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恐怖! デビルアクシズ始動! 前編 アーク

〈サイド1〉

ちずる「アムロさん、アクシズの核パルスに 火がつきましたッ!
 地球へ向けて 移動を開始しています」
豹馬「なんだって!?」
アムロ「もうか!? 奴め、 やはり一気にケリをつける気だな」
アーク「俺たちも行きましょう。カトルも、 もどりました。現状では
 最大の戦力です。今、 行かなくては取り返しがつかない」
アムロ「ああ。マーチウィンド、 出撃するぞ。目標は、アクシズだ」

〈アクシズ〉

カーンズ「総帥、兵たちにお言葉を」
シャア「わかっている」
(足音)

シャア「ネオジオンの兵士諸君、聞いて もらいたい。数年にわたり続いた
 地球圏の争乱は、もはや 終結したといってよい。ではなぜ
 今になって、我々はまた戦いを おこしたのか。諸君、もう1度
 よく考えてみてほしい。このままでは 我らスペースノイドにとっても
 そして地球そのものにとっても、 かつての地球連邦の時代と
 何ら変わりはしないということを」
ギュネイ「…………」
シャア「いや、ムゲゾルバドス帝国、 そして銀河帝国の
 攻撃にさらされ、疲弊しきった 地球を前にすれば、状況は
 より悪化しているといいきれる。 かつて私の父、ジオン・ダイクンが
 宇宙移民者すなわち スペースノイドの自治権獲得を
 地球に要求したとき、 父ジオンはザビ家に暗殺された
 そしてそのザビ家はジオン公国を 名のり、地球連邦政府に
 独立戦争を挑んだのである。 その結果は諸君らの
 知っている通り、ザビ家の敗北に 終わった。それはいい」
シャア「しかしその結果、 地球連邦政府は増長し
 連邦政府内部は腐敗し、 ゾルバドスの侵攻に対して何ら
 有効な抵抗もできず敗北した。 その後の帝国の支配の時代に
 おいて、ロームフェラ財団は再び 支配する側たらんとし
 帝国軍の一部としてスペシャルズ を組織した」
シャア「そして今、すべての異星人の 支配を脱却し、ようやく
 解放された地球にあっても、 彼らは難民の救助、地球の
 再建という名目をかかげ、 疲れきった地球の中で、再び
 時代をかつてのごとく、もどそうと している。ザビ家の残党を語る
 ハマーン一党の跳梁を生んだ 原因をつくったのもまた
 かつての連邦にくみした彼らである にもかかわらず、である
 それは、許せることではない」
クェス「……あたし、み~んな知っていたなぁ」
シャア「古い体制はすでに崩壊し、 我々は未曾有の危機をも
 乗りこえた。人類はこれを機に、 新たな時代に移行しなければ
 ならないのである。我らが母なる 地球を人類の手から解放し
 再び人類同士の戦争の 起こることのない世界にしなければ
 ならないのだ。これが、アクシズを 地球に落とす真の目的である」
シャア「これにより地球を荒廃させ、 地球に居続ける人々を
 粛清する! これによってのみ、 人類すべてが宇宙に暮らす
 新世紀を実現できるのである!  諸君! 新たなる時代を
 拓くため、あと一息、諸君らの 力を私に貸していただきたい!
 そして私は、父ジオンのもとへ 召されるであろう!!」
(閃光)

カーンズ「お見事な演説でした」
シャア「これでは道化だよ」
カーンズ「兵の士気は高すぎて悪いと いうことはありません。……しかしこれで
 ようやくジオン・ダイクンの仇が……」
シャア「それ以上は口にするな。 貴様がどういう腹づもりでいようが
 私には関係のないことだ。 それで、あれはどうなっている?」
カーンズ「すでにアクシズに運びこんであります。 しかし、よろしいのですか?
 万全を期すならばレポートに あるように女を……
 あのクェスという少女など、そのために 連れてきたのだと思っておりましたが」
シャア「……あれはあのままでやれ。あくまでも アクシズ落としを補完する
 ものでしかない。それでもお前の オペレーション・メテオは完全な形で
 実現される。そのつもり だったのだろう?」
カーンズ「はっ……」

シャア(アムロ……私はあこぎなことをやっている ……感じているのならば
 私をとめてみせろ)

〈サイド1〉

(ラー・カイラムで地球付近まで移動)

