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OZ分裂 前編 アーク

〈スウィートウォーター〉

アーク「それで、どうするつもりなんです?」
ブライト「ああ……地球へ降りようかと 考えている」
リョウ「地球へ? しかし、地上へ降りて どうするっていうんです」
ブライト「それなんだが……ジャブローへの 降下作戦を検討している」
アーク「ジャブロー?」
ブライト「理由はいくつかある。まず ジャブローはOZかせ制圧して以来
 比較的少数の兵しか 配備されていないこと
 次に、帝国軍が司令部を 設営していたときの物資が
 ほぼそのまま残されていること。 そして、我々の存在を
 人々に知ってもらうことだ」
ルー「どういうことです?」
ブライト「帝国がいなくなってから、OZは 敵対者や暴動に対しての
 武力行使を示威的に 行いはじめている
 完全平和主義を掲げる サンクキングダムの存在もあって
 OZの支配体制に懐疑的に なっている人々も
 出始めているらしい」
甲児「ちぇっ、いまさら遅せぇんだってーの」
ブライト「だが我々が戦ってみせることで、 反OZ感情を高めることができる」
エイジ「反帝国のときと 同じことをやるわけですね」
ブライト「そうだ」
ルー「だけど艦長、 よくそんな詳しく知ってますね」
ブライト「ああ、地上の万丈くんたちからの 情報だ。それと……
 ドモンたちにも関係のある 情報もある」
ドモン「俺たちに?」
ブライト「例のデスアーミータイプのMSが ジャブロー付近で目撃されたらしい」
ドモン「なんだって!? デビルガンダムが ジャブローにいるというのか」
シュバルツ「慌てるなドモン。 落ち着いて話を聞くのだ」
ブライト「ああ、いや、そういうわけでは ないらしいんだがな
 デスアーミーの件は 不確定情報だから
 そういうこともあり得ると 考えておいてもらえればいい」
ドモン「それだけで十分だ。そういうことなら 話しは別だ。艦長、地球へ
 急いでくれ! マスターアジア、 それに、デビルガンダム!
 今度こそこの俺が倒してやる!」
チボデー「おいドモーン。 俺たちもいるのを忘れんじゃねぇぜ」
ジョルジュ「そうです。我々とてデビルガンダムには 因縁がありますからね」
サイ・サイシー「そういうことさ、アニキ。 あいつは俺たちで倒すんだ」
アルゴ「うむ」
シュバルツ「フフフフフ、ハーッハハハハハハ。 果たして本当にできるかな?」
ドモン「どういうことだ、シュバルツ!?」
シュバルツ「それは己の胸に聞いてみるのだな。 武闘家たるもの
 まず己を律することが出来ずば、 戦いに勝つことなどとてもとても」

レイン「待ってシュバルツ。 さっきのはどういう意味なの?」
シュバルツ「フフフ、気になるか、ドモンのことが」
レイン「べ、別に私は そういう意味で言ったんじゃ……」
シュバルツ「ハハハハハッ。ムキになっても 勝てぬものは勝てぬということだ
 腕も、心もまだまだ未熟よ。 人よりわずかに抜きんでた
 おのが腕におぼれているようでは、 マスターアジアに勝つことなど
 夢のまた夢。それに……デビルガンダムの 幻影に脅えているようではな」
レイン「脅えている? あの人たちが?」
シュバルツ「その通り。口では いくら否定しようとも
 この私の目はごまかせん。それを 克服せんかぎりは、どうにもならん」
レイン「……でも……あなたはドモンたちにそれを 気づかせ、克服させようとしている…
 シュバルツ、あなたは 一体何者なの? 私はときどき
 あなたが私よりもドモンのことを 知っているような気がすることがあるわ」
シュバルツ「私の正体などどうでもいい。 レイン、地上へ降りたらさりげなく
 ドモンに修業をするよううながすのだ。 よいな」

