハ「その話は後で ゆっくり聞いてあげるから、 早く病院へ行きましょ」
リュウセイ「へいへい」

《病院》

ユキコ「いらっしゃい… リュウ、クスハちゃん」
クスハ「こんにちは、ユキコおばさま」
リュウセイ「おふくろ…… 具合、どう?」
ユキコ「このところは 気分もいいし…大丈夫よ」
リュウセイ「ちゃんとメシ、食ってる?  食べないと元気でないぜ」
ユキコ「うふふ…これじゃ、 どっちが母親かわからないわね」
ユキコ「それより、リュウ… 勉強の方はちゃんとやってる?」
ユキコ「個性重視の入試とは言っても、 基礎学力は必要なんだから…」
リュウセイ「おふくろ、俺さ…大学へ 行くのやめようと思ってるんだ」
ユキコ「え…?」
リュウセイ「ほら、おふくろの 入院費も稼がなきゃならないし… 俺、大学行かずに働くよ」
クスハ「リュウセイ君…」
ユキコ「ありがとう、リュウ。 でもね…お母さんは反対よ」
リュウセイ「だけど…」
ユキコ「あなたの人生は これからなのよ、リュウ」
ユキコ「だから、今を焦らないで。 あなたにしか出来ないことが 必ずあるはず…」
リュウセイ(俺にしか 出来ないこと、か…)
ユキコ「だから、自分の人生は自分で 決めなさい。死んだお父さんだって きっとそう言うと思うわ」
リュウセイ「…わかったよ、おふくろ」
看護士「ユキコ・ダテさん、 検査の時間です」
ユキコ「リュウ、この後の予定が あるんでしょ? 早く行かないと 時間に遅れるわよ」
リュウセイ「ああ、わかった。 じゃあ、また来るよ」
クスハ「お大事に…ユキコおばさま」

《海浜幕張》

クスハ「この分だと何とか大会の 開始時間に間に合うね」
リュウセイ「…腕パーツはクロス コンバットタイプに換えて…武器は ナイフにリボルヴァー、と」
クスハ「リュウセイ君、 さっきからDコンで何やってるの?」
リュウセイ「ん? ああ、大会用の 機体データを調整してんだ」
クスハ「相変わらず熱心ね」
リュウセイ「あったぼうよ。 何てったってバーニングPTの 全国大会だぜ?」
リュウセイ「特に、東京地区予選で 優勝したテンザン・ナカジマは 要注意だから…準備は念入りにな」
クスハ「誰なの、その人…?」
リュウセイ「ゲーマー仲間じゃ、 有名な奴さ。会ったことねえけど、 噂じゃ凄いテクを持ってるらしい」
クスハ「ふ~ん…」
クスハ「ね、ね、リュウセイ君。 今度は秋葉原とかじゃなくて、 お台場とかに行こうよ」
リュウセイ「う~む… やっぱり、遠距離戦用の武器も つけとくか。いや、それとも…」
クスハ(………)
クスハ「…もう…相変わらず 私のこと、女の子だと 思ってないんだから…」
リュウセイ「ん? 何か言ったか?」
クスハ「何でもない。 全国大会、頑張ってね」
リュウセイ「ああ。必ず優勝して、 がっぽり賞金を頂くぜ!」
リュウセイ「そしたら、 おふくろの入院費も半年分ぐらい 何とかなるからな」
リュウセイ「さ、会場へ行こうぜ!」
クスハ「あ…。 待ってよ、リュウセイ君!」


