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野望の終焉 アーク

〈暗礁宙域の中〉

アストナージ「さてと……残るはボスボロットと 陸戦型のガンダムか……
 こりゃ手間がかかりそうだな」
ボス「宇宙で戦えるようにするっていうのも 大変だわさ」
アストナージ「あたり前だろ。今まで俺たちが何を やってたと思ってるんだ」
シロー「無理そうなんですか?」
アストナージ「いや……まぁ、なんとかしてみせるさ。 まかせておけよ」
シロー「すみません、よろしくお願いします」
アストナージ「おう。Ez8の方は何とか見通しも つくんだが、問題はボスボロットだな…」
ボス「何が問題なのよ」
アストナージ「なんせスクラップで、できているだろ。 動いてる、というだけでも奇跡なんだ
 このまま宇宙に出られるはずがない。 どこをどう改造していいものやら
 さっぱりわからん。最初っから 作り直した方がまだ楽だ」
ボス「宇宙には空気がないから、 それだけでも何とかしてくれよ」
アストナージ「バカ、それはあたり前だろ」
ボス「空気さえあれば大丈夫だぜ。あと は努力と根性でなんとかするだわよ」

ブライト「どうだ、様子は?」
アストナージ「ええ、ここでなら大丈夫ですよ。 すべての機体の、宇宙仕様への
 改装もキッチリできますしね」
ブライト「そうか……これでようやくだな。頼むぞ」

ブライト「ふう……」
(ノック音)
ブライト「誰だ?」
エマリー「エマリーです」
(扉が開閉する)
エマリー「あっ、お、お着替え中!?」
ブライト「かまわん、なんだ?」
エマリー「ア……アーガマとオーラシップ、 各機体の改装は……
 あと5時間ほどで終了します」
ブライト「こんな短い間に、よくやってくれました 感謝します」
エマリー「これ……仕様書です……では……」
(足音)
ブライト「エマリー」
エマリー「な、なにか……?」
ブライト「つまり……その……なんだ……これだけの 時間で、よく、ここまで……」
エマリー「し、仕事なんです。仕事で…… で、でも私……」
ブライト「……感謝していますよ」
エマリー「それだけですか!?」
ブライト「え?」
エマリー「ブライト艦長!  自分は、自分は……」
ブライト「ま、待ちたまえエマリーくん、私は 艦長だ、いつも、艦長として……」
エマリー「いわないでっ!」
ブライト「あっ……」

エマリー「す、すみません。……短い間でしたが、 自分はアーガマにいられて
 幸せでした……」
ブライト「エマリー……」
エマリー「さよならっ!」
(扉が開閉する、速い足音)
ブライト「エマリー、エマリー!」

〈月〉

レディ(眼鏡あり)「どういうことだ、ツバロフ技師長。 このようなことはトレーズ様の
 ご指示ではないぞ」
ツバロフ「月面都市と企業についてですか な? トレーズなど関係ないのです
 これは財団からの直接の指示 なのですから」
レディ「ツバロフ、貴様……」
(足音)
ツバロフ「これはこれは、バスク特佐」
バスク「レディ・アン特佐、OZはいつから トレーズの私兵になったのだ」
レディ「なんだと?」
バスク「OZはロームフェラ財団の一部門 にすぎん。幹部会の決定には
 トレーズといえども従わねばならんという ことだ。それとも財団に対する
 反抗の意思でもあるのか?」
レディ「くっ……バスク……」
バスク「貴公もOZの将校ならば、何に 対して忠誠をつくすべきかは
 知っておろうな」
ツバロフ「まぁまぁ、もうよいでしょう。 ところでバスク特佐、モビルドールの
 生産についてなのですが……」

