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目覚めろジーグ!怒りの反撃!! クスハ ~ 第22話 ~

《太平洋上・WORLD AREA》

[ガルンロール・ブリッジ]

エリカ「………」
メルビ「どうしたのだ、エリカ?  もうすぐお前は俺の花嫁になる。 花嫁らしく、笑顔を見せたらどうだ?」
エリカ「…私はあなたとは結婚しません」
メルビ「フフフ…お前に怒りは似合わぬ。 花のように笑っていれば、 それでよいのだ…」
エリカ「メルビ補佐官…それ以上、 近寄れば私は自害します…!」
メルビ「ほう…」
マルガレーテ「お…おひいさま…!」
エリカ「私はあなたの人形ではありません。 自分の意志で考え行動する一人の人間です」
エリカ「そして、私の愛する人は この宇宙にたった一人しかいません…!」
メルビ「…竜崎一矢という地球人のために その命を散らす気か?」
エリカ「…後悔はしません」
メルビ「………」
エリカ「………」
メルビ「フフフフフ… フフフ…ハハハハハハハ…」
エリカ「メルビ補佐官…?」
メルビ「エリカ…。やはり、お前は 平和の使者に相応しい人物だよ」
エリカ「え…?」
メルビ「ダンゲ、こちらへ来てくれ」
ダンゲ「メルビ殿…やはり、我々の選択は 間違っていなかったようですな」
マルガレーテ「そのお方は…!?」
ダンゲ「私の名はダンゲ。 かつて、ボアザンの将軍だった男です」
エリカ「だった…?」
ダンゲ「ええ。 今はボアザン、バーム、ゼーラ各勢力に 存在する平和解放機構の一員です」
エリカ「平和解放機構…?」
メルビ「そうだ。3つの星の中にも 平和を愛する者達はいる…」
メルビ「彼らは軍部や指導者のやり方に 反対し、地球との和平を望む者達なのだ」
エリカ「そ、そのような 組織が存在していたのですか…!」
ダンゲ「リオン大元帥閣下の暗殺事件以降、 和平を唱える者達は軍部により 徹底的な弾圧を受けてきました…」
ダンゲ「ですが、我々はメルビ殿の導きで こうして地球にたどり着くことが 出来たのです」
エリカ「メルビ補佐官… あなたはいったい…!?」
メルビ「フフフフ……」
ダンゲ「大酒飲みの役立たずという姿は 全て演技…メルビ殿こそ我々の組織の リーダーなのです」
メルビ「オルバンの目を ごまかすのも一苦労でな。それで、 色々と芝居を打たせてもらった…」
マルガレーテ「しかし、 あなたはオルバン大元帥の甥…。 そのような組織を作られるなど…」
メルビ「血縁など関係ない。 俺はオルバンのやってきたことを 人間として許してはおけないのだ…!」
エリカ「メルビ補佐官…!」
メルビ「エリカ…お前に近づき、 海底城から連れ出すためとは言え、 色々と不快な思いをさせてしまった…」
メルビ「まず、その非礼を詫びよう」
エリカ「メルビ補佐官…いえ、メルビ様、 あなたが平和を愛する方であったことを 嬉しく思います…」
エリカ「しかし…何故、私を 海底城から連れ出してくれたのです?」
メルビ「…お前に 我々の活動を手伝ってもらうためだ」
エリカ「え…!?」
メルビ「お前は和平を主張しながらも 暗殺されたリオン大元帥の遺児…」
メルビ「そして、何よりもお前と 竜崎一矢の愛は我々の希望であり… 平和の象徴となるものだ」
エリカ「私と一矢が……」
メルビ「そして、エリカ… お前は真実を知らなくてはならない」
メルビ「リオン大元帥暗殺事件の真相と この戦いの裏にうごめくオルバンの 陰謀を…」
エリカ「………!」

《東京・JAPANESE AREA》

[軍事基地]

