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ビルドアップ!鋼鉄ジーグ!! アイビス ~ 第18話 ~

《Gアイランドシティ・JAPANESE AREA》

[宇宙開発公団タワー]

ユキオ「ふ~ん…ケン太は あのグッドサンダーで世界中を 回っていたんだ…」
ケン太「ヒマラヤ、フロリダ、コンゴ…、 え~と…とにかく色んな所に行ったよ」
プル「いいなあ…。 あたしもジュドーやみんなと 世界中を旅してみたいなあ…」
トッポ「してるじゃないか。 異次元空間から太陽系の果てまでさあ」
プル「そうじゃなくて、 フツーの所へ遊びに行きたいの」
クマゾー「行きたいも!」
ハチロー「そうだなあ、 たまには遊園地とか行ってみたいなあ」
アカリ「だったら、 あたしはウォーターポリス!」
ユキオ「俺はハイテクランドかなあ」
ケン太「やっぱファンタジーランドだよ」
イルイ「………」
ケン太「ねえイルイは どこか行きたい場所ってないの?」
イルイ「私… どこに何があるかわからないから…」
イルイ「みんなが行く所でいい…」
アカリ「もう! ケン太は イルイにばっかり優しいんだから!」
ケン太「そ…そんなことないよ!」
プルツー「ふふ…。 慌てるところがますます怪しいな」

フォウ「イルイ…元気になったわね」
アイビス「やっぱり子供は 子供同士でいるのが一番いいみたいだね…」
比瑪「それってヤキモチ?」
アイビス「ば…馬鹿なこと言わないでよ!  どうして、あたしが…!」
ルー「このところ誰かさんは イルイに付きっきりだったもの。 だから、寂しいんじゃないかと思って」
アイビス「そ、そんなこと… あるわけないよ…」
比瑪「ふ~ん… その割には何か寂しそうじゃない?」
アイビス「そんなことないって 言ってる…!」
ルー「ほら~! そんな風に ムキになるから、からかわれるのよ!」

OVA「…じゃあ、 今日は地理のお勉強をしますよ」
ケン太「え~! また勉強なの!?」
OVA「またって…ケン太君は いつも遊んでばかりじゃないですか」
ケン太「子供の仕事は遊びだよぉ」
OVA「そんなこと言ってもダメです。 さあ、みなさん…そこに座って」
トッポ「みなさんって…おいら達もかよ!?」
OVA「ええ、 大文字博士から頼まれていますから」
プル「じゃあ、あたしはパイロットだから 向こうに行ってるね」
OVA「プルさんもです」
プル「えーっ!?」
プルツー「…いい機会だから、 みんなと一緒に勉強しなよ、プル」
プル「じゃあ、プルツーは?」
プルツー「あたしは ちゃんと勉強してたからいいの」
プル「そんなのずるい~!」

麗雄「おやおや…元気のいい子供達じゃな。 ところで、ケン太君はどこかね?」
ケン太「僕だけど…」
麗雄「おお、大きくなったな。 もっとも、前に会った時… 君はまだ赤ん坊じゃったが」
ケン太「おじさん、僕を知ってるの?」
麗雄「うむ。僕は君のお父さんと 一緒に仕事をしていたことがあってね」
ケン太「…お父さんと……」
麗雄「…真田博士のことは聞いておる。 つらいだろうが…」
ケン太「わかってるよ。 お父さんのためにも、僕…頑張るよ。 勉強はあんまりやりたくないけどね」
OVA「ケン太君!  またそんなことを言って…!」
麗雄「まあまあ。 子供は元気が一番じゃから……」
遷次郎「博士、ここにおられましたか。 私はそろそろビルドベースへ戻ります」
麗雄「そうか。 司馬博士には凱の奴が何かと世話になった。 あらためて礼を言うよ」
遷次郎「いえ、私の方こそ…」
麗雄「では、気をつけてな。 宙君とまゆみちゃんによろしく」
遷次郎「ええ。それでは…」

《移動中・JAPANESE AREA》

[草原]