〈地球付近〉

カミーユ「しかし、レディ・アン……博物館 ものの核弾頭を送ってくるとは」
ショウ「変わったとはいっても、 あいかわらず怖い人だな」
四谷博士「使うつもりかね? 核を?」
アムロ「アクシズをとめるためなら、 なんでもやってみせますよ」
ベルトーチカ「……あれ……?」
ケンジ「アクシズが見えてきましたか?」
ベルトーチカ「そうだと思うんだけど……」
弓教授「どうかしたのかね?」
ベルトーチカ「データにあるものと形が違うんです。 カトル、ウィナー家でもう
 あんなに手を入れたの?」
カトル「いいえ、アクシズにはまだ何もして いません。……そんなに違うんですか?」
ドモン「近づけは、もっとよく見えるだろう。 もう少し待ってみたらどうだ?」
ベルトーチカ「そうね……」

ベルトーチカ「……これ……やっぱりアクシズとは 形が違うわ!」
ミカ「ええっ!?」
アムロ「映像を拡大して、 正面のモニターに」

ドモン「……なんだとッ!」
チボデー「オゥッ、ジーザス……」
カトル「そんな……そんなはずはありません!  僕が確認した時には
 あんなものはアクシズには なかったはずです!! それにあれは……」
アルゴ「むう…………」
サイ・サイシー「アニキィ……あれって……」
ドモン「ああ……間違いないッ!  デビルガンダムだ!!」
十三「ちょいまちいや。なんぼ何でも、 あんなでかいわけあらへんやろ!?」
小介「いえ、僕が独自に分析した デビルガンダムの能力が正しければ
 その程度のことはできますよ」
十三「なんやて!?」
四谷博士「ううむ……わしもこの目で見るまでは 信じられなかったが……」
レイン「どういうことなんです!?」
小介「デビルガンダムがアクシズを取りこんだ、 ということです。デビルガンダムの
 基礎理論、自己進化と 自己増殖の応用なんですよ」
ジョルジュ「どうやら、デビルガンダムの残骸を 回収していた人がいるようですね」
アムロ「シャアめ……本気で地上の 人間を皆殺しにするつもりか」
ジュドー「問題はどうやって、とめるかって ことでしょ!? あれが全部
 デビルガンダムなら、核をぶつけたって 効くかどうか、わかりゃしないぜ」
レイン「デビルガンダムならばコアが必要な はずだわ。それを破壊できれば……」
カミーユ「あの中へ入るしかないっていうのか……」
鉄也「だが、あれをやった人間は そいつも知ってるはずだ
 シャアは全力で守りにくる。 近づくことすら容易じゃない
 今の俺たちの戦力ではな」
マーベル「さしずめデビルアクシズと いったところね……」
ドモン「シャアだろうがデビルアクシズだろうが、 かまわん! デビルガンダムに
 関わりがある限り、この俺が まとめて叩きつぶしてやるッ!!」
レイン「ドモン、お願いだから、落ち着いて」
ヘンケン「どうする、大尉?」
アムロ「……事情が変わった。 こうなったらシャアの望むように
 正面からぶつかるしかない」
ヘンケン「しかしこの戦力差だぞ?  うまく中へ入りこめたとしても
 何が待っているかわかったものじゃない」
アムロ「だからといって、指をくわえて みているわけにはいかない」
ヘンケン「そりゃそうだが……」
アーク「アクシズはもう動いているんです。そんな 問答をしている時間はありません!」
ヘンケン「そうだな……それ以外に手はないか。 よし、総員第一戦闘配置!
 本艦隊はこれより、デビルアクシズに 対し艦隊特攻をかける!」

〈アクシズ〉

キグナン「大佐、来ました」
シャア「来たか、マーチウィンド。 さすがに早いな
 こちらの動きを読んでいたということか」
カーンズ「今の連中の戦力では、 ネオジオン艦隊をぬいて
 アクシズをとめるのは、ほぼ不可能。 我々の勝ちですな」
シャア「いや……どうやら、 そうでもなくなってきたな……」
カーンズ「は?」
シャア「このプレッシャー……ガンドールが もどったか。万丈たちもいるな
 運の強い連中だ」
カーンズ「な……なんですと!? 観測班、 何をやっている!
 早く状況を知らせい!」
シャア「これで戦力は五分と五分と いったところか……面白い
 このアクシズをとめられるか、アムロ」

〈地球付近〉

アムロ「ガンドールがもどっただって!?  本当に!?」
ヘンケン「ああ大尉。いまコールがあった」
アムロ「みんなは、 連中は無事だったのか!?」
ヘンケン「どうやらそうらしい。 いまこちらに向かっているそうだ
 まもなく合流できるだろう」

