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少女が見た流星 アーク

〈湖のほとり〉

ルー「コロニーのM作戦、 本当だったんですか?」
クワトロ「そのようだ。 宇宙にも我々のように
 抵抗運動をする者たちがいても 不思議ではない
 しかし……」
ブライト「何か気になることでも?」
クワトロ「それを実施する組織については よくわかっていないのだ
 いくつかのコロニーの過激派だと いうことだが、どうもな」
ブライト「味方につけるのは、むずかしいと?」
クワトロ「わからん。が、准将のように 楽観することはできんな」
アーク「あの、なんです、 そのM作戦というのは?」
アポリー「俺たちも実態はつかんでいない。 わかっているのは
 流星に偽装した兵器を 地球に落そうとしているって
 ことだけだ」
アーク「そんなにすごいものが 落ちてくるんですか?」
クワトロ「それをこれから確認しようと いうのだ
 帝国軍もでてくる。 整備を急げよ」

〈宇宙・地球の衛星軌道上〉

グラドス兵(赤)「大気圏に到達すると思われる 質量の移動を確認」
グラドス兵(緑)「1つではないな」
グラドス兵(赤)「ミノフスキー粒子濃度の 関係ではっきりとはわかりませんが
 6つほどの金属反応があります」
グラドス兵(緑)「捕捉できそうな部隊は 展開しているのか?」
グラドス兵(赤)「待ってください…… あります
 スペシャルズの ゼクス特尉の部隊です」
グラドス兵(緑)「スペシャルズか。まぁいい、 一応ゼクスに知らせておけ
 どうせ3年前の大戦時の 衛星の破片だろうがな」

〈海の上〉

スペシャルズ「ゼクス特尉、監視衛星は 隕石か衛星の破片の落下と
 報告しています」
ゼクス「隕石や衛星が大気圏突入 のウェーブコースを通ると思うか?」
スペシャルズ「では……」
ゼクス「うむ、コロニーのM作戦に 間違いないな
 いくつ、とらえられるか」
スペシャルズ「北米の大西洋沿岸に 落下すると思われる、1つだけです」
ゼクス「ふむ……1つでも十分とするか
 帝国軍にとっては我々も しょせんは、よそ者だ
 功をあせるものではないな」
スペシャルズ「ずいぶん表向きな発言を なさいますな」
ゼクス「私は、軍人なのだよ」

〈湖から南の平原〉

ルー「ブレックス准将より通信です」
ブライト「つないでくれ。 ……准将、なにか?」
ブレックス「たった今、例の作戦が 発動したとの連絡がはいった
 大気圏に突入してくるのは 6つのようだな」
クワトロ「我々で捕捉できるものは?」
ブレックス「北米の大西洋岸に 落下すると思われるものが
 捕捉できるだろう」
ブライト「了解しました
 では我々はM作戦の 調査に向かいます」
(ミデアで沿岸まで移動)
ルー「先行しているレイズナーより連絡!  スペシャルズの部隊が
 展開しているそうです!」
クワトロ「目標の空域に スペシャルズがいるだと?
 はやいな、間に合わんかもしれん。 すぐに出るぞ」

リリーナ「あら? なにかしら、あれは。  ……流星……?」


少女が見た流星

(海の上にウイングバードタイプ(中立)がいる)
ヒイロ「……ついに来た…… これが地球なのか」
(エアリーズ3機が出現)
ゼクス「あれか。戦闘機なのか?」
スペシャルズ「威嚇しますか?」
ゼクス「通用するとは思えん。 撃墜しろ
 レジスタンスへの新兵器の 輸送が目的だと思っていたが、
 乗っているのはそれを操縦する 戦闘パイロットだ」
(エアリーズがウイングに向けて移動)
ヒイロ「帝国にかぎつけられている ……当然か」
(通信)
ヒイロ「……スペシャルズ部隊を迎撃せよ ……任務変更了解」
(ウイングも移動し交戦)
ヒイロ「左推進システムに異常発生 ……やるな」
ゼクス「なんだと、あれで落とせんというのか!?」
(バードからウイングに)
ゼクス「変形をした!?  モビルスーツだったのか!」
ヒイロ「…………」
(ウイングが間合いを取る)
ゼクス「!? あの武器……いかん!  退避しろ!!」
(ゼクスは退避、ウイングがバスターライフルを発射し、他2体は撃破)
ヒイロ「フ……ハハハハハハッ」
ゼクス「バカな、なんという威力だ。 機体の性能差がありすぎる
 ……ならばっ!」
(ゼクスがウイングに隣接)
ヒイロ「なに!?」
ゼクス「これで動けまい。 特士、脱出する。拾ってくれ」