(振動、タイヤがスリップし、衝撃)
遷次郎「き、貴様…何者だ!?」
イキマ「ふふふふ… 我々のことはよくご存じのはず」
遷次郎「貴様! まさか、ヒミカの!?」
イキマ「さすがは司馬博士。 …我々の邪魔大王国は復活したのだ!」
遷次郎「邪魔大王国!?  ヒ、ヒミカがよみがえったのか!?」
イキマ「そのとおりだ。 俺はヒミカ女王に仕える三大幹部の一人… イキマ!」
遷次郎「それで私に何の用があるのだ!?」
イキマ「知れたことよ。 銅鐸の隠し場所を教えてもらいたい」
遷次郎「銅鐸…!?  何のことか私にはわからん!」
イキマ「とぼけても駄目だ。 あの銅鐸は我々邪魔大王国の再建にとっては なくてはならぬもの…!」
イキマ「日本はおろか、全世界を手中に 収めるためにもなくてはならんのだ。 さあ、隠し場所を言え!」
遷次郎「断る!  お前達に言う必要はない!」
イキマ「何ぃ? 言いたくなければ、 こちらから言わせてやる! やれい!」
ハニワ兵士「ははっ!」
(殴る)
遷次郎「ううっ!!」
イキマ「さあ、言え! 銅鐸の隠し場所を!」
遷次郎「世界の平和を守るためだ!  殺されても言わんぞ!!」
イキマ「貴様!!」
(武器で攻撃)
遷次郎「ぐあっ!」
イキマ「ふはは、もう後がないぞ。 ハニワ兵士共よ、博士を捕まえろ!」
ハニワ兵士「ははっ!」
遷次郎「うわあぁぁぁぁぁぁっ!?」
(機械が動く)
イキマ「ぬ、ぬう! しまった!」
(バイクの走行)
イキマ「む、誰か来る!?  ここはいったん引きあげて、司馬博士の ビルドベースへ向かうぞ!!」
ハニワ兵士「はっ!」

(ブレーキ)
美和「! あ、あれは…博士の車だわ!」
美和「博士! 司馬博士!!  どこにいらっしゃるんです!?」
美和「博士ぇぇっ!!」

[日本家屋内部]

まゆみ「遅いわねえ、お父さん…」
菊枝「本当ね…。 今日帰るって連絡があったのに…」
まゆみ「きっとお土産を買うのに 時間が掛かってんのよ」
菊枝「そうだといいんだけど…」
「…親父の言うことが当てになるかよ」
菊枝「宙……」
「母さん、親父はね… 自分の家族より研究の方が大事なんだ。 そういう冷たい人間なんだよ」
「だから、俺は……」
(木製の扉が開閉する)
美和「宙さん! おばさま!!」
「どうした、ミッチー!?」
遷次郎「ひ…宙…!」
「と、父さん!」
菊枝「あ、あなたっ!!」
「どうしたんだ、その傷は!?」
美和「宙さん、早く…早くお医者様を!!」
「あ、ああ!」
遷次郎「ま、待て、宙…!  私はもう助からん…」
「えっ!?」
遷次郎「ひ、宙…! これを……!!」
「グローブとペンダント…!?  いったい、これは何の意味だ!?」
遷次郎「………………」
美和「ああっ! おじさまっ!!」
「父さん! 父さんっ!!」
美和「そ、そんな……!!」
(通信)
美和「! ビルドベースから!?」
大利「聞こえるか、卯月君!?  ワシじゃ、大利じゃ!!」
美和「は、はい!」
大利「ビルドベースは今、 邪魔大王国の者達に襲撃されておる!」
美和「な、なんですって!?」
大利「司馬博士の予想は当たっておった!  すぐに宙君を連れて戻って来てくれ!」
美和「わ、わかりました!!」
「ミッチー、どういうことだ!?  邪魔大王国って何なんだ!?」
美和「そ、それは……!」
「もしかして、親父はそいつらに!?」
美和「宙さん、今は詳しいことを 説明している時間がないわ…!  私と一緒にビルドベースへ行って!」
「な、何で 俺が親父の研究所なんかに!!」
美和「今はそんなことを 言ってる場合じゃないのよ!!」
「うるせえ!  そんなの、俺の知ったことか!!」
(速い足音・宙が走り去る)
美和「宙さん!!」
大利「どうした、卯月君!?」
美和「す、すみません、大利所長…!  宙さんが…!」
大利「仕方がない、ビッグシューターの 発進準備をさせる! 君だけでも ビルドベースへ戻ってくれたまえ!」
美和「は、はいっ!!」

