コンピュータ「臨界プラズマ温度の90%」
イゴール「博士」
葉月博士「ええ……ガンドール、発動スタンバイ!」
アルベルト「ふん、何があるのか知らんが、このワシ
が直接、確認してくれるわ」
(アルベルトが基地内に、基地のあちこちで爆発)
葉月博士「なんだ!?」
ゲリラ「何者かが、基地内に侵入しま
した!」
イゴール「何だと!? おのれ、やらせはせんぞ!」
(速い足音)
葉月博士「将軍!?」
アラン「む!? いかん、
基地が襲われたか!?」
(少し間があり、アランは撤退)
アルベルト「ハハハハッ、たわいもない。
たいした抵抗もできんとは。……むう
これは……アレではないが……いかんな、
これは破壊しておかねばならん」
(機関銃音)
イゴール「うおおぉぉぉぉっ!!」
アルベルト「なに!? フン、旧連邦の
生き残りか。くだらんな」
イゴール「貴様らに竜はやらせはせん!」
(銃声×2)
アルベルト「こしゃくな。それほど死にたいのならば
殺してやろう。ちぇあぁぁぁぁーっ!!」
(殴る×3)
イゴール「がはっ!! こ、これしきのことで……
や、やらせはせん、やらせは……」
アルベルト「その闘志だけは見事なものよ」
???(シュバルツ)「そこまでだッ!」
(殴る)
アルベルト「ぐぅっ、なにやつ!?」
シュバルツ「フフフフフフッ、ハーッハハハハハッ!!」
アルベルト「ムッ!? 貴様、あの時の……」
ゲリラ「いたぞ! こっちだ!!」
シュバルツ「さぁ、どうする、どうする、アルベルト!?」
アルベルト「貴様のことは奴から聞いたわ。
ここで貴様と戦うのは
賢いやり方ではない。さらばだ!」
シュバルツ(行ってくれたか。
……この体も、もはや限界だ
あの男と戦わずに済んだのは幸い
だったな……)
アラン「シュバルツ・ブルーダー!? なぜ
ここに……いや、それよりも将軍は!?」
シュバルツ「…………ここだ」
アラン「…………イゴール将軍」
イゴール「アランか……わずかな間に、よくそこまで
成長したな……もはや、この父を
乗り越えてしまった……。
結局……お前の戦いもまた
正しかったということか……」
アラン「やめてくれ! あんたの口から、そんな
弱気な言葉は聞きたくない!」
イゴール「アラン、ほかの多くの子供たちと
ともに、この世界を、地球を
守ってくれ……地球の未来を……
く……」
(閃光)
シュバルツ「……すまぬ、私がもう少し早ければ
よかったのだが」
アラン「いや………さらば、最後の将軍
ロス・イゴール……さらば……親父
あなたの遺志は若者たちが
引き継ぎ、戦っていくでしょう……」
忍「アラン! どうした!?」
アラン「基地は無事だ。安心しろ」
忍「将軍は!?」
アラン「……俺たちの親父は、親父らしい
立派な最期だった。本望だろう」
忍「なっ……」
沙羅「なんだって!?」
忍「くっ……ちっきしょおぉぉぉぉぉーっ!!」
レイカ「……敵の攻撃が止まりました」
ブライト「なんとかしのぎきったか……」
コンピュータ「97%……98%……99%……
プラズマ温度臨界!」
葉月博士「よし……頼むぞ、竜よ。
ガンドール、発動!」
(派手な起動音、震動)
ブライト「な、なんだこれは……博士!?」
雅人「ひょっとして基地に事故でも!?」
レイカ「これは……! 気をつけて、
敵のエネルギーを上まわる何かが
浮上してくるわ!」
万丈「なんだって!?」
(震動、ガンドールが出現)
葉月博士「みんな、よく守ってくれた。すぐに、この
獣戦機基地から離れてくれ!
