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リバイバル アラド ~ 第15話 ~

《日本近海・JAPANESE AREA》

[大空魔竜・ブリッジ]

大文字「謎のロボットと移動要塞が 現れただと?」
サコン「ええ。コン・バトラーチームからの 報告によれば、ドクーガと戦闘を行った後、 瞬間移動で姿を消したそうです」
大文字「瞬間移動…!?  もしや、ロボットが現れた場所は 真田博士の研究所かね?」
サコン「はい」
大文字「真田博士は?」
サコン「…お亡くなりになられました。 研究所の方もドクーガの攻撃によって…」
大文字「…そうか。惜しい人をなくした…」
ミドリ「大文字博士、極東支部の 三輪長官から通信が入ってきています」
大文字「わかった。 メインスクリーンへ回してくれたまえ」
ピート「あの男…今度は どんな言いがかりをつけてくるつもりだ?」
ミドリ「聞こえるわよ、ピート君。 雷を落とされても知らないから」
ピート「構うものか」
(通信)
三輪「三輪だ。 大空魔竜戦隊は何をぐずぐずしておる。 さっさと極東支部へ帰還せんか」
大文字「…申し訳ありません。 降下直後にリクレイマーやバーム軍と 接触しましたので」
三輪「言い訳など聞く気はない!」
大文字「!」
三輪「バーム軍はともかく、オルファンや リクレイマーなどはノヴィス・ノアと GGGに任せておけばよい!!」
大文字「…この期に及んで つまらない縄張り争いをしている 場合ではないと思いますが」
三輪「貴様らに好き勝手動かれると 軍の統制が乱れるのだ! 前任の 岡の時と同じにしないでもらおう!」
大文字「………」
三輪「いいか!? 大空魔竜戦隊は 地下勢力殲滅作戦へ参加してもらわねば ならん! もはや猶予はない!」
三輪「すでにミケーネは先遣部隊を 地上へ送り込んで来ておるのだぞ!」
大文字「…わかりました。 では、早急に基地へ…」
(アラート)
ミドリ「博士、 ノヴィス・ノアより緊急通信です!」
ミドリ「付近の地上にプレートが出現!  謎のロボットが出現した湾岸都市へ 向かっているそうです!」
大文字「何!?」
サコン「…それを追って リクレイマーが現れるでしょうね」
サコン「あるいは、プレートと 真田博士が研究していたものとの間に 何らかの関係があるのか…」
大文字「いずれにせよ、放ってはおけんな。 ピート君、大空魔竜の発進準備を!」
ピート「了解!」
三輪「何だと!? どういうつも…」
(通信)
ミドリ「申し訳ありません、大文字博士。 通信装置の調子が良くなくて…」
大文字「すまんな、ミドリ君」
ピート「涼しい顔してよくやるぜ」
ミドリ「何か言った?」
ピート「いや、別に。 …博士、大空魔竜スタンバイOKです!」
大文字「よし。 では、プレートを追ってくれたまえ!」

[モビルスーツデッキ]

バニング「出撃準備急げ!  あと15分で海岸に差し掛かるぞ!」
キース「りょ、了解!」
アラド「すみません、キース小尉。 あの…プレートって何です?」
キース「ええっと…」
モンシア「何だ、おめえ…知らねえのか。 プレートってのはな、アンチボディの 卵だ、卵」
アラド「タマゴ?」
モンシア「そう。 そこからブレンパワードが出るか、 グランチャーが出るかは…」
モンシア「見てのお楽しみってワケだ」
アラド「じゃあ、グランチャーだったら、 リクレイマーの戦力になる…?」
モンシア「ああ。 だから、その前に俺達でプレートを とっつかまえようってこった」
キース「またまた、モンシア中尉… プレートがアンチボディの卵って、 本当なんですか?」
アデル「…中尉の言っていることは 間違いじゃない。アンチボディは プレートから生まれるそうだからな」
キース「え…! じゃあ、当たってたんだ」
モンシア「何だ、その意外そうな顔は?  お忙しい少尉さんとは違って、資料に 目を通すぐらいの時間はあるんだぜ」
キース「す、すみません…」
(アラート)
シモン「目的地付近にグランチャー確認!  各員、警戒せよ! 繰り返す…」
バニング「敵が現れたぞ!  さっさと出撃しろ!」
アラド「はいっ!」