[草原]

「親父のバカヤロウ…!  勝手に死にやがってよ…!」
「くそ…!  ガキじゃあるまいし、こんなグローブと ペンダントなんか!!」
(特殊通信)
遷次郎「……宙……宙…!」
「親父の声!?  でも、そんな馬鹿なことが…!!」
遷次郎「宙、私だ…」
「空耳じゃない! 父さん、どこだ!?」
遷次郎「…宙……ビルドベースへ…… ビルドベースへ行くのだ……」
「………!!」


第18話
ビルドアップ!鋼鉄ジーグ!!

〔戦域:ビルドベース周辺〕

(サイレン、ルゴンを指す)
大利「卯月君、準備はいいかね!?」
美和「はい、所長!!」
大利「よし、発進じゃ!!」
美和「ビッグシューター、ゴー!!」
(湖の中央にビッグシューターが出撃し、ビルドベース傍まで移動)
大利「卯月君、ハニワ幻人を ビルドベースに近づけてはならんぞ!」
大利「ここが破壊されたら、 取り返しのつかんことになる!」
美和「はい! ビッグシューターで 敵を足止めします!」
大利「頼んだぞ!!」
美和(宙さん、何をしているの…!?)
(作戦目的表示)

〈2PP〉

(東端)
イキマ「ハニワ幻人よ、 一刻も早くビルドベースへ向かえ!  あそこには銅鐸があるはずだ!」
イキマ「あれさえ手に入れば、 この世界はヒミカ様のものとなる!!」
(ビルドベースの北側の道上を移動するものを指す)
美和「! あれは…宙さん!?」
「父さん、どこだ!? どこにいる!?」
イキマ「む! 何奴だ!?」
「返事をしろ、父さん!!」
イキマ「ビルドベースへ行く気か!  そうはさせんぞ!!」
(ルゴンが東へ移動し宙のいる周りに攻撃、振動)
「うおあああっ!?」
美和「ひ、宙さんっ!!」
イキマ「ふははは! 非力な人間め!  あの世で己の不運を嘆くがいいわ!」
「…お、俺は…!?」
イキマ「何っ、馬鹿な!  あの爆発で生きているだと!?」
「こ、これはいったい…!?  俺の身体は…!?」
イキマ「ええい、ハニワ幻人よ!  もう一度攻撃だ!!」
美和「宙さん! 早くそこから逃げて!!」
「くそっ! こんな所で わけもわからず殺されてたまるか!!」
遷次郎「宙!!」
「父さん!?」
遷次郎「宙!  手袋を合わせ、『鋼鉄ジーグ』と叫べ!!」
「なっ…!?」
遷次郎「その時、 お前は鋼鉄ジーグに変身するのだ!!」
「何をワケのわからねえことを!  父さんは死んだんじゃなかったのか!?」
遷次郎「いいから、言うとおりにするんだ!  母さんやまゆみが邪魔大王国の 手にかかってしまっていいのか!?」
「邪魔大王国…!  もしかして、あいつらのことか!?」
遷次郎「早く鋼鉄ジーグになるんだ!  今、奴らを倒せるのはお前しかいない!!」
「よ、よし…! わかったぜ!!」
【デモムービー『ビルドアップ 鋼鉄ジーグ』】
(鋼鉄ジーグが出現)
イキマ「な、何だ、あれは!?」
美和「やったわね、宙さん!」
鋼鉄ジーグ「こ、これは…!?」
遷次郎「その姿こそ鋼鉄ジーグだ!」
美和「宙さん、鋼鉄ジーグは ビッグシューターのサポートがあって 初めて能力を100%発揮出来るわ!」
美和「だから、全ての武器を使うには ジーグパーツの射出範囲内にいなければ ならないことを忘れないで!」
鋼鉄ジーグ「要はミッチーと 一緒に戦った方がいいってことだな!?」
美和「ええ!」
遷次郎「戦え、宙!  邪魔大王国の野望を打ち砕くのだ!!」
(ビッグシューターが移動し、鋼鉄ジーグに合流。鋼鉄ジーグに『気合』)
イキマ「鋼鉄ジーグだと…? 司馬の奴め、 あんなものを用意していたとは…!」
イキマ「ええい、ビルドベースと銅鐸は 後回しだ! 先に奴を倒せ!」
鋼鉄ジーグ「さあ来い、ハニワ幻人!  鋼鉄ジーグが相手だ!!」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[鋼鉄ジーグ]