ガンドール砲、発射スタンバイ」
アラン「これが親父の遺産か……」
忍「基地? これが俺たちの
獣戦機基地だってのか!?」
ブライト「……よし、撤退する!」
(ガンドール以外の味方機が撤退、湖の底からミニフォー×8が出現)
ベガ星兵「奴ら引きあげるぞ。よし、一気に
あの要塞を攻撃だ!」
葉月博士「……ガンドール砲、発射!」
(ガンドール砲発射)
ベガ星兵「だ、だめだ、逃げろーッ!!」
(閃光)
(ガンドールのみ)
葉月博士「イゴール将軍……あなたの竜は
天に昇りましたよ……」
クワトロ「そうか……イゴール将軍も
なくなられたか……」
アラン「ああ……だが、悲しんでいるヒマはない。
我々にできるのは、彼の遺志を
胸に抱き、戦い続けることだけだ。
このガンドールとともに」
ブライト「葉月博士、
この移動要塞は完全ではないと
いっていたようだが……?」
葉月博士「うむ……現状では、このガンドールの
エネルギーは180日と3日しか
もたないのだ」
ギャリソン「約半年でございますな」
葉月博士「しかし、戦闘消費はかなり大きい
実際には、その半分程度と
見ていた方がいいだろう」
万丈「いまのところはそれで十分さ。
いまを乗り越えられなければ
半年が一年でも変わりはない」
ブライト「そうだな」
葉月博士「どうした、藤原」
忍「別に……何でもねぇよ」
葉月博士「いつまでも落ち込んでいては、将軍
に顔むけできんぞ
せっかくダンクーガにも新しい武器が
追加されるというのに。しっかりしろ」
忍「ダンクーガの新しい武器?
博士、そいつはいったい……」
葉月博士「うむ、ガンドール砲のエネルギーを
利用するものだ。断空剣を
パワーアップしたものと考えればいい」
雅人「断空剣をパワーアップ!?」
忍「そいつはすごそうだな。それも……将軍
が俺たちに残してくれたものってわけか」
葉月博士「そうだ」
忍「わかったよ、博士。将軍の死を
ムダにしないために、そいつで
片っ端から敵をぶった切ってやるぜ」
サイ・サイシー「覆面のあんちゃん、ひさしぶりじゃん。
生きてるとは思わなかったぜ」
ドモン「シュバルツ……生きていたなら、なぜ
今まで出てこなかったんだ!?」
シュバルツ「私にも事情というものがあるのだ、
ドモン。だが、そんなことはどうでもいい
ドモン、デビルガンダムが再び
目覚めようとしている
止めなければならん」
ドモン「な……なんだと!?」
リョウ「そんな! デビルガンダムはドモンたちが
倒したはずじゃなかったのか!?」
アーク「そうだ。確かに俺たちはあの時、
デビルガンダムを倒したはずだ」
シュバルツ「相当のダメージは与えた
ようだが、機能停止まで
至らなかったということだ。
どうやら自己再生したようだな」
ジョルジュ「ちょっと待ってください。なぜ、あなたは
それを知っているのです。これまでも
そうでしたが、デビルガンダムが出る時
には、いつもあなたがいる
偶然では通りませんよ」
ベンケイ「そういやそうだな。どうしてなんだ?」
ドモン「はっきりさせてもらおう、シュバルツ。
あんたは俺の恩人だ
疑いたくはないが……」
シュバルツ「ドモン……すまぬ、今はいえんのだ。だが
私は君たちの敵ではない。それだけは
信じてくれ。いずれ必ず事情は
話す」
ドモン「……わかったよ。あんたを信じよう。いま
は保留にしておく。それでいいんだな?」
シュバルツ「うむ」
レイン(なんて悲しい、そして優しい瞳を
しているのかしら……あの瞳……
確かどこかで……)
ジョルジュ「しかたありませんね。まあ、私もあなたが
敵だといっているわけではないのです
いずれ事情を話していただける
のならば、それでいいでしょう」
レイン(シュバルツ・ブルーダー……
もしかして、あの人は……でも
そんなことありうるの……?)
