コウ「艦隊の一部は後退したか…」
バニング「追撃を続行するぞ!
奴らを叩いて少しでも
ネオ・ジオンの戦力を削るんだ!」
モンシア「了解!
とことんまでやってやりますぜ!」
アイビス「…バニング大尉、
アルテリオンはダメージにより
追撃は不可能です」
バニング「では、回収を回す。
一度、艦に戻れ」
ツグミ「いえ、修理は私達だけで可能です。
応急処置が終了した後、すぐに皆さんを
追います」
バニング「………」
バニング「…わかった。
何か起きた場合はすぐに連絡しろ」
アイビス「了解」
キンケドゥ「…負けるなよ、アイビス」
アイビス「う…うん…!」
(アルテリオン以外の味方機が撤退)
ツグミ「気付いていた人もいたみたいね…」
アイビス「ああ…。
…こっちの準備はいいよ、スレイ」
(アルテリオンが戦闘宙域の中央北東よりへ移動、ベガリオンが南端に出現し、少し北へ移動)
スレイ(兄様…。
ここで全てを決します…。
愚かな妹を許して下さい…)
アイビス「スレイ…お望み通り、
あたし達だけであんたの相手をするよ」
スレイ「アイビス…、
私の申し出の受諾に感謝する」
アイビス「お礼なんて要らないよ。
決着をつける気なのは
あたしも一緒だったからね」
スレイ「そうか…」
ツグミ(スレイの発する気が変わった…?
以前のような気負いが感じられない…)
スレイ「戦いの前に聞きたい事がある…。
アイビス…アルテリオンで
お前は何をするつもりだ…?」
アイビス「銀河を飛ぶ事…、
そして、その前にあたし達の地球を
守るために戦う事よ」
アイビス「逆に聞く。
スレイ…あんたは何をする気なの?」
スレイ「…何だろうな…」
ツグミ「スレイ…」
スレイ「気付いていたさ…。
私には何も無い事は…」
スレイ「プロジェクトTDにいた頃から
そうだった…。銀河を飛ぶ事は
私にとって兄様のためだった…」
スレイ「兄様の喜ぶ顔を見たくて…
ただ、それだけのために
私はナンバー01の座にいた…」
アイビス「………」
スレイ「兄様を失い、プロジェクトTDが
解散した後、私に残されたのは
シリーズ77を求める事だけだった…」
スレイ「しかし、アルテリオンと
ベガリオンを手に入れても、
そこから先が私には無い…」
アイビス「スレイ…」
スレイ「情けない話だ…。
私は兄様の夢を継ぐお前に
嫉妬していたのさ…」
スレイ「私の兄様を…兄様の全てを
取られたような気がしてな…」
ツグミ「スレイ…。
では、私達の前に現れたのは
何のためなの…?」
スレイ「…全てを失ったと思っていた
私にたった一つだけ残されたものが
ある事に気付いたのさ…」
スレイ「それはアイビス…、
お前に勝つ事だ…!」
アイビス「スレイ…!」
スレイ「この戦いに兄様は関係ない…。
私は私自身の誇りに懸けて、最大の
ライバルであるお前を倒す!」
アイビス「…スレイ、
やっと自分の言葉でしゃべったね」
スレイ「何…?」
ツグミ「あなたはフィリオの呪縛から
解放されたのよ。もう、あなたは
兄の霊に憑かれた亡者ではない…」
ツグミ「スレイ・プレスティという
生きている一人の人間だわ」
アイビス「そんな、あんたなら
あたしも全てを懸けて戦えるよ」
スレイ「アイビス…」
アイビス「さあやろうよ、スレイ。
これが最初で最後の本当の勝負よ…」
アイビス「あたしが勝ったら
あんたにはあたしの言う事を
聞いてもらうよ」
スレイ「いいだろう。
だが、私が勝った時は…」
ツグミ「勝った時は…?」
スレイ「それは、その時に考えるさ…!」
(アルテリオンとベガリオンが時計回りに4分の一周)
スレイ「行くぞ、アイビス!」
アイビス「負けないよ、スレイ!
そいて、あんたにも教えてあげるよ…
フィリオとあたし達が夢見たものを!」
(アイビスに『気合』、作戦目的表示)
スレイ「兄様…、
これで兄様のところへ行けます…」
スレイ「…馬鹿な妹をしかってね…、
お兄ちゃん…」
アイビス「スレイ!