レディ「私はレディ・アン……OZの……?  それとも……トレーズ様の?」

〈暗礁宙域内〉

クワトロ「そうか、OZは月も制圧したか」
アムロ「ああ。帝国軍はアステロイド前線 基地まで撤退した。これで
 地球圏はOZの支配するところと なる」
沙羅「シャピロは……シャピロは、 どうなったんだい」
アムロ「シャピロ・キーツは月を脱出した。 今はアステロイド基地にいるはずだ」
「もっともこの調子じゃ、そこもすぐに OZが制圧するんだろうけどな」
アムロ「いや、どうもそうじゃないらしい」
ショウ「どういうことです?」
アムロ「そうするつもりなら、すぐにでも 追撃隊をだせたはずだ
 だが、月制圧後OZに 動きはない。いや、兵器の生産は
 活発化しているらしいが……」
クワトロ「なるほど、帝国軍を追撃する よりも地球圏を完全に
 制圧することを優先させるか。 連中らしいやり方だ」
沙羅「ちょっと待ってよ。じゃ、OZは アステロイド基地を放っておくつもり
 だってわけ? 冗談じゃないよ!」
甲児「そうはいってもよ、まさかオレたちがアステ ロイドまで行くわけにもいかないだろ」
沙羅「なんでさ? あたしたちはもともと帝国 軍を叩くために戦ってきたんだ
 いま行けば奴らをつぶせる。そのチャン スを、みすみす見逃すってのかい!?」
「落ち着け、沙羅。甲児のいう ことももっともだ。いま俺たちが動けば
 それこそOZが出てくるかもしれん」
アムロ「沙羅、君は少しシャピロのことを 気にしすぎじゃないか?」
沙羅「ああ、そうさ! だけどね、あんたたちは 何にもわかっちゃいない。シャピロは
 あいつは、ムゲなんて影も形も みえなかった頃から、いつか銀河を
 支配することを考えていたような奴 なんだよ。ムゲがこなけりゃ、あいつが
 地球圏をメチャメチャにしてたかも しれないんだ」
リョウ「まさか……そんなことを?」
沙羅「あたしは……あたしは、ずっとあいつと 一緒にいて……
 いつも聞かされてたんだ。 間違いないよ」
「沙羅……お前……」
沙羅「シャピロは危険な奴なんだ。万が いちにも、あいつが逃げるなんてことに
 なっちゃいけないんだよ。どうしてもって いうんなら、あたしひとりでも行くよ」
シモーヌ「ちょっと待ってよ、沙羅」
(扉が開閉する)
沙羅「あっ」
ブライト「なんだ、どうした?」
アムロ「ブライト、どこに行ってたんだ?」
ブライト「い、いや、ちょっとな。それで、 どうしたんだ、いったい」

ブライト「なるほど、そういうことか。ロアン、君は 以前ル・カインのもとにいたな
 シャピロをどう思う?」
ロアン「直接は話をしたことがないので 確証はありませんが、確かに
 放っておいてよい人物ではなかったと 思います」
ブライト「ふむ……わかった。確かにうかつに動く のはまずいが、帝国軍とシャピロに
 時間を与えるのは避けたい。 我々はアステロイド前線基地へ
 向かう」
さやか「はい。甲児くん、それでいいわよね」
甲児「ま、そういう事情じゃ、しょうがねぇな」
アラン「ああ。これで最後にするとしよう」
クワトロ「艦長、私は先に スウィートウォーターへ行こうと
 思うのだが」
ブライト「まかせる、大尉。我々も 終わり次第スウィートウォーターへ
 向かうことにする」

シモーヌ「沙羅……」
沙羅「変な気はまわさないでよ。あたしは 大丈夫」
(沙羅……お前にとっての決着のと きが近づいているということか。沙羅)

ベルトーチカ「ラビアンローズ、離れていきます」
ブライト「よし、メインエンジン点火。アステロイ ド前線基地へ向け、出発!」

エマリー「ブライト艦長……ご無事で」

ブライト「あとはまかせる。私はしばらく自室で 休む」
チェーン「お疲れさまです、艦長」
ベルトーチカ「はい……ってちょっと、なんであなたが ここにいるのよ!?」
チェーン「私、アムロ大尉とνガンダムの 設計について打ち合わせをするので
 しばらく同行することにしました」
ベルトーチカ「しましたって、あなたねぇ。ちょっとアムロ なんとかいってやってよ」
アムロ「ああ……チェーン、νガンダムのフレーム 設計のことなんだが……」
ベルトーチカ「アムロ!!」

