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宿命の出会いは戦火の中 ゼンガー ~ 第11話 ~

〔戦域:小バーム周辺宙域〕

(小バームを指す)
竜崎勇「あれがバーム星人の宇宙船…!」
サンシロー「なんてデカさだ…!  まるでスペースコロニーだぜ」
サコン「あれだけのサイズの物体が 恒星間航行をこなすとは…」
サコン「バーム星人の技術水準は かなり高いようだ」
ピート「見方を変えれば巨大な宇宙要塞だ。 油断は出来んぞ」
(ダイターン3とボルテスVが出現)
豹馬「お!?  あれ、ダイターンとボルテスじゃねえか?」
健一「久しぶりだな、豹馬」
豹馬「おう、例の事件の時以来だな」
剛健太郎「健一、大次郎、日吉…」
大次郎「おとっさん!」
剛健太郎「元気にしていたか?」
日吉「うん!  ところで、お母さんは?」
剛健太郎「母さんは今頃、 ダイモライトの研究を手伝うために ガードダイモビックへ行っているはずだ」
健一「相変わらず真面目だな、母さんは」
万丈「さて、積もる話は後にしよう。 今は珍客のお出迎えに大忙しだからね」
大文字「では、早速だが万丈君……」
万丈「ええ。 ひとまずプリベンターの基地… クリュスへご案内します」

[執務室]

レディ「…大文字博士、 会談は5時間後に開始される予定です」
大文字「…場所はこのクリュス基地ですか?」
レディ「ええ」
竜崎勇「…バーム側の戦力について、 判明していることはありますか?」
ノイン「目下調査中ですが… 相当数の機動兵器を保有していると 思われます」
ノイン「仮に攻撃を受けていたら、この火星は 彼らに制圧されていたことでしょう」
サコン「あの小バームの規模から考えれば、 あり得る話ですね」
レディ「あれが衛星軌道上に現れてから しばらく経ちますが…火星圏の偵察以上の 行動は見せていません」
リリーナ「とりあえず、 彼らは侵略の意思を具体的に見せている わけではないのですね?」
レディ「ええ」
竜崎勇「ならば、望みはありますな」
大文字「しかし…相手は異星人です。 上手くいきますかな?」
剛健太郎「前大戦の例を挙げるまでもなく、 二つの異なる星の民が手を結ぶには 幾つもの障害があります」
剛健太郎「しかし、 バーム星人はまず最初に我々と話し合いの テーブルへつくことを選択しました」
竜崎勇「ええ。例え、こちらの対応策が 決定するまでの時間稼ぎだとしても…」
竜崎勇「我々は誠意を持って 彼らと接触しなければなりません…」

[格納庫]

ケン太「みんな、こっちこっち!  メカがいっぱいあるよ!」
クマゾー「すごい、すごい!  イルイも一緒に行くも!」
イルイ「あ…!  危ないから、走っちゃダメ…!」
ユキオ「あの飛行機、でっけぇ~!」
ケン太「ああ、あれ… きっとダイファイターだよ。 呼べば飛んでくるって奴!」
クマゾー「何て呼べばいいも?」
ケン太「カモン、ダイターン…だったかな?」
ユキオ「ショータイムじゃなかったっけ?」
レミー「ふふふ、やっぱ男の子ね~。 目を輝かせちゃって」
キリー「…イルイは女の子だろ?」
レミー「あらら、 こっちの男の子はしょぼくれちゃって。 水着美女のお出迎えでも期待してた?」
キリー「水着はともかく、美女ぐらいはな」
レミー「あら、いるじゃない」
キリー「どこに?」
レミー「目・の・ま・え」
キリー「はて、疲れが目にきたかな?  俺にはレミーしか見えんが…」
レミー「何よ、それ? 失礼ね~」
ちずる「でも、キリーさん… ガッカリすることはないと思いますよ」
キリー「?」
(扉が開閉する)
めぐみ「ちずる! 元気にしてた!?」
キリー「お…!」
ちずる「ほら、ね?」
ルー「どうしたの?」
ちずる「ううん、こっちの話。 ルーもフォウも元気そうね」
フォウ「ええ…」
ルー「ところで、ちずる。 豹馬と何か進展あった?」
ちずる「し、進展って…何よ、いきなり?」
ルー「またまたぁ、とぼけちゃって」
ちずる「別に何もないもん。 そういうルーは どうなの? ジュドーのこと、まんざらじゃ ないんでしょ?」
ルー「え? まあ…でも、ジュドーには リィナやプルがいるからねえ。 …壁は結構厚いかも」
めぐみ「あの子、妹想いだもんね」
フォウ「…見たところ、 大空魔竜には前のメンバーが ちょっとずつ集まってるみたいね」
さやか「カミーユがいなくて残念だった?」
フォウ「ふふっ、その手には乗らないわよ」

