葉月博士「結論からいうと、もはやアクシズの
進路を変えるのは不可能だ」
万丈「だとすると、あとは
アクシズを破壊するしかないね」
アムロ「ああ……やはり核を使うしかないな。
核攻撃でアクシズを分割するんだ」
アラン「そんなことが可能なのか?」
アムロ「マシュマー・セロが提供してくれた
情報によれば、アクシズには坑道が
いりくんでいて、構造的にもろい
部分がある。そこをねらえば可能だ」
ブライト「そういう部分をねらうとなると、
艦隊特攻しかないってことだな?」
アムロ「それと同時に、ガンドール砲での
攻撃も行なうんだ」
チェーン「アクシズを分断できれば
質量が極端に変化しますから
ミサイルの進入方向さえ間違え
なければ、アクシズは軌道が変わって
地球の引力からはぬけだします」
ブライト「まずは核弾頭による攻撃、
次にガンドール砲、それでだめなら
もう1度アクシズに侵入して、
そのブロックを内部から破壊する
そういうことだな」
エイジ「三段構えの作戦か……」
アーク「もう少し手をうっておきたい気は
するけど……」
甲児「でもよ、なんだか勝てそうな気が
してきたぜ」
鉄也「それを邪魔する敵が
いなけりゃの話だろうが」
ショウ「だけど、可能性はあるな」
アーク「そうだな。これまでの戦いに比べれば、
ずっと勝率は高い
シャアだってそれほどの戦力が
あるわけじゃないんだ」
チャム「そうよ。いけるわ」
デュオ「どうせ他にはやりようがないんだ。
それしかないんじゃないの?」
ブライト「よし、ではその作戦でいく。
アクシズが阻止限界点に
到達する前にケリをつけるんだ。
時間あわせ!」
アラン「ゼロあわせだ。5……4……
3……2……1……スタート!」
タケル「この作戦が失敗したら、
地球は死の星になる
そんなことは絶対に
させちゃいけないんだ」
ブライト「そうだ。俺たちにはあとがない。
すまんな……みんなの命をくれ」
デュオ「よ、ヒイロ」
ヒイロ「いまは待機中だ。なにか用か?」
デュオ「連れないねぇ。せっかくお嬢さんと
話したかろうと思って、連絡つけて
やろうと思ったのに」
ヒイロ「リリーナと……? 無用のことだ」
リリーナ「ヒイロ……? そこにいるのですか?」
デュオ「へへっ、実はもうつながっちまってるんだ
な、これが。俺って友達思いの
いい奴だよなぁ。んじゃ、俺は
退散するぜ」
ヒイロ「…………」
リリーナ「ヒイロ……やはりあなたたちも、アクシズ
落下阻止の戦いに
向かうのですね」
ヒイロ「当然だ」
リリーナ「でも、あなたたちが戦えば、アクシズを
止めれば、この地球圏の戦争が
終わるというの?」
ヒイロ「そうだ。ムゲもズールも、もういない。
ここでシャアとゼクスを倒し……
アクシズを止める。それで戦争は
終わる。そして、お前が
生き延びれば、平和は訪れる。
これが、お前のためにしてやれる、
ただ1つのことだ。俺はお前を守ると
約束した。お前とこの地球圏を
守るためには、これ以外の道はない」
リリーナ「だめ……だめよ! あなた死ぬつもり
なんでしょう!?」
ヒイロ「俺は、死なない」
リリーナ「ヒイロ……」
ヒイロ(さようなら、リリーナ)
リリーナ「え……? ヒイロ……?」
ヒイロ「………………」
(足音)
シャア(これで決着がつく……
ララァ、私を導いてくれ……)
クェス「大佐!」
(速い足音)
シャア「どうした? まだ落ち着かんのか?」
クェス「大佐、あたし、
ララァの代わりなんですか!?」
シャア「!? 誰に、聞いた? いや……
なんでそんなことを気にする?」
クェス「あたしは大佐を愛しています。
そんなのイヤです」
シャア「クェス……」
クェス「あたしは大佐に会えたおかげで、
パパをママから奪った女を生んだ
地球を壊せる。それは大佐に
とってもいいことだし、あたし……あたしは
大佐の役に立ちたいのよ!
