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大文字「では、
我々αナンバーズは日本へ向かえと?」
アデナウアー「そうだ」
ブライト「しかし、
極東には充分な戦力があるはずです。
ジオンや木星帝国を放っておくわけには…」
アデナウアー「戦力が足りんからだ。
三輪長官の話によれば、バーム軍の
先遣部隊が地球に降下したらしい」
ブライト「! 何ですって…!?」
アデナウアー「おそらく、
スウィート・ウォーター事件の隙を
突かれたのだろう」
大文字(こちらのレーダー網やセンサーに
引っ掛かることなく地球へ降下するとは…)
アデナウアー「おかげで、
それらの始末のために、アルビオンまで
極東へ降ろさなければならなくなった」
シナプス「自分の艦もでありますか?」
アデナウアー「ああ。
戦力的な問題はともかく…三輪長官に
余計な負い目を作ってしまったよ」
シナプス(我々は取り引き材料か。
この期に及んで、己の立場の方が
重要だと言うのか…?)
アデナウアー「とにかく、大空魔竜と
アルビオンは極東支部へ向かってくれ」
シナプス「マザー・バンガードは
どうするのです?」
アデナウアー「あんな厄介者など、
三輪長官に押しつければいい」
シナプス「…了解です。では、アルビオンは
マザー・バンガードや大空魔竜と共に
地球へ降下致します」
ブライト「では、アデナウアー参謀次官…
交渉のご成功を」
アデナウアー「ああ。
シャアの相手は我々に任せてもらおう」
ブライト「くれぐれもお気をつけて」
アデナウアー「心配はいらん。
再就職先を斡旋してやれば、
ネオ・ジオンの連中も大人しくなる」
アデナウアー「それに…
私は君達と違って、戦争のことばかり
考えているわけではないのでね」
ブライト「………」
アムロ「やれやれ…
戻ってきた早々に厄介払いとはね」
ブライト「アデナウアー参謀次官は
シャアの言葉を信じ、交渉を行うつもりだ」
万丈「道化芝居を真に受けられちゃあ、
やってられませんね」
アムロ「…火星に異星人が居座っている以上、
シャアも時間稼ぎはするさ」
エマ「ネオ・ジオンが次の行動を
起こすまでに、まだ間があると?」
アムロ「…奴は自分の目的を果たすために
生半可な手段を選びはすまい」
エマ「だから、充分な準備期間を
必要としているということですか」
アムロ「ああ」
ギャリソン「あのお方のことですから…
やるからには確実な効果を生み出す
手段を選んでこられるでしょうな」
万丈「ま、僕達は今までに
色々と極端な例を見てきているから…
それらを参考にするかも知れないね」
フォウ「極端な例って?」
ギャリソン「衛星軌道上からの砲撃、
巨大サイコミュ装置による逆行催眠、
コロニー落としなど…様々でございます」
フォウ「それと同じようなことを
クワトロ大尉がすると言うのね…」
万丈「確実にね」
ブライト「で…
アムロ、お前も地球へ降りるのか?」
アムロ「ああ。
俺達がどう網を張ろうと今の情勢じゃ、
シャアの動きはつかみにくい」
アムロ「となれば、
奴が具体的な動きを見せた時、
その出鼻をくじくしかないだろう」
ブライト「各コロニーは相変わらず
非協力的だし…やむをえんな」
アムロ「だからこそ、
今の内に出来ることをしておきたい。
オルファンの件も気になるしな」
ブライト「了解した。
何か動きがあれば、すぐに連絡する」
アムロ「ミライさんへのメッセージは?」
ブライト「…子供達のことを
頼むと伝えておいてくれ。
しばらくは帰れないだろうからな」
アムロ「ああ…わかった」
オルバン「リヒテルよ、
地球攻略はどのような状況になっておる?」
リヒテル「この海底城を前線基地として、
地球防衛の拠点である極東地区への
攻撃準備を進めております」
オルバン「未だに準備だと?
予定より遅れておるようだな」
リヒテル「申し訳ございません。
海底に謎の巨大な物体が…」
オルバン「ワシは勝利の報告以外は
聞く気はない。特にあの大空魔竜との
戦ではな。それを肝に命じておけよ」
リヒテル「ははっ!
バーム10億の民のために!」
(モニターオフ)
リヒテル「…バルバス!