[格納庫]

ゼンガー(…火星に こんな基地が建設できるようになるまで、 復興が進んでいるとはな……)
万丈「…あなたは ゼンガー・ゾンボルト 少佐ですね?」
ゼンガー「君は?」
万丈「破嵐万丈です。 少佐とお会いするのは……初めてですね」
ゼンガー「ああ」
万丈(…鉄也達が言っていたとおりだ。 彼にアンセスターの記憶はない…。 もっとも、当然のことだけどね)
万丈(…それにしても、運命とは 皮肉なものだ…まさか、彼とこうやって この時代で話す時が来るとは…)
ゼンガー「どうかしたか?」
万丈「いえ、何でもありません」
ゼンガー「…ところで、 見事なものだな。火星の復興は…」
万丈「ええ、太陽系内防衛網の一端を担う 火星の再建は急務でしたからね」
万丈「アステロイドベルトの イカロス基地だけでなく…この地球にも 基地を造ろうということになったんです」
ゼンガー「見たところ、 入植者らしき人々もいるようだが…」
万丈「ええ。同時に テラフォーミングも進めていますから。 それに……」
万丈「万一の事態に備え、 『マーズクレイドル』の建設も 予定されているんです」
ゼンガー「!  マーズクレイドル…!?」
万丈「そうです。 かつて、ソフィア・ネート博士が提唱した プロジェクト・アーク…」
万丈「そこで建設されたアースクレイドルを 見習って、火星にも地下人工冬眠施設を 造ろうという話になっています」
ゼンガー「そうか……」
万丈「正直言って、 政府上層部にはマーズクレイドルの建設を 疑問視している人達もいますが…」
万丈「これから先、 バルマー戦役のような事態が発生する 可能性は充分にあるますからね」
ゼンガー「………」
万丈「それに…僕は ソフィア・ネート博士のご遺志を 無駄にしたくはない」
万丈「…あなた方が… 人類の未来のために勇気ある選択をした ことは充分理解しているつもりです」
ゼンガー「…その言葉を ネート博士が聞けば、喜んだだろう…」
ゼンガー「俺達は… 逃亡者同然の扱いを受け、クレイドル中で 眠りについたのだからな…」
万丈「………」
(扉が開閉する)
ビューティ「あ、万丈…ここにいたの?  ギャリソンが戻ってきたわよ」
万丈「…わかった。すぐに行くよ」

[基地個室]

ギャリソン「万丈様、 例の件の調査が終了致しました」
万丈「ご苦労だったね、ギャリソン。 で、調査の結果は?」
ギャリソン「破壊された彼らの基地と その周囲100キロ四方に人の立ち寄った 形跡はございませんでした」
万丈「あの最後の戦いが終わった時と 同じということか…」
ギャリソン「前回、火星へ来た時… 彼らが復活するような兆しは 見られませんでしたが…」
ギャリソン「やはり、気になりますか?」
万丈「ああ。 火星はしばらくの間封鎖されていたからね。 何が起きても不思議じゃない」
万丈「ジュピトリアンが 生き残っていたように…彼らも…」
ギャリソン「では…マーズクレイドルの 建設は延期ということでよろしいですな?」
万丈「ああ。この火星に 少しでも疑わしい点がある以上はね」
万丈「それに…もうあのアンセスターのような 悲劇を起こすわけにはいかないんだ……」

[格納デッキ]