アムロ「ブライト! よく、無事で……」
ブライト「ああ、こっちは全員無事だよ。 ムゲも倒した。しかしアムロ
 あれはいったいなんだ!?  デビルガンダムに似ているようだが
 あれはアクシズなのか!?  いったい何がどうなっている!?」
アムロ「シャアだよ。奴がしかけたんだ。すでに フィフス・ルナを地球に落とされた」
アラン「なんだと!?」
ブライト「シャア? クワトロ大尉が!?」
万丈「どういうことなんだ!?  なぜクワトロ大尉が……」
アムロ「もうクワトロ大尉はいないという ことさ。あのデビルアクシズにいるのは
 シャア・アズナブル、かつて俺が戦い、 そして今も敵である男だ」
ブライト「デビルアクシズ…… やはりデビルガンダムなのか?」
ヘンケン「説明はあとだ。とにかく今はあの デビルアクシズが地球に落ちるのを
 とめにゃならん。そっちはやれるのか?」
ブライト「あ、ああ、もちろんだ」
甲児「オレたちなら、いつでも出られるぜ。 じゅうぶん休んだからな」
リョウ「ああ、まかせてくださいよ」
アムロ「よし、作戦を変更する。まず 第一部隊はアクシズ周囲に
 展開している敵と交戦、これを ひきつける。この間、ドモン以下
 第二部隊は待機し、第一 部隊が突破口を開いたあとに
 アクシズ内部へと突入、 デビルガンダムのコアを叩く」
ドモン「いいだろう」
ジュドー「なんだかやれそうになってきたじゃないの」
(ラー・カイラムでアクシズまで移動)

〈アクシズ〉

シャア「私は宇宙に出た人類の 革新を信じている。しかし
 人類全体が新しい時代へ 踏み出すためには、誰かが人類の
 業を背負わなければならないのさ」
クェス「それで地球をつぶすんですか?」
シャア「つぶしはしない。 地球には少し休んでもらうのさ」
クェス「ああ……そっか。大佐……」
シャア「どうした?」
クェス「大佐は人類の業っていったでしょ それを意識してしまう人って
 不幸な人なんじゃないかって、 気になったの」
シャア「私は、信じる道を 進んでいるつもりだ」

カーンズ「総帥、アクシズが予定のポイントへ 到達します」
シャア「キグナン、連中の様子はどうだ」
キグナン「大佐の予測された通りです。 確実にアクシズを捕捉しています」
シャア「残りの核パルスを点火しろ」
カーンズ「はっ」
シャア「……行けアクシズ。 忌まわしき記憶とともに」


恐怖! デビルアクシズ始動! 前編

(戦艦選択・ガンドール、グラン・ガラン、ラー・カイラム[ブライト])
アムロ「くっ、アクシズが最後の 軌道修正を開始したか」
万丈「あんなものを落とされたら、 本当に地球は壊滅する
 だが、その前にデビルガンダムを 始末しなくては」
ショウ「時間との勝負か……」
(敵機が出現)
デュオ「おいおい、あいつは……」
ヒイロ「ゼクスか……」
カトル「ええ……」
ノイン「…………」
ヘンケン「ブライト艦長、ラー・カイラムも 基本的な呼吸は
 これまでのものと同様だ。 あとはまかせるが?」
ブライト「了解した。第一部隊、 出撃しろ! 突入部隊の
 突破口を開けばいい!  アムロ、頼むぞ
 あの裏切り者の息の根は、 俺たちでとめなきゃな?」
アムロ「わかってるさ。νガンダム、出るぞ!」
(アムロ(νガンダム)出撃、出撃選択(15機)、ドモンは出撃不可)
シャア「マーチウィンド……このアクシズを とめられるというのなら
 やってみせるのだな」
アムロ「シャア! 俺たちと一緒に戦った 男が、なんで地球つぶしをする!」
シャア「地球に残っている連中は、 地球を汚染しているだけの
 愚かな連中だ。地球は、 それすらも気づけんような人間の
 エゴの全てを、飲みこめはしない!」
アムロ「人間の知恵は、 そんなものだって乗りこえられる!」
シャア「ならば今すぐ、愚民どもに 叡智をさずけてみせろ!!」
クェス(そうだ……それができないから……)
カミーユ「いまさら見苦しいですよ、 シャア・アズナブル!
 あなたはあの時、死んでしまった方が よかったんだ!
 今になってもどってきちゃ いけない人なんだ!」
シャア「カミーユか……私はあの戦いの中で、 自分自身の偽らざる
 真実というものを見つけたのだ。 それが気に入らんというのはわかるが
 邪魔をさせるわけにはいかん!」
カミーユ「そんな理屈でッ!!」
ヒイロ「ゼクス・マーキス、いったい何のつもりで そこにいる」
ミリアルド「ヒイロ・ユイ……戻ってきたのか。やはり 貴様とは、こうなる運命のようだな
 ……アクシズは、落とす!  この方法しか平和への道はない!」
ノイン「ゼクス…………あなたは……」

