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愛する者は、すでに亡く ゼンガー ~ 第19話 ~

《邪魔大王国本拠地 UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[祭壇]

ヒミカ「ええい!  まだ銅鐸の在処はわからぬのか!?」
イキマ「そ、それが… ビルドベースの守りは思いのほか固く…」
ヒミカ「愚か者め! 鋼鉄ジーグは不在、 その上にミケーネや恐竜帝国も動きを 見せておらぬこの時こそが…」
ヒミカ「わらわ達にとって最大の好機ぞ!  それをみすみす無駄にしおって!」
イキマ「も、申し訳ございません!」
ゴーゴン(…こやつらでは銅鐸を 見つけることは出来ぬか。ならば、俺が…)
ククル「ヒミカ様……」
ヒミカ「何じゃ、ククル? そなたは 銅鐸の手掛かりをつかんでおるのか?」
ククル「ええ、おおよその所は…」
イキマ(何…!?)
ゴーゴン(この女が…?)
ヒミカ「ほほう…。ならば、申してみよ」
ククル「おそらく、 銅鐸はビルドベース以外の場所に 存在していると思われます」
ヒミカ「何じゃと…!?」
ミマシ「馬鹿にことを言うな。 あれは司馬遷次郎によって奪われた物… 奴のビルドベースに隠してあるはずだ」
ククル「…はたしてそうでしょうか?  私には誰もが安易に思いつく場所に 銅鐸があるとは思えませぬが…」
アマソ「何? どういうことだ?」
ククル「ビルドベースは我らに対抗するための 拠点であると同時に…」
ククル「我らの目をごまかし、 注意を引きつけておくためのものでも あるということです」
ヒミカ「なるほど…。 ならば、そなたは銅鐸の手掛かりが どこにあると言うのじゃ?」
ククル「…それは司馬遷次郎の息子、 司馬宙…すなわち、鋼鉄ジーグ…」
イキマ「ハッ! いくら司馬遷次郎でも、 そんな愚かな真似はするまい」
ミマシ「そうだ。俺達が鋼鉄ジーグを倒せば、 それで終わりなのだぞ?」
ヒミカ「イキマとミマシの言うとおりじゃ。 司馬遷次郎も、もう少し気の利いた場所に 銅鐸を隠すであろうぞ」
ククル「………」
ヒミカ「じゃが…銅鐸のあるなしに関わらず、 鋼鉄ジーグは倒さねばならぬ」
イキマ「ヒミカ様、今一度私に機会を!  必ず奴を倒し、銅鐸の秘密を!」
ミマシ「いえ、その役目は私に!」
ヒミカ「そなたらは頼りにならぬ!」
イキマ「う…!」
ヒミカ「鋼鉄ジーグを倒すには いかにしたら……」
ヒミカ「そうじゃ、あれを甦らせよう」
アマソ「!?」
ヒミカ「邪魔大王国の武将、タケルを!」
イキマ「ええっ!?」
ミマシ「何ですと!?」
アマソ「タケル将軍を!?」
ゴーゴン(タケル…? 何者だ?)
ククル「……………」

[洞窟]

ヒミカ「タケル…我が邪魔大王国の強者よ、 長き眠りから覚めよ!」
ヒミカ「甦れ! わらわの前に姿を見せよ!」
(電気音)
タケル「………」
ククル「……!」
イキマ「…タケル将軍……!」
ヒミカ「おお、タケル……!」
ククル(…この光景……見覚えがある……)
ククル(…私の父や母は… ヒミカの手によって眠りにつき… 私だけが……)
タケル「……ヒミカ様… タケル、参上致しましてございます……」
ヒミカ「よう甦った、タケル。 そなた…わらわのため、 もう一働きしてくれぬか?」
タケル「…その前に… どのような仕事かお聞かせ下さい…」
ヒミカ「知れたこと。 この日本に再び邪魔大王国を築こうとする わらわの計画を妨げる者がいる…」
ヒミカ「その者…鋼鉄ジーグを そなたの手で倒して欲しいのじゃ」
タケル「…………」
イキマ「タケル将軍、返事は!?」
タケル「…おおせではございますが、 血なまぐさい戦いはもう…」
ヒミカ「こりごりだと言うのか?」
タケル「は…。 亡くなった妻、ミヤズの傍で 静かに暮らしとうございます…」
ククル「……!」
ミマシ「フン、女々しいことを!」
アマソ「これが かつて勇猛で聞こえたタケル将軍か!?」
タケル「………」
ヒミカ「どうなのじゃ、タケル?」
タケル「女王ヒミカ様のご命令とあらば、 何事なりとも従わねばなりません…」
ヒミカ「よう申したぞ、タケル。 されば汝自らハニワ幻人となって、 わらわに仇なす者を討つのじゃ!」
タケル「はっ……」