(ミデア他が出撃、海の中にウイングとエアリーズが沈んでいる)
アポリー「間に合いませんよ、こりゃ」
クワトロ「相手にとりついて関節をロック、 そして自分は脱出するとは
 思い切りのよいパイロットだ。 できるな」
アーク「やられてしまった?」
(ウイングとエアリーズが撤退)
ゼクス「こんなものか……」
スペシャルズ「特尉、レジスタンスです」
ゼクス「我々の任務ではない。 報告はまわしておけ。
 我々は引き上げる」
(通信)
スペシャルズ「ゼクス特尉、 治安部隊のゲイル中尉から
 レジスタンスの足止め要請です。 どうしますか」
ゼクス「ゲイル中尉か……
 正規軍の要請では、 従うほかあるまい
 残りの機体をすべて出せ。 私にも1機まわしてくれ」
(エアリーズ5機が出現)
アーク「どうするんです?」
クワトロ「やはり見逃してはもらえないようだ。 やむを得ん、迎撃するぞ」

〈3PP〉

(ゲイル隊が出現)
ゲイル「スペシャルズのゼクスは 撃墜されてしまったか
 が、そのおかげでレジスタンスを 捕捉できた
 感謝せねばならんな」
カルラ「全機、 レジスタンスを囲い込め!」
ゲイル(ジュリア……弟の血でぬれた手で 君を抱くことは許されない
 ……さようなら)
ゲイル「今度は逃がさんぞ、エイジ」

〈vs ゲイル〉

ゲイル「エイジ、これで終わりにするぞ」
エイジ「くっ、ゲイル先輩……」

[説得 (エイジ)]

エイジ「ゲイル先輩!」
ゲイル「エイジ。もう私はお前を 連れ戻そうとは思わん
 敵となるならば撃破するのみ。 だが一つだけ聞かせてくれ
 なぜそうまでして地球のために 戦おうというのだ」
エイジ「地球人も俺たちと同じ 人間です
 彼らはこの惑星に誇りを抱いて 生きている。俺も同じです
 この地球を、 もう一つの俺の故郷を グラドスと同様、愛しているんです」
ゲイル「そうか……」
エイジ「お願いです、ゲイル先輩
 帝国のやり方は 間違っているんです」
ゲイル「エイジ……覚悟を決めろ!」
(ゲイルがレイズナーに攻撃)
エイジ「くっ、ゲイル先輩!!」
ゲイル「どうしたエイジ!
 この地球の重みを背負って 攻めてこい!」
(ゲイルがレイズナーを攻撃)
ゲイル「次で終わらせるぞ、エイジッ!!」
エイジ「ゲイル先輩!? うわあぁぁぁーっ!!」
(エイジに気合がかかり気力150に、V-MAX発動しゲイルに攻撃)
ゲイル「くっ……見事だ。お前の覚悟、 確かに見せてもらった
 ……強くなったな、エイジ……」
エイジ「先輩……」
ゲイル「さらばだ、エイジ……生きのびろよ」
エイジ「ゲイル先輩ッ!?」
ゲイル「…………あぁ……ジュリア……」
(ゲイル機が爆発)
エイジ「くっ……先輩……。さようなら…… ゲイル先輩……」
カルラ「ゲイル中尉ッ!?  おのれ、よくも! 許さん!!」
(集中、気合、熱血がかかる)
(エルリッヒ隊が出現)
エルリッヒ「どうやら追いついたようだな
 少年、 任務を果たさせてもらうぞ」
アーク「あの機体……あのときのっ!」
エルリッヒ「少年、なぜレジスタンスにつく。 軍人でない者を殺したくはない
 おとなしく、その機体を 渡してほしい」
アーク「俺の町を焼いたのはあんたたちだ。 俺がここにいるのは
 あんたたちのせいだろうが!」
エルリッヒ「帝国の無人機にまかせるから ああなった
 だからこそ我々スペシャルズが 代行することによって
 歯止めをかけているのだと、 なぜわからない」
アーク「わかるものかよ、そんな詭弁!
 地球人のくせに 異星人に取り入って」
エルリッヒ「ロームフェラが動かなければ 戦争は続き
 地球人の大半は 虐殺されたかもしれんのだ」
アーク「今の状態が、 それとどう違うっていうんだよ!」
エルリッヒ「いいか少年、 戦争は3年前に終わっている
 今は、帝国の支配下で あったとしても
 よりよき形の平和を 志向するべき時代だ
 にもかかわらずレジスタンスは 再び戦争をおこそうとしている
 そうなれば、また弱い者たちが 大勢、犠牲になるのだぞ!
 それをわかっているのか、君は!?」
アーク「な……」
クワトロ「なにをしているアークライト、 それでは死ぬぞ!」
エルリッヒ「これ以上話している余裕はないか
 ……やむを得ん」

