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Gの帰還 アラド ~ 第5話 ~

〈トールギスIII撃墜〉

ゼクス「フッ…さすがだと褒めておこう」
ゼクス「任務は終了した。撤退する」
(トールギスIIIに爆煙、撤退)
ヒイロ「…逃げたか、ゼクス」
エマ「どうして、あの人が……?」
モンシア「一度裏切った奴は 二度目も裏切るって言うがな」
カトル「…ただ裏切ったとは思えません。 何か理由があるのかも…」
ベイト「おいおい、だったら、本気で 攻撃してくるのもプリベンターの 特別任務ってか? 冗談じゃねえぜ」
アデル「ええ。 芝居にしてはタチが悪いですね」
デュオ「やれやれ、リリーナがこのことを 知ったらブッ倒れかねないね」
カミーユ(だけど、 結果としてヒイロ達のガンダムを 取り戻すことが出来た)
カミーユ(情報を流したのは ゼクスだったのか? それとも……)
(ガイキングとボルテスVが出現)
健一「もう戦闘は終わっていたか」
めぐみ「私達の出番はなかったみたいね」
大次郎「ヒイロ達のガンダムの 勢ぞろいしとるとぞ」
一平「ああ。いつの間に拾ってきたんだ?」
コウ「ボルテスチームのみんな!」
日吉「コウ兄ちゃん、久しぶり!」
アラド「な……何だ、ありゃ!  デカいドラゴン……敵か!?」
カトル「いえ、 あれは極東支部所属の大空魔竜ですよ」
アラド「だいくうまりゅう…?  それに、極東支部ってことは連邦軍の?」
カトル「ええ。 対地下勢力用の中心戦力ですが、 どうしてこんな所に…?」

『スラスターモジュール』を入手した

《L5宙域付近・EARTH AREA》

[アルビオン・ブリッジ]

大文字「はじめまして。 私が大空魔竜戦隊の指揮官… 大文字洋三です」
シナプス「アルビオン艦長の エイパー・シナプスです」
シナプス「ところで、大文字博士…」
シナプス「大空魔竜戦隊は、恐竜帝国や ミケーネ帝国に対抗する戦力として、 極東に配置されていると聞いていますが…」
シナプス「何故、宇宙に?」
竜崎勇「…その件に関しては、 私の方からご説明致しましょう」
シナプス「あなたは…?」
竜崎勇「ダイモビックの竜崎勇です」
剛健太郎「彼は私の旧来の友人で… ロボット工学の権威でもあります」
剛健太郎「今回、私や リリーナ・ドーリアン外務次官と 共に……」
剛健太郎「地球側の大使を 務めることになりました」
シナプス「地球側の…大使?」
竜崎勇「はい。実は…… 火星圏に新たな異星人が現れたのです」
シナプス「何ですと…!?」
バニング「新たな…とおっしゃられましたね。 では、エアロゲイターではないと?」
竜崎勇「ええ。火星にいる プリベンターからの情報では…彼らは 『バーム星人』と名乗っているそうです」
シナプス「バーム……」
バニング「剛博士、ご存じで?」
剛健太郎「いえ…。過去にボアザンの民と 接触したという事実はありません」
バニング「全く別勢力の異星人だと 言うわけですか……」
リリーナ「はい。そして、彼らは 私達と平和的な話し合いを望んでいます」
シナプス「バーム星人が 太陽系へ来た目的は?」
リリーナ「現段階では何とも言えません」
大文字「故に、私達大空魔竜戦隊が 剛博士や竜崎博士、ドーリアン外務次官を 護衛して火星圏へ行くのです」
シナプス「……ジオンの暗躍、そして、 新たな異星人……事態は思っていた以上に 急を告げておるようですな」
シモン「…艦長、参謀本部から特別回線で 通信が入っています」
シナプス「参謀本部から…?」

[休憩室]