第2話
パーソナルトルーパー

〔戦域:海浜幕張周辺〕

アナウンサー「リュウセイ選手、 ゲームスタートわずか15秒で 相手を撃破!!」
アナウンサー「全日本バーニングPT 選手権大会の優勝者はリュウセイ・ ダテ選手に決定しました!!」
リュウセイ「おっしゃあ!!」
クスハ「リュウセイ君、 おめでとう!」
オペレーター「サンプル55から テレキネシスαパルスを検出。 リンク係数、0.22…」
イングラム「あの少年か、アヤ?」
アヤ「はい、少佐。この大会に エントリーした者の中では、 最も適性があると思われます」
イングラム「サンプル55番… リュウセイ・ダテか」
イングラム(…偶然とは言え、 血筋は争えんな)
アナウンサー「リュウセイ君、 優勝した感想は?」
リュウセイ「テンザン・ナカジマと 対戦できなかったのが残念だけど、 優勝は優勝だ。気分は最高だぜ!」
アナウンサー「そう言えば、 テンザン君はこの決勝大会を 棄権していますねえ」
イングラム「アヤ… 大会終了後、リュウセイ・ダテの 身柄を確保しろ」
アヤ「はい、少佐」
(サイレン)
アヤ「どうしたの!?」
オペレーター「入間より入電!  第4警戒ラインにAGX-01の 集団が出現!」
アヤ「何ですって!?」
オペレーター「スクランブルで 上がった百里の飛行隊と交戦中!  この付近に接近しつつあります!」
アヤ「少佐、どうしますか?」
イングラム「サンプル55番の モニターを続けろ。それから、 タイプTTの起動準備を」
アヤ「了解です」
オペレーター「AGX-01が急加速!  この区域に侵入してきます!」
アヤ「!」
(アラートが切れ、メギロート×4、F-28メッサー(味方機)×3が出現)
アナウンサー「では、リュウセイ君に 優勝トロフィーと賞金の授与を!」
リュウセイ「ん?  何だ? 外が騒がしいな…」
連邦軍兵「敵機確認!  これより攻撃を開始する!!」
連邦軍兵「ミサイル発射!」
(ミサイルが当たり、下のメギロートが会場の上へ移動する)
リュウセイ「うあああっ!!」
クスハ「きゃああっ!!」
オペレーター「AGX-01が 1機、会場へ落下しました!!」
アヤ「何ですって!?」
イングラム「アヤ、サンプル55番の 適性を試す。トレーラーのカバーを 開け、タイプTTを外に出せ」
アヤ「まさか、少佐…!」
イングラム「そう。そのまさかだ」
アヤ「無理です!  いきなりパーソナルトルーパーで 実戦をやらせるなんて…!」
イングラム「構わん。 そのためのタイプTTだ」
アヤ「わ、わかりました」
(ゲシュペンストMk-IITTが出現)
リュウセイ「う、うう…… 何だってんだ、一体…?」
リュウセイ「ク、クスハ… 大丈夫か…?」
クスハ「う、うん…」
リュウセイ「!!」
(メギロートを指す)
リュウセイ「な…!?  虫型の…ロボット…?」
クスハ「な、何なの、あれ…!?」
リュウセイ「…あ、あいつ… 軍のパーソナルトルーパーや 戦闘機なんかじゃねえ……」
リュウセイ「こっちを見てやがる…!  ヤバい、このままじゃ…!」
(閃光)
リュウセイ「な、何だ、今の!?  目の前で火花が…?」
(ゲシュペンストMk-IITTを指す)
リュウセイ「! あれは連邦軍の パーソナルトルーパー、量産型の ゲシュペンストMk-II…!」
リュウセイ「な、何で、 こんな所に? しかも一機だけ…」
連邦軍兵「妙だな…この区域に パーソナルトルーパーが出撃して いるという報告は聞いてないぞ」
(通信)
連邦軍兵「何だ…?  この空域からの離脱命令?」
連邦軍兵「各機へ!  この空域のバグスはゲシュペンストに 任せ、離脱するぞ!」
(連邦軍の機体が戦域から離脱)
リュウセイ「お、おい! な、何で 軍の戦闘機が逃げていくんだよ!?  あの虫ロボットはどうすんだ!?」
リュウセイ「このままじゃ、 やられちまうじゃねえか!!」
クスハ「リュ、リュウセイ君…!」
リュウセイ「………」
リュウセイ「いいか、クスハ。 …お前はここから逃げろ…!」
クスハ「え…!?  リュウセイ君は…!?」
リュウセイ「いいから、逃げろ!  俺がその時間を稼いでやる!!」
クスハ「な、何をする気なの…!?  待って、リュウセイ君…!  リュウセイ君!」
リュウセイ「…あいつで 何とか虫ロボの注意を引けば…!」
(ゲシュペンストMk-IITTを指す)
リュウセイ「ん!?  コックピットハッチが開いてる…。 しかも、中に誰も乗ってねえ」
リュウセイ「!」
リュウセイ「こ、これは…!?  お、同じだ…バーニングPTの コックピットの中と…」
リュウセイ「な、何で軍の 最新兵器のコックピットが ゲームと同じになってんだ!?」
(メギロート3機がゲシュペンストMk-IITTを囲む)
リュウセイ「か、囲まれた!?」
(爆煙)
リュウセイ「うああっ!!」
(閃光)
リュウセイ「く、くそっ…やってやる!  操作がバーニングPTと同じなら、 やってやる!!」
リュウセイ「これ以上、 街や人を攻撃されてたまるかっ!!」
リュウセイ「こ、こいつが 姿勢制御用パネル…火器管制は これ…BMセレクターも同じだ!」
リュウセイ「よ、ようし… 行くぞ、ゲシュペンストMk-II!!」