あたし、ララァよりも
もっと大佐の役に立てるわ!」
シャア「……そうだな。わかった。ララァは忘れる」
クェス「本当ですか……?」
シャア「ああ。だから今は出撃の準備を
ちゃんとしておけ
でなければクェスが生き残れない。
それに、私を守ってもらわなくてはな?」
クェス「はいっ!」
(速い足音)
ギュネイ「……!」
シャア「……どうした?」
ギュネイ「はっ、作戦の打ち合わせを
しておりました」
シャア「……私がクェスに手を出すなどと、
どうして考える?」
ギュネイ「はっ……いえ……自分は……」
シャア「私はこの作戦を成功させ、
新たな時代をつくること以外に
興味はない。仲よくやれ」
ギュネイ「はぁ……」
シャア「嘘はいっていないつもりだ。わかったら、
行け。そろそろ連中ももどってくる」
ギュネイ「はっ!」
シャア「出撃準備だ。
連中は何かしかけてくる」
ミリアルド「やはり、来ますか」
シャア「くるな。この程度であきらめるような
者は、あの部隊にはおらんよ」
ミリアルド「総帥はずいぶんと
彼らを信用しているようですな」
シャア「私がか? いや、違うな。
私は彼らの敵となった男だ
信用などはしていない。が、
彼らがそうするであろうということを
知っているのだ」
ミリアルド「……いいでしょう。私とて
彼らと因縁がないわけでもない
それに1度は汚名を負った身、
いまさらやめられるわけもありません」
シャア「ピースクラフトの名が
泣くのではないか?」
ミリアルド「ご冗談を。ダイクンとピースクラフト、
ともに連邦の政策を良しとせず
平和を希求した者の名です。
地球と、宇宙との違いこそあれ
その志半ばに倒れた者の
名を持つ我々が
この地球圏のウミを引き受ける。
いささか芝居がかった気もしますが
それもよいではありませんか」
シャア「……ならばいい。どう転んでもこれが
最後だ。連中にとめさせはせんよ」
ミリアルド「了解しております、大佐」
ギュネイ「クェス! 大丈夫なのか?」
クェス「大丈夫だよ。
ギュネイこそ、がんばってね」
ギュネイ「え? ああ、もちろんだ。俺がクェスを
守ってやるからさ」
レイカ「アクシズ接近」
ブライト「もっとまわりこめ!
この位置じゃ、ねらえんぞ!」
ベルトーチカ「ネオジオンの艦隊から、ねらわれます!」
ブライト「どうせ特攻をかけるんだ。
遠慮するな!」
シャア「来たな。
アクシズ最終防衛ラインは!?」
ネオジオン兵「準備は完了しております!」
シャア「キグナン」
キグナン「なんでしょう、大佐」
シャア「お前は退避しろ。アクシズを落とせ
ても、まだ先がある
スウィートウォーターへ戻れ」
キグナン「しかし、大佐」
シャア「これは命令だ、キグナン」
キグナン「……わかりました。お帰りをお待ち
します」
シャア「よし、迎撃部隊、出るぞ。
連中をアクシズに近づけさせはせんよ」
ネオジオン兵「あてにしています、総帥」
シャア「やめてくれ。私はパイロットの方が
気に入っている」
(ネオジオン軍が出現)
ミリアルド「この戦いを……人類同士の
最後の戦いにしてみせる」
(ガンドールとラー・カイラムが出現)
レイカ「アクシズが射程距離圏内に
入るわ!」
ブライト「よーし、ミサイル第一波、いけ!」
(ミサイル発射音)
シャア「ミサイル攻撃か……いけ、ファンネル!」
(アクシズの前で爆煙が何回か、閃光)
シャア「ミサイルの中に核があった!?
やるなマーチウィンド」
ブライト「阻止されたか……
第二波発射と同時に
戦闘部隊出せ!
接敵前に本命の第三波だ!」
(νガンダム出撃、出撃選択)
(攻撃音)
クェス「来た!? やらせないよ!!」
(アクシズ前に爆煙×5、閃光)
アムロ「とめられた? シャアじゃないのか……!?」
シャア「まだ核があった!? やってくれるな」
ブライト「第三波、本命、叩きこめ!!」
(攻撃音)
ギュネイ「くっ……マーチウィンドの
プレッシャーか……核だな!?