第15話
リバイバル

〔戦域:真田邸周辺〕

(プレートを指す)
「…どうやらプレートは あの場所に落ち着いたようだな」
カナン「そうみたいね。 それより、勇…身体は大丈夫なの?」
「カナンこそ、どうなんだ?」
カナン「勇のような無茶はしないわ」
「…あれもビー・プレートか?」
カナン「どちらにしても、 プレートは全て回収でしょう?」
「カナンは真面目だな…」
カナン「え…?」
「そんなにオルファンに 認められたいのか?」
カナン「あたしはグランチャーの パイロットになれたことを誇りに 思っているのよ」
カナン「…それに オルファンのリーダーがご両親の 勇とは身分が違うでしょ」
「そんなの関係ないだろ」
カナン「! 待って、 プレートの近くに人がいるわ!」
「何…!? この辺りには ドクーガの一件で避難勧告が 出ているはずだろう!」
カナン「勇! プレートが…!」
(プレートの側を指す)
比瑪「それ以上、こっちに来て いったいどうするつもりなの!?」
アカリ「比瑪姉ちゃん…!」
(ブレンパワードとの共鳴)
クマゾー「お、音がしたも!!」
ユキオ「な、何が起きるの!?」
比瑪(プレートからアンチボディが 生まれる…!? テレビで言ってた リバイバルって、このこと…!?)
(ブレンパワードのリバイバル。リバイバル・プレートが消滅してヒメ・ブレンが出現)
クマゾー「うああ…!」
ユキオ「グランチャーって奴が 出来たんだ!」
アカリ「嘘だぁ!  あれさ、悪い奴じゃないの!?」
比瑪「そういうのって、わかってないみたい… グランチャーって言うのと違うわ!」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「この子…! この子って…!」
クマゾー「比瑪姉ちゃん!」
比瑪「この子…優しい目をしてるよ」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「ほらね、見ててごらん」
ユキオ「でもさ!」
比瑪「この子…… 生まれたばかりの赤ちゃんなのよ!」
アカリ「これで赤ちゃん…!?」
比瑪「この子は誰かに 面倒見てもらいたがってんでしょ?」
クマゾー「それに乗っちゃ駄目だよ!  比瑪姉ちゃん!」
(比瑪がヒメ・ブレンに乗り込む)
比瑪「…ポカポカしてる…。 スベスベしてるのに、柔らかいなんて…」
比瑪「外が見える!?」
ヒメ・ブレン「『ドウスレバイイノ?』」
比瑪「…色んな言葉があった…。 あなたはどうしたいの? 生まれたのなら あなた何かしたいんでしょ?」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「立てば? 立ってから考えましょ!」
ヒメ・ブレン「………」
(ヒメ・ブレンが空中に)
比瑪「立てたのよ、あなた…落ち着いて。 あなたはちゃんと歩けるわ!  さあ、自信を持って!」
「プレートからリバイバルしてる。 カナン、グランチャーじゃないぞ!」
カナン「あのブレンパワードに アジャストした人がいるんだ。 誰なの!?」
(カナン機と勇機がヒメ・ブレンの所まで移動。勇機はヒメ・ブレンに隣接)
比瑪「別のアンチボディ…?  あれはテレビで見てるのみたい…。 あれ、君の仲間なの?」
「ブレンパワードを動かしている…!」
カナン「破壊するよ、勇。 ブレンパワードにリバイバルしたら、 破壊するのが規則だ!」
「…!」
比瑪「あれがテレビで言ってた グランチャーなら…」
「ブレンパワードに乗っている奴!」
比瑪「誰の声!? どこなの!?」
「ブレンパワードのことを知らないのに 乗るんじゃない!」
カナン「すぐに降りなさい。 不完全なアンチボディは危険なんです!」
比瑪「この子、言うこと聞いてくれるわ!  お節介はいいわ!」
「マスコミのいうことなんか 聞いてどうする! ブレンパワードは 使っちゃいけないんだ!」
比瑪「!!」
【強制戦闘】
[ブレードヒルト]vs比瑪[反撃不可能]
(ヒメ・ブレンはチャクラシールドのおかげでダメージ0)
カナン「あのブレンパワード、 力がある…!?」
カナン「いったいどういうこと…?  オルファンのブレンは魂のない 人形でしかないのに…!」
「貴様!」
比瑪「生まれた子が 立ち上がって飛びたがっていたのよ!」
比瑪「それなのに、あなた達が来たおかげで びっくりして怖がってるわ!」
「怖がってる……だって?」
比瑪「あなた達こそ、いったい何なの!?」
「グランチャーで オルファンの意志を表す者だ!」
比瑪「何よ、カッコつけて!  オルファンなんて、 海の中にある変な遺跡でしょ!?」
比瑪「女の顔をしてるとか、 地球を壊すとかってさ!」
「ペラペラうるさい女が いい加減なことを言うな!」
比瑪「あたしは! 『女』じゃないわ!  宇都宮比瑪っていうのよ!」
比瑪「そっちこそ、変な物を使って プレートを回収してるらしいけど… 何でさ!?」
「オルファンが必要としているからだ!」
カナン「勇、下がりましょう!  後続の部隊も来てくれているわ!」
「ブレンパワードは 不完全なアンチボディなんだろ!?」
カナン「それに子供を盾にしているのよ!」
比瑪「盾!?  誰が弟や妹達を盾にするもんですか!!」
クマゾー「ヒ、比瑪姉ちゃん…!」
比瑪「クマゾー、ユキオ、アカリ!  早くこの子に乗って!  ここから逃げるわよ!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