健一「これがダイモスか…」
日吉「僕達のボルテスと違って、 小型のメカに分離しないんだね」
一矢「ああ。元は地底や惑星開発のために 作られたものなんだ」
日吉「じゃあ、 火星におあつらえ向きなんだね」
(足音)
トビア「凄い…!  何て大きなトレーラーなんだ…!」
ナナ「誰?  ここは関係者以外、立ち入り禁止よ」
トビア「す、すみません。 このトレーラーに興味があって…」
健一「君は…入植者の学生さんかい?」
トビア「はい。機械工学科の トビア・アロナクスと言います」
京四郎「見たところ、まだ子供なのに こんな辺境くんだりまでご苦労なこった。 そういう物好きはナナだけかと思ったが…」
ナナ「物好きって、どういう意味よぉ!?」
京四郎「…それにしても、トビアだったか?  こんなご時世に火星まで来るなんて、 大した度胸だな」
トビア「火星入植は一大プロジェクト ですからね。僕達ぐらいの世代からも 結構志願者が出たんですよ」
トビア「それに、最果ての地って、 逆に人類の最先端って感じがする じゃないですか」
京四郎「最果てって言っても… この先にはまだ木星圏があるぜ?」
トビア「ええ、本当はそこへ いきたかったんですけど…前の大戦以後、 音信不通になっていますし…」
???(カラス)「アロナクス君」
トビア「は、はい!」
カラス「第4倉庫へのソーラーパネルの 移送準備は完了したのですか?」
トビア「あ、カラス先生…。 ちょっと…その…」
一矢「あなたは?」
カラス「私ですか?  私は入植者の指導を担当している カラスと申します」
カラス「トビア君、 探究心が旺盛なのは構いませんが、 作業を中断するのは良くありませんね」
トビア「すみません、先生。 すぐに持ち場へ戻ります」
カラス「では、皆さん… お騒がせして申し訳ございませんでした」
(トビアとカラスが立ち去る)
京四郎(あのじいさん、 気配を消して近づいてきやがった。 只者じゃねえな…)

[大空魔竜・ブリッジ]

ミドリ「大文字博士、 間もなくバーム星人との会談の時間です」
大文字「うむ。総員、第1種戦闘配置。 コンバットフォース、及び各機は 格納庫内で待機してくれたまえ」
サンシロー「わかりました、博士」
大文字「ミドリ君、会談場の方は?」
ミドリ「準備は終了し、 後はバーム星側の代表者を待つだけです」
ミドリ「なお、ヒイロ君達プリベンターの メンバーが竜崎博士やドーリアン外務次官の 護衛についています」
サコン「大文字博士、 小バームからシャトルと小型戦闘機群が 発進しました」
サコン「おそらく、先方の代表者が 搭乗していると思われます」
大文字(いよいよか……。 何事も起きなければいいのだが……)

[執務室]

