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悲しみのホンコンシティ アーク

〈アメリカ西海岸〉

(アウドムラで西に移動、日本近海まで)
ブライト「まもなくホンコンか…… こちらの位置はつかんでいるはずだが
 敵に動きがないのが気になるな」
クワトロ「オーガスタ研とムラサメ研に動きが あったという情報も入っている。
 なにかあるかもしれんが、どのみち補給 をしなければそう長くは持たんよ」
ブライト「ああ。……強化人間か…… やっかいなことにならなければいいが」

アムロ「……君がルオ商会へ交渉に 行くのかい?」
ベルトーチカ「そういう仕事のために、 ここにいるのですからね」
アムロ「ベルトーチカ……」
ベルトーチカ「ちゃんと補給をして戦わなければ、 帝国を地球から
 追い出すことなんて、 できないでしょう?」
アムロ「……君は戦うことがイヤなのだろう?」
ベルトーチカ「戦争は、キライよ。 当たり前でしょう? でもそのことと
 戦わなくちゃいけないときに 戦うというのは、別よ」
アムロ「僕を軽蔑しているんだろう?」
ベルトーチカ「あたしはそれほど鈍くはないわ。 アムロ・レイの3年間は
 眠りの時間だったのよ。肉体も 精神も。休息は必要だわ
 目を覚ませばいいのよ。 そうすれば昔と同じになるわ」
アムロ「……自信がないな」
ベルトーチカ「あなたは前にカミーユたちと同じことを していたのでしょう?」
アムロ「そうだが…………
 !?」
ベルトーチカ「ん……」

ルー「あらら、あんなところでキスなんか されてたら、エレベーター使えないわね」
雅人「あ~あ、結構気に入ってたのに、 がっかりだよ
 アムロ大尉も手が早いや」
ルー「なにいってんのよ。ほら、 いつまでものぞいてないの。行くわよ」

アムロ「…………ベルトーチカ、同情ならいい」
ベルトーチカ「あたしは、 それほど鈍くないといったでしょ?
 女の愛撫で男を 奮い立たせることができるのなら
 女はそれをすることもあるのよ。 なぜだと思う?」
アムロ「……男を試しているんだろう?」
ベルトーチカ「そうよ。自分にふさわしい男に なってほしいからね
 でも、だめだとわかったら捨てるわ。 同情なんかしているヒマなんてない」
アムロ「ご両親は前の戦争で 亡くなられたといっていたね?」
ベルトーチカ「そう。同情されたいほう」
アムロ「すまなかった……帝国は地球から 追い出してみせる」
ベルトーチカ「あたし、すぐ忘れるかもよ?」
アムロ「構わないさ……」
ベルトーチカ「ん…………」
(扉が開閉する)
クワトロ「……ベルトーチカ、 ブライト艦長が呼んでいる」
(足音・クワトロが立ち去る)
ベルトーチカ「すぐ行きます……あたし、 あの人キライよ」

(アウドムラ、ネオホンコンへ)
リョウ「これがネオホンコンか。噂通りだな」
ハヤト「ああ。今の地球で唯一、 占領前と
 あまり変わらない街だからな、ここは」
デュオ「へえ? どういうことだい?」
ハヤト「ネオホンコンは地球人の 行政官がいる
 特別行政区なのさ。例の ロームフェラ財団がらみらしいんだがな
 ま、ロームフェラも少なくとも1つは、 いいことをしたってわけだ」

ルー「あれ、アムロさんたち、 どこへ行くんです?」
アポリー「ああ、ルオ商会に行くんだろ。 補給の手配をしにさ」
ルー「あたしたちは行っちゃだめなの? どうせ だから市街に行ってみたかったのに」
アポリー「1時間だけなら、 艦長の許可をもらってるぜ」
デビッド「ホントかよ、やったぜ。 おいエイジ、いこうぜ
 アンナ、 他の連中にも言ってきてやれよ」
アンナ「ええ」

カミーユ「アムロさん、戻らないんですか?  補給の手配、終わったんでしょ」
アムロ「カミーユ?」
ベルトーチカ「なによ、あなた。何でここにいるの?」
カミーユ「ブライト艦長にいわれて来たんですよ。 戻らないんですか?」
ベルトーチカ「もう少ししたら帰るわよ。 あなたは先に戻ってていいわ」
カミーユ「……知りませんよ、僕は」

