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ここが巨大なる魔村 慎重に行動する・零児達がいる ~ 第31話 ~

《魔界 魔界村・エントランス》

トロン「どうなの? ロック、ロール」
コブン1号「ここにある艦って…」
ロール「間違いないわ。 この艦…フラッター号は本物よ!」
小牟「こりゃオドロキじゃのう。 いざ魔界村…と思ったら、見覚えのある艦が 横倒しになっておるとは」
零児「まったくだな。 …最後にこの艦に乗ったのは、確か…」
 ピラミッド
ロック「幻想界の砂漠です」
ロック「でも、ピラミッドの近くに着陸させて おいたフラッター号が、どうしてここに?」
超戦士1P「あのピラミッドでは、派手な転移が あったからな」
 ダストドラゴン
超戦士2P「ダストドラゴンまですっ飛んで 来やがったんだ。艦の一隻や二隻、 異世界に飛ばされても不思議はねえさ」
ガンツ「よりによって魔界村に、かよ」
クロノア「さすがに、もう飛べないんじゃ ないのかなあ…」
レジーナ「足になってくれるかと思ったけど… 無理かもしれないわね」
 『第三の月の都』エントランス
鳳鈴「よくめり込む艦ね。 『第三の月』でも、めり込んでなかった?」
ロール「大丈夫です!  このコはまだ壊れていません!」
ブルース「まあ、その『第三の月』でも、こいつの おかげで助かったんだ」
ブルース「…だが、横倒しじゃあな」
ハガー「ううむ、起こすにしても、これは骨が 折れそうだな」
飛竜「…いつ敵が来るかもわからん。 悠長に構えている時間はない」
KOS-MOS「ですが、付近に敵影はありません。 引き上げ作業は可能かと思われます」
御剣「そうだな。 見たところ、辛気臭えだけの所だ」
 魔界村にあるドルアーガの塔
御剣「空飛ぶ船で、早々になんとかの塔と やらに行くべきじゃねえのか?」
タキ「ただ辛気臭いだけだと?  …鈍い奴め。この妖気を感じんのか」
「…左様。この肌を突き刺すような妖気、 尋常なものではこざらん」
わや姫「大気成分などに問題はないわよ?  他に変わったところは特にないけど?」
わや姫「ああ、人間は少し肌寒く感じるかもね。 雨も降ってるし」
ワンダーモモ「そうですね、ちょっと寒いかな」
フェリシア「う~~、ぶるぶる… この寒さが魔界村の恐怖なんじゃないの?」
レイレイ「…フェリシアちゃん、魔界出身なのに、 この妖気を感じないのはどうかと思うアル」
小牟「それに寒いのは、一人だけ素っ裸 なんだから当然じゃ」
ベラボーマン「いやあ、私も特に感じるものは ありませんが、これくらい鈍い方が いいのかも知れませんねえ、ここでは」
零児「…やれやれ」
サビーヌ「…魔界村を造った魔王が聞いたら、 がっかりするような意見ばっかりだな」
クリノ「それくらいの方が頼もしいさ」
クリノ「…それで、ワルキューレ様。 これからこの奥へ?」
ワルキューレ「そうです。ただ問題は、ここから先に 進めるかどうか…という事です」
ワルキューレ「私が以前来た時は、空間が捻じ曲げ られていて、あの門より先に進む事が できませんでした」
零児「“次元封鎖”に近い仕掛けか。 今はどうなんだ?」