ノイン「では、バームとの交渉再開が 承認されなかったと…?」
リリーナ「…はい…。 残念ながら、軍部の猛反対を受けて…」
レディ「…現在の連邦軍は 極東支部の三輪長官を始めとする タカ派の人間が牛耳っている」
レディ「現在の情勢では、軍人が 幅を利かせるのも仕方のないことか…」
リリーナ(ヒイロ…。 これが私の限界なのでしょうか…?)
リリーナ(時代は話し合いよりも武力を 必要としているのでしょうか…)
???(イキマ)「…フフフフ………」
ノイン「! 何者だ!?」
イキマ「フフフフ… 俺の名はイキマ。邪魔大王国の将だ」
リリーナ「邪魔大王国!?」
ノイン「く! 警備の者は何をしていた!?」
イキマ「騒がれると困るのでな。 今は石になってもらっている」
ノイン「何だと!?」
イキマ「そういきり立つな。 俺は戦うためにここへ来たのではない」
リリーナ「では、何が目的なのです?」
イキマ「ヒミカ様の命令でお前を迎えに来た。 命が惜しくば、ついてきてもらおうか…」
リリーナ「どこへ連れて行く気ですか?」
イキマ「フフフ…無論、邪魔大王国だ」
リリーナ「………!」

《邪魔大王国本拠地 UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[祭壇]

ヒミカ「…よくぞ参った。 わらわは邪魔大王国の女王にして、 日本の正統なる統治者、ヒミカじゃ」
リリーナ「リリーナ・ドーリアンです。 早速ですが、ご用件を」
ヒミカ「ほう…そなた、臆しておらぬのか?」
リリーナ「このようなこと… 今の仕事に就いた時から覚悟をしています」
ヒミカ「気丈な娘じゃ。 ならば、我が邪魔大王国と地上の国の 橋渡しも出来ようぞ」
リリーナ「橋渡し…?  私達と話し合う気があると言うのですか?」
ヒミカ「そのとおり…。 わらわはそなたらに対し、邪魔大王国の 正当性を主張するつもりじゃ」
リリーナ「…では、お話をお聞きしましょう」
ヒミカ「元々、邪魔大王国は この日本に自然と共に栄えた国家…」
ヒミカ「我々は自然の恵みと共に生き、 平和な暮らしを営んできた。しかし、 その平和は突如として破られた」
リリーナ「………」
ヒミカ「そう… 異国から来た蛮族により、邪魔大王国は 滅亡の危機に追い込まれたのじゃ…」
ヒミカ「そこで、わらわは異次元科学を使い… 地底での長き眠りについたのだ」
リリーナ「そして…今の時代になって 目覚めたというわけですね?」
ヒミカ「そうじゃ。この国は元々我らのもの… それをそなたら人間に伝えたいのじゃ」
リリーナ「ならば…何故、最初に 話し合いの道を選ばなかったのです?」
アマソ「黙れ、小娘!  ヒミカ様がおっしゃったとおり、 日本は元々我らのもの!」
ミマシ「持ち主が自分のものを 取り戻すのは当然のことだ!」
ヒミカ「下がれ、アマソにミマシよ!  その者の言葉は至極当然じゃ!」
アマソ「は、ははっ…」
ヒミカ「リリーナ殿よ… わらわは自らの過ちに気づいたのじゃ」
ヒミカ「このままいたずらに戦火を広げれば、 日本そのものが滅びてしまう…。 そうなっては本末転倒じゃ」
リリーナ「…………」
ヒミカ「すでにわらわ達は取り返しの つかぬ所まで来ておるのか? 互いを 滅ぼし合う以外の道はないのか?」
リリーナ「…わかりました。 私は平和を願う人間の一人として、 女王の言葉を信じます」
リリーナ「私の方から連邦政府に働きかけ、 話し合いの場を設けることに致しましょう」
ヒミカ「おお…感謝するぞ、リリーナ殿」
ヒミカ「ビルドベースの司馬遷次郎博士なら 邪魔大王国のことをよく知っておられる。 必ずや、そなたの力になってくれよう」
リリーナ「司馬博士ですね。 早速、お訪ねしてみます」
ヒミカ「では、 そなたをビルドベースまで送ろう。 吉報を待っておるぞ」
リリーナ「はい…」
リリーナ(一刻も早く…このことを αナンバーズに伝えなければ…)
ヒミカ(フフフフ……)

《ビルドベース・JAPANESE AREA》

[ビッグファザー前]