剛健太郎「…お話は承りました、 リオン大元帥閣下」
リオン「ありがとうございます、剛大使」
剛健太郎「ですが、あなた方の要求…… 人工冬眠中のバームの民10億を地球圏へ 受け入れるのは非常に困難です」
リヒテル「では、我々の申し出を 受けられないとおっしゃるか!?」
リオン「控えよ、リヒテル。 ここは会談の場であるぞ」
リヒテル「…申し訳ございません、父上」
剛健太郎「残念ながら、 我々の地球は一枚岩ではありません…」
剛健太郎「地球人の皆が皆、 あなた方を快く迎えるとは思えないのです」
リヒテル「一枚岩ではないですと?  地球の支配体制はそんなに脆弱なのか?」
リリーナ(…支配体制…?)
剛健太郎「…ええ。 その通りだとお答えするしかありません」
リヒテル「父上、話になりませぬ!  自らの星を満足に統治出来ぬ者達が 我々と同じテーブルにつくなどと!」
ゲロイヤー「大元帥、リヒテル様の おっしゃられる通りでございます」
リオン「こちらの一方的な都合を 地球の方々に押しつけるでない」
リヒテル「それはわかっておりますが…」
リオン「…地球の方々。我々はあなた方の 星系への移住を希望しておりますが… 今すぐにというわけではありません」
リオン「無論、双方の間で 問題が解決出来ぬようであれば、 我々はここから立ち去ります」
リヒテル(父上…!  また流浪の旅を続けられるおつもりか?)
竜崎勇「剛博士、ドーリアン外務次官。 私はリオン大元帥閣下の申し出を 受けるべきだと思います」
剛健太郎「竜崎博士…!」
竜崎勇「確かに、 10億の民を受け入れるかどうか…我々は すぐにその答えを出せはしません」
竜崎勇「しかし、 我々の方から軍や政府へ前向きに 働きかけることは出来るはずです」
リリーナ「………」
竜崎勇「そして、私はこう考えるのです…」
竜崎勇「人類は何故、宇宙に対して 限りない夢を持つのであろう…」
竜崎勇「それは、 この広大な宇宙に住むバーム星人のような 隣人を訪ねたいからではないか…」
竜崎勇「そして… 今、その隣人がここにいる。だからこそ、 私は彼らに手を差し伸べたいと思います」
リオン「おお…ありがとうございます、 竜崎大使」
剛健太郎「リオン大元帥閣下、 不幸にも地球はこれまでに異星からの 侵略を受けています」
剛健太郎「それゆえ、地球連邦政府が バーム星人の受け入れを承諾するのは 時間もかかりましょう」
リリーナ「ですが、我々使節団は 閣下のお言葉を伝え、可能な限りの お力になることをお約束します」
リオン「ありがとう…、 ありがとうございます、皆さん」
リオン「長い旅路の果てに、地球人という 素晴らしき隣人と巡り会えた幸運を バームの神に感謝します…」
剛健太郎「リオン大元帥閣下、 手を取り合い、二つの星の人々の 共存共栄を目指しましょう」
リリーナ「では、我々は地球連邦政府に 会談の結果を報告します。どうか、 おくつろぎになってお待ち下さい」
リオン「お言葉に甘えさせて頂きましょう」
竜崎勇「お口に合うかわかりませんが、 地球の飲み物を用意しました。 よろしければ、お召し上がり下さい」
リオン「では…」
ゲロイヤー「…リオン大元帥、これで 我々バーム10億の民も救われますな …さあ、カップをどうぞ」
リオン「うむ。これで我々バーム人は…」
ゲロイヤー(ククク……)
リオン「!? うぐっ!」
(ガラスが割れ、リオンが倒れる)
リヒテル「ち…父上! 父上っ!!」
リオン「……」
リヒテル「な…何と!  す、すでに息絶えて…!!」
ゲロイヤー「地球人め!  飲み物に毒を盛りおったな!?」
竜崎勇「な、何!? そんな馬鹿な!!」
リヒテル「おのれ、卑怯なり地球人!  交渉の場において、この仕打ち!  この場から生きて帰れると思うな!!」
竜崎勇「ま…待て!  これは何かの間違いだ!」
リヒテル「問答無用! 死ねいっ!」
(銃声)
竜崎勇「ぐっ…!」
(竜崎勇が倒れる)
リリーナ「竜崎博士っ!!」
リヒテル「貴様らも死して 父上にわびるがいい!!」
(銃声)
リリーナ「! ヒイロ!?」
ヒイロ「ぐっ…!」
リヒテル「ほう、見上げた度胸だ。 自らの肉体を盾にするとはな。だが!!」
ヒイロ「リリーナ、逃げろ…!」
リリーナ「!!」
(爆発、閃光)