勝手に死なないでよ!」
ツグミ「あなたのベガリオンは
その程度のダメージでは爆発しないわ」
スレイ「アイビス…ツグミ…」
アイビス「約束よ…スレイ。
わたしが勝ったのだから、言う事を
聞いてもらうわ」
スレイ「いいわ…それが約束だもの…」
アイビス「あたしからのお願い…、
それはあんたにもフィリオの夢を
継いでもらう事よ」
スレイ「アイビス…」
アイビス「思い出して、スレイ…。
あんた、プロジェクトTDにいたのは
自分の意志じゃないと言ったけど…」
アイビス「銀河を飛ぶのはイヤ?」
スレイ「…そんな事は…ない…」
アイビス「そうよ…。
スレイ、あんたは自分の夢を
見失っていただけよ」
ツグミ「フィリオのためじゃなく
自分のために私達と行きましょう。
同じ夢を紡ぐ仲間として…」
スレイ「アイビス…ツグミ…」
(南東側にシーマ部隊が出現)
シーマ「フフフ…こんな所を
うろついてる奴がいるとはね」
アイビス「ネオ・ジオン…!?
さっきの部隊が戻ってきたの!」
ツグミ「違うわ。
あの戦艦…ハマーン艦隊のものよ」
シーマ「偵察だけじゃ
物足りなかったところさね…。行きがけの
駄賃をもらっていくとするかねえ」
ツグミ「どうやら、
攻撃目標は私達のようね」
スレイ「…アイビス、逃げろ」
アイビス「スレイ、何言ってるのよ!?」
スレイ「私はお前に大きな借りを
作ってしまった…。
だから、それを今この場で返す!」
ツグミ「無茶よ、スレイ!
ベガリオンはかなりのダメージを
受けているのよ!」
スレイ「早く行け!
…私は…仲間を失いたくない…」
アイビス「スレイ…」
ツグミ「………」
ツグミ「アイビス、スレイ…よく聞いて…。
それぞれの機体に今から言うコードを
入力して…」
ツグミ「…H・Y・P・E・R・7・7」
スレイ「これは、まさか…!?」
アイビス「HYPER…?
何をする気なの、ツグミ!?」
ツグミ「説明している時間はないわ!
二人共、私の指定するフォーメーションを
最大戦速で!」
アイビス「ちょっと待ってよ!
この軌道って激突一歩手前じゃない!」
ツグミ「あなた達なら出来るわ。
全てのタイミングは私がとるから
二人は機体コントロールに集中して!」
スレイ「了解!」
アイビス「…よくわかんないけど
ツグミ、あんたを信じるよ!」
ツグミ(フィリオ…!
お願い…私達に力を貸して…!)
(アルテリオンとベガリオンが北へ移動)
シーマ「何をする気か知らないが、
逃がしゃしないよ!!」
アイビス「行くよツグミ、スレイ!」
スレイ「了解!」
ツグミ「フォーメーション・ヘリオス
スタート!」
スレイ「翔けろ、ベガリオン!」
アイビス「行っけーっ!」
【デモイベント『フォーメーション・ヘリオス』】
(アルテリオンとベガリオンがハイペリオンに合体)
シーマ「な、何なのさ、あれ!?」
アイビス「これは…!?」
ツグミ「アイビス、機体コントロールを
確認して! スレイはテスラ・ドライブと
火器管制コントロールを!」
スレイ「アイ・ハブ・コントロール!」
アイビス「ア…アイ・ハブ・
コントロール!」
ツグミ「コンディション・グリーン!
テスラ・ドライブα・β、
シンクロニティ100%!」
ツグミ「…二人共、よく聞いて…。
この機体こそがプロジェクトTDの結晶、
ハイペリオンよ」
アイビス「ハイペリオン…」
スレイ「ハイペリオン…
星の神達を生み出した太陽神の父か…」
スレイ(兄様…この機体からは
確かに兄様を感じます…)
ツグミ「フィリオは私達にこの機体を
残していったわ…。この機体こそが
フィリオの生きた証よ…」
アイビス「わかったよ、ツグミ…。
ハイペリオンとフィリオの夢、
今、確かに受け取った…!」
スレイ「アイビス、敵が来るぞ!」
アイビス「二人共、行くよ…!
フィリオと共に銀河を飛ぶ日まで
あたし達は戦い抜く!」
(アイビスに『気合』、作戦目的表示、ヒュッケバインMk-IIIトロンベとヒュッケバインMk-IIIが南端に出現)
レーツェル「…間に合ったか」
ヴィレッタ「ええ。
でも、心配することはなかったようね」
スレイ「あの機体…
ヒュッケバインMk-III!?」
ツグミ「しかも黒いカラーリングに
あの紋章…!」
レーツェル「フッ…二つの星の輝きが
ようやく一つとなったか…」
ツグミ「もしかして、あなたは…!?」
レーツェル「…私の名前は
レーツェル・ファインシュメッカー。
君達を助けに来た」
ツグミ「レーツェル…?」
アイビス「助けにって…
どうして?」
レーツェル「我が友の願いが
込められた機体を失うわけにはいかない…。
この答えでは不服かね?」
アイビス「我が友…?