(アーガマ発進し、アステロイドベルト方向へ宙間で止まる)
ブライト「エマリー……」

甲児「おい、いま艦長、エマリーって、 いわなかったか?」
ルー「艦長も、やもめ暮らしが長いから」
甲児「お前すごいこというな」
ルー「あら、大人の常識でしょ」
大作「なにが大人の常識なんですか?」
ナオト「お? なんだなんだ、みんなで 何やってるんだ?」
ファ「ちょっとあなたたち、いいかげんに しなさいよ」
甲児「いや、でも面白くてさ……」
デビッド「なんだ? 面白いことなら俺たちも 混ぜてくれよ」
(扉が開閉する)
ブライト「……なにをやっている」
甲児「うわっ、みんな逃げろ!」
(速い足音)

〈月〉

スペシャルズ「レディ・アン特佐、シャトルの 出発準備が整いました」
レディ(眼鏡なし)「コロニー代表会議まではまだ少し 時間があるようですね……」
(扉が開閉する)
ヒルデ「失礼します。先ほど例の レジスタンスと思われる部隊の
 移動を偵察隊が発見いたしま した。攻撃部隊の編制を
 お願いします」
レディ「そのままにしておきなさい」
ヒルデ「はっ? しかし彼らはOZのつくる 平和を乱そうとする敵です
 せん滅しなければなりません」
レディ「だめです……宇宙は平和なの ですから」

(アーガマ更に進む、宇宙で止る)
アムロ「発見はされているはずだが……OZの 追撃はなかったようだな」
ブライト「ああ……もうすぐ アステロイド前線基地だ
 総員、第一戦闘配置につけ」

〈月〉


野望の終焉

(月面にデスサイズとシェンロン周りをマラサイに囲まれている)
スペシャルズ「ひるむな! 相手はたった2機だ。 囲んで叩け!」
(左側1機をデスサイズが撃墜)
デュオ「ちぇっ、やっぱり月面も甘くは ないかよ。地上戦用の機体じゃ
 この程度が限界か……」
(左側1機をシェンロンが撃墜)
五飛「当然だ。でなければこんな基地など 俺ひとりで破壊できる」
(右側と交戦、デスサイズがシェンロンに隣接する)
デュオ「くっそー、たぶん俺たちいいことしてる はずなんだけどな。なんでこんなところで
 死ななきゃならないんだ」
(右側1機撃墜)
五飛「それは俺たちが正しいからだ。 正しいのだ、俺たちは!」
(右側1機撃墜、デュオ達被弾、マラサイ×6、トーラス×3、ギャプラン×3が出現)
ヒルデ(真ん中のトーラス)「そこまでよ。あなたたちはもう逃げられ ない。おとなしく抵抗はやめなさい」
デュオ「その声、ヒルデ・シュバイカーか」
ヒルデ「デュオ・マックスウェル……やっぱり あなただったのね」
五飛「戦場で女と語らうとはな。お前は もう少しマシな奴だと思っていたが」
デュオ「ばか、変な誤解するなよ。こいつは ここにくる前に知りあった
 コロニーからの志願兵なんだ」
ヒルデ「なにをごちゃごちゃやってるの。早く投 降なさい。でないと死ぬことになるわ」
五飛「なるほど、今ではOZの兵隊は コロニーか旧反帝国ゲリラからの
 志願兵がひしめいているというわけか いいだろう、弱い者と女を
 俺は殺さない」
デュオ「そういうわけだ、ヒルデ。投降するぜ」
ヒルデ「ではMSから降りなさい。そのガンダムは 破壊する」
デュオ「ちょ、ちょっと待ってくれ、こいつは……」
(通信)
ツバロフ「よくやった特士。パイロットを 捕らえるだけでよい。ガンダムは壊さず
 中へ運べ」
ヒルデ「し、しかしツバロフ技師長」
ツバロフ「志願兵ごときが口答えするな!  このガンダムの技術を得れば、OZの
 MSはさらに強力になる。いいから 貴様はいわれた通りにすればよいのだ」
ヒルデ「……はい」
デュオ「ふぅ、なんとか助かったようだな」
五飛「ああ。ありがとう、おやさしい 技師長どの。ナタク、俺たちは
 強くなれねばならん。ここには工場が あるそうだ。そこで強くしてもらえるかな
 ククククッ」

