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凍結した過去 ~ 第1話 ~

【ムービー『Several months ago... AFRICA/EARTH CRADLE
夜、雲間を飛んでいる輸送機からPTが3機降下する』】

〔戦域:アースクレイドル周辺・夜〕

(南側にクライウルブズが出現)
アルベロ「……ウルフ1より各機へ。 状況を報告せよ」
ヒューゴ「こちらウルフ8。 投下完了。機体に異状なし」
フォリア「ウルフ9、同じく異状なし」
アルベロ「では、我々ブラック・ウルフは クレイドル上部の警戒にあたる」
ヒューゴ「ウルフ8、了解」
(ヒューゴ機に通信)
ヒューゴ「……何だ、フォリア?」
フォリア「見ろよ、ヒューゴ。 連中が通り過ぎた後は、いつも散々な 有り様だが……今回は特にひどいな」
ヒューゴ「ああ……」
フォリア「あいつら、クレイドルの中で どんなドンパチをやらかしたんだ?」
ヒューゴ「地表の状態を見る限りじゃ、 相当の激戦だったようだな」
フォリア「派手にやれていいねえ、 特機や最新型を持ってる部隊は」
ヒューゴ「その分、リスクは高い」
フォリア「だが、手柄は立て放題だぜ?  ATXチームやSRXチームを見ろよ、 華々しいもんだぜ」
ヒューゴ「俺達の仕事は 手柄を立てることじゃない。 与えられた任務を確実に遂行し……」
フォリア「生還する……だろ?  言い方まで親父に似てきたな」
ヒューゴ「そんなことを言ってると、 また隊長にどやされるぞ」
フォリア「Pモードだ、聞こえてねえって」
アルベロ「……私語を慎め、 ウルフ8、ウルフ9」
フォリア(うっ、まさか聞こえて……)
(アルベロ機に通信)
アルベロ「む?」
ミタール「聞こえるか、少佐。 こちらでEMP反応を複数感知した」
アルベロ「何? では……」
ミタール「うむ。 幸いなことに、生き残っている 連中がいたようだ」
アルベロ「……」
ミタール「これで ここに“ヘッド”がいる可能性が上がった」
ミタール「後は手はず通りにな、 アルベロ・エスト少佐」
アルベロ「……了解」
(ヒューゴ機に警報)
ヒューゴ「隊長!  前方に熱源・動体反応! カウント6!」
アルベロ「……来たか」


第1話
凍結した過去

(アースクレイドルの周りにアインストが出現)
ヒューゴ「アインスト……!  まだ残っていたのか!」
フォリア「やれやれ、 やっぱり今回もあの連中の尻拭いかよ」
(アルベロ機が少し北へ移動)
アルベロ「ウルフ8、ウルフ9。 “アーマー”と“グラス”は俺が仕留める。 “ボーン”はお前達に任せるぞ」
ヒューゴ「ウルフ8、了解」
フォリア「ウルフ9、了解」
アルベロ「アインストはあれだけとは限らん。 次のラウンドがあると思え」
ヒューゴ「了解。 フォリア、いつも通りフォワードは……」
(フォリア機が少し北へ移動)
ヒューゴ「おい!」
フォリア「ヒューゴ、今回は俺に任せろ」
ヒューゴ「待て、ポジションは……」
フォリア「いいから、やらせてくれ。 縁故だ、贔屓だなんて言われたくないんだ」
ヒューゴ「誰がそんなことを言っている?」
フォリア「お前が知らないだけさ。 ……頼むよ、相棒」
ヒューゴ「……わかった」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[アルベロ]

アルベロ(このアインスト……ただの雑魚か?  それとも、ミタールが予測した通りの……)

[ヒューゴ]

ヒューゴ(こいつら……ダメージを負っている。 だが、あの連中と戦った割には……)

[フォリア]

