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絶望と奈落への降下 ~ 第39話 ~

〈敵機全滅〉

トーレス「フィフス、中間圏に突入!  突入速度はこちらの予測値を 13%オーバー!」
トーレス「大気圏突入能力のない機体では これ以上の追跡は無理です!」
ブライト「く…ここが限界か!  各小隊、指定の位置につけ!」
(戦艦も含め、各小隊がフィフス・ルナを囲んで整列する)
ピート「まずいな…。 連戦でかなり戦力を消耗した…!」
サコン「さらに周辺の大気の層と フィフス落下の運動エネルギーが こちらの攻撃を防ぐ壁となっている…!」
「ここまで来たらやるしかない!!」
甲児「ああ! クワトロ大尉に 教えてやるんだ! 世の中、そう簡単に 思い通りにはいかねえってことをな!」
ブライト「各機、一斉砲撃準備!  攻撃目標…フィフス・ルナ!」
カミーユ「………」
鉄也「………」
アムロ(シャア…!)
ブライト「撃ち方用意っ!」
トーレス「ま、待って下さい!  こちらに高速で接近する機体を確認!」
ブライト「何だとっ!?」
(西端にノイエ・ジールが出現)
コウ「ガトーかっ!?」
ガトー「αナンバーズ!  貴様達に星の屑の邪魔はさせん!」
(ノイエ・ジールの傍にミサイルが2機出現)
キース「か、核!?」
バニング「いかん!  ミサイルを撃ち落とせっ!」
バニング「奴は核で フィフスを加速させる気だっ!」
コウ「ガトー!」
ガトー「今、ここに星の屑は成ったぞ!」
(ノイエ・ジールとミサイルが爆煙を伴ってフィフス・ルナまで移動、ミサイルはフィフス・ルナまで到達し爆発。閃光)

[光の中]

トーレス「フィフス加速!  駄目です! 追いきれません!」
ブライト「撃て! 各機、撃つんだっ!  フィフスを破壊しろっ!!」
(各機の攻撃、爆発)
アイビス「だ…駄目なの…!」
アムロ「全ては遅かったのか…!?」
(落下、墜落、爆発震動)

《アクシズ・EARTH AREA》

[執務室]

ハマーン「そうか… フィフス・ルナが地球に落ちたか」
シーマ(赤い彗星もやってくれるね。 地球に核の冬を来させようってのかい)
イリア「ハマーン様…」
ハマーン「イリア、各部隊を戦闘配備に つかせろ。おそらく異星人艦隊は コロニーに討ってくるぞ」
イリア「は…!」
ハマーン(ジュドー…αナンバーズ…。 まだまだ終わりではないぞ…)

《移動中 月付近・EARTH AREA》

[ゼーラ・指令室]

(ゼーラ通信)
ダリウス「地球は壊滅的な打撃を受けたか」
ダンケル「は…!  ですが、ゼーラの民の移住には 問題はないでしょう」
ダリウス「そうか…。奇しくも、 数時間ほど前、我らのゼーラ星も ブラックホールに飲み込まれた…」
キラー「な…何と…!?」
ダリウス「生き残ったゼーラの民は 今はワシと共に地球を目指しての 航海に入った」
ダリウス「こちらは太陽系の外れにて 待機し、お前達からの吉報を待っているぞ」
アシモフ「お任せを…」
デスモント「残る人間共を 皆殺しにして、必ずや地球を 第2のゼーラ星にしてみせましょう」
ダリウス「うむ…。 また、小バームのオルバンには 例の策を実行させよ」
ダンケル「例の処置ですな…。 フフフ…これで我々は無限の兵力を 手に入れますな」

《移動中 地球付近・EARTH AREA》

[レウルーラ・ブリッジ]

ナナイ「…大佐、 フィフス・ルナはほぼ予定通り ラサに落下しました」
シャア「…ほぼと言うのは?」
ナナイ「αナンバーズの攻撃により フィフスの質量が予定の80%に 減少していた点です」
シャア「そうか。 彼らは最後まで抵抗を続けたか…」
ナナイ「…しかし、地上の被害は 予定通りと言ってもいいでしょう。 作戦は成功です」
シャア「…計画半ばとは言え、 これで一つの目標をクリアしたか」
ナナイ「また、フィフス落下と 時を同じくして地下勢力が大規模な 攻撃活動を再開しました」
ナナイ「おそらくミケーネ帝国と 思われます」
シャア「………」
ナナイ「ミケーネは連邦の 指揮系統の混乱をつき、全世界で 電撃作戦を展開…」
ナナイ「ほぼ地球全土において 人類とミケーネの戦いが開始されました」
シャア「…そうか…。 地球の人間にとって災厄が続くな…」
(通信)
ナナイ「ジュピトリス9の クラックス・ドゥガチからです」
シャア「正面モニターに回してくれ」
(モニターオン)
ドゥガチ「見事な手並みだ、シャア…。 赤い彗星の面目躍如といったところだな」
シャア「賞賛の言葉は不要だ。 私はやるべきことをやったまでだ」
ドゥガチ「ならば、早めに次の作戦に 出ることを勧めよう」
シャア「………」
ドゥガチ「このジュピトリス9には 地球全土を完全に灰にするだけの 核兵器を搭載している」
ドゥガチ「地球人の混乱をつき、一気に 最終作戦を決行しようではないか」
シャア「…今はその時ではない」
シャア「最終作戦の決行は 重力に魂を引かれた人間に 自らの行為を顧みさせてからだ」
ドゥガチ「シャア・アズナブル… いざとなって臆したか…?」
シャア「クラックス・ドゥガチ… そちらの目的は別にあるだろうが、 作戦は予定どおりに進行する」
ドゥガチ「…フフフ… その余裕、いつまで保てるかな…?」
(モニターオフ)
シャア「…………」
ナナイ「…いかが致しますか、大佐?」
シャア「今、ドゥガチは 我々と事を構えるつもりはあるまい」
シャア「だが、 地球圏のパワーバランスが崩れた以上、 異星人は動きを見せるはずだ」
シャア「当面は 我々で彼らの相手をせねばなるまいな」
ナナイ「それについては、 既にガトー少佐やギュネイらを 各防衛ラインに向かわせています」
ナナイ「同時にアクシズのハマーンに 対しても牽制をかけます」
シャア「今回の 作戦成功をねぎらう間もなくか…。 ナナイにも彼らにも苦労をかける」
ナナイ「いえ、悲願の達成を前に 将兵達も高い士気を維持しております」
シャア「…………」
シャア(これで歴史が動き出す…。 アムロ…生きているのなら 私の意志を感じてみせろ)
シャア(戦いは次のステージへ進むぞ…。 人の革新と共にな…)


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