あんたもフィリオを知っているの?」
レーツェル「ああ、古い友人だ」
ヴィレッタ「レーツェル、
それ以上話をしている時間はなさそうよ」
レーツェル「そうだな。
では、これより君達を援護する」
ツグミ「了解しました。
この際、助っ人は大歓迎です」
スレイ(感謝する…
レーツェル・ファインシュメッカー…)
アイビス「ベガリオン以上の最高速度に
アルテリオン以上の運動性…
これがハイペリオンの力…!」
スレイ「アイビス!
火器管制と出力コントロールは
こちらに任せろ!」
アイビス「スレイ…!」
ツグミ「ハイペリオンは私達三人の機体よ。
アイビス、あなたは一人じゃないわ!」
スレイ「ツグミの言う通りだ。
フォローは私達に任せろ!」
アイビス「ツグミ、スレイ…。
行くよ!」
レーツェル「新しいトロンベの力…
試させていただく!」
ヴィレッタ「出力が抑えられているとは言え…
やはり、いい機体ね」
シーマ「変形に合体とは
αナンバーズらしい忌々しい機体だよ!」
アイビス「オバサンが憎いのは
あたし達の若さじゃないの!?」
スレイ「よしな、アイビス。
図星をついては相手を怒らせるだけだ」
シーマ「こ…小娘共が…!」
ツグミ「ほら怒っちゃった!」
シーマ「ち…!
この借りは必ず返すよ!」
(ガーベラ・テトラが爆発)
ツグミ「敵機の後退を確認…!
戦闘ミッション終了…」
スレイ(兄様…今日から
スレイは自分の意志で歩きます…)
スレイ(そして、いつの日か
このハイペリオンで兄様の夢見たものを
見させてもらいます…)
アイビス「ハイペリオン…
この機体なら本当に銀河の果てまでも
飛んでいける気がするよ…」
ツグミ「アイビス、スレイ…
そのためには私達の力を一つにする
必要があるわ」
アイビス「わかっている…。
今日からスレイもあたし達の
仲間だからね」
スレイ(ありがとう…アイビス…)
アイビス「さあ行こうよ…。
きっとαナンバーズのみんなも待っている」
(敵機が残っているとここで撤退)
レーツェル(…これでいいのだろう?
我が友、フィリオ・プレスティよ…)
ツグミ「…それで、ネオ・ジオンの
追撃はどうなったのです?」
ベラ「残念ながら、途中で敵艦隊を
ロストしました」
キンケドゥ「どうやら、今回も
陽動が目的だったらしい」
アイビス「そう…」
ツグミ「ネオ・ジオンの動き、
気になりますね…」
キンケドゥ「ネオ・ジオンについては
そちらのお嬢さんの方が
よくご存知じゃないかな?」
スレイ「…知らんな。私は一兵士として
戦場に立っていただけだ」
ツグミ「ベラ艦長、スレイが
ネオ・ジオンに所属していたのは
事情があったためです」
ツグミ「お願いです…。
せめて、この戦いが終わるまでは
あたし達といさせて下さい」
ベラ「………」
スレイ「罪の償いはいずれする…。
だが、今はアイビス達に協力したいと
いうのが偽らざる想いだ」
ベラ「…わかりました。
スレイ…あなたのαナンバーズ加入は
私が責任をもって承諾します」
アイビス「ベラ艦長…」
ベラ「元々、私達も宇宙海賊ですからね。
他人の過去をとやかく言えるような
身ではありません…」
スレイ「………」
ベラ「…あなたが自分のしてきた事を
罪と思うのならば、その力を
人々のために役立てて下さい」
ベラ「それこそが最良の償いであり、
お兄様もお喜びになるでしょう」
スレイ「寛大な処置に感謝する…」
アイビス「スレイ…、
これであんたも今日からあたし達の
仲間だよ」
スレイ「ああ…。
よろしく頼むぞ、アイビス」
アムロ「久しぶりだな、ヴィレッタ大尉」
ヴィレッタ「ええ。
遅くなったけど、私もαナンバーズに
加えてもらえるかしら?」
バニング「妙な遠慮はいらん。
我々は共に戦ってきた仲間だからな」
ヴィレッタ「フ…受け入れを感謝する」
アイビス「…と言うわけで
今日からスレイもあたし達と
戦う事になったの」
ツグミ「皆さんもよろしくお願いします」
ビーチャ「しかし、この間まで
敵だった人間をいきなり仲間って
言われてもなあ…」
モンド「ほんと、ほんと…」
スレイ「………」
ビーチャ「な…何でもありません!」
モンド「こ…こちらこそよろしくです!」
トビア「こ、この無言の威圧…、
初対面の頃のアイビスさんと
同じだ…!」
デュオ「何だよ、じゃあ結局は
アイビスとは似た者同士って事か?」
勇「有り得るな。
だからこそ、あれほどまでに
反発し合ったのかもな」
スレイ「言葉に気を付けてもらおう。
この私をアイビスと一緒にするな」
アイビス「スレイ…!