小牟「それらしい妖力は特に感じぬが…」
モリガン「たしかに、前に来た時ほどの魔力は 感じないわ」
モリガン「どう? デミトリ」
デミトリ「…ふむ、そのようだな。 もしや…解かれているのか?」
たろすけ「大体さ、源氏の連中はここを通って 行ったんでしょ?」
リリス「だったら、ここは通れるんじゃ ないのかな?」
 ソウルエッジ
キング『そんな単純な話ではない気もするが』
ギル「…『ソウルエッジ』の影響かもしれない」
ギル「あの剣は、次元の壁さえ断ち切る事が できる邪剣だ」
ギル「あれがここを通って行ったなら…」
カイ「ここにかけられた、空間を歪める魔法も 効果を失っている…という事?」
アーサー「まあ、物は試しだ。 ここでしゃべっていても、カゼを引くだけに なりそうだしな」
アーサー「とにかく、門をくぐってみて…」
M.O.M.O.「あっ! ちょっと待ってください!  熱源が急速接近中です!」
シオン「敵!?」
(魔界村の門の前に豪鬼が出現)
豪鬼「………」
リュウ「な、なにっ!」
さくら「ああっ、あのおじさん…!」
かりん「拳を極めし天の男…豪鬼…!?  どうしてあなたがここにおりますの!?」
平八「ほう、こやつが豪鬼か」
平八「…ふん、いい面構えをしておる。 魔界の番人にはふさわしいか」
「こいつ…なぜ魔界村に!?」
「もしや、悪魔の手先に…」
豪鬼「………」
ケン「このおっさんが、人の言いなりに なるタマかよ」
ケン「今度は何を企んでやがる、ゴウキ!」
豪鬼「………」
(豪鬼が魔界村の中に入る)
リュウ「待てっ! 豪鬼!」
(リュウが魔界村の中に入る)
さくら「ちょっと! リュウさん!?」
春麗「待ちなさい! リュウ!」
キャミィ「…こんな場所で孤立するのは危険だぞ」
ローズ「その通りよ。すぐに追うべきだわ」
景清「…どの道、ここを行くしか手はない。 参るぞ」
シルフィー「では、お手すきの皆様、ご一緒に」
(トビ・マスヨ&天現寺ひろみ以外のリュウを追っていく面々が魔界村の中に入る)
マスヨ「もう、仕方ないわね」
(門を見ていたマスヨが後ろを向く)
マスヨ「…ここは私達が先行するわ。 タイゾウ君、あとお願いね!」
ひろみ「定期的に連絡は入れますから!」
(トビ・マスヨ&天現寺ひろみが魔界村の中に入る)
タイゾウ「ああッ? おい、マスヨ!」
スタン「ダメだ、見えなくなった…」
小牟「なんか、グダグダのまま突っ込んで いきよったぞ…」
零児「定期的に連絡をとって、後で 合流するしかないな」
ルーティ「でもここって、先に進めないんじゃ なかったの?」
ルーティ「普通に行っちゃったけど?」
ワルキューレ「間違いありません。 以前あった空間の歪みは…解けています!」
英雄「それならば、我々もすぐに追った方が いいのではないですか?」
アーサー「ああ、そして一気に魔王の間まで行く!」
響子「…ですが、この飛行船はどうします?」
フーバー「フラッター号の引き上げは 任せてくだしゃい!」
キャプテン「ついでに殿(しんがり)も受け持つさ。 先に行ってくれ」
ジェネティー「………」
「左様、急がれよ」
アーサー「すまんな、任せた!」
アーサー「よし、いくぞ! みんな!」
(最深部へ向かう面々が魔界村の中に入る)