鋼鉄ジーグ「行くぜ、ハニワ幻人!  ジーグの力を見せてやる!!」

〈敵機全滅〉

(敵機増援が出現)
イキマ「おのれ…鋼鉄ジーグめ!  かくなる上は、このヤマタノオロチで ビルドベースを占拠してくれる!」
鋼鉄ジーグ「ちっ! あんな大軍と どうやって戦えっていうんだ!?」
遷次郎「弱音を吐くな、宙! お前は今日から 戦士として生きねばならんのだぞ!!」
鋼鉄ジーグ「お説教ならたくさんだぜ!」
大利「宙君、卯月君!  ビルドベースもある程度なら敵からの 攻撃を耐えることが出来る!」
大利「ビルドベースが破壊される前に 敵のハニワ幻人を倒すんだ!」
美和「宙さん、今はビルドベースを 守ることが先決よ!」
鋼鉄ジーグ「言われなくてもわかってる!  …とにかく、近づいて来る奴から 倒していくぞ!」
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

(コン・バトラーVが出現)
大利「おお! あれはコン・バトラーV!!」
十三「間違いあらへんで!  あれは阿蘇山に現れた怪物と同じ奴や!」
小介「磁気反応を 感知出来たのが幸いでしたね」
豹馬「あンの野郎~!  今度は逃がしゃしねえぞ!!」
大作「ばってん、あん化け物は なしてここに現れよったとやろか?」
ちずる「ビルドベースを 狙ってるんじゃないの?」
大作「そいばってん、何のためにね?」
ちずる「さあ…?」
豹馬「ところで、 あの派手なロボット…新顔だよな?」
小介「え、ええ…」
(コン・バトラーVの東側にマジンガーZ、アフロダイA、ボスボロットが出現)
ボス「ジャンジャジャ~ン!  ボスボロット様の登場だわさ!」
さやか「ふう…やっと追いついたわ」
豹馬「遅かったな、甲児。 来ないのかと思ってたぜ?」
甲児「お前が飛ばし過ぎなんだよ!  こっちは足が遅い連中がいるってのに!」
さやか「足が遅くて悪かったわね!  無理に面倒見てくれなくても いいですよーだ!」
ボス「まったくだ! 空を飛べるからって いい気になるんじゃねえよ!」
甲児「わりぃわりい。言い過ぎたよ」
(マジンガーチームの東側にブラックゲッターとレディコマンドが出現)
甲児「おっ!  ありゃ、ブラックゲッターか!?」
武蔵「甲児、豹馬! 助っ人に来たぜ!」
豹馬「ムサシ!  もう使えるようになったのか、それ?」
武蔵「おう、見てのとおりだ!」
ミチル「ブラックゲッターは これが初めての実戦なんだから… 無理しちゃダメよ、ムサシ君」
武蔵「大丈夫、大丈夫! それより、 ミチルさんこそ気をつけて下さいよ。 戦うのは久しぶりなんだから」
ミチル「ええ、わかってるわ」
大利「こちら、ビルドベースの大利じゃ!  すまんが、諸君…ハニワ幻人を 食い止めてもらえんか!?」
豹馬「ナニワ原人?」
十三「ああ、大阪に昔から住んでる奴でな…」
ちずる「って、違うでしょ!」
十三「ん。ええタイミングのツッコミや」
小介「あ、あの…そんなことを 言ってる場合じゃないと思いますが…」
大利「とにかく、詳しい事情は後で話す!  ビルドベースを奴らから守ってくれ!」
甲児「わかりました!  任せといて下さい!」
ボス「ヌケ! ムチャ! 久々の出番だわさ!  気合入れていくわよん!!」
ムチャ「ガッテンだ。ボス!」
ヌケ「任せてちょ~だい~」
鋼鉄ジーグ「まったく、ふざけた連中だぜ。 頼りになるのかよ?」
豹馬「何!? 少なくとも、てめえよりは はるかに場慣れしてらあ!」
鋼鉄ジーグ「ふん、 口先だけなら何とでも言えるぜ」
武蔵「お、おいおい…何だよ、あいつ?」
美和「宙さん、 ケンカをしている場合じゃないわ!  あの人達と協力して戦うのよ!」
イキマ「フン、 雑魚が何匹増えようと同じこと!  まとめて始末してやるわ!!」