これから一緒にやっていく仲間に
何て言い方よ!」
スレイ「余計な口出しは無用だ。
私はお前に協力を約束したが
世話を焼くように頼んだ覚えはない」
アイビス「そんな態度でこの先、
やっていけると思っているの?」
スレイ「フン…
負け犬に説教されたくないな」
アイビス「その負け犬に負けた
あんたは大負け犬よ!」
デュオ「おいおい…、
それじゃ負けず嫌いって言うより
ガキのケンカだぜ」
スレイ「…忘れるな、アイビス。
ハイペリオンのメインパイロットの座は
お前に預けているだけに過ぎない」
スレイ「この戦いが終わったら
あらためてお前にハイペリオンを賭けて
勝負を申し込む…!」
アイビス「望むところよ。
何度でも返り討ちにしてあげるから!」
比瑪「すごい…!
あのアイビスに負けてない…!」
フォウ「ねえ…ツグミ…、
あのスレイも何かトラウマを
抱えているの…?」
ツグミ「う~ん…スレイの場合、
あれが地の性格なのよ…困った事に…」
ルー「また問題児の登場ね…。
ブライト艦長やバニング大尉も
苦労するわ…」
イルイ「………」
スレイ「何だ…お前は?」
アイビス「…覚えていない、スレイ?
地球であんたがあたしを襲った時の
事を…」
スレイ「お前が子供を乗せていた時か…。
まさか…?」
ツグミ「そのまさかよ。
イルイは、あの時にアルテリオンに
乗っていた子よ」
イルイ「………」
スレイ「う…」
ツグミ「どうやらイルイはスレイを
覚えていたみたいね」
アイビス「スレイ、
あんたはイルイに嫌われたようだね」
スレイ「…そう言うな…。
あの時の事は後で私も反省した…。
手段を選ばないにも程度があると…」
イルイ「スレイさん…、
スレイさんはアイビスの友達なの?」
スレイ「う…」
ツグミ「スレイ…イルイの瞳の前で
嘘はつけないわよ」
イルイ「答えて、スレイさん」
スレイ「う…うう…アイビスは…」
イルイ「アイビスは…?」
スレイ「…私の仲間だ…」
イルイ「…じゃあ、私にとっても友達ね。
よろしく、スレイさん」
スレイ「…あの時は済まなかった。
こちらこそよろしくな」
イルイ「はい…!」
ツグミ「スレイ…
他にも謝ることがあるんじゃない?」
スレイ「Gアイランドで
戦艦に攻撃を仕掛けたことか…?
…あれも済まなかった」
ツグミ「それもあるわね」
スレイ「…もしかして、
DCにいた頃に服のシュミに文句を
言ったことか?」
ツグミ「あれも許してないけどね」
スレイ(く…意外に執念深い…)
イルイ「スレイさん…、
ツグミさんはフィリオさんのことを
言っているんでは?」
スレイ「!」
スレイ「そうだな…。
私は兄様にも謝らなくては
ならなかったな…」
スレイ「ありがとうな、イルイ。
大事なことを思い出させてくれて」
イルイ「はい…」
スレイ「フ…アイビス…、
お前が自分を取り戻した理由が
少しわかったような気がするよ…」
アイビス「スレイ…」
スレイ「まさか兄様を失った後に
こういう趣味に走るとはな…」
アイビス「な…何言ってるのよ!?」
スレイ「隠す必要はない。
少なくともイルイがお前を見る目は
尋常ではないからな」
アイビス「スレイ…あんたねえ…!」
(アラート)
ブライト「どうした!?」
トーレス「フィフス・ルナの駐留部隊より
緊急入電! 現在、ネオ・ジオン艦隊の
攻撃を受けているようです!」
ブライト「フィフス・ルナ!?
資源小惑星を奪取するつもりか!?」
トーレス「現時点で敵の目的は不明です!」
アムロ「このタイミングで
動くのはシャアに違いない…!」
アムロ「だが、フィフスを奪取して
何をするつもりだ? スウィート
ウォーターへ運ぶつもりだとでも…」
アムロ「! まさか!?」
ブライト「どうした、アムロ!?」
アムロ「ブライト、シャアの考えが読めたぞ!
すぐに艦をフィフスへ!!」
ブライト「シャアの考え!?」
アムロ「ああ、
奴はフィフスを地球へ落とす気だ!!」