大空魔竜の動きはどうなっておる!?」
バルバス「ははっ! 先程、極東地区近海に
降下してきた様子です」
リヒテル「ほほう、いいタイミングだな」
ベルガン「では、奴らの始末は私に
任せて頂きましょうか」
バルバス「その役目はこのバルバスが!」
ライザ「リヒテル様、
何卒このライザにお任せ下さいませ」
リヒテル「大空魔竜…
いや、竜崎一矢の討伐には、
すでに適任の者を呼び寄せてある」
リヒテル「入るがよい、ハレック!」
ハレック「武術指南役、
ガーニー・ハレック…参りました」
バルバス「何と…!
この男がリヒテル様の必勝の策と!?」
ライザ「一介の武術師範がリヒテル様の
お役に立てるとは思えませんが…」
リヒテル「ええい、黙れ!
遅々として進まぬ地球攻略の責任、
誰にあると思っている!?」
ライザ「も…申し訳ございません」
リヒテル「バルバス!
我がバームの兵器が地球のものに
劣っていると思うか!?」
バルバス「い…いえ…!
そんなことはございません!」
リヒテル「では、何故我が軍は地球の
ロボットに勝てぬ…? 余はその答えを
操縦者の差であると見た」
ベルガン「なるほど…、
人工知能の類ではなく有人操縦によって
奴らに対抗しようとお考えか…」
リヒテル「ハレック!
そなたはバームを愛しておるか?」
ハレック「もちろんでございます、
リヒテル提督」
リヒテル「うむ。ならば、ハレック…
余にその心の証を見せてくれぬか」
ハレック「提督のご命令とあらば、
我が武術の力、お貸しいたしましょう」
リヒテル「最高の戦闘ロボットを与える。
そなたの力で敵戦力の中核を成す
ダイモスと竜崎一矢を倒すのだ!」
ハレック「承知いたしました。
ただし、私も武人のはしくれ…
正々堂々の勝負を挑ませて頂きます」
リヒテル「よかろう。勝利の暁には、
そなたに余の副官の地位を与える」
ハレック「それは辞退させていただきます。
私の望みはバーム星人全ての幸せ…
ただそれだけでございますから」
リヒテル「ハハハ! 面白い!
出世には興味がないと申すか!
ならば、ハレックよ…行けぃ!」
ハレック「はっ!」
(ハレックが立ち去る)
ライザ(…ハレックに副官の座を…?)
ベルガン「おや? ライザ殿、
お顔の色がすぐれないようですが…」
ライザ「い…いや…何でもない…」
ベルガン「フフフフフ…心配めさるな。
あなたの悩みは、このド・ベルガンが
解消して差し上げましょう」
ライザ(この男、何をする気だ…?)
ジョナサン「…例の大空魔竜とかいう
戦艦が地球へ戻って来たようですな」
ジョナサン「ならば、
伊佐未勇もそこにいる……。
どうするんです? クインシィ・イッサー」
クインシィ「決まっている。
裏切り者は処分しなければならない。
すぐにグランチャー部隊を…」
伊佐未研作「待て、依衣子。
異星人の戦艦らしき物体が太平洋へ
降下したという報告もある…」
伊佐未研作「今は無駄な消耗をせず、
オルファンの調整に専念する」
クインシィ「! 悠長なことを!!」
クインシィ「勇が大空魔竜と共に
ここへ攻めて来たら、ガバナーに
どう申し開きをするつもりだ!?」
伊佐未研作「私が言ったことは
そのガバナーの決定でもあるのだぞ」
クインシィ「何…!?」
(扉が開閉する)
カナン「…カナン・ギモスです。
何か御用でしょうか? 伊佐未翠博士…」
伊佐未翠「ええ。あなたに
ある物を取りにいってもらいたいのです」
カナン「それは…?」
伊佐未翠「私のデータファイル…。
実家のチェストの棚の下にあるます」
カナン「チェストの棚の下…ですか?」
伊佐未翠「あまりに古典的な
隠し方というのは見つかりにくいし…
見つかっても、今さらね」
カナン「了解しました…あの……」
伊佐未翠「はい?」
カナン「…着物は持ってこなくて
よろしいんでしょうか?」
伊佐未翠「…気に入った着物があれば、
あげますよ」
カナン「! は…はい」
ジョナサン(……伊佐未博士の実家か。
だとすれば、勇が現れるかも知れん。
シラーに後をつけさせるか……)
ピート「大空魔竜、地球への降下完了。
各部に異常ありません」
ミドリ「アルビオン、マザー・バンガードも
降下を完了しました」
大文字「よし。針路を極東支部基地へ」
剛健太郎「では、大文字博士。
私は一足先にダイモビックへ行きます」
大文字「例の調整の件ですな?」
剛健太郎「ええ。
それに、サコン君が考案した新兵器も
そろそろ完成している頃でしょう」
健一「じゃあ、父さん。
俺がボルトクルーザーで
ダイモビックまで送っていくよ」
剛健太郎「いや…それでは
万が一のことがあった時、ボルテスが
出撃できなくなる。私一人で行くよ」
健一「わかった。
じゃあ、母さんや四ッ谷博士達によろしく」
剛健太郎「うむ」
比瑪「え? 家へ帰る!?」
勇「ああ、
ばあちゃんの家がこの先にあるんだ。
大文字博士の許可ももらってる」
宙「地球へ帰ってきた途端、ホームシックか。
そのまま抜けるつもりじゃねえだろうな?」
美和「宙さん、何を言い出すの!?」
勇「たったら、火星へ行く前にそうしてる。
それに、ホームシックになっているのは
あんたの方じゃないのか?」
宙「!」
勇「…家族のことが心配なんだろう?