第11話
宿命の出会いは戦火の中

〔戦域:クリュス基地周辺〕

(基地に大空魔竜が待機している)
大文字「そろそろ、 会談に一区切りつく頃だな」
サコン「ええ…」
(基地に爆煙)
大文字「!?」
ピート「会談場が!!」
ミドリ「大文字博士、 護衛のヒイロから通信です!  正面モニターに回します!!」
ヒイロ「ヒイロ・ユイだ。 非常事態が発生した」
大文字「ヒイロ君、 使節団は無事なのかね!?」
大文字「そちらの状況は!?」
ヒイロ「…剛健太郎博士とリリーナの 安全は確保した」
一矢「な、何だって!?  竜崎勇は…父さんはどうなったんだ!?」
ヒイロ「………」
一矢「くっ! 父さんっ!!」
京四郎「待つんだ、一矢!」
(ダイモスが出現、ガルンロールなどが出現)
ライザ「リヒテル様、今、お助けします!」
(ガルンロールとダリが3機、基地まで移動)
リヒテル「卑怯にして愚かなる地球人よ、 聞くがいい! 余は貴様達に暗殺された リオン大元帥の子、リヒテルだ!」
大文字「リオン大元帥が暗殺された…?  会談の場で何が起こったのだ!?」
健一「馬鹿な…!  誰よりも平和を愛する父さん達が、 暗殺なんて真似をするはずがない!」
リヒテル「余は正義と真実の名の下に 卑怯者、竜崎勇を処刑した!」
一矢「父さんを殺しただと…!?」
リヒテル「だが、これで事が収まると 思うな! 余の怒りと悲しみ、 我がバーム軍の力、思い知るがいい!」
リヒテル「全軍攻撃開始!  地球人を皆殺しにせよ!!」
一矢「よ、よくも…!  よくも父さんを…っ!!」
一矢「バーム星人!  お前達こそ生きて帰れると思うな!」
(ダイモスに緑の光)
ピート「大文字博士、迎撃命令を!!」
大文字「う、うぬっ…」
ピート「このままでは、基地内の人間や 入植者達が危険にさらされます!」
大文字「やむをえん…各機は発進!  敵を迎撃してくれたまえ!」
(出撃準備)
レミー「…真吾の予想が当たったわね」
真吾「まったくだ。 やっぱりロクなことにならなかったな」
レミー「は~あ… ジンクスって意外に侮れないのよねえ」
キリー「それよりも… 敵さん、すぐに部隊を送り込んでくるとは ヤケに手回しがいいな」
レミー「案外、部隊は部隊でも… 舞台袖で出待ちだったのかもね」
万丈(…なるほど。 バーム側はこうなることを 予測していたのかも知れない)
万丈(あるいは… 初めから仕組まれていたことだったか…?)
一平「……健一、気づいてるか?」
健一「ああ…」
(スカールークを指す)
ベルガン「フフフ…あれが 裏切り者のラ・ゴールが作ったという ボルテスVか」
健一「あれはスカールーク…!  間違いない、ボアザン軍だ」
めぐみ「ボアザンの生き残りが バーム星人と合流したの?」
健一「その可能性もあるが… 父さんやハイネル兄さんの話では、 ボアザン本星はまだ存在している」
一平「そこから来た連中かも 知れねえってことか?」
健一「ああ。ボアザン星を占拠していた エアロゲイターの艦隊は、バルマー戦役で 滅びているんだ…」
健一「ボアザン星人はバーム星人に協力し、 何かを企んでいるのかも知れない」
一平「やれやれ。 今回も面倒なことになりそうだぜ」
(作戦目的表示)

〈1EP〉

デスモント「フッフッフッ… ゲロイヤーめ、上手くやりおったな」
ダンゲル「うむ。後はバームとボアザンの者に 任せておけばよかろう」
デスモント「では、我々は ダリウス大帝様に作戦が成功したことを お伝えするとしよう」
(デスモント機とダンゲル機が撤退)

〈3PP〉

サコン「大文字博士、 このままでは消耗戦になります」
大文字「うむ…。 いずれは小バームから援軍も来る。 そうなれば我々は挟み撃ちに遭うか」
サコン「ええ。それにクリュス基地の 入植者達を救援しなければなりません」
大文字「よし…救助作業を終えた後、 火星から脱出する!」
一矢「待って下さい!」
大文字「!」
一矢「俺に… 俺に父さんの仇を討たせて下さい!」
大文字「一矢君…!」
万丈「一矢、状況を把握するんだ。僕達は 小バームに頭上を抑えられているんだぞ」
一矢「だからと言って、ここで撤退したら 父さんは無駄死にじゃないですか!!」
一矢「それに、このまま火星から 逃げ出すなんて…俺は嫌です!!」
万丈「……!」
万丈「…その気持ちはよくわかるよ。 かつて僕も同じ思いをしたからね」
一矢「え!?」
万丈「だけど、僕達は生き延びて… 今回の件を地球の人達に伝える必要がある」
万丈「だから、 今は歯を食いしばって耐えるんだ」
一矢「くっ…!」
京四郎「万丈の旦那のいう通りだぜ、一矢。 基地に残っている人間を 見捨てるわけにはいかないだろう?」
ナナ「そうよ、お兄ちゃん。 京四郎さんの言う通りよ」
一矢「…わかった…」
万丈「ギャリソン、 マサアロケットの発進準備を」
ギャリソン「承知致しました」
万丈「レイカ、ビューティ、トッポは 入植者をマサアロケットへ誘導してくれ」
レイカ「わかったわ!」
万丈「時間はどれぐらいかかる?」
ギャリソン「4分ほどでございます」
万丈「上出来だ。 じゃ、その時間は僕達が稼ごう」
一矢「! あれは…!?」
(ダイモスが基地の南側へ移動)
京四郎「どうした、一矢!?」
一矢「居住区に人が倒れているんだ!」
京四郎「何だって!?」
一矢「………」
一矢「…あれは…女の子!?  君! しっかりするんだ!!」
一矢「ダメだ、気を失ってる…!  仕方がない、ダイモスに収容する!」