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[大空魔竜・ブリッジ]

美和「え? ビルドベースに?」
大文字「そうだ。 司馬博士から連絡があってな。君達に ジーグの予備パーツを渡したいそうだ」
美和「了解です。 では、宙さんを連れて行って来ます」
大文字「君達だけでは危険だ。 誰が護衛の者を……」
ゼンガー「では、自分が行きましょう」
大文字「うむ、頼むぞ」
美和「少佐、よろしくお願いします」
ゼンガー「ああ」
ゼンガー(ビルドベースへ行けば、 邪魔大王国が…ククルが 出てくるかも知れんからな)

〔戦域:海辺〕

(ビッグシューターが出現)
「あれ?  もう参式が見えなくなっちまったぜ」
美和「んもう、当たり前じゃない。 グルンガストとビッグシューターじゃ、 スピードが違うのよ?」
美和「こんなことなら、宙さんに 操縦を任せるんじゃなかったわ…」
「固いことは言いっこなしだぜ、ミッチー。 レーサーの俺がチンタラしてられるかよ」
美和「後で ゼンガー少佐に怒られても知らないわよ」
「平気さ。少佐はそんな細かいことを 気にする人じゃねえ」
美和「何言ってるの。 それじゃ護衛の意味がないじゃない」
「だから、こうやって待ってんだろ?」
美和「もう……」
美和「でも、宙さん… ビルドベースへ帰るのはひさしぶりね。 司馬博士や大利所長達は元気かしら?」
「…さあな。別に俺は親父の顔を 見に行くわけじゃねえからな」
美和「またそんなことを言って…」
「ど~れ、 ちょいと少佐を捜しに行くとするか」
(南西に移動)
美和「待って! レーダーに反応が!」
(海の中にタケルが出現)
タケル「………」
「あれは…ハニワ幻人か!?」
美和「でも、何だか今までの ハニワ幻人と感じが違うみたいだわ…!」
「そんなことを言ってる場合じゃないぜ!  ミッチー! ビルドアップだ!」
美和「オッケー!」
(タケルが高速でビッグシューターの所まで移動し、すれ違いざまに攻撃、ビッグシューターは行動不能に)
美和「きゃああっ!」
「くそっ! ビッグシューターが!!」
タケル「………」
「何とかしろ、ミッチー!  このままじゃビルドアップどころか、 あいつに握り潰されちまう!」
美和「わ、わかったわ!!」
タケル「!!」
美和「え!? 何!?」
タケル(…ミヤズ………)
(ガラスが割れる)
美和「きゃああああっ!!」
「こ、この野郎!  ミッチーをどこへ連れて行く気だ!?」
タケル「…………」
(タケルが南端まで移動)
美和「ひ、宙さんっ!!」
「ミッチー!!」
(タケルが撤退)
「つ、土の中へ消えやがった…!!」
(グルンガスト参式が出現)
ゼンガー「どうした!?  何が起きた!?」
「ミッチーが… ミッチーがハニワ幻人にさらわれた!」
ゼンガー「何だと!?」
「くそっ!  無事でいてくれよ、ミッチー!」

[祭壇]