(あいつ…何でリバイバルしたばかりの ブレンパワードを使えるんだ…!?)
(ブレンは不完全なアンチボディの はずじゃなかったのか…?)
カナン「勇、どうしたの?  また拒絶反応なの?」
「…いや、何でもない」
ヒメ・ブレン「………」
比瑪「! どうしたの、君?  何か来るの!?」
(敵機増援が出現)
クマゾー「グランチャーがいっぱい来たも!」
アカリ「ヒ、比瑪姉ちゃん!」
比瑪「あ、あんな数…!」
「! あのグランチャーは…?」
エッガ「無様だな、勇!」
「エッガ・ブランカン…!」
エッガ「ブレンごときに何てザマだ。 伊佐未ファミリーの名が泣くぜ?」
「親父達は関係ない!」
エッガ「なら、そこをどけ。 俺があのアンチボディを始末してやる」
比瑪「来るの!? だったらさ!」
ユキオ「比瑪姉ちゃん! あれ!」
比瑪「え!?」
(母艦出撃選択・アルビオンとヒュッケバインMk-IIIが出撃)
クマゾー「白い木馬だも!」
アカリ「あれ、知ってる!  え~と、ホ…ホ…ホームベース!」
ユキオ「ホワイトベースだろ?」
比瑪「ちょっと形が違うんじゃない?」
シナプス「各機、出撃せよ!」
(出撃準備)
ナンガ「プレートからリバイバルしたのは ブレンパワードか!?」
ラッセ「生まれたばかりのブレンを ああも動かせる…。誰なんだ?」
アラド「ブレンパワードってことは、 こっちの味方なんでしょう?」
ラッセ「…まだわからんが、少なくとも リクレイマーじゃないことは確かだ」
アムロ「あのままでは グランチャーに落とされる。 呼びかけて、助けた方がいいだろう」
ナンガ「了解。 そこのブレンパワード!  こっちの声が聞こえるか!?」
比瑪「あっちもブレンパワード…?  あれって、連邦軍じゃないの!?」
ユキオ「じゃあ、味方なの!?」
ナンガ「そうだ。ブレンに乗っているなら わかるだろう? ブレンパワードが グランチャーを嫌っているのが」
比瑪「嫌っている…?  そうか、だからこの子は…!」
ラッセ「ブレンのことを大事に思うのなら、 俺達の所へ来てくれないか?」
比瑪「大事に…? ああ、その感じ… わかるわ! そういうことが言える人って、 信用出来るもの!」
ジュドー「…説得出来たってこと?」
アムロ「ああ。 いい感性を持った子のようだな」
クマゾー「比瑪姉ちゃん!  あそこ! あそこ見るだも!」
比瑪「え…あれは…!?」
(住宅地の南側の通路を指す)
少女「あ…ああ……!」
比瑪「逃げ遅れた子がいるの!?」
クマゾー「助けるも!」
比瑪「でも、 これ以上この子には乗せられない…!  どうすれば!?」
少女「た、助けて……!」
ヒイロ「…救出する」
デュオ「お、おいおい、マジかよ!?  目の前にグランチャーの大軍が いるんだぜ!?」
ヒイロ「機体から降りれば問題ない」
デュオ「そっちの方が危ねえっての!  ったく、無鉄砲にも程があるぜ!」
カトル「でも、逃げ遅れた人を 見捨てるわけにはいきませんよ!」
デュオ「そんなこたぁわかってる!  だけど、上手い方法を考えねえと どっちつかずになっちまうぜ!」
バニング「アラド、 お前が助けに行け!」
アラド「お、俺ッスか!?」
バニング「お前の機体は機動性が高い!  行くんだ!」
アラド「りょ、了解!」
アムロ「アラド曹長、 逃げ遅れた子がいる位置は わかっているな?」
アラド「は、はい! ここですね!」
(目的位置を指す)
アムロ「よし、各機は アラド曹長が救助を終えるまで グランチャーを牽制するんだ!」
健一「了解!」
ヒイロ「アラド、 バックアップは任せろ。その代わり…」
アラド「わかってる!  必ず助け出して見せる!」
「エッガ! 攻撃を中断させろ!  逃げ遅れた子供がいる!」
エッガ「知らんな。 どうせオルファンが浮上すれば、 弱い生き物は全て死ぬんだ」
「何!?」
エッガ「それに、プレートも回収できず ブレンも見逃したとなれば、 クインシィへ言い訳も出来まい?」
「貴様…!」
カナン「どうするの、勇…?」
「仕方がない、敵の母艦を叩く。 そうすれば、向こうも退くはずだ」
カナン「わかったわ」
(作戦目的表示)