第31話
ここが巨大なる魔村

ブルース「突入班は、全員中に入ったようだな」
ブルース「戻って来ないところをみると… うまくいったか?」
レジーナ「でも、何が起こるかわからないわ。 早いところ、この艦を確保して、 後を追うべきね」
フェリシア「と言ってもねえ… 何から手をつけたものやら」
ロック「とにかく、川から起こさないと」
ロール「見たところ、横倒しになっちゃってる だけみたいだから、エンジンさえ無事なら、 飛べるとは思うんだけど…」
トロン「起こすだけなら、私のグスタフと、 フーバー様、そしてコブン達を総動員すれば 何とかなりそうですわね」
トロン「アンタ達、準備はいい?」
コブン1号・17号・28号「は~い、がんばりま~~す!」
ハガー「力仕事ならば、私も手伝わせてもらおう。 まだまだ若い者やロボットには負けられん」
小牟「零児、わしらはどうする?  力仕事は向いとらんぞ? 弁当?」
零児「周囲の警戒だ。…ここは敵の庭だぞ?  すんなりと事が運ぶはずがない」
フーバー「では、作業を始めましゅ!」
ジェネティー「………」
???(ジョーカー)「のほほ、お手伝いしましょうか?」
「むうっ!?」
「何奴っ! 姿を見せるでござる!」
(ジョーカーと幻獣が出現)
ジョーカー「いやはや、ここまでいらっしゃるとは、 感心いたしますねェ」
クロノア「おまえは…ジョーカー!」
ガンツ「チッ!  まわりは幻獣と…ゾウナの兵隊どもか」
零児「こんなに早いとはな」
小牟「そりゃ出て来るじゃろな。 魔界村にとっては、鼻先で騒がれとる ようなもんじゃし」
ギル「………」
ギル(ジョーカー… 門から現れたが、ワルキューレ達とは 接触したのか?)
ジョーカー「おンや~? 黄金の騎士ギルガメス、 何か言いたそうなお顔をされてますねェ」
カイ「…え? ギル?」
ジョーカー「お仲間の方々でしたら、元気に走って いかれましたよ、ハイ」
ギル「なに…?」
ブルース「…って事はおまえ、中に入っていく 連中は見逃したって事か?」
ジョーカー「ええ。まあ人数も多かったですし、 お邪魔をするのもヤボかと思いましてねェ」
フェリシア「なんだ、意外と慎重だね、アンタ」
ジョーカー「のほほ… 石橋は叩いても渡らない性格でして」
キング『…違うな。何か理由があるはずだ』
ジョーカー「……!」
ジョーカー「ほほう? なぜそう思うのですかねェ?」
キング『何度かやり合ってわかった。 君は一流のヒールだ』
キング『…そして優秀なヒールは、試合全体を 絶えず把握しているものだ』
キング『リングの上だけでなく、観客席までもな』
ハガー「…つまり見逃した事が、次のムーヴに つながっていると?」
ジョーカー「………」
クロノア「ヒールって?」
ガンツ「…悪役のコトさ」
ガンツ「なるほどな、そう考えりゃ… ワルキューレやアーサーとかを アッサリ行かせた理由が出てくるな」
 ソウルエッジ
ギル「…たとえば、魔界に渡ったという 『ソウルエッジ』…その所在」
ジョーカー「………」
キャプテン「…結局、君達も見つけていないという 事みたいだね」
カイ「今まで『ソウルエッジ』と接触してきた 私達を使って…探し出そうと?」
ジョーカー「そこまで読んでくるとは…いやはや」
ジョーカー「獣の顔を持つアナタ、まるでウチに来た 新人クンのようなコトを言いますねェ」
ジョーカー「お顔も似ていらっしゃる」
フェリシア「顔の似た新人?」
フェリシア「…え、ちょっと!? それって…」
キング『アーマーキングの事か!?』
ジョーカー「のほほ、さて?」
「キング殿、虚言やもしれぬ。 確証はない。惑わされてはならぬ」
キング(アーマーキングが…魔界に…!?  馬鹿な、黒い騎士の呪縛は解かれたの ではないのか…!?)
小牟「それが本当なら… 黒ベラボーに続いて二人目か?」
小牟「魔界村… そんなに魅力的なんじゃろか?  給料が高いとか?」
零児「知るか。第一、本当か嘘かわからん今、 考えても始まらない」
ジョーカー「のほほほ、悩んでますねェ」
ジョーカー「さて、こうやってお話ししていたいの ですが、ワタクシも意外と多忙な身でして」
(ジョーカーがフラッター号の方を向く)
ジョーカー「とりあえず、その空を飛ぶ機械… 壊させていただきましょう」
ロール「こ、このコを!?」
トロン「いきなりなんですの!  私達と戦いなさいってば!」
コブン1号「フラッター号に罪はないですぅ!」
ジョーカー「いやいや、ひとっ飛びされたりしますと、 色々と仕掛けてきたものがムダになる 可能性がありましてねェ」
ジョーカー「先ほどから気になってはいたんですよ」
レジーナ「予想通り、あちこちにブービートラップが あるようね」
ロック「だったらなおさらだよ!  フラッター号は壊させないっ!」
ロール「お願い、みんな!  フラッター号を…このコを守って!」
キャプテン「お安いご用さ。 コマンドーチームに任せてもらおう」
「委細承知。安心めされい」
ジェネティー「………」
フーバー「思い通りにはさせましぇんよ!」
ジョーカー「のほほほほ。では、ワタクシは…」
(ジョーカーが門の上へ移動する)
ジョーカー「こちらでしばらく様子を見させて いただきましょうかねェ」
クロノア「こいつ、自分だけラクする気か!」
キング(何かを待っている…?)