タケル「………」
イキマ「タケル!  何故、ヒミカ様の命に従わぬ!? 何故、 鋼鉄ジーグと戦わずにここへ戻った!?」
ヒミカ「待て、イキマ。 物言わぬハニワ幻人となったタケルに 問うても始まらぬ」
ヒミカ「まあ、よい。 卯月美和を捕らえたのは大手柄じゃ」
イキマ「ははっ…左様で。この女がおらねば、 司馬宙は鋼鉄ジーグに変身できませぬ」
アマソ「それにしても、 我らの目的を遮るにっくき奴!  早速、血祭りに!」
アマソ「死ねぇい、卯月美和!!」
タケル「…………!」
(打撃)
アマソ「な、何のつもりだ!? タケル!!」
イキマ「わ、我らに刃を向けるとは!?」
ククル(卯月美和を…見ている…?)
ヒミカ「タケルめ……。 やはり亡き妻ミヤズを思い出したか」
ククル「ミヤズ…?」
ゴーゴン「それが何か?」
ヒミカ「若年ながら、行く所敵なく… 鬼神とうたわれたタケル…」
ヒミカ「そのタケルは若く美しい妻、ミヤズを こよなく愛し…夫婦仲むつまじいこと 人のうらやむほどであった」
ヒミカ「全軍の先頭に立ち、戦場をはせ巡る タケルの額に輝くバラ色の宝石は…」
ヒミカ「心優しき妻からの 愛の証の贈り物であったそうな」
ククル(タケル将軍には…そんな過去が…)
ヒミカ「だが、ミヤズはタケルが戦場より 帰る日を待たず、病の床に若き命を 終えてしまった…」
ヒミカ「亡き妻を想い、悲しむタケルの涙は 生涯乾くことがなかったという……」
ヒミカ「そして、タケルは今… その美しい妻の面影を あの卯月美和に見出したのじゃ……」
ククル「…………」
ククル(…家族との別離…… タケル将軍も私と同じように………)
タケル「……………」
ヒミカ「タケルよ…そなた、再び妻と共に 地上の幸せを得たくないかの?」
タケル「……………」
ヒミカ「もちろん、 その時はそなたも元の姿に戻し…」
ヒミカ「新しき邪魔大王国の武将として、 この三人衆とククルをも支配する 最高の地位と名誉を約束しよう!」
イキマ「ええっ!?」
ミマシ「ヒミカ様!?」
ヒミカ「ただし…その前に条件が一つ!  鋼鉄ジーグを倒してもらおう!」
タケル「……………」
(動作音・タケルが立ち去る)
アマソ「あ、あの男… 卯月美和を連れて行ったぞ!?」
ミマシ「自分の妻と勘違いしているのか!?」
ヒミカ「よい。 タケルがあの女を捕らえていれば… 鋼鉄ジーグも手出しは出来まい」
ヒミカ「ククルよ、 そなたはタケルの後を追い… 奴の手助けをするのじゃ」
ククル「ははっ」
アマソ(いかん…! このままでは 俺達の立場が危うくなる…!)
ゴーゴン(グフフフ… これは面白くなってきたぞ……!)
ゴーゴン(タケルかククルが 鋼鉄ジーグを倒せれば良し……)
ゴーゴン(もし、失敗した場合は それを理由に例の物を我がミケーネ帝国へ 持ち帰ってやる……)

[ビッグファザー前]

遷次郎「そうか…。 だいたいの状況はわかった」
「くっ…!  俺はいったいどうすりゃいいんだ!?」
ゼンガー「落ち着け、宙。 お前が騒いでも何の解決にもならん」
「何言ってやがる! 今頃ミッチーは 殺されてるかも知れねえんだぞ!!」
「あんたに俺の気持ちがわかるものか!!」
ゼンガー「………!」
「な、何だよ!?」
ゼンガー「…一つ言っておく…」
ゼンガー「生きている者は 助け出すことが出来る。 だが、死んだ者を救うことは出来ん」
「……!?」
ゼンガー「宙… 彼女はまだ生きている」
「何であんたに そんなことがわかるんだ!?」
ゼンガー「あのハニワ幻人が美和を殺す つもりなら、あの場でビッグシューターを ひねり潰していたはずだ」
ゼンガー「にも関わらず、 奴は彼女を連れ去った……。 それには理由があるはずだ」
「そりゃあ…ミッチーを連れて行けば、 俺は鋼鉄ジーグに変身出来ねえから…」
ゼンガー「俺はそう思わん」
遷次郎「…私も少佐と同意見だ」
「何だって…!?」
遷次郎「二人共、これを見てくれ」
(モニターオン)
「何だ、これ…壁画か?」
遷次郎「そうだ。私が邪魔大王国の 調査をしていた時に発見したものだ。 宙、中央に描かれている人物を見ろ」
「!!  こ、こいつは…さっきのハニワ幻人だ!」
遷次郎「そうか…。 やはり、タケルだったか…」
「何者なんだ? 父さん…」
遷次郎「その昔、女王ヒミカの守り神とも 言われた勇敢な武将だ」
遷次郎「タケルは武将として誇り高く、 常に正々堂々と敵と戦い… そして必ず相手を打ち破ったという」
遷次郎「だが、邪魔大王国の滅亡と共に タケルの姿は消え、一人として その行方を知る者はなかった」
遷次郎「そのタケルがよみがえったとなれば、 我々にとって恐るべき敵となるぞ」
「でも…奴が何故、ミッチーを?」
遷次郎「では、もう一枚の壁画を見てくれ」
ゼンガー「!? あれは……」
「ミ、ミッチーにそっくりじゃねえか!  誰なんだ!?」
遷次郎「その女性は タケル将軍の妻…ミヤズだ」
「な、何だって!?  じゃあ、そのタケルって奴は…!?」
遷次郎「うむ…。 もしかすると、亡き妻と卯月君を 重ねて見ていたのかも知れん…」
「…………」
(アラート)
ゼンガー「!」
「何だ!? 敵が来たのか!?」