遷次郎「………」
リリーナ「…女王ヒミカによる話は以上です」
シナプス「まさか、地下勢力側から そのような提案が出て来るとはな…」
ベラ「信用できるのでしょうか?」
大文字「それ以前に 連邦政府…いや、あの三輪長官が この話を受けるとは思えん」
美和「そうでしょうね…」
ベラ「司馬博士はどう思われますか?」
遷次郎「邪魔大王国の主張は 侵略者の理論に過ぎん…自分の勝手な理屈を 他人に押し付けているだけのものだ」
「父さんにそんなことが言えるのかよ?」
遷次郎「宙、今は私達で 言い争いをしている場合ではない」
「都合が悪くなったら、それか。 だいたい、あんたは俺の身体のことも…」
シナプス「そこまでにしたまえ。 今は司馬博士の意見を聞いているのだ」
美和「そうよ、宙さん。 余計な口をはさんじゃダメよ」
「チェッ…悪かったよ」
シナプス「…で、どうでしょう? 博士」
遷次郎「やはり、ヒミカの申し出は 何らかの罠だと考えるべきでしょうな」
シナプス「自分もそう思います」
リリーナ「では、お二人は 彼らとの話し合いに反対なさるのですか?」
シナプス「残念ながら… そういうことになりますな」
遷次郎「…平和を愛されておられるあなたの 主張はご立派ですし、共感致します」
遷次郎「しかし… 邪魔大王国と我々の間にあるのは、 種としての存続を懸けた戦いなのです」
リリーナ「…私の考えが 今はまだ理想に過ぎないということは 充分承知しています」
リリーナ「しかし、対立の解決を 武力に頼るだけでは駄目だと思います」
「この戦いは 元々向こうから仕掛けて来たんだ。 俺達だって好きで戦ってるわけじゃねえ」
リリーナ「だからこそ、 彼らが歩み寄ってきたこの機会を 逃したくはないのです」
ベラ「…………」
遷次郎(彼女の決意が 裏目に出なければいいのだが……)
シナプス「では、司馬博士… 我々は艦に戻り、警戒態勢に入ります。 …敵が現れるかも知れませんからな」
遷次郎「わかりました」
ベラ「それでは、失礼します」
(扉が開閉する・宙と美和以外が立ち去る)
遷次郎「…宙、卯月君。 二人はここに残ってくれ」
美和「…新しいジーグパーツの件ですか?」
遷次郎「いや、違う」
美和(!  も、もしかして…博士はあの話を…?)
「悪いが、父さん… 俺はあんたの説教を聞く気はねえぜ」
遷次郎「いや…。 折り入って、お前に話があるのだ」
「俺の身体の秘密を 話す気になったのなら、聞いてやるぜ」
遷次郎「秘密だと…?」
「俺だって馬鹿じゃねえ。俺の身体の 異常なまでのタフさ、あの強化スーツ… どう考えてもおかしいだろう?」