〈ビルドベースが攻撃を受けた〉

美和「大利所長!」
大利「だ…大丈夫じゃ!  それよりも早く敵を倒してくれ!」

〈vs イキマ〉

[鋼鉄ジーグ]

イキマ「冥土の土産に教えてやる!  俺の名はイキマ! 女王ヒミカ様に 仕える三大幹部の一人よ!!」
鋼鉄ジーグ「女王…ヒミカだと!?」
イキマ「さあ、 貴様の命をヒミカ様に捧げるがいい!」

[甲児]

甲児「やいやい!  てめえらもミケーネ帝国の仲間か!?」
イキマ「フン!  我らをあやつらと同じにするな!!」
甲児「何!? じゃあ、てめえらは…!」

[武蔵]

武蔵「ブラックゲッターの力、 見せてやるぜ!!」
イキマ「馬鹿め、返り討ちにしてくれる!」

[豹馬]

豹馬「覚悟しやがれ、ナニワ原人!」
十三「それはもうええちゅうんじゃ!」
イキマ「ふざけおって…!  血祭りにあげてやるわ!!」

[撃墜]

イキマ「お、おのれ!  今日のところは引きあげだ!!」
(幻魔要塞ヤマタノオロチが撤退)
ミチル「あの敵…どう見ても 恐竜帝国やミケーネ帝国じゃないわね…」
ちずる「それに、 バーム軍でもドクーガでもない…」
十三「ま、 新たな敵っちゅうのが妥当な線やろな」
武蔵「甲児や豹馬達は あいつらのことを調査してたんだろ?  何かわからねえのかよ?」
甲児「いや…。 前に出くわした時は逃げられちまってな。 俺達もよく知らねえんだ」
小介「…詳しい話はビルドベースで聞いた方が いいんじゃないでしょうか?」
ミチル「そうね…」
大利「ご苦労じゃった、諸君。 ひとまず、こちらへ来てもらえんか?  話したいこともあるのでな」
甲児「わかりました」
鋼鉄ジーグ(…親父…どこにいる?  あんたは死んだはずじゃなかったのか?)
美和「さあ、宙さん。私達も行きましょう」
鋼鉄ジーグ「…ああ」

《ビルドベース・JAPANESE AREA》

[ビルドベース]

大利「いやいや…本当に助かった。 ありがとう、諸君」
さやか「GGG本部へ帰る途中、 この近くを通りかかったのが幸いでした」
甲児「ところで、大利所長。 司馬遷太郎博士はどこに? GGG本部 から戻られたって聞いてましたが…」
大利「う…む…。実は……」
甲児「?」
武蔵「誰なんだ、その人?」
甲児「このビルドベースを建設した人さ。 死んだ俺のおじいさんの知り合いで、 GGG本部でも何度か会ったことがある」
ミチル「確か、サイボーグ工学と 考古学の権威として有名な人よね」
甲児「ああ」
「…親父なら死んだぜ」
甲児「え!?」
豹馬「その声…そのペンダント…。 もしかして、お前がジーグの パイロットかよ?」
「………」
大利「…パイロットというより、 彼はジーグそのものなんじゃ」
豹馬「そのものって…。じゃあ、ジーグは お前が変身でもしてんのか?」
「…それは俺が聞きたいぐらいだぜ」
豹馬「?」
大利「宙君…」
「…所長、教えて下さい。 何故、死んだはずの親父が 俺に話しかけてくるんです?」
大利「…いいじゃろう。 諸君、私についてきてくれたまえ……」