〈バルバス撃墜〉

バルバス「ええいっ!  こうなったら退却だ!」

〈vs ベルガン〉

[健一]

ベルガン「フッフッフ。 ハイネル達を退けたボルテスの力… どれほどのものか、試してやろう」
健一「やはり、ボアザン星人か!」
ベルガン「いかにも。 裏切り者のラ・ゴールと共に この異星の地で始末してくれるわ!」

[撃墜]

ベルガン「地球人め… バルマーの艦隊を退けただけのことはあるな」
ベルガン「だが目的が達成された以上、 これ以上の戦闘は無意味だな。 撤退するぞ」
(スカールークに爆煙、撤退)

〈vs リヒテル〉

[一矢]

一矢「父さんを殺したのは貴様か!?」
リヒテル「父だと? 貴様は何者だ!?」
一矢「俺の名は竜崎一矢!  貴様が殺した竜崎勇の息子だ!」
リヒテル「黙れ! 余の父は 貴様達地球人の計略で殺されたのだ!」
一矢「あの父さんが暗殺なんて真似を するはずがない! 父さんは誰よりも 平和を愛していた!」
リヒテル「問答無用! 卑怯者の息子よ!  余の手で父の後を追わせてやるわ!」

[豹馬]

豹馬「ちょっと待てよ!  俺達はお前らと戦うつもりはねえ!」
リヒテル「この期に及んで まだ言い逃れをする気とは… 卑怯なり、地球人!」
豹馬「ちっ! こっちの話を 聞くつもりがないってんなら!!」

[健一]

健一「答えろ! 何故、ボアザン軍が お前達と一緒にいるんだ!?」
リヒテル「そのようなこと、 答える必要はないわ!!」

[万丈]

万丈「そっちと戦うつもりはない… と言っても、信じちゃくれないだろうね」
リヒテル「貴様らに弁解の余地など与えん」
万丈「だったら、しょうがない…!  僕はこの星に骨を埋める気はないんでね!」

[サンシロー]

サンシロー「これ以上、好きにはさせない!  ガイキングの力を見せてやる!!」
リヒテル「面白い!  地球の戦闘ロボットがどれほどのものか 見せてもらうぞ!」
サンシロー「俺は地球を守るため、 野球を捨てて、こいつに乗ったんだ!  貴様らに負けはしないぞ!!」

[ピート]

リヒテル「母艦さえ落とせば、 地球人共は撤退する! 攻撃を集中しろ」
ピート「甘く見るなよ、異星人め!  トップガン仕込の俺の腕と 大空魔竜の力、見せてやる!」

[撃墜]

リヒテル「覚えておれ、地球人め!  余は必ずや貴様らを倒し、父リオンの 仇を討ってみせるぞ!」
(ガルンロールに爆煙、撤退)

〈敵機全滅〉

ミドリ「マサアロケットの発進準備、 完了したそうです!」
大文字「ピート君、 各機を収容した後、火星から脱出する!」
ピート「了解!」

『プロペラントタンク』を入手した
『カートリッジ』を入手した
『リペアキット』を入手した

《火星 衛星軌道上・SPACE AREA》

[大空魔竜・ブリーフィングルーム]

