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オペレーション・デイブレイク アーク

〈日本〉

(アルビオンでハワイまで移動)
ブライト「諸君、すでに気づいていることだとは 思うが、現在我々は
 次の目的地へ向けて航行して いる」
エマ「目的地はどこなのでしょう?」
ブライト「ジャブローだ」
エマ「ジャブロー!? 敵の警戒エリアの 真っ只中へ、我々は
 向かっているのですか!?」
ブライト「そういうことになる」
リョウ「どういうことですか、艦長?」
クワトロ「我々はこのままジャブローにある 旧地球連邦軍基地を
 攻略する」
カミーユ「そんな、無茶ですよ!」
ハヤト「ああ、いくら機能の大半を失って いるとはいえ、場所が場所だ
 なんだってそんなことになったのか、 聞かせてもらえるんでしょうね
 でなけりゃ納得できませんよ」
クワトロ「わかっている。ジャブローにはどうやら 帝国軍が一時的にではあるが
 新司令部をおくことになったという 情報をつかんだ。完全に
 整備される前にこれを叩くのが 今回の作戦の目的だ」
「ちょっと待ってくれよ大尉。それじゃ よけいに危険じゃねぇかよ」
ムサシ「まったくだ」
アムロ「帝国軍の組織再編はかなり 進んでいる。それに指令系統の
 混乱も収まりつつある。いまここで 先手をうっておかなければ近いうちに
 我々は動きがとれなくなるだろう」
トロワ「なるほど、そうなればいまの俺たちが 状況をくつがえすなど絶望的だな
 そう考えれば確かに正しい行動だ」
カトル「そう……ですね。僕もそう思います。 ここは、賭けてみるしかないでしょう」
甲児「まぁいわれてみりゃそうかもな。だいたい、 ここんとこ逃げてばっかで
 いやになってたとこだ。たまにはこっちから 攻めてやんないとな」
「そいつは同感だぜ。わかった、 やってやろうじゃねぇか」
さやか「もう、ふたりとも調子いいんだから」
アーク「でも、勝算はあるんでしょう?  それがなければ、いくらなんでも
 自殺と同じですよ」
ブライト「当たり前だ」
ブライト「帝国軍の動きをさぐっている 工作員が、そのままジャブローへ
 潜入して破壊活動を行う 手はずになっている
 非常に優秀な男だということだ。 十分期待できるだろう」
鉄也「ほう、そんな奴がいたとはね。 なんて奴なんです?」
ブライト「うむ、もと国際警察機構の エキスパートで銀鈴くんの知り合い
 だということだったが…… なんといったかな……」
銀鈴「私の知り合い……?  まさか、健二さん!?」
ブライト「ああ、そうだ。村雨健二という 名前だったな」
大作「村雨さん!? でも村雨さんは……」
アムロ「どうした、大作くん?」
大作「村雨さんは昔、僕を助ける ために……」
ヒイロ「死んだはずだ、か?  “不死身”の村雨なら
 ありうることだ」
大作「ヒイロさん、知ってるんですか!?」
銀鈴「あら、君が知ってるなんて意外だわ」
ヒイロ「一度だけ会ったことがある」
甲児「銀鈴さん、知り合いってまさか 恋人ってわけじゃ……」
銀鈴「それは……秘密よ。でも健二さん なら、きっとうまくやってくれるわ」

シーラ「しかし状況はかなりきびしいようですね」
ブライト「ええ。ドレイク軍の動きについても 情報があります。シャピロの手びきに
 よって、地上での足場固めを 進めているようです。それと
 ウィル・ウィプスと小型のオーラシップ が、合流したらしいと」
ショウ「ショットのスプリガンだ」
シーラ「ええ、間違いないでしょう。いよいよ 我々も退くわけにはいかなくなって
 まいりました」
ブライト「シーラ女王、クルーのバイストンウェル の方々のこともあるとは思うのですが
 ここは……」
シーラ「そのようなご心配は無用です。 我らにはなすべき大義があります
 それを果たすまでは、あなた方が 必要と感じた行動に
 我らも従いましょう」
マーベル「シーラ様……」
ブライト「……わかりました。よろしく頼みます」