〈月〉

レディ「ガンダムがあらわれただと!?」
スペシャルズ「はい。迎撃に向かった部隊は 全滅、またこのガンダムは
 コロニーを破壊しつつ ここへ向かっています」
レディ「コロニーを? 妙だな…… あの連中ならば
 そんな真似はしないはずだ。 ……メリクリウスとヴァイエイトはどうか」
スペシャルズ「テスト待ちと聞いています」
レディ「よし、トロワ特士を呼べ。 それとツバロフにメリクリウスと
 ヴァイエイトのテストは こちらでやると伝えておけ」

トロワ「ガンダムが出たそうだな」
レディ「そうだ。しかしこのガンダムは コロニーを破壊しているらしい
 新型のテストをかねて出てもらいたい」
トロワ「了解だ。だが、新型に耐えうる パイロットが俺の他にいるかな」
レディ「先日捕らえた ガンダムのパイロットを使え」
トロワ「ほう? なかなか大胆な策だ」
レディ「フフ、誉め言葉と思っておこう。 それと、特士」
トロワ「なんだ?」
レディ「接触してから後の行動は、 お前にまかせる。好きにするがいい」
トロワ「……ああ……了解した、特佐」

レディ(さてと……残るは2人か。 うまく脱出して彼らと
 合流してくれればいいのだがな。 私は、お前たちに
 時代を動かす力があると、 信じよう……)
(警報とスイッチを入れる音が何回も)
レディ「これでよし……」
(扉が開閉する)
ツバロフ「何をなさっているのですかな、 レディ・アン特佐」
レディ「ツバロフか……」

デュオ「おい、ドアが開いたみたいだぜ?」
五飛「そうか、ならば行くか」
デュオ「おいちょっと待てよ。 罠だったらどうするんだよ」
五飛「殺すならとっくにやっている。 こんな回りくどい真似はしない
 行かないのなら一人で残るがいい」
デュオ「冷たいやつだな、 誰が行かないって言ったんだよ
 生きて出られるのが 不思議なくらいだ
 俺だって文句はねぇぜ。 それじゃさっさと行きますか」
五飛「借りを返してからな」

ツバロフ「捕虜を逃がすとは…… これは明白な反逆行為ですな
 何か申し開きでもありますかな?」
レディ「いや……ないな、ツバロフ技師長」
ツバロフ「ではレディ・アン嬢、OZへの 反逆罪であなたを処刑します」
レディ「好きにしろ。 トレーズ様は人を愛された
 そして、人の死をも愛された。 死は人の感情に強烈に訴える
 死者が与える感情、 戦うことに対する肯定と否定
 高ぶる感情は人を 極論の選択へと導く
 それこそがあるべきものの姿であり、 その中からこそ未来が生まれるのだ」
ツバロフ「私には理解できないことですな」
レディ「だから敵となるのだ。お前と私は。 OZでの過ちは死に値する
 過去であった。さぁ、撃てツバロフ。 己を肯定するために」
ツバロフ「レディ・アン嬢、あなたは甘すぎる」
レディ「兵士としてはな。 しかし、この最後の刻を
 私は人として厳しく生きたつもりだ」
(銃声)

〈スウィートウォーター〉

ルー「聞いたわよ。あたしたちと来て くれるんだって?」
ジュドー「ああ……コロニーに毒ガスなんて 冗談じゃないし、食わせてもらった
 メシの分は働くさ。あんたは何だって 戦争なんかやってるんだ?」
ルー「あたしは反帝国のレジスタンスに 自分から参加したわ。当時は
 それが正しいことだって信じてたから。 ムゲ帝国がいなくなってた今でも同じ
 あたしは、OZに正義はないと信じて いるわ」
ジュドー「ご立派なことで」