大文字「ミドリ君、 小バームからの追撃部隊は?」
ミドリ「確認できません。 このまま火星圏を離脱できそうです」
大文字「そうか。基地のスタッフや入植者を 収容できたのが不幸中の幸いだな」
レディ「しかし、 火星圏を手に入れた彼らは、地球人類に 対して宣戦を布告してくるかも知れません」
大文字「うむ…」
健一「また前のような戦いが 始まってしまうのか…」
リリーナ「ええ…。結局、私達は 同じ過ちを犯してしまったのです」
ノイン「リリーナ様…」
リリーナ「そして、 私は何もすることが出来ませんでした…」
サコン「外務次官のせいでは ありませんよ。それに、今回の件…裏に 何らかの陰謀があるのは間違いありません」
万丈「僕も同感だね」
ノイン「突発的な事態にしては、連中の 部隊展開の手際が良すぎたような気もする」
サンシロー「どいうことだ?」
サコン「つまり、彼らは初めから 我々を攻撃するつもりだったのかも 知れないということだ」
サンシロー「そいつはおかしいぜ。 だったら、何で交渉なんかを 俺達に持ちかけて来たんだ?」
サコン「だから、何らかの陰謀が仕組まれて いたのかも知れないと言っている。 リオン大元帥の知らない所でな…」
サンシロー「なるほど」
一平「それに、ボアザン軍が 奴らの中にいたのもクサいぜ」
サコン「うむ…敵のメカの種類を見る限り、 彼らは少なくとも3種の文明の 混合部隊だった」
ノイン「ああ」
健一「一つはバーム星人、もう一つは 以前も戦ったボアザン星人として 残る一つはどこの星の軍隊なんだ?」
一平「もしかして、バルマー艦隊かよ?」
サコン「いや、彼らのメカとは 系統がまるで違う。詳細はまだ不明だが、 別の文明だと考えるべきだろう」
リリーナ「………」
リリーナ「…あの時、私達が リオン大元帥や竜崎博士の生命を 救えていれば、こんなことには…」
ヒイロ「………」
一平「待てよ、ヒイロ。 どこに行くつもりだ?」
ヒイロ「…竜崎博士を死なせたのは 俺のミスだ」
一平「お前…それを取り返すつもりなのか?」
ヒイロ「死んだ人間は戻らん…。 これから俺がどうするべきかは ゼロに訊く」
リリーナ「! ヒイロ、あなたは……」
一平「おい、ゼロって…。あれは確か、 こないだの戦いが終わった後に…」
ヒイロ「…この艦の高速艇を借りるぞ」
リリーナ「ヒイロ!」
ノイン「リリーナ様…、 今のヒイロを止めても無駄なことは、 あなたが一番よく知っているはずです」
リリーナ「…承知しています。 ですが、忘れないで下さい。あなたの生命も 竜崎博士の生命も等しく尊いことを」
ヒイロ「………」
(足音・ヒイロが立ち去る)
リリーナ「ヒイロ…」
万丈「大文字博士、これからどうします?」
大文字「地球圏に帰還し、 バーム星人の来襲に備えるしかあるまい」
リリーナ「………」

《火星 小バーム・SPACE AREA》

[小バームの玉座]

オルバン「聞け、バームの兵達よ。 我々の偉大なる指導者リオン大元帥は 地球人の手によって暗殺された」
オルバン「私は閣下の仇を討つと同時に その悲願を継ぎ、バームの民に 安住の地をもたらすことを約束しよう!」
オルバン「我らにはボアザン星、 ゼーラ星という協力者がいる。 恐れるものは何もない」
オルバン「リヒテル提督よ。 新たな元帥として最初の命を下す。 地球総攻撃の準備を進めよ!」
リヒテル「はっ…!  このリヒテル、命に代えましても!」
オルバン「成功を祈るぞ、リヒテル。 このバーム星10億の民の運命は そちの双肩にかかっておる」
リヒテル「いざ、バームの戦士達よ!  大元帥オルバンの命は下った!  これより地球に対する総攻撃を開始する」
リヒテル「我に続け!  その手で憎き地球人を倒し、我らの 新たなる故郷を手に入れるのだ!」


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