[撃墜]

エルリッヒ「くっ、機体の回収に こだわりすぎたか……」

〈海岸〉

エイジ「ゲイル先輩……」
デビッド「エイジ、おいエイジ!  大丈夫か!?」
エイジ「……あ、ああ、
 機体が強制冷却に はいっただけだ」
クワトロ「M作戦のパイロット…… あれでは助からんな」
アポリー「そう思います。 ひきあげましょう
 我々では機体の回収は 無理です」
クワトロ「そうだな。ぐずぐずしていると 帝国の回収部隊もでてくる
 エイジくん?」
エイジ「……大丈夫です。動きます」
クワトロ「……これは、戦争だ。
 君の事情を 知らぬわけでもないが……」
エイジ「わかっている……つもりです」
クワトロ「そうか……」

〈ニューヨーク辺り〉

ゴステロ「ひゃーっはっはっはぁ
 ゲイルのやつが小僧どもに やられちまったかぁ
 そいつは残念だ。 もっともヤツの甘ちゃんぶりでは
 こうなることは、わかっていたがなぁ」
カルラ「くっ……」
カルラ(ゲイル中尉、あなたのためなら 自分は……)

〈ニューヨーク〉

トレーズ「聞いたか、ゼクス。 ゲイル中尉が戦死したそうだ」
ゼクス「アーマス・ゲイルが?
 帝国軍にしては よい士官だっただけに残念です」
トレーズ「そう思う。しかし、こちらもずいぶんと 損害が出たな。君ほどの男が
 不始末をした。M作戦の1つを つぶしたことを差し引いても
 財団のうるさがたを黙らすのに ひと苦労だ」
ゼクス「はい。しかし、やはりM作戦が レジスタンスと結びつくと
 かなりの脅威になると推測されます。
 機体の回収は、いかがいたしますか」
トレーズ「帝国軍にまかせておきたまえ
 わかっているだろうが 今は大事の前だ
 帝国を刺激するような真似は したくない」
ゼクス「了解しております」
トレーズ「ああそれと、 君のいっていたモビルスーツ
 トールギスの件だが 修復作業を急がせている
 あれは、たいした機体だよ」
ゼクス「ありがとうございます」
トレーズ「なに、“ライトニング・バロン”に ふさわしい機体を用意できて
 私もうれしい」

〈海岸〉

クワトロ「それで、今度はなんだというのだ?」
ブライト「スペシャルズが新型をテスト中らしい 解放戦線としてはそのデータ
 可能ならば機体そのものを 入手したいということのようだ」
クワトロ「無茶をいう
 が、スペシャルズの施設へ 攻撃をしかける、というのは
 それなりに意味のある 行動だということか」
ブライト「そういうことだ
 我々の活動を広く示す 必要もある。来てくれ
 作戦を検討しよう」

アーク(俺は……俺は、 なんのために、ここにいるんだろう…)

リリーナ「あんなところに人が……」

リリーナ「パイロットスーツみたいだけど ……まだ子供!?」
ヒイロ「う……、お、お前!?」
リリーナ「え!?」
ヒイロ「見たのか!?」
(スイッチ音)
リリーナ「えっ、なに!?」
ヒイロ「!? 不発かッ!」
(速い足音・ヒイロが走り去る)

リリーナ「いってしまった……。わたしは…… わたしはリリーナ・ドーリアン
 ……あなたは?」


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