〈南米・ジャブロー〉

デスガイヤー「シャピロ、状況はどうなっているのだ」
シャピロ「地上の占領軍の再編は まもなく終わる。あとはおふたりしだい
 もっとも反乱勢力もいちばん やっかいな連中が残ってはいるが……」
デスガイヤー「ふん、図にのるなよシャピロ。 ムゲゾルバドス帝王じきじきの
 お言葉だからこそ、貴様にやらせた まで。貴様の立場が我々と
 対等などとは、思わないことだ」
シャピロ「…………」
デスガイヤー「地球の反乱軍ごときはこの俺が ひねりつぶしてくれるわ
 ル・カインのような小僧とは違うと いうことを、見せてやる」
シャピロ「そうであってほしいものですな」
ギルドローム「口がすぎるぞシャピロ。 我々が来た以上は、貴様は
 黙ってみておればよいのだ」
デスガイヤー「そもそもはグレスコとル・カインが 地球人どもに好きにさせておくから
 こうなったのだ。同じ地球人として どうだ、シャピロ。ル・カインは
 地球人の裏切りで敗れたという ではないか」
シャピロ「…………」
ルーナ「ロームフェラ財団とスペシャルズのこと が気になるというのですか?」
デスガイヤー「そうだ。奴らなど必要ない。 しょせんは地球人どもよ。さっさと
 解体してしまえばいいのだ」
ルーナ「しかし、いまとなってはそう簡単には まいりません。権限を奪うにしても
 うかつなことをして敵のまわすのも やっかいです」
ギルドローム「それをなんとかするのは貴様の役目 だろう、シャピロ。それで奴らが敵に
 まわるというのなら、一緒に叩きつぶ してしまえばよいのだ」
シャピロ「……ならばまず、ル・カインがスペシャルズ に与えた権限の一部をうばい
 規模を縮小させる。確かにあの トレーズという男は放置できない」
デスガイヤー「まだあるぞ、シャピロ。百鬼とミケーネ のことはどうだ」
シャピロ「そちらは問題ない」

ブライ大帝「グレスコとル・カインが死に、あの 将軍どもが来たか。人間どもの
 おかげで帝国も問題を山ほど かかえこんでおるわ」
グラー博士「はい。これは我々にとっても よい機会と思われます」
ブライ大帝「うむ。人間と帝国軍兵士の 鬼兵士への改造はどうなってるか」
グラー博士「着々と進んでおります。しかし これ以上数を増やすとすれば
 かなりのエネルギー源がなくては 思うようにはなりません」
ブライ大帝「我らが帝国をも従えるほどの兵 力を得るには、やはりゲッター線か
 光子力エネルギーが必要か。人 間どもの研究施設はどうなのだ?」
グラー博士「帝国の攻撃が激しくなってから、 やつらは施設を放棄して移動を
 繰り返しているようで、 なかなか発見できません」
ブライ大帝「では、やはりマジンガーZやゲッターロボを おさえるしかないということか」
グラー博士「はい」
(扉が開閉する)
ヤヌス侯爵「ほほほほほ、なるほどそういうことですか」
ブライ大帝「来たかミケーネの」
地獄大元帥「ブライ大帝、協力の申し入れを うけよう。この機会を逃すのはワシら
 としても望むところではない。だが 地球を征服したあかつきには……」
ブライ大帝「わかっておる。わが百鬼一族と 貴様らミケーネとで地球を
 支配しようではないか。このままでは 異星人どもに好きにされる」
暗黒大将軍「いいだろう。我らが闇の帝王のため にも、わが帝国のためにも
 異星人と人間どもは排除 しなければならんからな」