カミーユ「…ボルテスチームと 大空魔竜は宇宙に上がっていたのか」
一平「ああ。俺達は火星圏を目指して 惑星間航行に入る前でな」
日吉「その時に、カミーユ兄ちゃん達の 戦闘をキャッチしたっていうわけ」
健一「そっちも色々あったみたいだな」
デュオ「まあね。それにしても、 間が悪いって言うか、何て言うか……」
デュオ「よりによって、 ゼクスが裏切ったってわかった時に リリーナが来なくてもさ」
めぐみ「そうね…」
カトル(…ガンダムの情報を僕達に流したのは あの人に間違いない…)
カトル(けど、 僕はそれ以外の人の意志も感じる。 …これが杞憂だったらいいんだけど…)
デュオ「…で、バーム人ってのは 本当に友好的な連中なのか?」
一平「火星にいるプリベンターの報告じゃ、 そういう素振りは見せていないらしい」
デュオ「信用出来ねえな。初めは笑顔で、 後は……ってのもパターンだぜ?」
健一「俺は…宇宙に住む全ての人が そうじゃないと信じたい」
カトル「そうですね……」
(扉が開閉する)
ピート「そんな甘い考えでは、 侵略者達から地球を守ることなど 出来ないぞ」
健一「!」
一平「やれやれ…堅物さんのご登場か」
カミーユ「君は?」
ピート「俺の名はピート・リチャードソン。 大空魔竜のキャプテンを務めている」
カミーユ「…ロンド・ベル隊の カミーユ・ビダンだ」
ピート「ロンド・ベル隊や プリベンターはバルマー戦役で 地球圏を守った英雄だと聞いていたが…」
ピート「ボルテスチームを含め、 とんだ甘ちゃん揃いらしいな」
カミーユ「どういう意味だ?」
健一「場合によっては 聞き捨てならないぞ、ピート」
ピート「…前大戦で あれほどまでの被害を異星人から 受けておきながら…」
ピート「まだ奴らを信用しようとする。 それが甘ちゃん以外の何だと言うんだ?」
カトル「…でも、バームの人達は エアロゲイターではないのでしょう?」
ピート「奴らが俺達と友好関係を 結ぶために、わざわざ太陽系まで 来たと思っているのか?」
カトル「だからと言って、 最初から喧嘩腰になる必要はありません」
カトル「バーム星人の真意を見極めるための 時間や手段もあるじゃないですか」
ピート「いかにも民間人らしい発想だな。 攻撃を受けてからでは遅いんだぞ」
(扉が開閉する)
サンシロー「おい、よせよ…ピート。 お前達が喧嘩をしてどうするんだ?」
ピート「サンシローか。 軍隊経験のないお前に俺の話はわかるまい」
サンシロー「ああ。 俺は軍隊に入った覚えはないからな」
ピート「フン…。 民間人の相手は民間人がお似合いだ。 サンシロー、後はお前に任せる」
(足音・ピートが立ち去る)
デュオ「何なんだ、あいつ……」
めぐみ「…相変わらずねえ。ああやって、 前に健一とも喧嘩をやらかしたもんね」
カミーユ「………」
サンシロー「すまないな。 悪い奴じゃないんだが…」
カミーユ「君は?」
サンシロー「おっと、自己紹介が まだだったな。俺はツワブキ・サンシロー。 ガイキングのパイロットをやっている」
デュオ「ツワブキ・サンシロー?  そう言えば、その顔……」
カトル「知っているのですか、デュオ?」
デュオ「ああ、スポーツニュースでな。 確か、魔球を投げるので有名な プロ野球のピッチャーだった」
サンシロー「ま、今は野球のプロならぬ 地球防衛のプロってところさ」
デュオ「しかしまた、プロ野球の選手が どうして大空魔竜戦隊に?」
(扉が開閉する)
ミドリ「サンシロー君は 大文字博士にスカウトされて、 ガイキングへ乗ることになったの」
めぐみ「ああ、 この人は大空魔竜のオペレーターの…」
ミドリ「フジヤマ・ミドリです。 よろしく」
ヤマガタケ「おいおい、ミドリ!  俺達にも自己紹介をさせてくれよ」
ミドリ「ちょっとちょっと。 アルビオンへの乗船許可が出たのは、 私とピートとサンシローだけでしょ?」
ヤマガタケ「固いこと言うなって。 ちゃんとサコンが許可をもらって くれたんだから」
ファン・リー「そういうことだ、ミドリ」
ミドリ「あなたまで…。 じゃあ、ちょうどいい機会だから、 大空魔竜戦隊のメンバーを紹介するわね」
ファン・リー「まずは俺からだな。 ファン・リーだ。翼竜スカイラーの パイロットを務めている」
デュオ「ん?  あんたの顔も見たことがあるぜ。 格闘技か何かの選手だったっけ?」
サンシロー「そう。ファン・リーは 有名なキックボクサーだったのさ」
ファン・リー「…昔の話だよ、サンシロー」
ブンタ「僕はハヤミ・ブンタです。 魚竜ネッサーのパイロットをしています」
日吉「ブンタさんは ダイビングの達人なんだよ」
カトル「じゃあ、日吉君と同じなんですね」
ヤマガタケ「俺はヤマガタケ。 剣竜パゾラーのパイロットだ。みんな、 当然、俺のことも知っているよな?」
デュオ「いや。 体格から言って、レスラーか何か?」
ヤマガタケ「体格で判断するな!  それに俺は相撲取りだ、相撲取り!」
デュオ「悪いけど、あんたの顔は ニュースとかで見たことないねえ」
ヤマガタケ「トホホ。 顔が知られてんのはサンシローや ファン・リーだけかよ」
ハチロー「しょうがないよ。ヤマガタケさんは フンドシ担ぎだったんだから」
ヤマガタケ「うるさい!  あのまま相撲を続けていたら、俺は 横綱の上を行くタテヅナだったんだ!」
ハチロー「…何だい、それ?  あ、僕はハチロー。大空魔竜で みんなのお手伝いをしてるんだ」
サンシロー「あと、 開発担当でサコン・ゲンってのがいる。 …ってわけで、よろしく頼むぜ、みんな」
デュオ「よろしくって…あんた達、 今から火星へ行くんじゃないのか?」
ミドリ「え? 聞いてないの?」
カミーユ「どういうことなんだ?」
ハチロー「兄ちゃん達も 大空魔竜と一緒に火星へ行くんだよ」
デュオ「な、何だってぇ!?」