〈敵の残数が10体以下〉

(魔界村とは反対側からヴェロキラプトルが出現)
ヴェロキラプトル「………」
ジョーカー「おンや?」
「魔界の生物かと思いきや…こやつらは!」
ハガー「このトカゲ…いや、恐竜はたしか…!」
レジーナ「ど、どうしてヴェロキラプトルが!?」
 ピラミッド
ブルース「こいつら…あの砂漠から来たのか?  それとも時空を越えて、大昔から?」
「ジョーカーとやら… おぬしが呼び寄せたでござるか?」
ジョーカー「はてさて?  ワタクシは見た事がありませんがねェ」
ジョーカー「物質界の生物ですか?」
ジェネティー「………」
フーバー「ハッタリ…でしゅか? それとも…」
(アロサウルスが出現)
コブン17号「なんか、すごい大きいのが来ました~!」
アロサウルス「………ッ!」
フェリシア「うわあっ! なにこのデカトカゲ!」
キング『これは…大型の肉食恐竜!?』
アロサウルス「………」
ブルース「レジーナ、こいつの目… そして、銃弾の跡を見ろよ」
 ピラミッド
レジーナ「…ええ、このアロサウルス… あの砂漠にいた奴だわ…!」
レジーナ(どうやってここまで?)
レジーナ(それに、あの傷で砂漠に放り出されて 助かるはずがない…どういう事なの…?)
キャプテン「こちらに敵意を持っているようだ。 …話し合いが通じる相手でもない」
クロノア「こっちを食べる気も満々みたいだよ!」
小牟「あ、油揚げで勘弁してくれい!」
零児「それで許してくれるとも思えんがな。 …来るぞ!」
ジョーカー「これは面白くなってきましたねェ」
ジョーカー「異世界のドラゴンですか。 前座としては、うってつけですねェ」
ギル「前座…?」
ギル「ジョーカー、さっきから何を待っている?  何を隠しているんだ?」
ジョーカー「いやいや、ワタクシはナニも」
ジョーカー「まあ…ドルアーガ様から、アナタを塔へ 入れるなとは言われておりますがねェ」
カイ「ドルアーガから!?」
ガンツ「ヘッ、ドルアーガの野郎、 相当ビビってやがんな」
ジョーカー「なかなか難しいお方でして、 真意の程は計りかねますがねェ」
トロン「まったく…いつになったら作業に 移れるんですの?」
ロール「とにかく、今はフラッター号を 守る事だけを考えなきゃ!」
ロック「わかってる、ロールちゃん」
ジョーカー「のほほほ…」
ジョーカー(そろそろ来る頃ですかねェ)