〈帝国軍アステロイド前線基地〉

シャピロ「なんだと!? もう1度いってみろ、 ルーナ」
ルーナ「……月面前線基地での敗北は 完全にシャピロ、あなたの
 計算違いだった。奴らをみくびり すぎていたのよ。もっと早く撤退して
 この基地の本国からの増援と 合流していれば……」
(平手で殴る)
ルーナ「……いいでしょう、シャピロ。あなたには 参謀は不要ね。あなたには愛も
 必要ないように。シャピロ、あなたには 誰も必要ない、そういうことね」
シャピロ「女よなぁルーナ。だがいずれ神となる この私に、それ以上の口出しは
 許さん」
ルーナ「…………」
シャピロ「フフフフフフッ、地球人どもなど、 この私が滅ぼしてやるのだ
 ハーッハハハハハハッ」

ギルドローム「その様子ではルーナ、お前も奴の あのギラギラとした態度には嫌気が
 さしているようだな。思い出せルーナ。 しょせん、シャピロは地球人なのだ」
ルーナ「……どういうこと?」
ギルドローム「ククククククッ」

(アラート)
シャピロ「なんだ! OZの攻撃隊か!?」
(戦艦選択)
シャピロ「あれは……奴らか! 迎撃隊、 出撃せよ!!」
(敵機が出現)
ブライト「なんだと? まだこれほどの戦力がある というのか」
沙羅「奴らもそれだけ必死だってことさ」
「上等だぜ。叩きつぶしてやる!」
(ダンクーガ出撃、出撃選択)

〈敵8機以下〉

シャピロ「おのれぇ、第2次攻撃隊 出撃の用意を……」
(敵機増援が出現)
シャピロ「なに!? 勝手な行動をするな!  この私の命令通りに
 動けばよいのだ!!」
ギルドローム「勝手な行動で迷惑をこうむった のはこちらだがな。我々はひとまず
 ゾルバドス星へ引きあげさせてもらう」
シャピロ「ギルドローム……貴様!」
ルーナ「ほほほほっ、シャピロ、奴らと 刺し違えて、死になさい
 それが、帝王さまのご意志だわ」
シャピロ「……ルーナ」
ルーナ「『お前もか』。地球の有名な 芝居に出てきたセリフだったかしら
 シャピロ、神をきどったあなたに、 そのセリフはいえないはずよ」
シャピロ「おのれ、き、貴様ら……」
ルーナ「シャピロ、あたしが愛するには足りない 男だったわ」
(増援で出た敵軍が全て撤退)
シャピロ「……いいだろう。だが地球を滅ぼした あと、次に滅ぼされるのはゾルバドス
 お前たちであることを知るがいい。 この私に、神に向かって
 たてついたことを、宇宙のもくずと なってから後悔するがいい
 ハハハハハハハッ!」
(敵機増援が出現)
ブライト「なんだったんだ、いったい?」
リョウ「なんだろうが関係ない! 敵の 新手ごと叩くだけだ!」

〈シャピロ撃墜〉

(爆発)
雅人「やったーっ!」
「いや、待て」
(シャピロ戦闘メカが出現)
沙羅「あ、あれは……シャピロ!」
「なんだと!?」
沙羅「間違いないよ。あれは、シャピロだ!!」
シャピロ「貴様ら、まず手始めに、貴様ら から死ぬがいい!!」