フォウ「ねぇ君、旧市街まで 乗せてくれない?」
カミーユ「え? ああ。どうぞ」
フォウ「ありがと。あの2人、お知り合い?」
カミーユ「知らないよ。 傷をなめあう男と女なんてさ」
フォウ「ああ……そういうこと」
カミーユ「そういうこと」
フォウ「あはっ、あははははははっ」

カミーユ「カミーユっていうんだ。よろしく」
フォウ「わたしは、フォウ・ムラサメ」
カミーユ「むずかしい名前だな……」
フォウ「しかたないわ。 そうつけられてしまったんだもの」
カミーユ「そりゃそうだ」
フォウ「カミーユか……やさしい名前だね?」
カミーユ「…………」
フォウ「アハハハッ、自分の名前、 キライなのね? 顔に書いてあるわ」
カミーユ「……旧市街に何の用なの?」
フォウ「ちょっとね、人を探してるんだ」
カミーユ「誰を?」
フォウ「わたしを知ってくれている人……」

アストナージ「それはそっちじゃない、 こっちに持ってくるんだよ!」
葉月博士「搬入は進んでいるか?」
雅人「葉月博士!? どうしてここに?」
葉月博士「どうしてもこうしてもあるか。お前たちが ルオ商会と接触すると聞いて
 解放戦線で開発した 新型を運び込んでもらったのだ
 ところで藤原はまだ見つからんのか?」
雅人「沙羅が探しに行ったんだけど、 戻ってから何か変なんですよ
 沙羅の奴。たぶん忍には 会ったんじゃないかって思うんだけど…」
葉月博士「そうか……」
クワトロ「葉月博士」
葉月博士「ああ、大尉。どうかね、あれは」
クワトロ「よい機体を持ってきていただいて、 感謝しています」

デュオ「うっひゃー、 おい見ろよ金色のMSだぜ
 目立たないようにしてある 俺のデスサイズとは大違いだな」
ルー「すっごぉ。誰が乗るのかしら」

クワトロ「GディフェンサーはガンダムmkII用の 強化装備だとか」
葉月博士「防御能力の向上と、武装 強化のためのものだよ。単独でも
 運用できる機体だ。まだ調整を していないので、すぐには使えないが
 役に立つと思う」
クワトロ「助かります。ああそれと、地球製の SPTが1機あったようですが
 我々にはパイロットはおりませんが?」
葉月博士「うむ、パイロットも連れてきている」

デビッド「シモーヌ……シモーヌじゃないか!」
(速い足音)
シモーヌ「…………」
(速い足音、平手)
デビッド「うわっ」
シモーヌ「あー、せいせいしたわ」
デビッド「シモーヌ、いったい……!?」
シモーヌ「奪われた唇のおかえしよ。 3年間ずーっと考えてたんだから」
アンナ「シモーヌ……無事でよかった」
シモーヌ「アンナも、元気そうね。……エイジ……」
エイジ「シモーヌ……3年ぶりだね」
シモーヌ「エイジ……顔にさわらせて。 エイジ、本当に生きてたのね……
 もう二度と会えないかもしれないって 思ってた……うぅっ……
 ごめんなさい……やだ、みっともないわ」
デビッド「あーあ、全然ちがうでやんの。 俺なんかいきなりバシーッだもんな」

レディ(レジスタンスどもめ、 ここで始末をつけてやるぞ
 この程度のことでトレーズ様の お手を、わずらわせるわけにはいかん)
ウォン「しかしレディ・アン特佐、確かに おっしゃるとおり研究所のいくつかは
 わたしの管理下にありますが、 まだまだデータを集めているところでして」
レディ「出し惜しみするおつもりか、 ウォン行政官?
 それでは、ない腹もさぐられる というものだぞ」
ウォン「いやいや、そんなつもりはありませんよ。 よろしい、そこまでおっしゃるのなら
 しかたありませんな。 私の実験部隊でアウドムラを
 叩くとしましょう。トレーズ特佐には よろしくお伝えいただきたい」
レディ「結構だ。よい結果を期待しよう お互いにな」
(扉が開閉する・レディが立ち去る)
ウォン「ふん……女狐め。 この私を利用しようなどと」
???(東方不敗)「が、それにのるのも兵法の妙と いうものよ
 ときに、例のものの手配は できておるのか?」
ウォン「これは先生。 聞いていらしたとはお人が悪い
 もちろんですとも。 そちらのほうはよろしく頼みましたよ」
???(東方不敗)「フフフフフ、まかせておけ」