〈ハワイ〉

デビッド「なんだよアーク、 なにしけたツラしてるんだ?」
アーク「……俺たち本当にこんなことを していて、地球を解放できるのかな」
ルー「どうしたの、いったい?」
アーク「だってそうだろう? いままで必死に 戦ってきたけど、レジスタンスは
 もうボロボロだ。でも帝国の支配は かわってない。こんな戦いを続けていて
 俺たちは勝てるのかな」
「勝てるさ。戦う者に固い信念が あれば、勝てる」
「そうかい。俺は戦ってるだけで、せい いっぱいで他のことは考えられねぇがな」
五飛「フン、己のしていることも信じられない 奴など、放っておけばいいのだ」
デュオ「まぁまぁ。それよりあんたら、 リリーナ・ドーリアンの噂を
 知ってるかい?」
エイジ「リリーナ?」
アンナ「知ってるの? エイジ」
エイジ「ああ、前に姉さんと 一緒にいた女性だ
 あのドーリアン氏の娘という……」
ヒイロ「…………」
デュオ「そう。それがさ、最近じゃ ピースクラフトって名のってるらしいぜ」
アムロ「ピースクラフト? サンクキングダムに ゆかりの者なのか?」
レラ「……ねえ、サンクキングダムって何?」
アムロ「北欧の小国だよ。連邦の政 策に反発し完全平和主義
 というのを提唱していた国だ。 10年ほど前にピースクラフト王
 が死んでから政情が不安定に なって連邦が武力介入したんだ
 今はもう、国として残っていない」
レラ「へぇ、そんなことがあったんだ」
デュオ「なんでもピースクラフト王の娘だった とかで、その完全平和主義を
 広めようとしてるらしいぜ。例の クスコの聖女隊とかと一緒にさ」
エイジ「姉さんが……」
五飛「“完全平和”などこの時代 には弱者のたわごとにすぎん
 女の考えそうなことだ」
ジュン「ちょっと、それはいったいどういうこと?  聞き捨てならないわね」
シモーヌ「そうねぇ、説明してほしいものだわ」
五飛「なっ……」
トロワ「五飛、この部隊には女も多い。 言葉には気をつけた方がいい」
沙羅「もう遅いよ。だいたいあたしは前から こいつはなまいきすぎると思ってたんだよ
 今日はそのへんをたっぷりと 教えてやろうじゃん」
ルー「賛成ーっ!」
五飛「お……俺は……」

〈フランス中部〉

レディ「トレーズ様! シャピロ将軍より 通達が、きております」
トレーズ「わかっているよ、レディ。せっかくここまで きたものをな。ロアン・デミトリッヒの
 行動で、こちらまで危険視された ということか」
レディ「どうなさるおつもりですか?」
トレーズ「素直に受け入れるわけにはいかない ね。財団の幹部会の意向は
 どうですかな、ジャミトフ閣下」
ジャミトフ「例の計画を早めなければならんな。 デルマイユ公もその線で進めることを
 望んでいる。できぬとはいわせんぞ、 トレーズ。貴公にはそのためにOZを
 まかせてきたのだからな」
トレーズ「なるほど、それもいいでしょう。しかし 宇宙はどうするおつもりです?」
ジャミトフ「それはこちらで手をうってある。バスクに やらせている」
レディ「ジャミトフ閣下、我々はそのような 話は聞いておりませんが」
トレーズ「レディ、ジャミトフ閣下は私の 失敗をフォローしてくださったのだ
 君が口出しするべきことではないよ」
レディ「は……はい、申し訳ありません、 トレーズ様」
ジャミトフ「……今回の作戦では失敗は 許されんぞ、トレーズ。作戦の
 失敗はロームフェラ財団だけでなく 地球の行く末にも影響する」
トレーズ「はい、それは肝にめいじております」
(通信)
レディ「ゼクスか、なんだ?」
ゼクス「例のレジスタンスたちの動きをキャッチ しました」
トレーズ「君がそれだけのことで連絡してくる とは思えないな。なにかあるのか?」
ゼクス「はい。彼らは南米に向かっていると 思われます」
レディ「南米だと? 奴らも追いつめられて 気でも違ったか」
ゼクス「レディ・アン特佐、彼らは そんなことにはならん。わざわざ帝国の
 警戒エリアに向かっているということ は何かあるのだ。そう
 例えばジャブローを攻める、などのな」
レディ「バカなことを」
トレーズ「いや……間違いないだろう。 彼らの目標はジャブローだよ
 フフフ、彼らは戦士なのだ。戦わず してあきらめることなどあるはずがない
 それでこそ私の……」
ジャミトフ「トレーズ、レジスタンスに干渉している という報告は受けている。遊びが
 すぎるようだな。貴公はOZの真の 目的のために行動すればよいのだ」
トレーズ「もちろんわかっております」

〈ハワイ〉

(扉が開閉する)
アーク「ん? レラか……」

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