〈vs 勇〉

[比瑪]

「そのブレンパワードから降りろ!」
比瑪「何よ、偉そうに!  グランチャーっていうアンチボディが 世界中でプレートを集めてるらしいけど…」
比瑪「どうしてだかわからないって ニュースで言ってたわ!」
比瑪「けど、 あんたみたいなのがグランチャーに 取りつかれてやってるのよ!」
「!!」
比瑪「何でさ!?」
「オルファンの意志を表すためだ!!」

[ナンガ]

「ブレンパワードが これほどの力を持っているとは…!」
ナンガ「そうさ!  オーガニック・マシンを使いこなすのが リクレイマーだけだと思うなよ!」
「馬鹿な…! 親父達の話と違うぞ!」

[撃墜]

(グランチャーの拒絶反応)
「うぐ…! 拒絶反応が…!」
(勇機が撤退)
比瑪「…あの子、行っちゃった…」

〈vs カナン〉

[比瑪]

カナン「そのブレンから降りなさい!  危険なのよ!」
比瑪「この子を見捨てろってこと!?  そんなこと出来るわけないじゃない!」

[ラッセ]

カナン「これがブレンパワードの力… グランチャーと互角だと言うの!?」
ラッセ「自分達の尺度だけで 物事を捉えるなってことさ!」

[撃墜]

カナン「いけない…!  これではグランチャーを失うことになる!」
(カナン機が撤退)

〈vs エッガ〉

[いずれかの味方]

エッガ「いいぞ、俺のグランチャー!」
エッガ「貴様には、生まれながらに 戦う男の気骨がある!」
エッガ「この戦場のみならず、 全てを貴様のものにしろぉっ!」

[撃墜]