〈シャピロ戦闘メカ撃墜〉

シャピロ「おのれ、おのれおのれぇぇーっ!!」
(爆発)
沙羅「くっ、シャピロ、往生ぎわが悪いよ!」
カミーユ「どうなったんだ!?」
沙羅「あいつ、アステロイドに逃げこみやがった」
「奴め、また逃げるつもりかよ!?」
沙羅「冗談じゃないよ! 絶対に逃がす もんか!」
(ダンクーガ分離)
雅人「わっ! ちょっと、沙羅!」
アムロ「沙羅、何をするつもりだ!」
沙羅「こいつは、あたしが決着をつけなくちゃ いけないんだ!!」
(沙羅、アステロイドの中へ)
(基地の上にイーグルファイター、ビッグモス、ランドライガーのみ)
シャピロ「沙羅……か」
沙羅「もうあきらめな、シャピロ。あんたの負け だよ」
シャピロ「クククク、おろかな。私は確かに あの時、この宇宙の意思に
 神となるべき道を示された。 私は神となるべき男なのだ」
沙羅「それで地球を捨て、ゾルバドスに ついたっていうんだね」
シャピロ「地球の敗北は戦う前から見え ていた。この俺の唯一の誤算は
 ルーナとともにバイストンウェルなどという 世界へ飛ばされたことだ。だが俺は
 それさえも乗り越え、再びこの 世界へと帰ってきた
 宇宙がこの俺を求めているのだ」
沙羅「シャピロ……あんた、どこまで……」
シャピロ「死ね、沙羅。お前はもはやこの俺 の前から完全に姿を消すのだ」
沙羅「お得意の神をきどったセリフかい。 シャピロ、あいにくだけどね
 今のあんたは神というより、ただの 道化さ。そいつがいいとこだ
 シャピロ、あんたとつきあって、あたしは ひとつだけ喜びを見つけたよ」
シャピロ「……?」
沙羅「あんたを殺すっていうね」
シャピロ「……できるのか、お前に」
沙羅「もう話すことは何も残っていない ようだね」
(基地の周りに爆煙、震動)
沙羅「きゃぁぁぁーっ!!」
シャピロ「おおぉぉーっ!?」
(震動、爆音)
シャピロ「おのれぇぇーっ、こんなところでこの私は 滅びはせん!! よいか宇宙よ!
 いまこそ、いまこそ、この神の足下に その永遠の魂をゆだねるがいい!
 ふは、ふはははははっ!!」
沙羅「…………」
(暗転、銃声)

「終わったな……」
沙羅「…………シャピロ……ばかね、あんた。 ……シャピロ……ばかだよぉぉっ!!」
「沙羅!?」
「気を失っているだけだ。張りつめて いたものが切れたんだろう」
(震動、爆音)
ブライト「これは……いかん、爆発するぞ!  早く退避しろ!」
「いくぞ!」
(忍と雅人が撤退)
「あんたの気持ち、わからんでもなかった がな。だが力だけでは、人の心は
 どうにもできん。あばよ、シャピロ」
(亮が撤退)

〈前線基地宙域〉

(地鳴り、震動)
ブライト「アステロイド前線基地が 消滅したか……」
アラン「ギルドロームはどうなりました?」
ブライト「消えた。以前から帝国軍は 異次元より侵入したと
 いわれていたが……」
「今やつらをぶったたかねぇと やばいんじゃねぇのか」
アムロ「しかし、どうやって追うというんだ」
「確かに。忍、俺たちは帝国の 位置すら知らん。ましてや
 異次元となるとな」
「ここまでやっときながら、これ以上は どうしようもねぇってのかよ!?
 ええ、亮!?」
甲児「ちくしょう! そんなのありかよ!!」
ジュン「落ち着きなよ、忍も甲児も」
甲児「だってよ、奴らもまだギルドロームも デスガイヤーも残ってんだぜ!?
 どこにあるのか知らねぇが、奴らの 本拠地だって無傷だ
 奴ら、また来るに決まってるぜ!」
鉄也「そうとばかりもいえないだろう。連中の 地球占領軍は壊滅した
 これ以上の損害はだしたくない かもしれない」
アラン「だが……相手は宇宙人だ。 何を考えているのかはわからんよ」
アーク「だけどアラン、今はそんなことをいって いてもしかたがないだろう
 希望的観測かもしれないけど、 俺たちに何かできることがあるのか?」
アラン「ああ……君のいう通りだ。我々に できることは、せめてこの宙域に
 監視衛星でもおいておくことくらい だろう」
ブライト「……そうだな。どのみち我々には このまま敵地へ攻めこむだけの
 余裕はない」
シモーヌ「ま、とりあえずゾルバドスはあたしたちの 前からいなくなった。3年前の
 あの日から望み続けていたことは、 ようやく現実のものとなったんだわ」
ハヤト「ああ。だが、俺たちの戦いは、まだ 残っているぜ」
アムロ「そうだな……OZのことがある。とりあえず スウィートウォーターへ行こう」
「……くっそぉぉぉぉぉーっ!!」
(アーガマ、スウィートウォーターへ向かう途中で止まる)
「……それで、沙羅は?」
サリィ「あまりよくないわ。葉月博士に 聞いてみないとなんともいえないけど……
 ダンクーガってどういうシステムなの?」
「やはり精神的なものか。ダンクーガは 俺たち4人の戦闘エネルギーの
 集合体とでもいえるものだと聞いた あまり使いすぎると相当の
 負荷がかかる」
キャス「うん、原因はそれね。沙羅の 場合は、ただでさえダンクーガの
 システムの負荷がかかるうえに、 シャピロのことがあったから、
 そのダメージと消耗は、 はかりしれないわ」
「じゃあ……」
サリィ「そう、肉体的にはなんの問題も ないの。ともかく、これ以上は
 どうしようもないわ」