[ビッグファザー前]

「こ、ここは…!?」
小介「見たところ、 コンピュータルームのようですね…」
遷次郎「…宙………」
「! と、父さん!! その姿は!?」
遷次郎「宙…驚かせてすまなかった。 私の身に万一のことがあった時に備えて…」
遷次郎「このコンピュータに 私の全てを記憶させておいたのだ」
「な、何だって…!?」
遷次郎「事の始まりは今から25年前だ」
遷次郎「考古学者として日本の歴史を 研究していた私は…ある日、九州の 古墳で1個の銅鐸を発見したのだ」
遷次郎「その銅鐸に刻まれた古代文字を 解読したところ…大変なことがわかった」
「大変なこと!?」
遷次郎「そうだ。 かつて日本には恐るべき古代文明があった」
遷次郎「それが、異次元科学を使う独裁者・ ヒミカの支配する邪魔大王国だ」
遷次郎「銅鐸に書かれた予言によれば、 ヒミカは千数百年の後、眠りから覚めて…」
遷次郎「異次元科学の力を使い、この日本の 支配を目論んでいると言うのだ」
遷次郎「…私は 自由を愛する一人の人間として、ヒミカの 野望を断じて許すわけにはいかない」
遷次郎「そこで…ヒミカと戦う基地として、 このビルドベースを造った」
遷次郎「そして、 邪魔大王国と戦えるのは鋼鉄ジーグ…」
遷次郎「さらに、 甲児君、豹馬君…バルマー戦役を 勝ち抜いた諸君らしかいないのだ」
甲児「………」
ちずる「司馬博士、三輪長官は この話を知っているんですか?」
遷次郎「…いや。 彼には邪魔大王国復活の確固たる証を 得てから、報告しようと思っていた…」
十三「あのオッサンがこの話を聞いたら、 また荒れるやろなぁ」
さやか「ただでさえも、 地下勢力やドクーガ、バーム軍のことで カリカリきてるもんね」
さやか「そこに 新しい敵が増えたことを知ったら…」
ボス「いつものごとく、 ドカーンと大爆発だわさ」
遷次郎「三輪長官のやり方では、 いずれ連邦軍内部に大きな亀裂が生じる…」
遷次郎「だからこそ、 私は独自に邪魔大王国への対抗手段を 構築してきたのだ」
「…なるほど。 それで、父さんはこのペンダントと グローブを俺に渡したってワケか」
遷次郎「宙…全ては人類の平和のためだ」
「…父さんはいつもそうだ!  俺や母さん、まゆみに結果だけを 押し付けてくる…!」
「そんな父さんの言いなりになるのは、 まっぴら御免だぜ!」
遷次郎「…私の言うことが聞けんのか?」
「地球の平和なら、ここにいる連中が 守ってくれるさ。俺には母さんとまゆみを 養うことの方が大事なんだ」
菊枝「待ちなさい、宙」
「か、母さん! どうしてここへ…!?」
菊枝「話は大利所長から聞きました…」
遷次郎「菊枝…」
菊枝「何もおっしゃらなくても大丈夫です。 あなたの考えは理解しているつもりです」
「帰ろうぜ、母さん。俺達は このビルドベースに何の関係もないんだ」
菊枝「宙…お前はお父さんへの反抗心で 自分のやるべきことを見失っています」
菊枝「そして、その言い訳に私やまゆみを 使っているのではないですか?」
「か、母さん…」
菊枝「私とまゆみなら心配は要りません。 お前はお前のすべきことをしなさい」
「俺のやるべきこと…」
遷次郎「宙、よく聞け。今、地球と人類には 重大な危機が迫っている」
遷次郎「お前が守らなければならないのは、 母さんやまゆみだけではないのだ」
「…つまり、俺にこれからも 鋼鉄ジーグとなって戦えと言うんだな?」
遷次郎「そうだ」
「いいだろう、やってやる。 だが、父さんに言われたからじゃねえ」
「俺は母さんやまゆみ達を 守るために戦うんだ」
遷次郎「よかろう。 では、甲児君…宙と卯月君をGGGへ 連れて行ってやってくれたまえ」
甲児「え?  でも、それじゃビルドベースが…」
遷次郎「心配はいらん。 こちらでも対抗手段は講じてある」
ちずる(本当にいいのかしら? ハニワ幻人は ビルドベースを狙ってたようだけど…)
遷次郎「では、いいな? 宙」
「ああ、わかったぜ。邪魔大王国だろうが、 ハニワ幻人だろうが…」
「地球の平和を脅かす連中は この俺が相手になってやる…!」