〈敵の残数が8体以下〉

ロール「うん、だいぶ敵の数が減ってきた。 これなら…」
ジョーカー「おやおや、相変わらず困った人達だ。 …確かに、これは少~し不利ですねェ」
ロック「フラッター号を壊そうとしても無駄だよ。 守り抜いてみせる」
ハガー「気を抜くなよ? 少年。 ここは敵の本拠地…これだけで終わる はずがない」
ガンツ「…まだジャンガが残ってンだろうが。 出せよッ!」
トロン「あっ。空間歪曲が発生しましたわ!」
クロノア「やっぱり、まだなんか来る!  もしかして、あのジャンガって奴!?」
(零児が傷を押さえる)
零児「……ッ!」
(次元転移で『逢魔』が出現)
沙夜「ノンノン、私よ」
フェリシア「アンタなの!? 呼んでないって!」
ジョーカー「のほほほ、遅いお着きでしたねェ」
ジョーカー「首尾はいかがですか?」
沙夜「がんばったんだけど、全然ダメだったわ、 ハンサムボーイ」
ジョーカー「それは残念でしたねェ」
キング『…ジョーカーに呼ばれていたようだな』
零児「何をやっていた、沙夜」
沙夜「あん、坊や。 こんな所で傘も差さないで… カゼ引いちゃうわよ?」
零児「余計なお世話だ。 質問に答えろ。ここで何をしていた?」
沙夜「ゴミ拾いよ。 魔界村美化運動を少し、ね」
小牟「ドクロとか平気で落ちてる所で、 そんなんやるな」
 ソウルエッジ
零児「…いや、とんでもなくでかい“物”を 拾うつもりらしい」
沙夜「うふふ…」
カイ「“がんばっていた”っていうのは… 『ソウルエッジ』の事ね?」
沙夜「あん、大正解。手ぶらでごめんなさいね」
キャプテン「ちょっと待てよ…?」
キャプテン「『ソウルエッジ』を追って転移できる… 君は前にそう言っていなかったかな?」
ロック「そういえば、“実験”でできるように なったって…」
沙夜「世の中、そううまくはいかないのよね」
沙夜「このコ達も迷っちゃってるみたいだし」
ジェネティー「……?」
(シャレードが出現)
シャレード「………」
フーバー「『ソウルエッジ』の分身…でしゅか!?」
「もしや、かの剣はこの近くに!?」
小牟「ど、どこどこ!? まさか…あれ!?」
零児「…どうみてもただのギロチンだぞ」
沙夜「そうだと楽なんだけど…言ったでしょう?  このコ達も迷っちゃってるって、ね」
クロノア「“ソウルエッジを追いかける実験”って いうやつ、失敗したの?」
沙夜「残念ながら、そういう事なの」
 魔界村にあるドルアーガの塔
沙夜「ある地点…“あの塔”のあたりから、 ぷっつりと、ね」
ギル「あの塔…!?  ドルアーガの塔の事か!」
カイ「じゃあ…『ソウルエッジ』はドルアーガの 手に渡ってしまったというの!?」
沙夜「さあね。うふふ…」
「…ならば、この狐の変化(へんげ)が ここまで来る理由がござらぬ」
ガンツ「ジョーカーのヤロウが、ワルキューレ達を すんなり通した理由もな」
ブルース「なるほど、見失ったのがその塔って だけで、実際にどこにあるのかは わからないって事かよ」
レジーナ「それで、サヤはそれを探し回って いたという事ね」
ジョーカー「いやいや、名探偵ぞろいですねェ」
沙夜「謎はすべて解けた…って感じかしら、ね」
沙夜「一番可能性が高いのは、やっぱり ドルアーガの塔なんだけど…全然反応しなく なっちゃった理由がさっぱりなのよね」
小牟「ドルアーガの塔にないんとちゃうか?」
零児「『ソウルエッジ』の分身が戻れない… というのが気になるな」
キング『…なるほど、そこをアーサー君達に 調べさせようという腹か』
ジョーカー「のほほ、その通りです。 人手は多いに越した事はありませんから」
フェリシア「じゃあそこをどいてよね!  あたし達は中に入るから!」
ギル「『ソウルエッジ』の有無に関係なく、 僕はドルアーガの塔へ行かねばならない」
ギル「…そこを通してくれないか?」
ジョーカー「チッチッチ、言ったでしょう?」
ジョーカー「他の方々はまだしも、アナタだけは 塔へ入れてはならぬと、指令を受けて いるわけですよ」
(ジョーカーが門の上から降りてくる)
沙夜「『ソウルエッジ』探しの息抜きに、 私もお付き合いしちゃおうかしら、ね」
ジョーカー「それに、アナタ方の歓迎イベントは まだ残っておりますのでねェ。のほほ」
ハガー「…イベント?」
コブン17号「イベントってなんでしょうねぇ、 トロン様ぁ」
トロン「…どうせロクでもない事に 決まってますわ」
ギル「どんな策を弄しても、僕は倒れない」
ギル「そこを通してもらう!」