だから、俺に当てつけてきた。
そうじゃないのか?」
宙「何…? なら、お前はどうなんだ?」
勇「言っておくが、俺の家族は家にいない。
…ばあちゃんを除いて、オルファンにいる」
宙「……!」
勇「それと…親の都合に
振り回されているのはあんただけじゃない」
勇「だから、
似た者同士でケンカをするのはやめようぜ」
宙「………」
宙「フッ…そうだな。
つまらねえことを言って悪かったぜ」
美和「宙さん…!」
勇「………」
美和「ご、ごめんなさい…」
勇「いいよ、気にしてない。
こんな時に一人で家へ帰るってことにも
問題がないわけじゃない」
比瑪(ふ~ん…そういうこと、言えるんだ。
意外に大人じゃない)
比瑪「それで、勇…。
家に帰るのは、おばあさんに会うため?」
勇「いや、違う……約束があるんだ」
比瑪「約束…? あ、わかった!
あのカナンとかいう女の人でしょ?」
勇「な…! じょ、冗談言うな」
比瑪「だったら、私も行くわ」
勇「何だって!?」
比瑪「勇が育った場所にも興味あるし…
君一人だけじゃ、危ないでしょ。
私、博士に許可をもらってくるわ」
勇「お、おい!」
(比瑪が立ち去る)
勇「まったく…!」
美和「ふふふ…比瑪ちゃん、
あなたのことを心配しているのよ」
勇「…興味本位で、だろ?」
美和「どうかしら?
とにかく、気をつけて行って来てね」
勇「ああ」
(海上にユウ・ブレンが出現)
勇「…この辺りは
まだ被害を受けていないようだな」
比瑪「へ~え…ここが勇の故郷かあ。
いい所じゃない」
勇(…リクレイマーは
αナンバーズが地球へ帰ってきたことに
気づいているはずだ)
勇(だとしたら、カナンも…)
比瑪「どうしたの?」
勇「…何でもない。行こう」
(勇の実家まで移動)
勇「変わってないな、ここ…。
あの時のままだ」
(ユウ・ブレンに警報)
勇(カナンのグランチャーの反応…。
約束を覚えていてくれたか…)
比瑪「今、何か反応しなかった?」
勇「…気のせいだろ」
(ブレンパワードが着地)
比瑪「畑がある…! 土も結構いいみたい」
比瑪(こんな所で…
こんな家と畑が好きだったんだ、勇は…)
勇(…手入れがされてない。
やっぱり、ばあちゃんは…)
カナン「…チェストの棚の下……。
あったわ、これがデータファイルね」
カナン「…それに、着物……」
カナン(…伊佐未翠博士には
母親の香りは感じない…)
カナン(でも、この伝統的な衣装には
女性の身体を包んでいたものがある…)
カナン(女の身体を包んでいたもの…)
カナン「私は…誰にも愛されていなかった…。
そ、そうよ……生まれる前から、ずっと…」
比瑪「…誰もいないみたいね」
勇「ばあちゃん、
二ヶ月はほったらかしてるぞ…」
(衣擦れ)
勇「! 誰だ!?」
(カナンが着物を羽織っている)
カナン「…………」
勇「カナン…?」
比瑪「え…!?」
勇「カナン…約束を覚えていてくれたのか?」
カナン「…あなたの家に用事があっただけ。
それに、ここはオルファンにいた時に決めた
落ち合う場所とは少し違うわ」
比瑪(落ち合うって…!?)
勇「カナン…
オルファンを捨ててくれないか?」
カナン「出来るわけないでしょ!