当たれよ、ファンネルたち!」
(爆煙何回か、うち3回は揺れる、閃光)
ギュネイ「やった!」
クェス「やったぁっ! ギュネイ、すごいよ!」
アムロ「くっ……なんて奴だ……」
シャア「よくやった、ギュネイ。これが本命なら
核はここまでだな。もはや戦艦を
ぶつけてもアクシズはとめられんぞ。
どうするマーチウィンド」
レイカ「核ミサイル、阻止されました!」
ブライト「わかっているッ!!
ガンドール砲発射の後
ラー・カイラムをアクシズに着けろ!
中に入って爆破する
総員、陸戦用意!」
ベルトーチカ「博士、ガンドール砲頼みます」
葉月博士「了解だ」
(ガンドールが前に出る)
葉月博士「ガンドール砲、スタンバイ
…………発射!」
(ガンドール砲アクシズに直撃)
シャア「なに!? くっ、やるなブライト」
ブライト「やはりこの程度では破壊できんか。
ラー・カイラム最大戦速!
パイロット各員はアクシズ周辺の
敵をちらせてくれ!」
バニー「ア……アクシズまでたどりつけるの……!?」
ブライト「無理でもやるんだよ! レイカ、
爆弾敷設の時間を逆算して
阻止臨界点を
割り出してくれ!」
レイカ「…………ここです」
(エリア表示)
ブライト「よし、なんとしても
アクシズがそこへ到達する前に
ラー・カイラムを接触させるんだ!」
(戦闘区域外の暗礁空域にピースミリオンが出現)
レディ「……地球圏に住む
すべての人々へ、この放送を
お送りいたします」
バニー「艦長!」
ブライト「レディ……アンか。何をするつもりだ?」
レディ「あの忌まわしい1年戦争以来
宇宙からの脅威に
さらされ続けた私たちにとって、
いまここで行なわれている
人類同士の戦いは、あまりにも
無意味に思えるかもしれません
A.C.196年、戦いの
歴史の幕が
降ろされようとしています。
それがいったいどのような結末を
迎えるとしても、私たちはそれを
この目に焼きつけなくてはなりません
たとえ……たとえその結果、人類が
地球に住めなくなったとしても……」
アンナ「レディさん……」
ギュネイ「なにぃっ……!?」
(爆発)
クェス「ギュネイ!? あぁっ……
みんな、みんないなくなるの!?」
(暗礁宙域にピースミリオンが出現)
レディ「……感じますか、この戦いの
悲しさを? 見えますか、この戦いの
向こうにある平和が? この戦いは
皆さんに、いえ、この地球圏に
生きる我々人類すべてに
突きつけられた、平和への、新しい
時代への問題提議なのです。
みなさん、目をそらさないでください
耳をふさがないでください。そして……
考えてください。この地球圏に
平和をもたらすために、みなさんに、
我々に、いったい何ができるのかを」
(レディが撤退)
ミリアルド「しょせんは血ぬられた運命。いまさら
この罪をまぬがれようとは思わん!
決着をつけるぞ! ヒイロ・ユイ!」
ヒイロ「ゼクス、未来は見えているはずだ」
ミリアルド「くっ……ここまでか……」
(ビグ・ザム×3が出現)
ブライト「なんだと!? くっ……
まだこんな戦力を残していたのか!」
ビューティ「艦長っ! どうするの!?」
ブライト「やるしかないだろう!? アストナージ、
プチモビルの用意はいいか!?」
アストナージ「終わってますよ! 爆弾もあります!」
ブライト「よし、プチモビルで
アクシズ内部へ進入する
俺も行く。ヘンケン中佐、
あとは頼む」
ベルトーチカ「艦長が!?」
ヘンケン「何も艦長自ら
乗りこむことはないだろう!?」
ブライト「俺だって、シャアとは
ジオン独立戦争の時からの
つきあいだからな。
そのシャアの作戦なら
なんとしても阻止しなくちゃならん」
ベルトーチカ「敵がいるんですよ!?