遷次郎「…………」
「極めつけはゾンダリアンだ。 奴は俺がただの人間じゃないと言った…」
「それに、 ミッチーや凱も何かを知っているようだ」
美和「そ、それは……」
「さあ、納得のいく説明をしてもらおうか!  俺の身体にはどんな秘密が 隠されてるって言うんだ!?」
遷次郎「…………」
「これ以上、何も知らないまま戦うのは 御免だ! 父さん、教えてくれ!」
遷次郎「…いいだろう。私もそのつもりで お前を引き止めたのだからな」
美和「は、博士…!」
遷次郎「卯月君…これ以上、宙に 真実を隠しておくことは出来ん。 今こそ、私は全てを話す」
遷次郎「いいか、宙…よく聞くんだ」
「…ああ」
遷次郎「お前の身体は人間のものではない。 サイボーグなのだ」
「!!」
「サイボーグ…! サイボーグだって!?  じゃあ、俺は…凱と同じ…!?」
遷次郎「そうだ」
遷次郎「かつて、私が発掘した銅鐸…。 それには邪魔大王国の秘密が隠されていた」
遷次郎「私は何があっても、銅鐸を ヒミカの手に渡すわけにはいかなかった」
遷次郎「そして…私はそれを守ると同時に、 奴らと戦うための力として お前をサイボーグに改造したのだ」
「お、俺はサイボーグ…!  人間じゃない…!」
「人間じゃないんだ!!」
美和「落ち着いて、宙さん」
「触るんじゃねえ!!」
美和「!」
「俺だけが知らなかった…!  自分が戦うためのマシンだってことを!」
遷次郎「…………」
「実の息子を改造するなんて、 それでも父さんは人間かっ!?」
遷次郎「…そうだ、宙。 見てのとおり、もはや私も人間ではない」
遷次郎「全ては、邪魔大王国から この地上世界を守り抜くためのことなのだ」
「う…!」
美和「宙さん… 邪魔大王国の侵略を食い止めるには、 こうするしかなかったのよ…」
「そんな勝手な理屈、誰が認めるか!  俺は自分も知らない間に 改造されちまったんだぞ!!」
美和「宙さん! 身体はサイボーグでも あなたの心は人間のはずよ!  どうして、それがわからないの!?」
「俺はミッチーとは違うんだ!  人間じゃない…サイボーグなんだぞ!」
遷次郎「宙…お前の力は 邪魔大王国を始めとする人類の敵と 戦うためのものだ」
「黙れ! もう戦いなんて御免だ!  あんたの言いなりになってたまるかよ!」
遷次郎「宙!」
(速い足音・宙が走り去る)
遷次郎「行ってしまったか…」
美和「博士…宙さんは私が説得してみます…」
遷次郎「構わん。 この現実を乗り越えぬ限り、宙は 今後の戦いを生き抜くことは出来ん」
遷次郎「そう… あの獅子王凱君のようにな…」
美和「…………」