(ガンダムアラート)
ロベルト「艦長、敵部隊です!  市街に向かっています」
ブライト「やはり来たか。 全員をすぐに呼び戻せ。
 残っているパイロットは スタンバらせておけ!」
クワトロ「艦長、私は百式で出る」
ブライト「頼む、大尉。アムロ、お前も 新型のディジェで出てくれ
 やれるのだろう?」
アムロ「ああ……大丈夫だ。やってみせるさ」

カミーユ「君が……スペシャルズとは思えないな」
フォウ「ウフフフフ、わたしたち敵同士 らしいのにね? …ね、頼める?」
カミーユ「何を?」
フォウ「キスして……」
カミーユ「……ああ……」
フォウ「……ん」

カミーユ「…………」
フォウ「やさしいのね……ほんとのこと教えて あげようか? あたしの名前、好き?」
カミーユ「いい名前だ。好きだよ」
フォウ「わたしはキライよ。今の施設で 4番目だったらかフォウなの
 ……ナンバー4」
カミーユ「……本当の名前は?」
フォウ「わからないわ。 わたしには昔の記憶がないもの
 知りたいんだ、昔のこと。 それを探していたの」
カミーユ「フォウ……」
(爆音)
カミーユ「なんだ!? 帝国軍か!  こんなところで」
フォウ「ああぁぁぁぁーっ!! あ、頭がぁっ!」
カミーユ「フォウ!?」


悲しみのホンコンシティ

(アウドムラが出撃、敵機が出現)
ブライト「パイロットは順次、 出撃しろ!」
葉月博士「艦長、獣戦機は 調整が終了していない
 すまないが少し待ってくれ」
ブライト「急いでください!  カミーユはどうした!?」

アムロ「カミーユが戻らないだと!? ええい!」
(クワトロとアムロが出撃)
ブライト「アムロたちが出たか。他も急がせろ!」
(出撃選択)

〈敵1機撃墜〉

(北東の街中)
カミーユ「フォウ、アウドムラへ行こう。君が スペシャルズにいる理由なんてないんだ」
フォウ「あそこに、あそこにわたしの記憶が あるの! あの飛行機が
 わたしに記憶をもってきてくれる!」
カミーユ「フォウ!?」
フォウ「孤独はイヤ! まぎらわせたくても、 まぎらわす思い出もないのよ!?」

〈敵機9機に〉

(イーグルファイターが出現)
雅人「あれは……イーグルファイター!  忍だよ!」
沙羅「忍!? 大丈夫なのかい!?」
「沙羅か。すまねぇ、またせたな!」
葉月博士「やめろ、藤原。 いまのお前では無理だ」
「へっ、心配すんな葉月さんよ。 俺はきっちり思い出したからな」
葉月博士「思い出した?」
「ああ。獣戦機隊に野性を しばる理性はいらねぇってな!
 わかったら、腹くくって見物してな!」
「フッ、あいかわらずの単細胞ぶりだな。 威勢だけでは戦いには勝てんぞ」
「なんだと亮、てめえっ!」
雅人「まぁまぁ忍。いいじゃないか亮。 それでこそ忍っていうもんだろ」
沙羅「あんたたち、 なにゴチャゴチャやってんのさ!
 敵は目の前にいるんだよ!  博士、まだ出られないのかい!?」
葉月博士「あわてるな。いま終わったところだ」
雅人「それじゃ行きますか。 艦長、獣戦機出撃します!」
(沙羅達が出撃)
「へっ、やけにのんびりした 出撃じゃねぇか」
沙羅「忍っ、ぼけっとしてんじゃないよ!」
「いわれるまでもねぇ。いくぞ、亮、 雅人、沙羅
 アグレッシブ・モードじゃ話にならねぇ。 合体するぞ!」
(忍に『気合』)
雅人「へへっ、そうこなくっちゃ!」
(雅人に『気合』)
沙羅「すっかり待ちくたびれてたとこさ!」
(沙羅に『気合』)
「フッ、久しぶりに気合いをいれて いくとするか」
(亮に『気合』)
「キーワード、 D・A・N・C・O・U・G・A……」
(機械音)
「ダンクーガ! ロックオフ!  やあぁぁぁぁぁってやるぜ!!」
(獣戦機隊ダンクーガに合体)