〈敵の残数が8体以下 or ジョーカーのHP50%(3120)以下〉

ジョーカー「ふむう…人数が少なくなって、楽に勝てる かと思いきや…手強いですねェ」
ブルース「俺達をなめるんじゃねえぜ、 このピエロ野郎」
沙夜「あらあら、ちょっとピンチじゃない?  なにか用意してないの?」
ジョーカー「まあ、こういうコトもあろうかと、 用意はしておきましたが」
(門の前にジャンガとナイトが出現)
ジャンガ「キキキキ…待たせたなァ、ジョーカー」
レジーナ「このナイト達は…ドルアーガの軍団!?」
小牟「とうとう出てきおったのう」
零児「遅いくらいだ。 ドルアーガの塔からここまで…それなりに 時間がかかるらしいな」
ガンツ「ドルアーガの騎士に囲まれてご満悦か。 ダサすぎるぜ、ジャンガ」
ジャンガ「なんとでも言いな、クソガキが」
ジャンガ「それにこれだけだと思ってンのか?」
ガンツ「なにッ!?」
ブルース「出し惜しみしやがって…!」
(クォックスとシルバードラゴンが出現)
 バラデューク
ロール「ロック! この生き物って…」
ロック「『バラデューク』で戦ったドラゴン!?」
カイ「…クォックス! それに…!」
ジェネティー「……?」
フーバー「ええ。同種と思われる、銀色のドラゴンも いましゅ!」
レジーナ「恐竜の次はドラゴンの新種?  いい加減にしてほしいわね」
ギル「こいつは…シルバードラゴン!」
ギル「くっ、ドルアーガの力…完全に戻りつつ あるというのか…!」
ギル「クォックスも… やはり呪縛は解けていないか」
クロノア「え? どういう事?  この銀色のドラゴンと、ドルアーガの 関係って…?」
ギル「…シルバードラゴンは、クォックスの 分身ともいえる存在なんだ」
ギル「ドルアーガの魔力によって悪龍となった クォックスの影…!」
ジャンガ「さすが黄金の騎士、よく知ってるなァ。 “もう一匹”もじきだとよォ。キキキ」
トロン「そんな物騒な生物、何匹飼えば気が 済むんですの!?」
ギル(もう一匹…ブラックドラゴンの事か。 ドルアーガめ…!)
ジョーカー「おンや~?  新人クンはどうしました?」
ジャンガ「チッ、モタモタしやがって。 オラッ! とっとと出て来いや!」
(アーマーキングが出現)
アーマーキング『………』
ハガー「むっ!? このマスクマンは…!」
キャプテン「…悪い予感が的中してしまった ようだね」
フェリシア「キ、キングさんのお師匠さん!  そんな…“魂の呪縛”っていうのは、 解けたんじゃなかったの!?」
キング『アーマーキング…!  あなたは本当に魔界入りを…!』
アーマーキング『………』
「なぜ答えぬ」
「あくまでも、悪しき者達に肩入れを するつもりでござるか」
ジョーカー「のほほ。彼は、かの黒き堕天の騎士の 従者だった方です」
ジョーカー「魔界村で使ってほしいと言って きましてねェ」
ジャンガ「そこそこ使えるモンでなァ。 使ってやってるってワケだ。キキキ…」
アーマーキング『………』
キング『…おお、あの誇り高きあなたが… なぜ…なぜこのような者達にッ!』
ジェネティー「………」
フーバー「ローズしゃんはボク達の仲間に なってくれたというのに、どうして この人は敵に…」
零児「まだ解けていないというのか?」
小牟「…わからんのう。 マスクのせいで、表情も読めんし」
フェリシア「お願い! 目を覚まして!  キングさんが…キングさんが かわいそうだよ!」
アーマーキング『………』
ジャンガ「ガタガタとウルセェヤツらだゼ」
ジャンガ「オラ! アーマーキング!  ボーっとしてねェで、とっととイケや!」
 ソウルエッジ
アーマーキング『………』
アーマーキング『…『ソウルエッジ』だが、間違いなく ドルアーガの塔にあるという話だ』
ジャンガ「…なにィ?」
ギル「な、なんだって…!?」
カイ「どうして、それをあなたが!?」
「むう…まことか?」
キャプテン「興味がある話だが…私達を惑わす つもりかもしれないな」
「それとも、おぬし…」
 地底湖
アーマーキング『…急げ。 ドルアーガの塔へは、この村の地下… 巨大な蟲が守る地底湖から行けるはずだ』
ジャンガ「おいッ!  なにしゃべってやがんだッ! テメェッ!」
ガンツ「あのジャンガの慌てよう…マジだな」
クロノア「何がどうなってんの?  あの人、敵? それとも味方?」
ジョーカー「アナタ… はじめからそのつもりでしたねェ?」
ジョーカー「ワタクシともあろうものが、 それを見抜けないとは…!」
アーマーキング『…どんな茶番だろうと、全力だ。 それがヒールの仕事であり、プライドだ』
ハガー「ハッハッハ!  予想外の展開に興奮したぞ!  そう、それでこそ“プロレスラー”だ!」
トロン「喜んでる場合じゃありませんわ!」
トロン「あんな所で正体をバラしたら…!」
ロール「そうよ! 囲まれてるのに!」
ジャンガ「…フザケやがって…!  生きて帰れると思うなよォッ!」
コブン1号「やっぱりめちゃくちゃ怒ってますぅ!」
沙夜「あん、お馬鹿さんねえ。 もっと離れてから言えばいいのに」
ロック「いけない! 一斉に襲われるっ!」
小牟「そりゃそうなるじゃろ!  まったく、何をやっとるんじゃ!」
零児「いや、奴はおそらく… わざとあそこで宣言したんだ」
零児「敵の目を引き付けるために…!」
キング『アーマーキングよ、なぜそこまで!』
アーマーキング『…けじめだ、キング。 一度はおまえ達の敵にまわった、俺のな』
ジャンガ「裏切りモンがァッ! 潰せェッ!」
ジョーカー「ザンネンですよ。 イイ人材だと思ったんですがねェ…」
ジョーカー「まあいいでしょう」
ジョーカー「…それでは、ジャンガちゃん」
ジャンガ「キキキ…うまくやれや」
ガンツ(ん…? なんだ…?)
(ジョーカーが撤退)
クロノア「あっ! ジョーカー!」
ジャンガ「オラッ、相手はオレだ!  ヨソ見してンじゃねェ!」
(ジャンガがアーマーキングの方を向く)
ジャンガ「まずは…てめェからだ!  裏切りモンがッ!」
(アーマーキングがジャンガの方を向く)
アーマーキング『…来るがいい。 ここが俺の死に場所だ!』
キング『そんな事はさせない…!  私が…させはしない!』
フェリシア「絶対に殺させない!  そんなの、悲しすぎるっ!」
キング『師匠ォーーーッ!』