[アルビオン・ブリッジ]

シナプス「………それは軍上層部の意思と 考えてよろしいのですな?」
アデナウアー「いや、そうではない。 極東支部では、三輪防人長官が バーム星人との徹底抗戦を唱えている」
アデナウアー「しかし、現状で 彼らと戦闘状態に入るのは得策ではない」
シナプス「…検討に必要な時間を稼げと?」
アデナウアー「そうだ。 前大戦のおかげで、上層部は異星人に対し、 非常にナーバスになっている」
アデナウアー「特に三輪長官は 大空魔竜に乗り込んで、 自ら火星へ突撃しかねん勢いだ」
シナプス(なるほど…。それで長官の下から 大空魔竜を離したわけか)
アデナウアー「無論、こちらも不用意に 異星人と戦闘をするつもりはないが…」
アデナウアー「現状では、対策委員会を 結成するだけでも時間がかかるのでね」
アデナウアー「竜崎大使や ドーリアン外務次官には、バーム星人との 話を引き延ばす役目を果たしてもらう」
アデナウアー「君のアルビオンは 大空魔竜戦隊と共に火星圏へ向かい、 会議場の護衛に当たってくれたまえ」
シナプス「ネオ・ジオンと クロスボーン・バンガードは どうするのです?」
シナプス「残ったロンド・ベル隊の戦力で、 彼らに対処することは困難ですが…」
アデナウアー「それを心配する必要はない。 我々とてやるべきことはやっている」
アデナウアー「そのために、私が わざわざ宇宙にまで来ているのだからな」
シナプス(やるべきことだと…?)
アデナウアー「それに、我々は 戦争ばかりしたがっている君達とは違う」
アデナウアー「相手が地球人なら、 最低でも言葉が通じるのでな」
シナプス(その相手ですら、 手なずけられん連中が何を言うか)
アデナウアー「とにかく、 バーム星人と会議し…こちらの対処方法が 決まるまでの時間を稼いでくれたまえ」
シナプス「…了解です」

[艦内個室]

リリーナ「…そうですか。火星の ノインさんから、地球圏へ向かった兄と 連絡が取れなくなったと聞いた時……」
リリーナ「こうなる予想はしていました」
ヒイロ「奴はお前に何も?」
リリーナ「ええ」
ヒイロ「………」
リリーナ「何か考えがあってのことでしょう。 しかし、今の私には兄を気にかけている 時間はありません」
リリーナ「地球側の大使としての役目を 果たし、バーム星人との話し合いを 良い方向へ持っていかなければ……」
ヒイロ「………」
リリーナ「でも、ヒイロ… もし、兄が私達の前に立ち塞がるなら…」
ヒイロ「わかっている。 その時は俺の手で……奴を倒す」
(扉が開閉する)
キース「…っと、ごめん。 取り込み中だった?」
ヒイロ「いや。何の用だ?」
キース「バニング大尉から 招集がかかったんだ。これからのことで 話があるんだってさ」
ヒイロ「了解した」

[休憩室]

アラド「か、火星ッスか!?」
バニング「そうだ」
モンシア「そいつぁまた、急な話ですな。 あそこにゃプリベンターがいるってのに、 何で俺達まで?」
ベイト「まったくだ。 あの大空魔竜ってのはハリボテかよ?」
アデル「万が一の事態に備えて… ということでしょうね」
バニング「その通りだ。 今までの例から考えて……」
コウ「今回現れた異星人の勢力は バーム星人だけではないと?」
バニング「その可能性は充分にある。 だから、こちら側も出来うる限りの戦力を 集めようという上層部の決断だ」
モンシア「なるほど、 それで俺達に白羽の矢が立ったって わけですかい」
エマ「ロンド・ベル隊やプリベンターは 何回も異星人と接触しているものね…」
モンシア「やれやれ、余計な経験が 買われちまったもんだぜ」
バニング「惑星間航行用ブースターの 取り付け作業が終了次第、アルビオンは 大空魔竜と共に火星圏へ向かう」
バニング「…以上だ」
ベイト「…人使いが荒いのは覚悟していたが、 ここまでとはな」
モンシア「何言ってやがる。 こんなもん、序の口だぜ、序の口」
アラド「…………」
ファ「どうしたの、アラド」
アラド「火星まで行くのが ちょっとビックリで…」
ファ「あら、まだましな方よ。 前大戦の時、私達は冥王星外宙域まで 行ったんだから」
アラド「め、冥王星ぃ!?  おれなんて、宇宙に出るのは 今回が初めてだってのに……」
エマ(それであれだけの 宙間戦闘をこなしたと言うの…)
バニング「アラド、何事も経験だ。それに、 火星へ行けば俺達の置かれている現実が よくわかるだろう」
アラド「は、はい…」
アラド(…火星…。 それに、異星人か………)


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