カトル「怪物……ですか?」
十三「せや。ほんまの話やで。なんでも
避難民が襲われとるゆう話や」
デュオ「ああ、それなら俺も聞いたぜ。なんでも
ライオンみたいな奴だって話だけどな
かなりの数の人間が
襲われてるそうだ」
エル「なんなのよ、それ。なんだって地球に
そんな奴がいるわけ?」
ちずる「問題はそこなのよ」
小介「僕が聞いた話を分析した結果
では、地球のものではないというのが
いちばん有力です」
豹馬「ってことは……まさか
異星人がらみってことか?」
小介「地上のあちこちに銀河帝国軍
がいることを考えれば
ほぼ間違いないですよ」
豹馬「なんて奴らだ。そういや奴らに負けた
ら、モルモットとかって話もあったな
何か、おかしなことをやってやがるんだ」
ちずる「いやな話だわ。その怪物をなんとか
できないかしら」
十三「よっしゃ。ほな、わいが艦長たちに
聞いてきたるわ」
ブライト「トレーズ・クシュリナーダから
通信だと!?」
万丈「ほう、そいつは興味深いね」
バニー「どうします?」
ブライト「出してくれ」
トレーズ「ひさしぶりだね、マーチウィンドの
諸君。君たちが健在で
うれしく思う」
ブライト「……何か?」
トレーズ「旧獣戦機基地が
銀河帝国軍に攻撃され
ロス・イゴール将軍が戦死されたと
聞いた。まことに遺憾なことだ」
アムロ「別に将軍の死を悼むために
わざわざ、連絡をつけてきたわけでは
ないのだろう? 用件をいってくれない
か」
トレーズ「君たちも現状は正しく認識して
いることだと思う。OZは私が再び
指揮しているとはいえ、かつてほどの
力はない。そして銀河帝国軍は
地上から我々を一掃できるほど
の戦力を投入している
ロームフェラの本拠であり、貴族
たちが守ってきた欧州もすでに
戦火に焼かれている」
ブライト「何がいいたい」
トレーズ「いまOZは戦線を縮小し、
どうにか戦いを維持している。が
このままでは、やはりどうにもならない
だろう。そうなる前に、私は最後の
戦いを試みるつもりでいる。その前に
もしも君たちが何か反抗作戦を
するのであれば、こちらには協力する
意思がある。それを伝えたかったのだ」
万丈「当然だな」
トレーズ「そうだ。君たちとは敵対していたこと
もあったが、求めるものの姿はそれほど
異なるものではない。ことに、人類の
滅亡が、かかっているとあっては」
ブライト「了解した。残念ながら
今は我々にも有効な手段は
思いつかない。だが何かあれば
協力を頼もう」
トレーズ「それでいい。宇宙でもミリアルドと
アクシズ軍が、銀河帝国軍に
対し、交戦を続けている。
いましばらくは、もちこたえるだろう
それでは諸君、健闘を祈る」
エイジ「トレーズが……」
甲児「まったく、こんな状態だってのに、
あいかわらずスカした奴だぜ」
さやか「でも……思っていたよりも、もっと
ひどい状態なのね……」
アラン「ああ……地球はボロボロだな。たとえ
万が一、銀河帝国軍を
排除できたとしても、そのあとも
楽ではあるまい」
クワトロ「…………」
アムロ「どうした、クワトロ大尉?」
クワトロ「いや、なんでもない。それで、我々は
これからどうするのだ」
カミーユ「梁山泊はどうなんです?」
万丈「いや、ギャリソンがつかんだ情報
では、どうやら梁山泊も
攻撃されたらしい」
銀鈴「梁山泊まで!? では……」
万丈「中条長官たちは無事、脱出
されたようだ。推測だが、おそらく
博士たちや大塚長官たちも
一緒だろう」
銀鈴「そうですね。エキスパートたちがいれば、
連絡はつけられたでしょう
気になるのはBF団の動きですね」
レイカ「なぜ異星人たちと一緒だったかは
この際おいておきましょう
気になるのは、何かを探している
らしいという点よ。梁山泊もそれで
攻撃された可能性があるわ」
ボス「何かったって、想像もつかないだわさ」
ビューティ「そうよねぇ」
万丈「確かに、それを考えていてもしかたが
ない。どうだろう艦長、脱出した
博士たちと合流できないか
試してみるというのは?」
クワトロ「確かに彼らと合流できれば運用
は楽になるが、探しまわっているうちに
敵に攻撃されるぞ」
銀鈴「……梁山泊へ行ってみてください。
もしかしたら何か、符丁が
残されているかもしれません」
ブライト「そうだな……みんなどうだ、それでいいか?」
アムロ「ブライト、ドモンや豹馬たちの件は
どうするんだ?」
ブライト「そうか、そうだったな」
エイジ「なんの話です?」
ブライト「いや、シュバルツがいうには
あのデビルガンダムが、また
復活しているらしい。ドモンたちは
それを倒しに行くといっている
豹馬たちは避難民を襲っている
という怪物をなんとかしたいとな」
アラン「どちらも我々全員で動くほどでは
ないと思うが……気にはなるな」
万丈「いま、この近辺には帝国軍は
展開していないようだ。本隊は
このまま梁山泊へ向かい、
そっちには分隊を向かわせるのが
いいんじゃないか? 全部まわっている
余裕もない」
クワトロ「私もその意見には賛成だな。
あまり手間はかけられん」
ブライト「よし、ではそうしよう」
カミーユ「アーク、どうするんだ?」