ショウ「沙羅はまだ、だめなのか?」
チャム「もう出発よ」
「わかってる。だがよ」
「沙羅はおいていくしかないな。 ダンクーガが使えないのは痛いが……」
(扉が開閉する)
マーベル「沙羅?」
沙羅「冗談じゃないよ。 なに勝手なこと言ってんのさ
 あたしを抜きにして そんなこと決めないでおくれ」
雅人「沙羅、無理しちゃだめだよ」
沙羅「だまんな! あたしも行くよ、 行かせてもらうよ」
「沙羅……お前……。 わかった、獣戦機隊が3人じゃ
 サマにならねぇからな」
沙羅「フン、礼は言わないよ、忍。 あんたがいなかったときも
 同じことをいってたんだからね」

銀鈴「艦長、準備完了です」
ブライト「よし、これよりマーチウィンドは 地球へ向かう」
(アーガマ月と月近くの暗礁宙域を迂回して地球へ)


OZ分裂 前編

(メリクリウスとヴァイエイトがコロニーの残骸付近に[第三勢力])
トロワ(普段着)「あれか……恐らくカトルか誰かだろう。 合流するぞ、ヒイロ」
ヒイロ「どうかな……奴はコロニーを 破壊している」
(ゼロ出現、ヒイロとトロワが近づく)
トロワ「間違いない、あれはカトルだ。 カトル、こちらトロワだ
 聞こえているか、カトル?」
(ゼロ少し動きヒイロ達に近づく)
カトル(暴走)「聞こえているよ。 それ以上近寄らないでよ、トロワ」
トロワ「カトル? ……どういうことだ?」
カトル「僕はこの狂った地球圏の 全てを破壊する
 争いを望む者すべてを 消し去るのが僕のやるべきことなんだ
 コロニーにもそういう人はいるよね。 だから僕はコロニーも破壊するんだ」
トロワ「どうしたんだカトル?  お前らしくないじゃないか」
カトル「狂ってるんだよ、地球圏は。 やさしい人の涙を誰もわからないんだ
 僕は決して忘れない。 忘れさせないよ
 このウイングゼロですべてを 消し去るまでは」
トロワ「ウィナー家の資源衛星のことか?  お前はそれほど弱くはなかったはずだ」
カトル「あの人たちにも伝えてほしい。 もう僕の前に現れないで
 でないと、みんなを殺すことになる」
トロワ「カトル……」
ヒイロ「言いたいことは、それだけか。 すべてが狂っているのなら
 俺は自分を信じて戦う。 カトル……お前を殺す」
(ヒイロがカトルを攻撃[ビームライフル])
カトル「ヒイロォォォォーッ!!」
(カトルがヒイロを攻撃[バスターライフル])
ヒイロ「ぐぅぅぅぅっ!」
トロワ「やめろカトル!!」
(トロワがカトルに近づく)
カトル「近寄らないでっていってるだろぉぉ!?」
(カトルのMAPバスターライフルでヒイロとトロワにダメージ)
カトル「……ヒイロ、コロニーは OZと手を組んだんだ
 コロニーは敵になったんだよ。 せっかく異星人を追い出したのに
 地球圏は狂ってしまったんだ。 だから僕はすべてを破壊する
 破壊して正す。そうだろう? ヒイロ」
ヒイロ「……言いたいことはそれだけか…… うっ……」
カトル「死ぬよ、ヒイロ。 でも僕は仲間を殺したくない
 逃げてヒイロ。 ねぇ聞いてるの、ヒイロ?」
ヒイロ「カトル……俺は逃げない。 俺の後ろにはコロニーがある」
カトル「そう……さようなら、ヒイロ」
(ツインバスターライフルでコロニーを攻撃、ヒイロ達も巻き込まれる、閃光後、コロニーが壊滅状態になる)
トロワ「……カトル……」
カトル「……トロワ?」
(漏電。メリクリウスに爆煙)
トロワ「カトル、俺はお前が過ちを犯して いると思う。コロニーのためと信じて
 戦ってきた俺たちには、 この結果は確かに残念なことだ
 だがこれが現実だ。 受け入れるしかない。そして残るのは
 俺たちの心の中の問題だけだ……」
カトル「…………」
トロワ「真剣に未来を信じて戦って きたがゆえに、自分一人でも
 歴史の流れを変えられるかも しれないと考えてしまう。それは
 お前だけじゃない。だがその心は、 想いの強い者ほど、やさしい者ほど
 つらく追い込んでいく……」
(漏電、爆煙)
トロワ「くっ……」
(漏電)
トロワ「カトル、俺たちの心の問題は、 俺たち自身が戦い
 結論を見出さなければならない。 己を信じて戦う者たちがいる
 銃を持たずに戦う者たちもいる。 俺たちはまだ
 いらなくなった兵士ではないんだ」
カトル「トロワ……」
トロワ「だからカトル、 まだ目を閉ざさないでくれ
 時代の流れを受け入れよう。 やさしいカトルに戻ってくれないか……」
(漏電、爆煙)
トロワ「ぐ……だめか……」
カトル「トロワッ!」
(ヒイロがカトルとトロワの間に入る、機械音)
カトル「ヒイロ!?」
カトル「離してヒイロ!  トロワが死んでしまう!!」
ヒイロ「ああ……お前が殺した」
(ヴァイエイト爆発)
カトル「トロワ……トロワァァァァーッ!!」
(暗転)