フォリア「親父や他の連中の手前も あるんでな。下手を打つわけにはいかねえ!」

〈敵機全滅〉

フォリア「……案外手応えがなかったな」
ヒューゴ「ああ。前の戦闘で負った傷が 完全に修復できていなかったようだ」
フォリア「ドリルは伊達じゃなかったってか。 この分じゃ、ブルーとブラウンの方も 楽勝だろうぜ」
ヒューゴ「だといいが」
フォリア「もう5、6匹出てこねえかな。 仕留めりゃ、カリムの撃墜数を 超えられるんだが……」
アルベロ「……フォリア・エスト准尉」
フォリア「な、何でしょうか、隊長」
アルベロ「個人の手柄に執着する者は、 クライウルブズに必要ない」
フォリア「……!」
アルベロ「お前を部下にしたのは、 ヒューゴと同じく、優れた資質を持っていた からだ。贔屓や欲目などではない」
フォリア「しかし、周りの連中は……」
アルベロ「己自身の手柄を焦り、 チームの連係を乱すのであれば、除名する」
フォリア「うっ……」
(フォリア機に警報)
フォリア「!」
ヒューゴ「また熱源反応が……!  今度は大きい!」
(アインストレジセイアが転移出現)
フォリア「あ、あいつは!」
ヒューゴ「伊豆基地に現れたって言う……!」
アルベロ「そう、“ヘッド”だ」
フォリア「な、何でこんな所に……」
ヒューゴ「SRXを取り込もうとした奴と 同一の個体なのか?」
フォリア「もしや、あの水中眼鏡を追って?」
ヒューゴ「クロガネは宇宙へ上がったんだぞ」
アルベロ「……」
フォリア「何にせよ、この後始末は高くつくぜ。 クロガネに請求書を送りつけてやる」
ヒューゴ「やめておけ。 あの連中は俺達が動いていることを知らない。 突っ返されるだけだ」
フォリア「……冗談を真に受けるなよ」
アルベロ「無駄口はそこまでだ。 フォーメーションD、トップは俺だ。 援護しろ、ウルフ8、ウルフ9」
ヒューゴ「了解。 ……今度は先走るなよ、フォリア」
フォリア「……わかってるよ」
アルベロ(ザパトの予測通り、 “ヘッド”が現れた。ならば……)

〈vs アインストレジセイア〉

[アルベロ]

アルベロ(ミタールめ、 本気でこんな代物を……!?)

[ヒューゴ]

ヒューゴ「指揮官クラスのアインスト…… 大きさもパワーも桁違いか!」

[フォリア]

フォリア(グルンガストクラスの特機があれば、 俺一人でもこいつを……!)

[HP90%以下]

フォリア「くっ、しぶとい野郎だぜ!」
ヒューゴ「もうすぐブルー・ウルフと ブラウン・ウルフが来るはずだ。 それまで何とか……」
アルベロ「いや、特殊弾を使う」
フォリア「特殊弾!?」
ヒューゴ「何です、それは!?」
アルベロ「ザパト博士が開発したHCC弾だ」
ヒューゴ「それで奴を倒せるんですか!?」
アルベロ「……」
アルベロ「目標との間合いを取る。 お前達は散開し、“ヘッド”の気を散らせ」
ヒューゴ「了解……!」
(アインストレジセイアの回り、フォリア機が東、ヒューゴ機が南、アルベロ機が北へ移動)
アルベロ「HCC弾、装填完了。 照準線……動作予測……ターゲット・ロック」
(アインストレジセイアに『偵察』)
アルベロ「ファイア!」
(アインストレジセイアが氷の塊みたいな物で覆われる)
ヒューゴ「!」
フォリア「凍った!?」
(アインストレジセイアを指す)
アルベロ(話を聞いただけでは 眉唾物だったが……効果は上々だな)
ヒューゴ「よし、これなら!」
フォリア「ああ、奴を倒せるぜ!」
アルベロ「……ラウンド・エンドだ。 ウルフ8、ウルフ9、対空・対地警戒」
フォリア「ど、どういうことです、隊長!?」
アルベロ「………」
フォリア「“ヘッド”を 始末しないんですか!?」
アルベロ「俺は…… 奴の撃破命令を出しておらん」
フォリア「……!」
ヒューゴ「もしや、今回の作戦は アースクレイドルの事後処理だけでなく、 “ヘッド”の捕獲も目的だったと?」
アルベロ「………」
(レイディバードが東側に出現)
ミタール「ご苦労だった、少佐。 君達のおかげで非常に貴重なサンプルを 手に入れることが出来た」
ミタール「君達を私のプロジェクトに 引き入れて正解だったよ」
アルベロ「博士の直属になった覚えはないが?」
ミタール「結果的には同じことだ。 ……ともかく、さすがクライウルブズだと 言っておこう」
アルベロ「………」
ミタール「私はクレイドルの現行責任者、 ネート博士とコンタクトを取る。君達は 補給を済ませ、周辺の警戒を」
アルベロ「了解」
フォリア「……“ヘッド”の捕獲を命じたのは ミタール・ザパトか」
ヒューゴ「ああ」
フォリア「あの野郎、 あんな化け物を手に入れて いったい何をする気なんだ?」
ヒューゴ「………」