[ビルドベース]

リリーナ(…シナプス大佐達の 賛同が得られなかったとは言え、 あきらめるわけにはいかない…)
リリーナ(戦いを完全になくすことは 困難でも…減らすことなら出来るはず…)
???(ミマシ)「…ドーリアン外務次官………」
リリーナ「!!」
???(ミマシ)「…ドーリアン外務次官……。 迎えに来たぞ……返答はいかに……?」
リリーナ「そ、それは…!」
ミマシ「フフフ…やはり、失敗したか。 ならば、銅鐸の在処を突き止めるまで」
リリーナ「もしかして、 あなた達は最初からそのつもりで…!?」
ミマシ「フフフフ…フハハハハハハ!!」


第22話
目覚めろジーグ!
怒りの反撃!!

〔戦域:ビルドベース周辺〕

(大空魔竜がビルドベースの傍に待機している)
「待て、宙! どこへ行くつもりだ!?」
「見てのとおり、大空魔竜を降りるのさ。 このままじゃ、身体に何をされるか わかったもんじゃねえからな」
「!!  まさか、お前…自分の身体のことを!?」
「ああ、とんだお笑いぐさだぜ。 俺達は同じサイボーグ同士ってワケだ」
「お前もそれを知ってて、 俺に黙っていたんだろう?」
「宙…真実を隠していたことは謝る。 だが、聞いてくれ…」
「うるせえ! 俺はお前みてえに 割り切ることなんて出来ねえ!」
「俺は自分の意志に関係なく サイボーグにされちまったんだぞ!!」
「それは……」
「! 待て、宙! あれを見ろ!」
ミマシ「聞こえるか、司馬遷次郎!  ドーリアン外務次官は俺が預かった!」
「あれは!?」
ノイン「リリーナ様!」
ミマシ「こやつの命が惜しければ、 銅鐸の在処を教えるのだ!!」
遷次郎「やはり、罠だったか…!」
リリーナ「あなた達は最初から私達と 話し合う気がなかったのですね…!?」
ミマシ「無論だ。 この国の正統な支配者は女王ヒミカ様…。 貴様らと話し合う必要などないわ」
リリーナ「あなた達の真意がそうなら、 私にも覚悟があります…!」
ミマシ「ほう、命が惜しくないと言うか。 だが、それが連中に通用するかな?」
トロワ「…人質を取られていては うかつな手出しが出来ないな」
ボス「この一大事にヒイロは どこへ行っちまったんだわさ!?」
デュオ「まあ、いつものごとく…って奴さ。 だから、心配するこたあねえぜ」
ボス「!?」
ピート「大文字博士、 敵はあの男一人だけではないはずです!  すぐに出撃命令を!」
大文字「しかし、ドーリアン外務次官が 人質になっている以上は…!」
ミマシ「ふふふ…司馬遷次郎よ。 早く銅鐸を出さねば、この女が死ぬぞ?」
遷次郎「…私の所に銅鐸はない」
ミマシ「何!?」
遷次郎「だから、人質を取っても無駄だ。 お前達があれを手にすることは出来ん」
「何だって…!?  親父はドーリアン外務次官を 見殺しにするつもりか!?」
(特殊通信)
遷次郎「そうではない。 宙…お前が外務次官を救出するのだ」
「俺に命令するんじゃねえ!  俺はあんたのマシンじゃないんだ!」
遷次郎「人一人の命がかかっているのだぞ!  お前がやらねば、誰がやるのだ!?」
「うるせえ!  俺はあんたの言いなりになって 戦うのはまっぴら御免なんだ!!」
(銃声)
「!?」
ミマシ「うぬっ…! 貴様、何者だ!?」
ヒイロ「…………」
リリーナ「ヒイロ!!」
ヒイロ「…そこを動くな」
「あいつ、いつの間に…!?」
ミマシ「馬鹿め、 生身一つでこのミマシに挑む気か!  しかも、こちらには人質がいるのだぞ!」
リリーナ「ヒイロ……!」
ヒイロ「俺を信じろ、リリーナ」
リリーナ「…はい…」
(銃声×2)
ミマシ「ククク…なかなかいい狙いだ。 だが、この俺の身体に銃弾など通用せん!」
ヒイロ「……!」
ミマシ「その細首、引きちぎってやる!!」
(人が倒れ、ミマシが動く)
ヒイロ「ぐ…!!」
ミマシ「グハハハ! 死ねぇい!!」
ヒイロ「…お前の負けだ」
ミマシ「何!? どういうことだ!?」
ヒイロ「俺を殺すために お前はリリーナを放した…」
ミマシ「!!」
ヒイロ「それに、狙い所は他にもある」