…出来ないわ」
勇「シラーもジョナサンも
クインシィに親父やお袋…カナンもだけど
みんなオルファンによりかかっているよ」
勇「それでは子供のままじゃないか」
カナン「思い通りにならないからって
お家を飛び出してしまう方が
ずっと子供だと思わない?」
勇「俺はオルファンの間違いに気がついたんだ。
オルファンでは選ばれた人間だけが
生き残れるって教えられた…!」
勇「オルファンに呼ばれた
リクレイマーだけ生き残るって…。
それってさ…絶対間違ってるよ!」
カナン「………」
勇「俺さ…ブレンパワードに乗った時に
わかったんだ」
勇「オルファンではちゃんと動かなかった
あれさ…動いてくれたんだぜ」
カナン「私は…あなたと違って
帰る場所はオルファンにしかないのよ!」
勇「カナン…!」
比瑪「ちょっと、君!
これって、どういうことなの!?」
勇「口を出すな!
これは俺とカナンの問題なんだ!」
比瑪「何でさ!
あの人あんたの姉さんなの!?
恋人かぁ!?」
勇「馬鹿言うな!」
(爆発)
比瑪「!?」
勇「爆発…!
あの音、グランチャーか!?」
(グランチャー(シラー機)が海上に出現、家の側にグランチャー(カナン機)、ユウ・ブレン、ヒメ・ブレンがある)
勇「あのグランチャー…シラーか!」
比瑪「勇! ここで戦っては駄目よ!」
勇「シラーはそんなことを
考える奴じゃない!」
カナン「どういうつもりなの!?
シラー!!」
シラー「そっちこそ、
裏切り者と密談かい!?」
カナン「私は勇を連れ戻したかっただけよ!」
シラー「伊佐未勇は邪魔なんだ!
ジョナサンやあたしにはね!
あんたも一緒に死んでもらうよ!」
カナン「シラー! 誤解しないで!!」
(シラー機が勇の実家近くまで移動してくる。その間にカナン機が南側へ移動し、シラー機が勇の実家に近づくのを阻止する)
勇「カナン!
オルファンに取り憑かれた奴は
ますますこうなると思わないか!?」
勇「カナン!!」
カナン「!?」
カナン「な、何なの!? 動かない!?
拒絶反応!!」
シラー「カナン!
グランチャーに見捨てられたねえ!!」
【強制戦闘】
シラー[ミサイル・ランチャー]vsカナン[防御]
(カナン機が爆発)
勇「カナンッ!!」
(シラー機がユウ・ブレンに隣接)
勇「どけ! 邪魔するなあっ!!」
シラー「あんたも死にな!!」
(ヒメ・ブレンがカナン機の爆発した位置へ移動)
カナン「!!」
カナン「な、何故、助けてくれたの…?」
比瑪「私じゃなくて、この子が助けたの」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「あなた、
リクレイマーじゃないって言ってるわ」
カナン「………!」
シラー「チッ!
こうなったら、あのブレンだけでも!」
勇「させるかよ!!」
(ユウ・ブレンがヒメ・ブレンの所まで移動し、合流)
シラー「勇!
こないだみたいにはいかないよ!
まとめて落としてやる!」
(シラー機に警報)
シラー「! 何だ!?」
(母艦出撃選択、母艦とダイモスが出撃)
ナンガ「比瑪! 大丈夫か!?」
比瑪「みんな! 来てくれたの!?」
シラー「くっ、奴らが来るとは…!
引き上げるぞ!」
(シラー機が撤退)
一矢「行ったか……」
勇「…カナン、大丈夫か?」
カナン「勇……ありがとう…。
でもね…何が正しいのかわからないわ。
私には……」
勇「正しい、正しくないの前に
考えなくちゃいけないことがある。
…世代を重ねる意味という奴をね」
カナン「…母のことを
全て自分に置き換えて、傷を深くする
必要はないってこと?」
勇「それもあるけど…」
勇「俺は今、とっても嬉しいんだ。
カナンと戦わずにすんでさ」
カナン「あ…! そりゃそう…。
そりゃ、あたしだってそうよ…!
勇…!」
比瑪(二人して、何話てんだか)
一矢「勇、さっきのグランチャーが
仲間を連れて戻ってくるかも知れない。
その人は俺達の母艦に収容しよう」
勇「ああ」
(ユウ・ブレンが母艦に隣接、海上にバーム軍が出現)
一矢「何!? バーム軍か!!」
アムロ「各機、出撃するぞ!」
(出撃準備、通信)
ハレック「聞こえるか、竜崎一矢!」
一矢「俺を名指しで!? 誰だ!?」
ハレック「俺の名はガーニー・ハレック!
バーム星武術師範の名に賭けて
お前に決闘を申し込む!」
一矢「決闘だと!?」
ハレック「共に
母星の誇りを賭けた一対一の勝負だ。
どうだ、この挑戦を受けるか!?」
一矢「………」