(戦艦選択、敵機が出現)
ベルトーチカ「敵です!」
ブライト「いいか、目標はジャブローだ。この エリアへ入れば地球へ降下できる」
(エリア表示)
ブライト「可能な限り交戦を避け、 地上への降下を優先させろ!
 カミーユ、降下時には ウェイブライダーで先に降下しろ」
カミーユ「了解。カミーユ・ビダン、 Zガンダム、出ます!」
(カミーユZで出撃、出撃選択)
ヤザン「いいかお前ら、 連中を地球へ降ろさせるな!」
ラムサス「了解です、ヤザン隊長」

〈敵10機以下〉

(ガンダムデスサイズが出現)
デュオ「待たせたな! 死神が 地獄から舞い戻ってきたぜッ!」
アーク「デュオ!?  しかしその機体は一体……」
デュオ「ああ、どっかのバカな技術者が、 俺のデスサイズを新調してくれたのさ
 そいつを、ありがたくいただいてきた」
ブライト「よく来てくれた、デュオ。 それで、後の4人は?」
デュオ「いや、残念だが俺は知らない。 五飛とは途中まで
 一緒だったんだが、あいつは 俺と違って1人が好きだからな」
ヒルデ「デュオ!? どうして……」
デュオ「ヒルデか……」

〈vs ヒルデ〉

[説得](デュオ)

デュオ「よぅ、ヒルデ。もうやめとこうや。 お前には似合わないぜ」
ヒルデ「デュオ! どうして撃たないの!?  どうして私を敵とみなさないの!?」
デュオ「いっちゃ悪いが、お前の力じゃ 俺たちの敵にならない。そんな奴が
 命をかけて立ち向かってくるなんて、 馬鹿げたことだ。でもな、なんか俺が
 たった一人で、ゾルバドス軍に 占領された地球へ降りた時に
 似てるなって思ったのさ」
ヒルデ「馬鹿にしないで!」
デュオ「俺たち馬鹿なんだぜ、きっと。 兵士はいつ死んでもおかしくない
 コロニーの仲間だって、これから どんどん死んでいく。せめてお互い
 自分の信じられる道で 精一杯生きようぜ」
ヒルデ「デュオ……」
(ヒルデ味方勢力に)
デュオ「馬鹿! OZの識別信号を 出せ! やられるぞ!」
ヒルデ「……出せないよ。誰が味方か、 わからなくなったんだもの」

〈地球・衛星軌道上〉

ブライト「よし、全機降下開始したな。 気を抜くなよ。目標はジャブローだ」
ヒルデ「デュオ、私も自分の思ったことを 精一杯やってみる
 私もあなたたちと一緒に行かせて」
デュオ「まったく……馬鹿だな、お前も」

〈ジャブロー〉

(墜落音)
カミーユ「くっ……みんなは敵の攻撃で降下 地点を変えられてしまったのか……?」


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