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赤い修羅 キョウスケルート ~ 第33話 ~

〈ヴァイクルのHP30%以下〉

???(レビ)(…ここまでか。 面白いものを見せてもらった…)
(ヴァイクルが撤退)
リュウセイ「逃げやがった…!!」
リュウセイ(…それにしても、 SRX…確かにパワーは凄いが…)
リュウセイ(こいつは………)
アヤ(…やっぱり… あの機体の念…覚えがある…)
ラーダ(…同じだわ……)
ラーダ(ヴィレッタやイングラム少佐が R-GUNの調整用に使っていた サンプルデータと……)

[ハガネ 格納庫]

ライ「リュウセイ」
リュウセイ「どうしたんだ?  ライ、ロブ…深刻な顔して」
ロバート「SRXのことだが…重大な問題が発生した」
リュウセイ「問題って、二度と合体出来ないとか?」
ライ「…ああ、そうだ」
リュウセイ「な、何っ!?  どういうことだよ!?」
ロバート「SRXの念動フィールドとエンジンの出力、 各部関節への負荷の問題から…」
ロバート「パーツの損耗率が 予想より遥かに高くなってしまっている…」
リュウセイ「そういうのって、 予め計算されてるもんじゃねえのかよ?」
ロバート「…言い訳になるが… 調整の時間があまりにも足りなさすぎた」
ロバート「現状でのRシリーズは、 分離状態で戦うしかない…」
リュウセイ「………!」
リュウセイ「………」
リュウセイ「そうか…………」
リュウセイ「なら、しょうがねえな」
ライ「…いいのか?」
リュウセイ「ああ。 SRXがヤバいマシンだってのは、 さっきの戦闘で何となくわかった…」
ロバート「………」
リュウセイ「それに、俺は一人で戦ってるんじゃねえ。 マサキやキョウスケ達がいる…」
リュウセイ「エアロゲイターに対する本当の切り札は、 俺達全員なんだ。そうだろ?」
ライ「ああ…」

[不明 (基地内通路)]

ギリアム「ラーダ…私に用とは?」
ラーダ「すみません、ギリアム少佐。 折り入ってお話がありまして…」
ギリアム「あいにく、ここのところは 体調に問題はないのだが…」
ラーダ「は?」
ギリアム「ヨガの話ではないのか?」
ラーダ「え、ええ…」
ラーダ(…私って、 そんなにみんなへ無理矢理ヨガを 勧めているように見えるのかしら…?)
ギリアム「…すまなかった。 それで、話とは?」
ラーダ「実は… 少佐がお持ちになっている情報部の特殊コードで…」
ラーダ「ある極秘データのプロテクトの解除を 行って頂きたいのです」
ギリアム「…穏やかではないな。 わけを聞かせてもらおうか」

[データ室]

ギリアム「なるほど。 先程の大型機動兵器から検出された 念動波のパターンが…」
ギリアム「イングラム少佐やヴィレッタが使っていた サンプルのパターンと似ていたのだな」
ラーダ「はい…」
ギリアム「そこから導き出される答えは 私の予想と一致しているな」
ラーダ「では、ギリアム少佐も…?」
ギリアム「ああ。 今はその物証を集めているところだ」
ラーダ「………」
ラーダ「…おそらく、この件はいずれ みんなも気づくことだと思います」
ラーダ「ですから、イングラム少佐の 真の目的が何なのか…」
ラーダ「少しでも手掛かりのある所から 調べるべきかと…」
ギリアム「了解した。 では早速、プロテクトの解除に着手しよう」

《自動惑星ネビーイーム》

[ネビーイーム内部]

レビ「…なかなか面白いサンプルだったが…」
レビ「遠隔操作のヴァイクルでなく… 直に接触していれば、 もっと楽しめていただろうがな」
ヴィレッタ「…あなたにはネビーイームの中核、 『ジュデッカ』の制御という大役があります」
ヴィレッタ「地球へおもむく任務は どうか我々にお任せを」
レビ「フ…心配はいらん。 ジュデッカを起動させねばならぬ事態など 起こるはずがない…」
(閃光・念動感応)
レビ「う…? うう…」
ヴィレッタ「いかがなさいました?」
レビ「な…何でもない。下がれ…」
ヴィレッタ「………」

[ネビーイーム内部]

イングラム「そうか。成功したか……」
ヴィレッタ「レビ様の話では… 自力でSRXに合体したそうよ」
イングラム「フッ… とりあえずは結果を出したか」
ヴィレッタ「それと…気になることがある。 念動感応の影響とは思えないが…」
ヴィレッタ「…レビとジュデッカの同調に 問題があるようだ」
イングラム「そうか。彼女でも手に負えんか…」
ヴィレッタ「ジュデッカに万が一のことがあれば、 『最後の審判者』が起動してしまう…」
ヴィレッタ「そうなれば、 地球どころか私達の命にも関わることになる…」
イングラム「…あれは、バルマー人が造り出した 完全かつ愚かな安全装置だからな」
ヴィレッタ「…ネビーイームの創造者について、 何か新しく判明したことはあったの?」
イングラム「………」
イングラム「…いや…プロテクトは未だに解けない。 バルマーの名…作戦内容…それに伴う情報… それ以外は不明だ」
ヴィレッタ「チェンバーはあるものの、 バルシェムは私達二人だけ…やはり、変ね」
イングラム「事を成せば、答えが得られる…」
ヴィレッタ「………」
イングラム「欠けた記憶…創造者…バルマー… それらの正体がわかる」
イングラム「俺はそう思っている」
ヴィレッタ「………」
ヴィレッタ「イングラム… あなたが私に与えた最初の…そして、本当の任務… それを覚えていて?」
イングラム「本当の任務…だと? 何だ、それは?」
ヴィレッタ「………」
ヴィレッタ「私はあなたの分身… そして、肉親でもある」
イングラム「そう…だ」
ヴィレッタ「だから… 与えられた任務は必ず果たすわ」
イングラム「………」


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