ラー・カイラムはどうするんです!?」
ブライト「誰でもいい、
ラー・カイラムの護衛にまわらせろ!」
ヘンケン「しかたがない。我々はここで待つ。
成功させて、もどってきてくれ」
ブライト「俺だって死にたくはないからな」
(ラー・カイラムが撤退)
シャア「ブライト……内部から
アクシズを破壊しようというのか!?」
レイカ「デビルアクシズ崩壊の影響ね……
坑道もだいぶつぶれて……」
サリィ「上から岩! 気をつけて」
ビューティ「きゃあっ!」
アストナージ「艦長、このスピードじゃ
無理ですよ!」
ブライト「時間がない!
無理だと思ったら引き返せ!」
レイカ「ここ、核パルスエンジンのバルブです」
ブライト「よし、ここに時限装置だ。
爆薬は坑道の方へしかける」
アストナージ「艦長、弾薬庫を見つけました!」
ブライト「残りはまだあるな?
よし、そっちにもしかけるぞ。急げよ!」
サリィ「了解」
アーク「あなたは、どうしてッ!」
シャア「アーク、残念だがいまの私に
は君を相手にしている時間はない」
アーク「シャア!」
シャア「そうだ! 私はシャア・アズナブルだ。
クワトロ・バジーナではない!
手加減はせんぞ、アークライト!」
カミーユ「シャア・アズナブル!!」
シャア「カミーユか!」
カミーユ「俺は絶対にあなたを止めてみせる!」
シャア「邪魔をするな、カミーユ!」
アムロ「シャアッ!」
シャア「アムロ、人類などもはや地上の
ノミでしかないと、なぜわからん!」
アムロ「そうやって貴様は、永遠に
他人を見下すことしかしないんだ
俺は貴様ほど急ぎすぎもいなければ
人類に絶望もしちゃいない!」
アムロ「革命はいつもインテリが始めるが、
夢みたいな目標を持ってやるから
いつも過激なことしかやらない。
しかし革命のあとでは
気高い革命の心だって、
官僚主義と大衆に
飲みこまれていくから、インテリは
それを嫌って、世間からも
政治からも身をひいて
世捨て人になる。だったら……」
シャア「私は世直しなど考えていない!
このままでは地球が
もたんといっているのだ!」
アムロ「いまの地球圏が、
そんなことがいえる状態か!?」
シャア「いまの地球圏だからこそだ、アムロ!
かつての体制がすべて崩壊し
人類そのものが激減している
今だからだ。今でなくては
人類はいつまでも
同じことを繰り返すよ」
アムロ「だから地球に、
こんなものを落とすというのか!?」
シャア「そうだ!」
シャア「やられた!? ええぃ、やむをえん!」
(爆発)
アムロ「脱出ポットだと!? 逃がすか!」
(アムロがシャアのいたところまで移動、機械音)
シャア「くっ、何をするアムロ!」
アムロ「貴様にもつきあってもらう!」
クェス「大佐!? 大佐は駄目ッ!」
アムロ「な、なんだ!?」
クェス「大佐はあたしのなんだから!!」
(クェスに『ど根性』『集中』『熱血』)
アムロ「うっ……なんてプレッシャーだ」
カミーユ「くっ……誰だ!?」
ジュドー「な、なんだよ、これは!」
シャア「……クェスか」
クェス「きゃあぁぁぁぁぁーっ!!」
ベルトーチカ「ブライト艦長以下、工作班、
もどりました。死傷者は約半数」
ヘンケン「もどったか! あとはうまく
いってくれることを祈るだけだな……」
バニー「地球が……もうあんなに大きく……」
ヘンケン「くっ……ラー・カイラムは全速で
アクシズを離脱する!
間にあってくれよ……」
(アクシズ1ターン分移動、ラー・カイラムが出現)
葉月博士「ラー・カイラムがアクシズを離れる?
成功したのか?」
(アクシズのあちこちで爆発、閃光、爆音、アクシズが分断している)
ブライト「やったか!」
アーク「アクシズが割れた!?