〈敵機7機に〉

カミーユ「フォウ……フォウ!  どうしたっていうんだ!?」
フォウ「わかる? わたしが誰だか、わかる!?」
カミーユ「フォウ! 行っちゃいけない、フォウ!」
カミーユ「フォウッッ!!」

〈敵機5機に〉

(敵機増援が出現)
ドモン「あれはノーベルガンダム…… アレンビーなのか!?」

(港近くまで移動している)
カミーユ「くっ……あれは……」
アムロ「カミーユ、戻ったのか? 乗れ!」
カミーユ「アムロ大尉……? はい!」
(ガンダムmkIIが出撃)
カミーユ(間違いない。あれにフォウが 乗っているんだ)

〈vs フォウ〉

クワトロ「ええい、強化人間だというのか!?」
フォウ「な、なんだ?  このザラッとした感覚は……!?」

アムロ「なんだ、このプレッシャーは!?」
フォウ「くっ……気持ちが悪い……。 こんな敵がいるのか……」

カミーユ「フォウッ!」
フォウ「カミーユ!? やっぱりあなたも、 あたしをいじめにきたのね!?
 キライだぁぁっ!!」

[説得](カミーユ1回目)

カミーユ「フォウ! しっかりしてフォウ!  わかるか、カミーユだ!」
フォウ「わたしは記憶が欲しいの。 自分のことをもっと知りたい
 レジスタンスを倒せば研究所は、 わたしの記憶を戻してくれるといった」
カミーユ「フォウ、そんな約束あてになるもんか!」
フォウ「自分のこと知りたいのが、 いけないことなの!?」
アムロ「カミーユ、何をやっている!  そんなことではお前が殺されるぞ!」
カミーユ「くっ……」

[説得](カミーユ2回目)

カミーユ「フォウ、ライフに来るんだ。君の 記憶を取り戻す方法をさがそう」
フォウ「そんなことできるものか!」
カミーユ「やってみなくちゃわからないだろ!?」
フォウ「ムダだ! ……カミーユは、 わたしのことを知ってくれている」
カミーユ「知っていてくれる人がいるから、 生きていけるんだろ!?」
フォウ「なら敵になるのをやめて!  わたしにやさしくしてよぉっ!
 いじめられるの……嫌なの……」
カミーユ「フォウ!」
アムロ「よせ、カミーユ」
カミーユ「大尉?」
アムロ「システムを破壊する。 戦闘システムがパイロットに
 戦いを強制しているんだ。 どこだ、どこがシステムの中心だ?
 どこがシステムの!?」
カミーユ「そ、そんなことができるっていうのか……?」
アムロ「……あれか! カミーユ、撃て!  わからなくてもいい
 俺の言う通りにしろ!」
カミーユ「は、はい!」
(サイコガンダムに爆煙)
フォウ「ああぁぁぁぁーっ!?」
(サイコガンダムが撤退)
カミーユ「フォウ……!?」
アムロ「大丈夫だ。死んではいない」

〈vs アレンビー〉

ドモン「アレンビー! なぜだ!?」
アレンビー「ドモン……」

[説得](ドモン)

ドモン「アレンビー!」
アレンビー「え……? ドモン?  本当にドモンなの!?」
ドモン「アレンビー、なぜお前が」
アレンビー「しかたがなかったのよ。 軍の施設で育てられたあたしには
 他にどうすることもできなかったんだから。 でもドモン、あなたに会えてよかった。
 お願い、一緒に連れていって」
ドモン「アレンビー……いいだろう、来い!」
ウォン「おやおや、これはいけません。 バーサーカーシステムを起動しろ!」
(バーサーカーモード)
アレンビー「うあぁぁぁ……やめて! お願いだから システムを切って! ドモン、助けて!」
ドモン「どうしたんだ、アレンビー!」
アムロ「さがれドモン。戦闘を強制する システムが遠隔コントロールされている
 残念だが今、 彼女を救うのは無理だ」
ドモン「し、しかし!」
アムロ「目的を果たさずに死ぬつもりか、 ドモン・カッシュ!?」
ドモン「クッ……」
(アレンビーの機体がBモードに変更、『気合』)