〈リュウセイが戦闘〉

[1回目]

リュウセイ「き、機体のバランスが…!」
リュウセイ「ち、違う… ゲームとは全然違う!!」
(戦闘)
リュウセイ「ぐ、ぐうっ…!  こんなにGがキツいなんて…!」
リュウセイ「ゲームなんかじゃねえ… こ、これが本物の戦闘って奴か…!」
リュウセイ「だから…!  絶対に負けられねえんだ!!」

[2回目]

リュウセイ「こ、このまま距離を詰めて 戦えば、バーニングPTの要領で…」
アヤ「あなた、何をやってるの!?  相手は中距離戦闘タイプの 機動兵器なのよ!」
リュウセイ「!?」
アヤ「今すぐ戦闘モードを ミドルレンジに切り換えなさい!」
リュウセイ「あんた、誰だ!?」
アヤ「いいから、 戦闘モードを切り換えて! 素人の あなたじゃ接近戦なんて無理よ!!」
リュウセイ「そんなの、やってみなきゃ わからねえだろうが!!」
アヤ「!」
リュウセイ「それより、ごちゃごちゃ 言ってる暇があったら手ェ貸すか、 応援を呼んでくれってんだ!!」
リュウセイ「あんたら軍人だろ!?  街や人を守るのが仕事だろ!?  違うのかよ!!」
アヤ「そ、そんなこと… 言われなくてもわかってるわよ!」

〈敵機全滅〉

オペレーター「バグスの 全機撃墜を確認!」
イングラム「サンプル55番は?」
オペレーター「脳波と心拍数に乱れが 見られますが、許容範囲です」
イングラム「…初めての戦闘で この数値か。なかなかのものだな」
イングラム「特務隊に この区域を全面封鎖させろ。 それと…報道管制は厳重にな」
オペレーター「はっ」
イングラム「俺はタイプTTと サンプル55番の身柄を確保する。 アヤ、後は任せるぞ」
アヤ「はい、少佐」

《海浜幕張》

リュウセイ「クスハ…!  どこに行ったんだ…!?」
イングラム「…お前が リュウセイ・ダテだな?」
リュウセイ「!  あ、あんたは?」
イングラム「俺の名は イングラム・プリスケン。 見てのとおり、軍人だ」
リュウセイ「そんなことより、 クスハを捜さなきゃ…!」
イングラム「クスハ…。 お前と一緒にいた少女の名前か?」
リュウセイ「!  あ、あんた…あいつが どこにいるのか知ってるのか!?」
イングラム「ああ彼女は 救急隊に救助され、無事だ」
リュウセイ「そ、そうか……。 なら、良かった…」
イングラム「それよりも…」
リュウセイ「俺に 何か用があるのかよ?」
イングラム「ああ。 俺と一緒に来てもらおうか、 リュウセイ・ダテ……」
リュウセイ「………」

《極東支部基地》

アヤ「じゃあ、あの子はSRX計画の テストパイロットになることを 承諾したんですね?」
イングラム「ああ。 軍の機体を無断で動かした罪を 抹消し…」
イングラム「病気の母親の 入院費を全額、軍が負担すると いう条件でな」
アヤ「そうですか…」
イングラム(…結果的には都合が良い。 いずれにせよ、彼女の監視は 必要だったからな)
イングラム「リュウセイ・ダテは お前の下に配属し…」
インクラム「当面は テストパイロットとしての 訓練を受けさせる」
アヤ「わかりました」
イングラム「間もなく、 彼がこの基地へ来る。出迎えを頼む」
アヤ「了解です」