〈3PP〉

ブライト「アクシズ内部への侵入路が 確保できないだと!?」
レイカ「そういってます。 外の敵を排除しても
 デビルアクシズ自体がいるから……」
バニー「艦長、レーザー通信を受信!」
ブライト「なんだと!? どこからだ!?」
バニー「それが……アクシズからです」
レイカ「アクシズ!?」
ビューティ「どういうことなの?」
ブライト「内容は!」
バニー「『デビルアクシズ内部への 突破口は必ず開く
 よろしく処理されたし。 村雨』です」
ブライト「村雨健二か!」
ベルトーチカ「いつのまにアクシズに 潜入していたの!?」
ブライト「わからん。わからんが、あいつが やるというならやってくれるさ
 よし、突破口の確保はいい。 全機、敵の掃討に集中せよ!」

〈vs ミリアルド〉

ヒイロ「ゼクス……あの時エピオンが お前に見せた未来は、これか
 ならば俺はお前を、殺す」
ミリアルド「ヒイロ……私はもはや以前の 私ではない。シャア大佐の
 理想を実現させるため、こうして 生き恥をさらしているのだ
 貴様にやられてやるわけにはいかんな!」

〈vs シャア〉

カミーユ「あなたは! 自分が何をやっているか わかってるんですか!!」
シャア「充分すぎるほど理解して いるつもりだ、カミーユ。残念だが
 邪魔をするならば、たとえ君でも、 落とさせてもらう!」
カミーユ「くっ……やらせるものかよ! シャア!!」

アムロ「シャアッ!!」
シャア「アムロ、ララァが死んだ時の あの苦しみ、存分に思い出せ!」

[撃墜]

シャア「くっ、さすがにやる! だがデビルガンダム はそう簡単にはとめられんよ!」

〈敵機全滅〉

ブライト「よし、敵がうすくなった。 各自周囲を警戒
 突入部隊用意!  村雨からの連絡はまだか!?」
(アクシズに爆煙)
ベルトーチカ「やった!?」
バニー「通信、来ました!  『突入よろし』です」
ブライト「やってくれたか!  突入部隊、出ろ!
 デビルガンダムのコアを叩きつぶせ!」
レイカ「艦長! 敵、第二陣来ます!」
(敵機増援が出現)
ブライト「なんだと? くっ、シャアめ……」
(マンダラガンダムが出現)
ベルトーチカ「こっちからも!?」
ブライト「いや、あれは……」
キラル「マンダラガンダムただいま見参!  マーチウィンドの方々
 義によって助太刀いたす!」
ドモン「マンダラガンダム…キラル・メキレルか!?  来てくれたのか!」
キラル「私だけではござらん」
(マグアナック隊が出現)
ラシード「水くさいですよ、カトル様。我々は いつになったら呼んでもらえるのかと
 思って、待っていたのに。さぁ、 ここは我々にまかせてください!
 野郎ども、カトル様に会うまでは、 誰も死ぬんじゃないぞ!」
マグアナック兵「おぉぉーっ!!」
カトル「ラシード……みんな……」
キラル「我らが母なる星の危機、 主義も主張もあるものか!
 我ら一同この地球を守るため、 命という名の盾とならん
 さぁ、おのおの方、 アクシズへ突入されるがよい!」
ドモン「お前たち……まったく……」
チボデー「あぁ、大馬鹿野郎だ」
ブライト「これでなんとか行けるか…… よし、突入部隊、出させろ!
 残りの者はデビルアクシズからの 攻撃に注意しつつ
 敵を近づけるな!  ドモン、聞こえているな!?」
ドモン「聞こえている。 いわれなくともデビルガンダムは
 この俺が叩きつぶしてみせる!」
(デビルアクシズ上にドモンが出現しすぐに撤退)
キラル「よぉし、我々はこのまま敵の 守備隊撃滅に全戦力を
 かたむける。皆のもの、私に続け!  1機たりとも寄せつけるでないぞ!」

〈敵機全滅〉

ブライト「どうにか外の敵は片づいたようだな……」

〈アクシズ〉

ブライト「あとはデビルガンダムか…… うまくやってくれよ……」


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