成功したんだ!」
アムロ「やったのか……?」
シャア「違うな。いま計算したが、
アクシズの後ろ半分は
間違いなく地球に落ちる。
無駄なことをしたな。私の勝ちだ」
アムロ「させるかよッ! このまま貴様を
逃がしはしない。貴様もつきあえ!」
シャア「アムロ……何をするつもりだ!?」
(ブラックアウト後、νガンダムとラー・カイラムのみに)
ブライト「状況は!?」
ギャリソン「アクシズの前半分は、間違いなく
地球に落下する軌道から
離れております。しかし……」
ブライト「まさか」
ギャリソン「はい。後ろ半分は
爆発による制動がかかり
現在も地球へ落下中です」
ブライト「シャアの手伝いを
してしまったというのか……!?」
ベルトーチカ「なんてこと……」
ヘンケン「おい、なんとかならんのか!? あれだけ
でも地球の冬は終わらんぞ!」
ギャリソン「もう少し進入角度が
外へ向いておれば
そのまま向こう側へ
ぬけていくはずですが……」
ブライト「……ラー・カイラムで
アクシズの進入角度を変えるぞ!」
ビューティ「ちょっと、まさかぶつける気なの!?」
ギャリソン「残念ながら有効とは思えません。
ガンドール砲でもこの角度では……
残念ですがもう
間にあわないでしょう……」
サリィ「そんな……」
(νガンダムがアクシズ後部に取り付く)
ベルトーチカ「アムロ!? やめて、もう無理よ!!」
ブライト「なに!? νガンダムが、
アムロがどうした!?」
チェーン「ア……アムロがアクシズに……」
ブライト「なんだとッ!?」
(揺れ)
シャア「馬鹿な真似はよせ! もう
落下はとめられん! 死ぬ気か!?」
アムロ「やってみなくちゃわからないだろう!?
νガンダムは伊達じゃない!!」
(トーラス(黄色)×6出現し、νガンダムに隣接)
アムロ「なんだ、どこの部隊だ!?
さがれ、俺だけでいい!」
スペシャルズ「大尉だけに、いい格好は
させられませんよ
我々OZにも、
罪滅ぼしをさせてください!」
(揺れ)
アムロ「寄るな! ここはガンダムで
面倒を見る!」
スペシャルズ「しかしっ!」
アムロ「オーバーロードして爆発するぞ!
離れろ!」
スペシャルズ「大尉っ!?」
アムロ「余分な命はいらないんだ!
俺とシャアだけで!」
(揺れ、トーラス×3機が爆発)
アムロ「だからっ!」
シャア「……結局、遅かれ早かれこんな
悲しみだけが広がって、地球を
押しつぶすのだ。ならば人類は
自分の手で自分を裁いて
自然に対して、地球に対して、
しょく罪しなければならん
アムロ、なんでこれがわからん!?」
アムロ「黙れシャア! 貴様の命を吸い
取ってでも、アクシズは阻止する!!」
シャア「やれるものかっ!」
(白く2回点滅、トーラスが少し離れる)
ベルトーチカ「あ……あぁ……」
ブライト「なんだ……光……?」
(閃光)
シャア「……人の意思の力が……命の
力が集っているというのか……?
しかしこの暖かさをもった人間が、
地球さえも破壊するんだ
それをわかれ、アムロ」
アムロ「わかっているよ。
だから、世界に希望を
人の心の光を
見せなくちゃならないんだろ?」
(揺れ)
シャア(自分のことだけで私は
精いっぱいだったというのか……?
そうではあるまい、そうでは……)
(閃光、νガンダムが消える)
葉月博士「いま計算したが、あの軌道なら
地球に落下せず、あのまま向こう
側へ抜けていくはずだ。大気圏が
クッションになる」
ヘンケン「これで地球は救われたか……」
ブライト「アムロに、アムロに離脱しろと
伝えろっ!!」
バニー「む、無理です!
オーバーロードウェーブで
無線はブラックアウトしてます!
通じないわ!!」
ブライト「くっ、なんてことだ……アムロが……」
ベルトーチカ「アムロ…………」
チェーン「あの光……」
アンナ「え?」
チェーン「あれは……命の光だったのかも……」
アンナ「チェーン……さん……?」
ベルトーチカ「おかしなこといわないで!