〈アロサウルスをKO〉

アロサウルス「………ッ!」
レジーナ「今度こそ、仕留めた!」
ブルース「いや、トドメを刺すまで安心するな、 レジーナ!」
(アロサウルスが魔界村の中に入る)
ロール「えっ!? に、逃げた!?」
ロック「あの傷で、あんなに速く動けるなんて!」
レジーナ「甘く見たわ、恐竜の生命力を…!」
「だが…以前、砂漠で見た時よりも、 手強くなっている様子だったが?」
「…面妖な。もしや、魔界の“気”が 影響しているのでござるか?」
ブルース「………」
ブルース(もしや…“感染”…?)
ブルース(フッ…まさかな)

〈沙夜をKO〉

沙夜「さあて、もうお開きの時間のようね」
キング『…これからドルアーガの塔へ行くのか?』
沙夜「さあ? 当ててごらんなさいな」
沙夜「…というか、大正解」
フェリシア「早っ!」
沙夜「後からゆっくりいらして? うふふ…」
カイ「ちょっと、待って!」
(沙夜が魔界村の中に入る)
小牟「零児、止めなくてよかったのかの?」
零児「かまわんさ。…今は泳がせるんだ。 奴の行く場所はわかっているんだからな」
ギル「ドルアーガの塔か。 …時間はあまりない。急がなければ…」