[Bモード]

アレンビー「さぁ、ファイトしようよぉぉぉーっ!!」
ドモン「アレンビィィィィーッ!!」

〈ネオホンコンシティ〉

アーク「さすがですね、アムロ・レイ大尉」
ベルトーチカ「第一印象を取り消さなくてはね 眠りから覚めたアムロ・レイ……
 おびえる男はキライだけど、 好戦的なのもイヤね……」

(速い足音)
ベルトーチカ「アムロ、アムロ! よく、無事で……」
アムロ「痛いよ、ベルトーチカ……ちょっとごめん
 ……カミーユ」
(足音)
アムロ「カミーユ、サイコガンダムには近づくな。 あれは危険だ」
カミーユ「なぜ、そんなことがわかるんです!」
アムロ「……経験がある。 彼女には近づくな」
カミーユ(彼女……わかるのか?)
カミーユ「勝手をいわないでください」
アムロ「カミーユ!」

クワトロ「強化人間か……」
アムロ「おそらく。だが、カミーユと共感 している。危険すぎる」
クワトロ「……あのときと同じだと?」
アムロ「あなたにだって、わかっているはずだ」
クワトロ「……そうだな」

ブライト「予定数は積み込んだんだな?」
アポリー「そのはずです」
ブライト「はずじゃこまるんだよ。 ちゃんと確認しろ」
アポリー「積み終わってます。大丈夫です」
ブライト「よし、敵の第2波が来るまえに、 ホンコンを脱出する」
葉月博士「艦長、チベットへ行ってくれ」
ブライト「チベット? なぜです?」
葉月博士「解放戦線が確保している 戦艦がある
 アウドムラでは小回りがきかない分、 敵に発見されやすいだろう
 アウドムラはカラバで 運用してもらえるよう話はついている」
ブライト「わかりました。 ではアウドムラはチベットへ向かいます」
葉月博士「よろしく頼む。 私は同行できないが
 藤原たちの面倒もみてやって ほしい。問題児ばかりだがね」
ブライト「頭の痛いことです」

(アウドムラでチベットへ)
エイジ「すまない、ちょっと来てくれないか」
アーク「どうしたんです?」
デビッド「どうしたもこうしたもあるかよ。 あのガキをなんとかしやがれ」
アーク「ガキ?」
レラ「離せっていってるだろ!!」
アーク「あいつ……なんだって、まだいるんだ」
(足音、扉が開閉する)
アーク「お前、ホンコンで降りなかったのか?  葉月博士に頼んでおいたのに」
レラ「そんなの、アタシの勝手だろ!  それともなに、知らないうちに
 乗せたくせに、今度は 無理やり降ろそうっていうわけ!?」
アーク「そんなこといってないだろ!  なんなんだよ、お前は!
 大体カンザスに戻りたがってたのは お前の方じゃないかよ」
レラ「別にあんたたちに迷惑かけようって わけじゃない
 あそこに戻ってもどうにもならないって わかっただけさ
 ムゲ野郎やスペシャルズと戦うんなら あんたたちと一緒にいるのが
 一番いいみたいだから、残ったんだ。 それが悪いっていうのかよ?」
アポリー「なにやってんだ、お前たち。 いいじゃないか、人手はたりないんだ
 何も知らない奴よりは 役に立つだろう」
アーク「僕は別に反対はしてませんよ」
アポリー「ならいいじゃないか。そういうことだ、 そのかわり、ちゃんと働けよ」
レラ「わかってるよ。礼はいわないからね」
(速い足音)

アポリー「どうしたんだ、あいつ?」
デビッド「さあ?」

〈ネオホンコンシティ〉

レディ「強化人間だの何だのと、 あまりあてにはならんな」
ウォン「それはひどいおっしゃりようですな。 あれはまだまだ実験段階だと
 申し上げておいたはずですよ」
レディ「ふん、 では追撃隊は出せないというのだな」
ウォン「いえいえ、そうは言っておりませんよ、 レディ・アン特佐。ただ私も
 帝国からネオホンコンをあずかって いる以上は、あまり無理はできない
 というわけでして。事情は ご理解いただきたいものですな」
レディ「どちらでも同じことだ。まぁよい。 追撃隊はこちらで手配する
 ただし、多少の兵は出してもらうぞ」
ウォン「それはもちろんですとも」


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