アムロは生きているわ!!」
チェーン「でも……でも……あぁぁぁっ」
ヘンケン「なんでことだ……くそっ、なんとかならん
のか!?」
ビューティ「あら……艦長、あれ……」
ブライト「万丈たちか? あいつら……まさか」
(通信)
ブライト「万丈、どういうつもりだ!?」
万丈「あきらめるのはまだ早いってことさ。
艦長、ここは僕たちにまかせてくれ」
ブライト「バカな……よせ、やめろ! お前たちまで
巻き込まれるぞ!!」
豹馬「冗談だろ、そんなヘマはしないぜ!」
四谷博士「やめんか、豹馬!」
忍「俺たちのメカをよ、モビルスーツごときと
一緒にしてほしくねぇな、艦長
俺たちゃな、ガッツがありゃなんでも
できるんだ」
沙羅「ああ、あのくらい、なんてことないさ」
葉月博士「藤原、結城、いくらダンクーガでも
無理だ! 引き返せ!」
ブライト「戻れ、お前たち! つらいのは俺
だって同じだ! だが、お前たちまで
いなくなったら、どうなる!?」
ハヤト「なぁに、無理はいつものことですよ」
リョウ「博士、こいつは真・ゲッターの
限界をためす、いいチャンスだ」
早乙女博士「お前たち……」
万丈「よし、いくぞみんな!!」
ファ「カミーユ……アムロさんが……
アムロさんが……」
カミーユ「アムロさんが……もどってないのか!?」
ジュドー「じゃあ……あん時の光はやっぱり……」
エル「ジュドー、あんたなんてこというのよ!」
甲児「くっそぉ……マジかよ……」
(速い足音)
ルー「大変! 大変よ!」
ジュドー「ルー……アムロさんが、アムロさんが
戻ってこないんだよ!」
ルー「知ってるわよ! まだアクシズに
いるのよ!」
さやか「そんな……じゃあ……もう……」
鉄也「……大変ってのは、そのことなのか?」
ルー「そうだけど、いまブリッジで聞いたら、
ダイターン3や真ゲッターが、アクシズに
向かったんだって!」
甲児「なんだって!?」
チボデー「おぅジーザス。まさかあいつら……」
甲児「くそっ、オレたちは置いてきぼりかよ!?
こうしゃいられねぇ!
俺たちも行こうぜ!!」
エイジ「無理だ。アクシズが地球から離れ
るまでの間に、摩擦熱でアクシズも
かなり崩れるはずだ。もしそこにいるのだ
としたら……今からでは、もう……」
チャム「そんなぁ……」
マーベル「信じましょう。万丈たちなら、
きっとやってくれるって」
甲児「艦長、あの連中、まだ出てこない
のか!?」
ブライト「…………」
カミーユ「くそっ、どうなってるんだ……」
ファ「カミーユ……」
葉月博士「……やはりだめだったか……。なんとか
彼らだけでも無事に戻ってくれれば
いいが……」
ベルトーチカ「博士! バカなこといわないで!」
葉月博士「私もむろん信じたい。しかし……」
大作「あっ……」
ビューティ「なに、どうしたの?」
大作「アクシズから何か離れました」
さやか「えっ、どこ!?」
ジュドー「あそこだ! あれは……ダイターンだ!」
エイジ「真・ゲッターも見えるな」
ブライト「どうなったんだ……アムロは、アムロは
助かったのか!?」
ヘンケン「落ち着くんだ、ブライト艦長」
(通信)
バニー「あっ……」
ベルトーチカ「はい! こちらラー・カイラム!
アムロ!? アムロ、無事なの!?」
チェーン「…………」
万丈「……こちらはアムロ・レイ救出チームの
万丈だ。みんな、落ち着いて
聞いてもらいたい」
ベルトーチカ「え……?」
甲児「おい……まさか……」
ルー「そんな……」
万丈「僕たちは決死の覚悟で、
燃えるアクシズに突入
アムロ大尉の救出に……
成功した。繰り返す、大尉は
無事だ! やったぞ、みんな!」
ベルトーチカ「あ…………」
甲児「ひゃっほぉぉぉぉぉーっ!! おい、なにみ
んな固まってんだよ! 聞いただろ!?
助かったんだよ!! 無事なんだ!」
忍「そういうこった。いまから戻るからよ、
冷たい飲みもんでも用意
しといてくれよな」
リョウ「ああ、もうのどがカラカラだ」
ギャリソン「それでは、とっておきのアイスティーを
ご用意いたしましょう」
ブライト「お前たち……よく……よくやってくれた」
アムロ「2人とも心配しすぎだよ」
ベルトーチカ「でも……」
チェーン「無理はしないで」
アムロ「大丈夫だよ。ハサン先生にも
見てもらったんだから」
万丈「やあ、もうだいぶいいみたいだね」
アムロ「君たちのおかげさ。すまなかったね」
万丈「いやいや。しかし……彼は見つけられ
なかった」
アムロ「ああ……」
ベルトーチカ「アムロ……」
ルー「あっ、こんなところで何やってんです!