〈ジャンガをKO〉

ジャンガ「チッ、ドルアーガの兵隊… ハッタリばっかで使えやしねェ、クソッ!」
ガンツ「ヘッ! てめェもその使えねェ奴の 一人なんじゃねえのか、ジャンガ!」
ジャンガ「あァ! ナメてんじゃねェぞ、ガキ!」
ジャンガ「ヤメだヤメだ!  ドルアーガの手下をどんなに集めたって、 勝てやしねェゼ!」
クロノア「こいつ、人のせいにしてばっかじゃん」
ジャンガ「もっと力のあるヤツじゃねェとなァ!」
(ジャンガが魔界村の中に入る)
コブン28号「あ、逃げました~!」
トロン「毎回毎回うるさいこと」
トロン「ところで、何か今“もっと力のある奴”… とか言ってなかった?」
ガンツ「奴も相当追い詰められてるって事だ」
ガンツ「待ってろよ、決着は近いうちに必ず つけてやらあ…!」

〈敵全滅〉

「今の敵で最後か」
「…怪しい気配はしないでござる」
キング『よかった、艦は守りきれたな』
(皆がアーマーキングを見る)
キング『そして…』
アーマーキング『………』
キング『アーマーキング…』
アーマーキング『…キング、再びおまえと同じリングに 立てる。うれしく思っているぞ』
フェリシア「よかったね、キングさん。 ほんと、よかった…!」
アーマーキング『一度は地獄の門をくぐったこの体… 時間が許す限り、俺はおまえ達と共に戦う』
キング『アーマーキング…師よ…!』
小牟「おお、いい絵じゃのう。 夢のタッグ完成じゃ」
零児「そいつは重畳。 どうにか最良の形で落ち着いたか」
カイ「歓迎します、アーマーキングさん」
カイ「…あの、いきなりなんですけど、 お聞きしたい事が…」
アーマーキング『む…?』
ギル「ドルアーガの塔で消えたという、 『ソウルエッジ』について、話を 聞かせてほしい」
アーマーキング『俺も詳しい話は知らん。 赤い悪魔が話していたのをたまたま 聞いただけなのでな』
アーマーキング『“あの剣は塔内の宝箱に入り込んだ 可能性がある”とだけだ』
ガンツ「宝箱ォ?」
ガンツ「ケッ、重要なモンだってのはわかるが、 ホントにお宝になっちまったってのかよ?」
クロノア「でもさ、そこまでわかってて、どうして ジョーカー達は“見つからない”とか 言ってるのかな?」
ギル「…なるほど、それなら説明がつく」
ロール「どういう事なんですか?」
カイ「…あの塔の宝箱にかけられている、 魔法の事ね? ギル」
ロック「マホウ? 開かないようになっているとか、 罠が作動するとかですか?」
ギル「違う。…存在しないんだ」
コブン28号「え~と、あの~…なぞなぞですか?」
ギル「言葉が足りなかったね」
ギル「…ドルアーガの塔の宝箱は、ある特定の 行動を行わない限り、現れないように なっているんだ」
ギル「例えば、その階にいるグリーンスライムを 3体倒す、左右の外壁に触れる…とかね」
小牟「女豹のポーズをするとか、ご飯を おかわりする…とか?」
零児「…内容はともかく、そういった行動 そのものが、宝箱の鍵になっているわけか」
レジーナ「暗証番号の代わり…ってこと?  まったく、何を考えてるのかしらね」
ギル「その中に『ソウルエッジ』が紛れ込んだ としたら…」
カイ「そこにある事がわかっていても、 手に入れる事はできない…」
ブルース「それが本当なら、これ以上なく安全な 金庫だな」
ハガー「ふむ…これは先行した連中にも伝える べきじゃないか?」
トロン「そうですわね。 無用な混乱を招きかねませんわ」
キャプテン「よし!  そうと決まれば、早く作業を済ませて、 我々も後を追おう」
ジェネティー「………」
フーバー「そうでしゅね。嫌な予感がしましゅ」


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