第19話
愛する者は、すでに亡く

〔戦域:ビルドベース周辺〕

(タケルが出現)
大利「宙君、ハニワ幻人だ!  卯月君をさらったハニワ幻人が現れたぞ!」
「了解!  俺はビッグシューターで出る!」
(グルンガスト参式がビルドベースの傍に出現、ビッグシューターが湖の中から出現し、グルンガスト参式の傍へ移動)
「出てきやがったな、タケルとやら!  お前をぶっ倒してミッチーの居場所を 吐かせてやるぜ!」
ゼンガー「待て、宙!  奴の足元を見ろ!」
「足元!?」
タケル「………」
(タケルの近くの道路わき)
美和「あ、あなた…私を逃がしてくれるの?」
タケル「………」
美和「わかったわ…。どういう事情が 知らないけど、行かせてもらうわね」
(西へ移動)
「あ、あれ…ミッチーじゃねえか!」
(ビッグシューターが東へ移動)
「ミッチー! 無事だったか!?」
美和「え、ええ…心配かけてごめんなさい」
「でも、いったいどうやって 奴から逃げ出せたんだ?」
美和「それが… あのハニワ幻人が私を逃がしてくれたの」
タケル「………」
「何だって…!?」
美和「何だが、とっても優しいみたいで…」
「あいつ、どういうつもりなんだ!?」
タケル「…………」
ゼンガー「立ち去る気配を見せん。 …奴は俺達に勝負を挑むつもりだ」
「だったら、何でミッチーを…?」
ゼンガー「亡き妻の面影ゆえか…?」
タケル「…………」
ゼンガー「否…。 正々堂々と戦うと言うのだな?」
タケル「…………」
「だから、 あいつはミッチーを解放したってのか…!」
ゼンガー「そう、 それが奴の武将としての誇りだ」
「ならば!  この勝負…鋼鉄ジーグが受けて立つ!」
「行くぜ、ミッチー!!」
美和「OK、宙さん!!」
「鋼鉄! ジィィィィィィグッ!!」
美和「ジーグパーツ、シューーートッ!!」
(鋼鉄ジーグが出現)
タケル「……………」
(マガルガが出現)
ゼンガー「! 奴は!?」
ククル「貴様の相手はこの私だ、 ゼンガー・ゾンボルト…」
ゼンガー「やはり、現れたか…!」
ククル「タケル将軍の邪魔はさせん。 その代わり、復讐の機会を与えてやる…」
ククル「もっとも、 お前に私を倒すことなど出来ぬがな」
ゼンガー「……………」
ゼンガー「…我が復讐の剣は あの時、貴様の手によって折れた……」
ククル「何…!?  貴様、あの女の仇を討たぬというのか?」
ゼンガー「……………」
ゼンガー「今、ここに在るのは 平和を願う人々を守るための剣……」
ゼンガー「そう!」
ククル「!?」
ゼンガー「我は悪を断つ剣なりッ!!」
ククル「笑止!  今日こそ貴様を冥府へ導いてくれる!!」
ゼンガー「ならば、 地獄の鬼ごと貴様を斬り捨てるまでッ!!」
(作戦目的表示)

〈vs ククル〉

[ゼンガー]

ククル「仲間の無念を晴らさぬと言うのか、 ゼンガー・ゾンボルト!」
ゼンガー「その前に、 俺にはやらねばならぬことがある!!」
ククル「フン…我らから 地上世界を守るつもりだとでも言うのか?」
ゼンガー「貴様らだけではない!」
ククル「!?」
ゼンガー「この世に災いをもたらすもの… それら全てを俺は断つッ!!」

[撃墜]

ククル「お、おのれ…! 私の舞は 奴らの命に届かぬと言うのか!!」
(マガルガが撤退)
ゼンガー「……………」

〈vs タケル〉

[鋼鉄ジーグ]