(銃声×3)
ミマシ「ぐわっ!  き…貴様、俺の生身の部分を!?」
「よし、後は俺に任せてくれ!!」
(獅子王凱が出現)
ミマシ「!?」
「くらえ! ウィルナイフッ!!」
(獅子王凱がミマシのいる所を通り抜け、ミマシのいる所に爆煙、獅子王凱は北側に隣接し振り返る)
ミマシ「ぐおおっ!」
「ドーリアン外務次官は 返してもらったぜ!!」
ミマシ「お、おのれ! 覚えていろ!」
(速い足音・ミマシが走り去る)
「大丈夫か、ヒイロ!?」
ヒイロ「…ああ」
リリーナ「ヒイロ……また私のために…!」
ヒイロ「気にするな。戦いある限り… 俺はお前を守るためなら、あの頃に戻れる」
ヒイロ「戦うだけのマシンだったあの頃にな」
「…!!」
リリーナ「ヒイロ…」
「お、お前……!!」
(邪魔大王国軍が出現)
ミマシ「人間共め、 このままではすまさんぞ!!」
(ガルガとルゴンが獅子王凱の近くまで移動)
「!!」
「宙、ヒイロ! ドーリアン外務次官を 連れて逃げるんだ!!」
「あ、あの数を相手にするつもりかよ!?」
「ああ! αナンバーズが 出てくるまでの時間を稼ぐ!  だから、早く行け!!」
「な、何で、そこまで…!?」
「人を助けるのに理由などいるものか!  俺は生身の身体を失っても… 人の心まで捨て去った覚えはない!!」
「!!」
遷次郎「宙……今の言葉を聞いたか?  人間は信じるもの、愛するもののために 命をかけることが出来る…!」
遷次郎「身体が生身であるか、機械であるかは 関係ない! 大切なのは、その心なのだ!」
「……!」
(心…! 人間の心……!!)
(そうだ…!  身体が機械だろうと俺は人間だ…!)
(ならば、俺は…!!)
「うおおお!  チェンジ・サイボォォォォォグッ!!」
(サイボーグ宙が出現)
「宙!?」
ヒイロ「…………」
「凱、ヒイロ… 俺はお前達のおかげで目が覚めたぜ…!」
「俺は人間であることを 自ら否定するところだった…」
遷次郎「宙…!」
「だから、俺は与えられたこの力を… 人間・司馬宙として使う!」
「俺は人間の心を捨てずに戦う!!」
ミマシ「馬鹿め!  たかがサイボーグが一人増えたところで!」
(サイボーグ宙がヒイロの西隣まで移動、ガルガの前に爆煙)
「ヒイロ、 ここは俺と凱で引き受ける!  お前はドーリアン外務次官を!!」
ヒイロ「…了解した」
「おう!!」
【強制戦闘】
[格闘](援護攻撃(凱)[ウィルナイフ])vsガルガ(ハニワ幻人)[火炎]
(ガルガの火炎は当たるがサイボーグ宙のダメージは0)
ミマシ「おのれ、ちょこざいな真似を!」
「これで終わりだと思うなよ!!」
「命!  ファイナルフュージョンだ!!」
「了解!!」
「ミッチー、ジーグパーツを!!」
美和「オッケーよ、宙さん!!」
(ギャレオンとビッグシューターが出現し、それぞれ獅子王凱とサイボーグ宙に隣接、獅子王凱はガイガーに)
「ファイナルフュージョン、 プログラムドラァァイブ!!」
美和「ジーグパーツ、シューートッ!!」
「うおおお! ファイナルッ!  フュゥゥゥジョォォォォォォン!!」
「ビルド・アァァァァップ!!」
(サイボーグ宙とガイガーが撤退し、ガオガイガーと鋼鉄ジーグが出現)
「ファイナルフュージョン、完了!」
ミマシ「フン、合体したとて 俺達に勝てると思うなよ!!」
鋼鉄ジーグ「…言いたいことはそれだけか。 なら、鋼鉄ジーグと…」
「勇者王ガオガイガーが…」
鋼鉄ジーグ「貴様の野望を打ち砕く!  行くぞ、凱!!」
「おおっ!!」
(ガオガイガーと鋼鉄ジーグに緑の光、ビッグシューターが鋼鉄ジーグに合流)
美和「宙さん!  新しいジーグパーツ、マッハドリルが 使えるようになったわ!」
鋼鉄ジーグ「マッハドリル?」
遷次郎「宙、 マッハドリルはテストもまだの状態だ」
遷次郎「さらに猛スピードで飛来する マッハドリルとの合体は至難を極める。 …だが、今のお前なら出来るはずだ!」
鋼鉄ジーグ「ああ、任せろ!!」
大文字「各機、発進!  宙君と凱君をフォローするんだ!」
(出撃準備、作戦目的表示)