エッガ「ええい!  どうしたのだ、グランチャー!」

〈敵機全滅〉

カミーユ「アムロ大尉、 グランチャーは全滅後退したようです」
アムロ「よし…各機は警戒態勢を。 アラドは逃げ遅れた子の救出を急げ」
アラド「了解!」

〈ヒュッケバインMk-IIIが目的地へ〉

少女「!!」
アラド「俺の機体に乗るんだ!  早く!」
少女「い、いや…っ!」
アラド「俺は敵じゃない!  君を助けに来たんだ!」
少女「い、いやぁぁぁっ!!」
アラド(この子…!  ショック状態なのか!?  こ、こういう時は………)
アラド(え、え~と…! そうだ!)
少女「こ、来ないで…来ないで…っ!」
アラド「…怖がらなくていい。 俺の話をよく聞くんだ」
少女「……!?」
アラド「…『隣の家に 囲いが出来たんだってね?』 『へぇ~。かっこい~』」
少女「え…?」
アラド「『この前、 和尚さんが二人家に来たよ』 『いつ?』『和尚がツー』」
サンシロー「あいつ、 こんな時に何言ってんだ!?」
コウ「さ、さあ?」
トロワ「…おそらく、あの子の 気持ちを落ち着かせているんだろう」
デュオ「ホントかよ!?  あんなベタなネタで!?」
ビーチャ「もうちょっと別の方法が あるんじゃないの?」
フォウ「いいから、 ここはあの子に任せましょう」
アラド「『俺…正月、モビルスーツに 乗ったんだ』『へぇ~、何に?』」
アラド「『元旦だから、ガンタンク』」
少女「?」
アラド「トホホ、笑ってくれない…。 女の子にモビルスーツのネタは ちょっとわかりにくかったか」
少女「………」
アラド「とにかく、俺は君の敵じゃない。 さあ、こっちにおいで」
少女「……うん…」
アラド「バニング大尉!  子供の救助、完了しました!」
バニング「よし、よくやった!」
デュオ「へ~え…やるもんだね、あいつ」
アムロ「よし…。 全機、このままノヴィス・ノアの位置まで 移動するぞ」

[ノヴィス・ノア・ブリッジ]

比瑪「…だいたいの事情はわかりました」
アノーア「理解が早くて助かるわ」
ゲイブリッジ「そこで、宇都宮比瑪君… 君に頼みたいことがある」
比瑪「何でしょう?」
ゲイブリッジ「ブレンパワードの力は まだ未知数だ。もしかするとオルファンの 秘密を解き明かす鍵になるかも知れない」
ゲイブリッジ「だから、 ノヴィス・ノアとしてはブレンに認められた 君に是非とも協力をお願いしたい」
比瑪「それって…さっきのグランチャーと 戦えってことですか?」
ラッセ「その答えでは50点だな」
ナンガ「今となっては、俺達の敵は リクレイマーだけじゃなくなった」
アノーア「最近の日本地区に起きている異変… あなたも知っているでしょう?」
比瑪「ええ…。 だから、あたし達は逃げ回って…」
ゲイブリッジ「…どうかね、宇都宮比瑪君?  このノヴィス・ノアに乗ってもらえると、 我々としては非常に助かるのだが」
比瑪「………」
比瑪「今、地球圏全体が どういう状況になっているのか… 把握は出来てませんけど…」
比瑪「何かが おかしいってことぐらいはわかります。 私に出来ることがあるなら手伝います」
ナンガ「では、決まりだな」
ラッセ「ああ。歓迎するぜ、比瑪ちゃん」
比瑪「その代わり… 私のお願いを一つ聞いてもらえませんか?」
アイリーン「子供たちのことね?」
比瑪「あなたは…?」
アイリーン「アイリーン・キャリアー。 このノヴィス・ノアの船医を務めているの」
比瑪「…アイリーンさん、皆さん…。 出来れば、この子達を…」
ユキオ「………」
アカリ「………」
クマゾー「………」
比瑪「この子達はひだまりの館から ずっと一緒なんです」
比瑪「お願いします。この子達も ここに置いてもらえませんか?」
クマゾー「比瑪姉ちゃんと離れたくないも!」
アカリ「そうよ、そうよ」
ユキオ「アカリ、クマゾー。わがまま言って 比瑪姉ちゃんを困らせちゃダメだぞ」
アカリ「でも…でも…」
比瑪「お願いします。この子達だって、 炊事や洗濯の手伝いぐらい出来ます」
ゲイブリッジ「…どうするかね、艦長?」
アノーア(…子供を…戦艦に乗せるなんて)
アイリーン「いいんじゃありません?  彼女のブレンは、この子達との接触で 何かを学んだのかも知れません…」
アイリーン「それに、人手は必要でしょう?」
アノーア「……わかりました。 いいでしょう」
比瑪「あ、ありがとうございます!  ほら、あんた達もお礼を言って!」
クマゾー「ありがとうだも!」
アイリーン「その代わり、 ちゃんと働いてもらうわよ?」
アカリ「はーい!」
アノーア「…では、ゲイブリッジさん。 これより、ノヴィス・ノアは 東京湾上のGGG本部へ向かいます」
ゲイブリッジ「大空魔竜戦隊は 極東支部へ帰還するのかね?」
アノーア「ええ。 ただし、マザー・バンガードは 本艦に随行することになりました」
ゲイブリッジ「その方がいいか…。 三輪長官が相手ではな……」