タケル「………」
鋼鉄ジーグ「行くぞ、タケル!  正々堂々と勝負だ!!」

[HP8400以下]

(敵機増援が出現)
鋼鉄ジーグ「! 新手が来やがったか!!」
タケル「!」
アマソ「手ぬるいぞ、タケル!  敵はわずかだ! 力押しなら必ず勝てる!」
鋼鉄ジーグ「てめえら!  俺達の勝負を邪魔する気か!?」
アマソ「馬鹿め、戦いは結果が全てだ!  貴様らの一騎打ちなど知ったことか!!」
鋼鉄ジーグ「卑怯な真似をしやがって…!!」
美和「大丈夫よ、宙さん!」
鋼鉄ジーグ「!?」
(母艦出撃選択、出撃準備)
アムロ「宙、大丈夫か!?」
鋼鉄ジーグ「アムロ大尉…来てくれたのか!」
万丈「どうやら、君達を 迎えに来たのが正解だったみたいだね」
アマソ「お、おのれ!  奴らも助っ人を呼んでいたのか!!」
レミー「呼ばれた覚えはないけれど… そっちが卑怯な真似をするのなら、 目には目を、ハニワ歯を…って感じ?」
一矢「宙とゼンガー少佐の 勝負を邪魔するつもりなら… 俺達がお前の相手をする!!」
アマソ「ええい!  貴様らも鋼鉄ジーグもろとも 片づけてくれるわ!!」
「ブレン、相手はグランチャーじゃないが… やれるな?」
ユウ・ブレン「…………」
「これもオルファンを止めるために 必要なことなんだ。わかってくれ」
ユウ・ブレン「…………」
「よし、いい子だ……頼むぞ」
比瑪(ふ~ん…。 あの子、ああいう気遣いも出来るんだ)
アムロ「各機、散開!  攻撃を開始するんだ!」
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

(恐竜帝国軍増援が出現)
竜馬「! 恐竜帝国か!!」
隼人「どさくさに紛れて、 地上へ出て来やがったか…!」
ザンキ「フフフ… 俺の名はキャプテン・ザンキ。 またの名を、恐竜帝国のすごい奴!」
弁慶「何がすごい奴だ!  自分で言ってりゃ世話ないぜ!」
アマソ「キャプテン・ザンキとやら… 我らと恐竜帝国の停戦の件、 わかっているな?」
ザンキ「心配するな。 俺は手柄を立てに来ただけだ… 貴様らの相手をしている暇はない」
ザンキ「それとも…俺の手を借りたいのか?」
アマソ「フン、余計なお世話だ」
甲児「こうなったら、 トカゲもハニワもまとめて俺達が 相手をしてやらあっ!!」

〈撃墜〉

[タケル]

タケル「…ミ、ミヤズ……!」
(タケルが爆発)
鋼鉄ジーグ「邪魔大王国のタケル…。 お前は将軍の名に相応しい男だった…」
美和「………」

[アマソ機]

アマソ「ええい! 作戦は失敗だ!  ここは撤退するぞ!」
(アマソ機が撤退)

〈vs ザンキ〉

[竜馬]

ザンキ「クックック…俺の手で貴様らを 倒せば、ラドラは確実に処刑される!  まさに一石二鳥だ!」
竜馬「あの男が…ラドラが処刑だと!?」
ザンキ「そうだ…!  貴様が要らぬ情けをかけたおかげでな!」
竜馬「……!」

[撃墜]

ザンキ「チッ!  手柄を立て損なったか!!」
(撤退)

〈敵機全滅〉

鋼鉄ジーグ「終わったか……」
美和「待って、宙さん! あれを見て!」
鋼鉄ジーグ「! あれは…!?」

[森]