〈ミマシが戦闘に参加 or 3EP〉

(敵機増援が出現)
ミマシ「!?  アマソ、何をしに来た!?」
アマソ「決まっておる。 不甲斐ない貴様の救援よ」
ミマシ「何だと…!?」
イキマ「言い争いをしている場合ではない!  この機に何としても銅鐸を手に入れるぞ!」

〈vs ミマシ〉

[鋼鉄ジーグ]

鋼鉄ジーグ「今日の俺は一味違うぜ!  新兵器の力、見せてやる!」
ミマシ「調子に乗るな!  返り討ちにしてくれる!!」

[ヒイロ]

ヒイロ「今度は弾き返せると思うな」
ミマシ「やれるものならやってみるがいい!  先程の借り、ここで返してやるぞ!」
ヒイロ「もう一度言う。 弾き返せると思うな…!」

[凱]

ミマシ「貴様さえ現れなければ 全てはうまくいったものを!」
「世の中に悪の栄えたためし無しだ!  俺以外にもお前達の野望を阻む者は 無限にいるぞ!」

[撃墜]

ミマシ「お、おのれ…!  銅鐸も手に入れられずに…!!」
(ミマシ機に爆煙、撤退)

〈vs イキマ〉

[鋼鉄ジーグ]

イキマ「司馬宙よ!  命が惜しくば、銅鐸の在処を教えろ!」
鋼鉄ジーグ「俺に聞いても無駄だ!  俺だって知らねえんだからな!!」
イキマ「何…!?」

[撃墜]

イキマ「く、くそっ!  銅鐸さえ手に入れば、貴様らなど!!」
(イキマ機に爆煙、撤退)

《邪魔大王国本拠地 UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[祭壇]

ヒミカ「ええい、この愚か者共めが!  わらわの策を無駄にしおって!!」
イキマ「お…お許し下さい、ヒミカ様!」
ヒミカ「銅鐸の在処が わからぬとはどういうことじゃ!」
アマソ「そ、それが…どうやら、 ビルドベースに銅鐸はないようで…」
ヒミカ「!」
ミマシ「司馬遷次郎のあの自信… おそらく、銅鐸はビルドベースとは 別の…しかも、余程わかりにくい所に…」
アマソ「あるいは… すでに破壊されているやも知れませぬ」
ヒミカ「そんなことはあるまい。 あれは奴らにとっても重要な情報…。 例え、姿形を変えてでも……」
ヒミカ「! そうか……!」
イキマ「いかがなされました?」
ヒミカ「フフフ… やはり、そうだったのか…」
ミマシ「ヒ、ヒミカ様…?」
ヒミカ「司馬遷次郎め、 わらわの盲点を突きおったな…!」
アマソ「も、もしや… 銅鐸の在処がおわかりで!?」
ヒミカ「そうじゃ。 わらわ達にとって、最も手の届きにくい 隠し場所……それは……」

《ビルドベース・JAPANESE AREA》

[ビッグファーザー前]

「…俺の身体の中だって!?」
遷次郎「そうだ、宙。 ヒミカの手が最も及びにくい所…… それは鋼鉄ジーグの体内だ」
「この俺の中に……銅鐸が!?」
遷次郎「正確には銅鐸に記された秘密を マイクロカプセルへ移植し、 それをお前の身体に埋め込んだのだ」
「あ……あんたって人は…!!」
遷次郎「私を憎んでくれても構わん…」
遷次郎「だが、それほどまでの手段を 講じても、私は銅鐸の秘密を 守らなければならなかったのだ」
「秘密って…いったい何なんだ!?」
遷次郎「銅鐸の秘密…。 それは地獄の帝王を呼び出す秘術と 言われている…」
美和「地獄の帝王…?」
遷次郎「その正体は全く不明だ。 だが、過去の地球を支配していた 神のごとき存在だという…」
「そうか…邪魔大王国は その帝王とやらを復活させて、 地上を征服するつもりなのか…」
遷次郎「おそらく、 ヒミカも銅鐸の在処に気づいたはずだ。 以後、奴らはお前を狙ってくる…」
「…………」
遷次郎「覚えておくのだぞ、宙。お前が 倒れれば、銅鐸の秘密は奴らの手に渡る」
遷次郎「そして…その時には地獄の帝王が 復活することになるのだ」
「…やってやるさ。 相手が邪魔大王国だろうが何だろうが、 俺は戦ってやる」
「だが、忘れるな! それは 決してあんたに言われたからじゃねえ!  この俺の…人間・司馬宙の意志だ!」
遷次郎「いいだろう。 お前が人の心を忘れぬと言うのなら…」
「……行くぜ、ミッチー。 αナンバーズが俺達を待っている」
美和「ええ…」
(足音・宙達が立ち去る)
遷次郎「………」
菊枝「あなた…」
遷次郎「菊枝……聞いていたのか」
菊枝「はい…。 あの子は……宙は大丈夫でしょうか…?」
遷次郎「過酷な運命を背負っているのは 宙だけではない。そして、本人も そのことに気づいているはず…」
菊枝「………」
遷次郎「…宙は確実に成長している。 自分の意志で戦いに目覚めた宙は また一歩、戦士としての階段を上ったのだ」
遷次郎「後はあの子を信じよう。 鋼鉄ジーグは必ずやってくれるはずだ」
菊枝「はい…」

[マザー・バンガード・休憩室]