《邪魔大王国本拠地 UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[祭壇]

ヒミカ「この愚か者めが!  銅鐸を手に入れられなかったどころか、 ハニワ幻人までも失いおって…!」
イキマ「お、お許し下さい、ヒミカ様…!  まさか、司馬遷次郎があのような物を 作っていたとは夢にも思わず…」
ヒミカ「ええい!  言い訳なぞ聞きたくはない!  わらわの怒りを思い知らせてくれる!!」
(振動、落雷)
イキマ「お…お許しを! ヒミカ様!」
アマソ「フン、イキマよ。人間共の力を 甘く見ておったお前が悪いのだ」
ミマシ「何を言う、アマソ。我らが人間に 劣るとでも考えているのか?」
アマソ「ああ、数の上ではな」
ヒミカ「アマソの申す通りじゃ。 我ら邪魔大王国が眠りについている間に 地上には人間共が溢れかえっておった」
ヒミカ「奴らから地上を取り戻すためには、 銅鐸に秘められし方法にて地獄の帝王を 復活させるのが最も得策であろう…!」
ミマシ「地獄の帝王…。 全てを破滅に導く破壊の化身…」
アマソ「その力さえ手に入れば、 もはや恐れるものなどありませんな」
ヒミカ「よいか…イキマ、アマソ、ミマシ!  我ら邪魔大王国存亡の鍵は、 司馬遷次郎の持つ銅鐸の秘密にある!」
ヒミカ「まずは銅鐸のありかを捜せ!  そして、その邪魔をする者共には 死と恐怖を与えるのじゃ!」
???「フフフ……では、俺も それに協力させてもらうとしよう」
ヒミカ「! そこにおるのは誰じゃ!?」
(虎の咆哮)
???(ゴーゴン)「これは失礼した。 女王の声が耳に入ったのでな…」
ヒミカ「そなたは…!?」
ゴーゴン「俺は ミケーネ帝国諜報軍…ゴーゴン大公だ」
ヒミカ「ミケーネ…?  確か、我らと同じく地の底に 生きる者達じゃと聞いておるが…」
ゴーゴン「フフフ…そのとおり」
イキマ「貴様、ここへ何をしに来た!?」
ゴーゴン「お前達邪魔大王国に 力を貸してやろうと思ってな…」
ミマシ「何!?」
アマソ「貴様、よくもぬけぬけと!!」
ヒミカ「やめい!  この者がわらわの前に現れたのには それなりの理由があるはずだ」
ヒミカ「まず、それを聞かせてもらおうか?」
ゴーゴン「お前達が戦っている相手は 我らにとっても敵…。ここは一つ、 双方で力を合わせようではないか」
ヒミカ「共闘か…。 それに対するわらわへの見返りは何じゃ?」
ゴーゴン「俺がそこにおる者達より先に 銅鐸を発見してみせよう」
アマソ「何…!?」
イキマ「貴様、調子に乗りおって…!」
ヒミカ「フフフ… ゴーゴンとやら、大口を叩きおったな。 ならば、結果を示してみせよ」
ゴーゴン「…もとより、そのつもりだ」
ゴーゴン(…フフフ…これでいい。 邪魔大王国を利用すれば 銅鐸を手に入れるのも容易かろう…)
ヒミカ(愚か者め…。 おおかた、銅鐸の秘密でも探りに 来たのじゃろうが…)
ヒミカ(あれの封印は わらわでなければ解けぬのだ)
ヒミカ(ミケーネ帝国… わらわのためにせいぜい働いてもらうぞ)


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