(速い足音)
「あ、あんたは…!?」
タケル「…邪魔大王国の将、タケル…」
「! やっぱり、あんただったのか…!」
ゼンガー「………」
タケル「…見事だったぞ、若者達よ…。 もはや…私に……悔いはない……」
「ならば…!」
美和「待って、宙さん!  この人、私に乱暴な真似はしなかったわ!」
「ミ、ミッチー…!」
美和「お願い、見逃してあげて…」
美和「タケル将軍は人を愛する心を持って いる…きっと何かわけがあって、ヒミカの 命令を聞かなければならなかったのよ…」
「お前……!」
ゼンガー(…人を愛する心……)
ゼンガー(そして…… タケル将軍も一人の女のために……)
タケル「…………」
ゼンガー「…宙、美和。 大空魔竜へ帰るぞ」
「あ、あんたまで何を言い出すんだ!?」
ゼンガー「邪魔大王国の将、 タケルはこの地で散った……」
ゼンガー「今、ここにいる男は もはや俺達の敵ではない」
「…………」
「…わかったぜ、ゼンガーさんよ」
タケル「…………」
美和「タケル将軍……」
タケル「さようなら…私の妻に似た娘よ…」
タケル「妻はきっと、そなたの面影に宿って 私の迷いをいさめてくれたのだ…」
タケル「これで… 私の妻も…ミヤズの傍へ行ける……」
(コードを巻き取るような音・タケルが立ち去る)
「…………」
「…タケル将軍…… あんたは立派な戦士だったぜ……」

[祭壇]

ヒミカ「この愚か者め!  タケルを失っておきながら、おめおめと 戻ってくるとは……どういう了見じゃ!?」
ククル「…申し訳ございません…」
ヒミカ「ええい!  命を救ってやった恩を忘れおって!」
ヒミカ「もうそなたの顔など見とうない!  どこへなりとも消え失せろ!!」
ククル「!!  どうか…どうか、それだけはお許しを…!」
ヒミカ「くどい!  そなたのような役立たずなど知らぬ!!」
ククル(…それでは…私の一族が……!)
ゴーゴン「…女王の怒りはもっともだ。 しかし……」
ヒミカ「しかし……何じゃ!?」
ゴーゴン「…大空魔竜戦隊の戦力が 以前より増しているのも事実。 ククルが敗れ去ったのも無理はなかろう」
ヒミカ「何が言いたいのじゃ?」
ゴーゴン「女王が ククルを放免すると言うのなら…」
ゴーゴン「その身柄と例の物を 我がミケーネ帝国で預かろう」
ククル「!?」
ヒミカ「ククルと アースクレイドルで手に入れた物を…?  そなた、何を目論んでおる?」
ゴーゴン「邪魔大王国の設備では、 あれを有効利用することは出来ん…」
ゴーゴン「だから、我がミケーネ帝国で 使えるようにしてやろうと言うのだ」
ヒミカ「……!」
ゴーゴン「そうすれば、大空魔竜戦隊の 者共を倒すことなど容易い…」
ヒミカ(…フン…。 今頃になって、あれが惜しくなったか)
ヒミカ(だが、 ククルをミケーネに送り込めば… 奴らの情報を手に入れることが出来るか)
ククル「………」
ヒミカ(所詮、この女は捨て駒…… どのような目に遭っても構わぬわ)
ヒミカ「よかろう。ゴーゴン大公… そなたにククルと例の物を託す」
ククル「! そ、そんな…ヒミカ様!」
ヒミカ「その代わり…結果を出すのじゃぞ?」
ゴーゴン「グフフフ……承知した」
ククル「…………」
ククル(おのれ……ヒミカめ……!)

[石牢]

ククル「…出ませい。 我らはこれよりミケーネ帝国へ赴く」
ソフィア「……………」
ククル「どうした、ソフィア・ネート?」
ソフィア「…あなたは 何故、私を生かしておくのです?」
ククル「知れたこと。 お前が作り出した『マシンセル』…… あれを完全な物にするためよ」
ソフィア「!! では、あなた達は そのためにアースクレイドルを…!?」
ソフィア「いや、それ以前に 何故あなた達はマシンセルのことを…?」
ゴーゴン「グフフフ… 我らミケーネ諜報軍の情報網を 甘く見てもらっては困るな」
ソフィア「……!」
ゴーゴン「貴様はこれからミケーネで マシンセルの研究と改良を続けるのだ」
ソフィア「あれは… 軍事利用するためのものでは…」
ゴーゴン「フフフ… 本来は地球環境再生用だと言うのだろう?」
ゴーゴン「だが、あの金属細胞は 応用次第で戦闘獣に自己修復機能を 与えることが出来る」
ソフィア「…私に それをさせようと言うのですか…?」
ゴーゴン「そうだ。命が惜しければな」
ソフィア「…命は…惜しくありません。 しかし…私は………」
ククル「あの男の助けを 期待していたのだろうが、そうはいかぬ」
ククル「フフフ… これからは我らのために働いてもらうぞ、 ソフィア・ネート」
ソフィア「……………」


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