ジュドー「それにしても、驚いたぜ。 あの宙さんがサイボーグだったなんてさ」
一平「ま、何となくそうなんじゃねえかと 思っていたが…」
豹馬「これで、『不死身の宙』って あだ名に納得がいったぜ」
比瑪「何なの、それ?」
豹馬「ああ…あいつ、レーサー時代に そう呼ばれてたんだ。どんな事故を 起こしても生きて帰って来るってね」
ジュドー「へ~え…」
万丈「みんな… 宙の身体のことを話すのはよそう」
豹馬「どうしてだよ?  別に俺達…あいつがサイボーグだってこと、 変だとか思ってねえぜ」
万丈「本人の気持ちを考えるんだ。 やむを得ない事情があったとは言え… 自ら望んだことじゃないからね」
豹馬「そ、そうか…」
比瑪「…私達、無神経すぎたかも」
(扉が開閉する)
「…そんなに気を遣う必要はねえぜ」
万丈「宙…!」
「確かに、身体のことは ショックだったが…今は逆に疑問が晴れて スッキリしてるぐらいだ」
比瑪「…無理してない?」
「ああ。 泣き言を言ってちゃ、凱に笑われるからな」
「それに、 俺は心まで機械になったつもりはねえ」
万丈「…………」
万丈(そうだ…。彼らは人のエゴを 増長させたメガボーグとは違う……)
万丈(宙と凱なら… 人で在り続けようとしてくれるだろう…)

[ビルドベース]

ヒイロ「…行くのか? リリーナ」
リリーナ「ええ。例え、あのような結果が 待っているとしても…私は自分の使命を 捨てるつもりはありません」
リリーナ「必ず道があると信じて、 私は私の戦いを続けます」
ヒイロ「わかった……」
リリーナ「では…また会いましょう、ヒイロ」
(足音・リリーナが立ち去る)
デュオ「…あれでいいのかよ?」
ヒイロ「どういう意味だ?」
デュオ「傍にいた方が、余計な心配をしなくて 済むんじゃねえかってこと」
ヒイロ「…………」
ヒイロ「あの時、リリーナは 俺の助けを必要としていなかった…」
ヒイロ「あいつは すでに覚悟を決めている。だから、 俺が傍にいればその意志が揺らぐ…」
デュオ「………」
デュオ「…ま、何だかんだ言って ゾッコンなのは相変わらずってワケね」

[草原]

ノイン「…では、リリーナ様… 戻りましょうか」
リリーナ「ええ…」
???(エリカ)「…あの… リリーナ・ドーリアンさんで いらっしゃいますね?」
リリーナ「! あなたは…?」
エリカ「私、エリカと申します………」

[大空魔竜・ブリッジ]

大文字「何…!?  邪魔大王国の本拠地が判明した?」
サコン「ええ、ドーリアン外務次官は 緊急用に発信器を持っておられました。 ただ、反応は途中で消えていましたが…」
ボルフォッグ「途中までの追尾データと 今までの調査結果を検証したところ…」
ボルフォッグ「彼らの本拠地は91.4%の 確率で、阿蘇山の地底…CK3224 ポイントに存在していると思われます」
麗雄「ふむ…ようやく90%台か。 今までは結界らしきもののせいで、 所在地が確定できんかったからな…」
(通信)
ミドリ「大文字博士!  極東支部から緊急通信です!」
大文字「緊急通信…?」
(モニターオン)
三輪「三輪だ! αナンバーズは すぐに大阪へ急行しろ!!」
大文字「何があったのです?」
三輪「恐竜帝国の本隊が現れ、 攻撃を開始しておる!!  お前達はすぐに大阪へ行け!!」
大文字「!!」
ピート「恐竜帝国の本隊が!?」
三輪「そうだ!  奴らが先手を打ってきおったのだ!!」
サコン「本隊ということは、まさか…!」
三輪「市街中心部には敵の本拠地と 思われる移動要塞が出現しておる!」
三輪「これも貴様達がワシの命令に従わず 勝手な行動を取り続けていたためだ!」
三輪「今すぐ、αナンバーズは 大阪に向かい、恐竜帝国を殲滅せよ!  今すぐにだ!!」


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