みんな待ってるんですよ!」
ブライト「よく……戻ってきてくれた」
甲児「いやぁ、一時はどうなることかと
思ったぜ」
アムロ「すまないな。みんなによけいな心配を
させてしまったようだ……」
ジュドー「ま、無事だったんだからいいじゃないの」
アムロ「それで、アクシズは?」
エイジ「大丈夫です。もう、地球から
離れました」
サイ・サイシー「そ、オイラたちのアクシズ落下阻止
作戦、大成功だぜ!」
ブライト「ああ。すまんな、みんな。いうのを忘れて
いた。みんなよくやってくれた」
鉄也「なーに、俺たちの地球のためだ。この
程度のこと、どうということもない」
トロワ「そうだな」
豹馬「なんだよ、つまんない奴らだな」
ヘンケン「先ほど残存するネオジオン軍より、
無条件降伏を
申し入れる通信が入った
これで、地球圏の戦争は
本当に終わりだ」
カトル「ようやく……ようやく、
僕たちはここまでたどりついたんですね」
デュオ「ああ、そうだ。俺たちは
ようやく終わらせたんだ
なんだか実感がわかねぇけどな」
甲児「しかし、まいったぜ。あんな
少ない戦力でここまでやるなんてさ
敵になったとはいえ、
やっぱあの人はすげぇ人だったな」
ショウ「クワトロ・バジーナ……
シャア・アズナブルか」
豹馬「まったくだ。ガンドールが
もどってくれなかったら
俺たち完全に負けてたぜ」
忍「へっ、死ぬ気でムゲ野郎を
倒してよ
ようやく平和になった地球に
帰ってきたかと思えば
この戦闘だ。正直いやぁ
かなりびびったぜ」
沙羅「へぇ、あんたにそんなまともな神経が
あるなんて、ちっとも知らなかったよ」
忍「なんだとぉ……っといいたいところだが、
今はやめとくぜ
せっかくの雰囲気に
水をさしたくねぇからな」
ルー「やめてよ。逆にそっちの方が
調子くるっちゃうわ」
アラン「だそうだ、藤原。
その短気な性格に
周囲の理解を得られて、
幸せだなお前は」
忍「ちっ。短気なのは認めるが、
別にそいつは、俺の
専売特許ってわけじゃ、ねぇだろうが」
シモーヌ「まあね。甲児とかさ、うちにはたくさん
いるものね。そういう奴は」
ジュン「あはははは。確かにそうだね」
甲児「ちぇっ、そんなに笑うことはないだろ」
万丈「ははははっ、まぁいいじゃないか。それで
艦長、これからどうするつもりだい?」
ブライト「そうだな……降伏したネオジオン軍の
受け入れの準備もあるし
アクシズの始末もせにゃならんだろうな
そういえばアムロ、俺たちがいない間
地球の方では
何がどうなっていたんだ?