[休憩室]

アラド「ええっ!?  俺があの子の面倒を見るんですか!?」
エマ「そうよ。ベラ艦長のお願いでね」
アラド「ベラ艦長が…?」
エマ「…診察の結果でわかったことだけど、 彼女は記憶をなくしているみたいなの」
アラド「! 記憶を…?」
アラド(俺と……同じ…?)
エマ「多分、ショックによる 一時的な症状だと思うけど…」
エマ「ベラ艦長からの申し出もあって、 適切な施設が見つかるまで、私達の部隊で 彼女を預かることになったのよ」
アラド「だからって、何で俺が?」
エマ「人手が足りないからよ」
アラド「出た、伝家の宝刀…。 それで何でもやらされるんだよなぁ」
エマ「何か言った?」
アラド「い、いえ、別に…」
ジュドー「心配することないぜ。 俺やプルもあの子の面倒見るからさ」
プル「うん、歳も近いしね」
アラド「俺… 一応、パイロットなんだけど」
プル「あたしだって、そうよ」
ジュドー「俺だってそうだぜ?  それに、あの子を放っておくわけには いかないだろ?」
アラド「そりゃそうだけど…。 面倒見るって言っても、そんなこと スクールじゃ教えてくれなかったし…」
エル「大丈夫、大丈夫。 ジュドーを見習えばいいって」
アラド「え?」
エル「ジュドーは妹を育ててたから、 あの年頃の女の子の扱いが上手なんだ。 …色々勉強しといた方がいいかもよ?」
アラド「…何の勉強なんだか」
(扉が開閉する)
ファ「…ほら、ここよ」
少女「…………」
ファ「みんな…この子のこと、よろしくね」
ジュドー「ああ、任せろって」
少女「………」
ジュドー「俺さ、 ジュドー・アーシタってんだ」
プル「あたし、エルピー・プル。 よろしくね!」
少女「………」
ジュドー「君の名前は?」
ファ「あ、ジュドー…この子、記憶が…」
少女「……私……イルイ……」
ファ(えっ!?)
エル「イルイ…可愛い名前じゃん。 あ、ちなみにあたしはエル・ビアンノ。 よろしくね、イルイ」
イルイ「う、うん……」
ファ(どうして…? さっきまで、 名前を聞いても答えなかったのに…)
プル「怖がることなんてないよ。 この艦の人はみんないい人達だから」
イルイ「うん………」
エル「ほら、アラド。 あんたも自己紹介しなよ」
アラド「え? 俺!?」
ジュドー「なに緊張してんの? さっきだって 顔を合わせて、話をしてたじゃん」
アラド「あれは その場の勢いって奴でさ…」
イルイ「あ、あの……」
アラド「!?」
イルイ「…助けてくれて……ありがとう…」
アラド「え!? いや、その…」
エマ(フフ…読みが当たったわね)
エマ(ベラ艦長が言ったとおり、 あの子達相手なら彼女も心を開くかも 知れないって…)

《ビッグファルコン・JAPANESE AREA》

[ビッグファルコン]