〈スウィートウォーター〉

クワトロ「……ここにもどるのは、ひさしぶりか」
キグナン「お帰りなさいませ、大佐。アナハイム のエージェントの方はどうでしたか」
クワトロ「キグナンか。問題ないな。 我々の部隊への協力は
 実戦データ集めにすぎん。 自分たちの得になることなら
 なんでもやる連中だ」
キグナン「私には大佐だからこそと思えますが」
クワトロ「キグナン、大佐はよせ。今の私は クワトロ・バジーナだ。もと大尉のな」
キグナン「しかし私にとっては、 シャア・アズナブル大佐です」
クワトロ「……まぁいい。何か用があったのだろう」
キグナン「そうでした。これをご覧ください。 観測データのプリントです
 火星の向こうの……」
クワトロ「……核パルスの光か。いつ頃からだ?」
キグナン「OZのクーデターのあとです」
クワトロ「ジオンの亡霊が動きだしたか…… ハマーン・カーンは二十歳になったか」
キグナン「はい……」
(通信)
クワトロ「なんだ?」
係員「ポート・サービスです。ご依頼のあった 艦艇の入港を確認しましたので」
クワトロ「わかった。ありがとう」

クワトロ「アーガマが来たようだ。思ったより 早かったな。私は行く
 観測は続けさせてくれ」
キグナン「わかりました、大佐」

〈月〉

デュオ「まったく、なんでOZなんかに 入ったんだ?」
ヒルデ「あなたは捕虜なのよ、口のきき方に 気をつけなさい」
デュオ「へいへい。でもよ、コロニーのためったって 何も戦争することはないんだぜ」
ヒルデ「批判だけなら誰にだってできるわ。 コロニーの屈辱の歴史を
 変えるための戦いを、私たちは恐れ てはいない。今は行動するときよ
 OZに入ったのはその手段の1つに すぎないわ」
デュオ「おっかしいなぁ……俺たちだってコロニー のために戦ってきたはずなんだけどな」
ヒルデ「なら、今からでもOZに入りなさい。 そうすれば聞いてもあげるわ」
デュオ「ちぇっ、そんなことできるわけないだろ」

〈スウィートウォーター〉

ファ「カベのないところを歩くのもひさしぶりね カミーユ」
カミーユ「そうだな。このところ、ずっとアーガマか ラビアンローズだったから」
大作「でも、コロニーって思ってたよりも 広いんですね。びっくりしました」
カミーユ「それでもここの半分は最初期の コロニーなんだ。他のタイプは
 もっと大きいさ」
ロザミア「……お兄ちゃん?」
カミーユ「え?」
ロザミア「やっぱり、お兄ちゃんだ!」
ファ「誰よあなた。カミーユの知りあい?」
ロザミア「あたし、ロザミィ・バダム」
カミーユ「知らないよ、あんたなんか」
ロザミア「うふふふ、変わらないのね。お兄ちゃん は、いつもそういって、あたしをいじめたわ」
大作「ずいぶん大きい妹さんですね。 なんだかカミーユさんの方が
 年下に見えますけど……」
カミーユ「だから、知らない人なんだよ」
ロザミア「こんなところで会えるなんて、 うれしいわ。お兄ちゃん」

〈宇宙の真ん中〉

ムゲ帝王「もどったか、デスガイヤー」
デスガイヤー「はっ。帝王様、アステロイド前線 基地、消滅いたしました」
ムゲ帝王「うむ……我々は奴らをみくびりすぎた ようだな」
デスガイヤー「はっ」
ムゲ帝王「まぁよい。ご苦労だった、デスガイヤー とりあえずは、ゆっくりと休むがよい」
デスガイヤー「はっ、ありがたきお言葉。 光栄であります」


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