葉月博士からは
地球圏の復興にも
着手していたらしいと聞いているが」
アムロ「………………」
ブライト「アムロ、どうかしたのか?」
アムロ「え? ……ああ、いや、なんでもない。
ここしばらくの地球圏のことだって?」
ベルトーチカ「アムロ……大丈夫なの? 少し
横になった方がいいんじゃない?」
アムロ「大丈夫だよ。心配しなくていい」
チェーン「本当に?」
アムロ「本当に大丈夫だよ」
大介「で、地球はどうなっているんです?」
アムロ「コロニー側から救援物資が
降ろされたんで
状況はだいぶ落ち着いているよ。
各地で町や都市レベルでの
復興が始まっている」
ブライト「やはり、ロームフェラの主導でか?」
アムロ「そうだが……連中は
資金を提供しているだけだな
自分達の主導で
やりたいところだろうが
実際にはレディ・アンの
OZがやってくれている」
エイジ「……姉さんたちは?」
サリィ「“クスコの聖女”は復興に
従事する人々の精神的な
支えになっているわ。
リリーナさんもがんばってるわよ、ヒイロ」
ヒイロ「当然だろう。
それがあいつの戦い方だ」
アムロ「各コロニーも
地球圏の復興という観点で
動き始めてくれているが、これは
まだ問題が多くてね。俺たちが
調整役になってはいるが、とにかく
旧連邦やロームフェラに対する
不信が根強く残っているのさ」
アラン「だろうな。あとは銀河帝国の
取り残された連中か」
大介「マーチウィンドは
どこを拠点に活動を?」
アムロ「いまはサイド1のロンデニオンに
落ち着いているよ
もう少し状況が収まって
地球圏全体を統制できる
機関が発足すれば、解散かな」
ドモン「なぜだ? 月にもマーチウィンドに
参加したいっていう連中が
大勢いたじゃないか」
レイン「私たちはどこにも所属していない
部隊だもの
組織化して大きくしても、
資金的に維持できないわよ
それに、“地球圏の平和”
とはいっても、みんなそれぞれ戦った
理由が違うもの。戦争が
終われば解散するのが自然だわ」
亮「まぁ、当然のなりゆきだな。
マーチウィンドは
軍隊じゃないからな」
甲児「そうか……そうだよな。
ってことはみんなバラバラになっちまうのか
なんだか寂しくなっちまうな」
鉄也「感傷的になるのは早すぎる。
まだ敵が残ってるってことを忘れるな」
五飛「そうだ。まだ悪を排除しきっていない
それまではこの戦いは終わらん」
甲児「敵って……そうか、例の奴か!」
万丈「そうだった。みんな、
僕たちはムゲの宇宙で
またあの敵と交戦したんだ」
ショウ「あの敵って……
“アル=イ=クイス”とかいう?」
リョウ「ああ。ムゲの宇宙が崩壊する前に
逃げていったが……」
ハヤト「あいかわらず正体は不明だが、
わざわざあんなとろこまで
現れたところをみると、やはり、
ねらいは俺たちと考えたほうがいいな」
ブライト「確かに、その件が残っていたか……」
ギャリソン「用心しておくにこしたことは
ありませんな」
大介(しかし、これまでのパターンを考えると…)
ひかる「どうしたの、大介さん?」
大介「いや……なんでもないよ、ひかるさん」
マリア(なに……嫌な感じがする……)
(通信)
バニー「はい? ……ええ、わかったわ」
ブライト「どうした?」
バニー「先ほど救助された女の子、
気がついたそうです。ただ……
記憶がないそうで」
ブライト「記憶喪失?」
バニー「いまキャスがこっちに連れてくるそうです」
雅人「女の子!?」
ルー「あんた、ほんっとに、それしか考えられな
いわけ?」
沙羅「ほっときなよ。こいつはそういう奴なんだ」
雅人「いやぁ、女の子って聞くと、つい
気になっちゃって」
ドモン「救助したといっていたが、どういうこと
なんだ?」
アラン「戦闘後に、破損した敵のサイコ
ミュ搭載型のモビルスーツを
発見してな。回収に出た連中
が、その途中で漂流しているのを
発見したそうだ」
さやか「戦闘宙域よ、ここ。どういう子
なの?」
カミーユ「……敵の戦闘パイロットだよ」
ジュドー「あのすごいプレッシャーの女か」
カミーユ「ああ。記憶喪失っていってたけど、
たぶん、精神が耐えきれなかったんだ」
アムロ「……あの子か……」
(ガンダムアラート)
ブライト「なんだ、ネオジオンか!?」
レイカ「艦長、万丈、みんな、
敵が現れたわ! あいつらよ!
それも、3体も!!」
忍「なんだとっ!?」
大介「やはりか……」
デュオ「やれやれ、マジかよ」
リョウ「ああ、噂をすればってやつだな」
甲児「なぁに、こいつでケリつけちまえば、
今度こそ本当に
終わりってもんだぜ!」
ボス「でもよぉ兜、あいつら何度倒しても
また出てくるじゃねぇかよ」
ドモン「かまわん! 何度でも
叩きつぶしてやる!」
ギャリソン「しかし……これまでは常に
単体で出てきていたのが
まとまっているというのが気になりますな
みなさん、お気をつけください」
ブライト「わかっている。
総員、戦闘配置につけ!」