三輪「諸君、よく来てくれた。 ワシが極東支部長官の三輪防人だ」
三輪「諸君らの宇宙での活躍は このワシの耳にも届いておる。 まずはその労をねぎらおう」
サンシロー「よく言うぜ。 異星人が地球に降下したのは 俺達の責任だとわめいていたくせに」
ミドリ「やめなさいよ、サンシロー君。 長官がこっちをにらんだわよ」
三輪「ゴホン。これより諸君らは ワシの指揮下で、異星人及び地下勢力の 殲滅作戦に参加してもらうことになる」
シナプス(やはり、そう来たか…)
三輪「そして、 これだけは忘れずにいてもらいたい」
三輪「諸君らの戦力は、 あくまでも『地球』と『地球人』を 防衛するためのものだ」
三輪「それら以外の者達のために 戦う必要はない!」
大文字「長官、スペースノイドは見捨てても 構わないとおっしゃるのですか?」
三輪「大文字博士、君は地球人かね!?」
大文字「は…?」
三輪「地球人か?  それとも宇宙人かと聞いておるのだよ!」
大文字「………」
三輪「いいかね、博士。地球人類の基盤は 地球にあるのだよ。スペースノイドなど、 それに寄生するダニのようなものだ」
シナプス「地球さえ守れば、コロニーは どうでもいいということですか?」
三輪「当然だ。コロニーは破壊されれば 作り直すことが可能だが…地球は そういうわけにはいかんのだ!」
三輪「それに、これまで宇宙人共は地球の 恩恵にすがって生きてきたのだ。この 有事に連中を構っている余裕はないわ!」
カミーユ(あの考え方… まるでティターンズと同じじゃないか…)
ジュドー(なんで、あんな人が 極東支部の長官になれたんだよ…)
めぐみ(お父様が更迭されなければ… こんなことにはならなかったのに…)
三輪「では、早速だが諸君には 地下勢力殲滅作戦に参加してもらう」
アムロ「地下勢力殲滅作戦?」
三輪「うむ。地底には依然として ミケーネ帝国と恐竜帝国の二大勢力が 残っており…」
三輪「この数ヶ月、奴らは 偵察と思われる部隊を地上に 送り込んできている」
三輪「今回の作戦は今までのように 奴らを地上で待ち受けるのではなく…」
三輪「地下勢力の本拠地を探し出し、 攻撃を仕掛けて殲滅するという 画期的なものなのだ」
一平(何を威張ってんだ。 攻守が逆になっただけだろうが)
三輪「すでにゲッターチームと グレートマジンガーが奴らの本拠地の 探索任務についておる」
三輪「彼らからの報告が入り次第、 諸君らには全力で地下勢力を 叩き潰してもらいたい!」
大文字「しかし、三輪長官… 我々が地底へ攻撃を仕掛ければ、 日本の防衛が手薄になります」
三輪「戦力は諸君ら以外にも存在している。 それに、地下勢力を殲滅するためならば、 少々の犠牲には目をつぶる」
剛健太郎「一般市民を犠牲にしても 構わないとおっしゃるのですか?」
三輪「異星人は黙っていろ!  貴様に地球防衛を語る資格はない!」
剛健太郎「……!」
健一「三輪長官、父や俺達は 命を懸けて侵略者と戦ってきました!  今の発言は取り消して下さい!」
三輪「異星人の息子が何を言う!  本来ならば、貴様ら親子は敵対分子として 捕らえられてしかるべきなのだぞ!」
健一「敵…!?  今までボルテスで戦って来た俺達が、 敵だと言うんですか!?」
日吉「ひ…ひどいや、そんな言い方…!」
一矢「長官! 剛博士や健一達は 今も地球のために戦っています!  それが嘘でないことは俺達が証明します!」
三輪「ほう、証明だと?  異星人のスパイと内通している貴様が 一体何を証明するというのだ?」
一矢「な…!?」
三輪「だいたい貴様の父親がバーム星人との 交渉などという寝言を言い出したから、 今日の事態を招くことになったのだ」
一矢「寝言だと…! エリカを スパイ扱いしただけでなく、父さんの生命を 懸けた理想を寝言だとっ!?」
三輪「な、何をする気だ!?」
京四郎「いかん!  ファン・リー、ヤマガタケ!  一矢を押さえるんだ!」
ヤマガタケ「お、おう!」
(倒れた)
一矢「くそっ! 放せ、放してくれ!!」
ファン・リー「落ち着け、一矢!  ここでお前が暴れても何にもならんぞ!」
一矢「放せぇぇっ!!」
三輪「いいか? 今の極東支部は 岡の時のように甘くはないぞ!」
三輪「貴様らには地球を守る兵士として、 ワシの指揮下で戦ってもらう!  覚悟しておけ!」
ピート「………」
サンシロー「…これからは やりにくくなりそうだぜ…」

《??? UNKNOWN・JAPANESE AREA》

[パスダー前]

パスダー「目覚めよ…機界四天王よ…」
???「ポロネズならここにおります、 パスダー様…」
???「プリマーダ、 もう待ちくたびれましたわ」
???「ピッツァ。只今、到着…」
???「このペンチノン、 すぐにでも出港可能です」
パスダー「有機生命体を進化させる エネルギーが現れた…」
パスダー「あれが成長する前に、 この星をゾンダー化せねばならぬ…」
パスダー「心弱き者共…。 我が力を授けようぞ…」


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