《極東支部基地》

一般兵「IDと入場許可証のない者は、 基地内に入れないと言っている!」
リュウセイ「だから!  その二つとも持ってくるのを 忘れたんだってば!」
一般兵「なら、出直して来るんだな」
リュウセイ「あのなぁ、俺は この基地の人に呼ばれて来たんだ!  問い合わせてくれればわかるって」
ライ「すまないが、君… そこを通してくれないか」
リュウセイ「え?  あ、ああ…わりぃな」
一般兵「失礼ですが、IDと 入場許可証のご提示をお願いします」
ライ「………」
一般兵「ライディース・F・ ブランシュタイン…少尉ですね?」
ライ「ああ。本日付で 月のマオ・インダストリーより この基地へ出向して来た」
一般兵「確認しました。 どうぞお入りください、少尉」
リュウセイ「………」
ライ「IDと許可証のない 人間は基地内には入れん。 …常識だぞ」
(足音・ライが立ち去る)
リュウセイ「何だぁ?  あのキザな金髪野郎は…」
リュウセイ「しかも、 左手にだけ手袋をつけて…変な奴」
アヤ「あなたが リュウセイ・ダテ君ね?」
リュウセイ「え?」
アヤ「アヤ・コバヤシ大尉です。 あなたを迎えに来ました」
リュウセイ「! そ、その声… もしかして、あの時の…!」
アヤ「そう。 あなたが乗っていたゲシュペンストへ 通信を入れたのは私よ」
リュウセイ「やっぱり…!」
アヤ「あの時はごめんなさい…。 あなたのことを怒鳴ったりして…」
リュウセイ「………」
アヤ「…どうしたの?」
リュウセイ「…こんな美人が 上官だなんて…ラッキーだなあ」
アヤ「フフッ…上官と言っても、 私も軍に入ったばかりなの。 だから、大尉じゃなくアヤでいいわ」
リュウセイ(え、えらくアバウトだな… そんなのでいいのか?)
アヤ「その代わり、 私もあなたのことをリュウって 呼ばせてもらっていいかしら?」
リュウセイ「あ、ああ…別にいいけど。 んじゃ、これからもよろしく、 大尉…じゃなくて、アヤ」
アヤ「うふふ…じゃ、握手しましょ」
リュウセイ「は?」
アヤ「だから、お近づきの握手。 これから私達はチームメイトに なるんだから。ね?」
リュウセイ(チームメイトって… 学校のクラブ活動かよ?)
アヤ「さあ…」
リュウセイ「う、うん…」
(閃光)
アヤ(! こ、これは…!)
リュウセイ「どうしたんだ?」
アヤ「い、いえ… 優しい手だな、とか思ってね」
リュウセイ「ふ~ん… そんなこと言われたの、初めてだぜ」
アヤ「…気にしないで。 さあ、基地の中へ案内するわ」

《極東支部基地》

イングラム「お前の経歴は 調べさせてもらった。名門の軍人一族 ブランシュタイン家の次男…」
ライ「………」
イングラム「父親は名将と名高い コロニー統合軍の総司令官、 マイヤー・V・ブランシュタイン…」
イングラム「そして、兄は PT操縦技術の構築に貢献した 特殊戦技教導隊の出身であり…」
インクラム「現在は コロニー統合軍のトップエース、 エルザム・V・ブランシュタイン…」
ライ「お言葉ですが、自分は ブランシュタイン家やコロニー 統合軍とは縁を切った人間です」
イングラム「そうか」
ライ「イングラム少佐、 一つだけ質問があります」
イングラム「何だ?」
ライ「何故、自分をここへ お呼びになったのです? 少佐も あの事故のことはご存じのはず…」
ライ「そして、自分の左手のことも…」
イングラム「お前の素質がSRX計画に 必要だから呼んだまでだ」
ライ「………」
イングラム「…他に質問は?」
ライ「いえ、ありません。 では、失礼します」

《極東支部基地》

イングラム「………」
イングラム「…これで 最低限のサンプルはそろったか」
イングラム「全ては、これからだ…」


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