《アースクレイドル》

[アースクレイドル内部]

ミタール「会うのは初めてだな、 ソフィア・ネート博士。私はミタール…… ミタール・ザパトだ」
ソフィア「ザパト?  もしや、ラズムナニウムの……」
ミタール「ああ。 君と共にこのアースクレイドルにいた イーグレット・フェフとは……」
ミタール「同じ研究分野でのライバル同士でね。 彼は私の二歩、三歩先……いや、そのもっと先まで 行ってしまったようだが」
ソフィア「………」
(扉が開閉する)
ドナ「ザパト博士。 テルグムの搬出作業が終了しました」
ミタール「では、 早速調査を始めてくれたまえ」
ドナ「内部の破損状況から察するに、 ウェンディゴ2を使用した方がよろしいかと」
ミタール「あれも持ってきていたのか」
ドナ「……はい」
ミタール「余程、実績が…… いや、君の息子を歩かせるための データが欲しいと見えるな」
ドナ「……」
ミタール「そもそも、ウェンディゴは調査用に非ず。 このクレイドルをこれ以上壊すつもりはない」
ミタール「それに、瓦礫の中には まだ生存者がいるかも知れんのだ。 ……テルグムを使いたまえ」
ドナ「……わかりました」
(扉が開閉する・ドナが立ち去る)
ソフィア「……あなた方は何者なのです? 所属は?」
ミタール「連邦軍の特別研究機関……とだけ 答えておこう」
ソフィア「………」
ミタール「私のチームは参謀本部の命令を受け、 事後処理を行うためにここへ来た」
ミタール「クレイドルの内部や周辺には、 敵が残っている可能性が高い……」
ミタール「哨戒、及び敵掃討は アルベロ・エスト少佐のクライウルブズが担当する」
ミタール「君にはアースクレイドルのデータを 用意してもらおう」
ミタール「ノイエDCへ提出した物と同じ内容の……な」
ソフィア「……わかりました」

[輸送機 格納庫内]

アルベロ「……フォリア准尉、何をしている?  補給が済んだのなら、さっさと担当エリアへ出ろ」
フォリア「その前に質問があります」
アルベロ「何だ?」
フォリア「先程の命令…… あれはいったいどういうことなんです?」
アルベロ「“ヘッド”が現れた場合、 捕獲せよという命令が出ていた。 それだけの話だ」
フォリア「しかし、奴は捕虜や ろ獲機なんかじゃない! アインストなんですよ!」
ヒューゴ「やめろ、フォリア」
フォリア「いや、ここは言わせてもらう。 ミタールのここ最近の命令には納得がいかない。 俺は奴の犬になって死ぬのは御免だ」
アルベロ「どんな内容の命令であろうと、 確実に遂行する。それが軍人の務めだ」
フォリア「しかし、ミタールが悪意を持っていたら、 自分達は“ヘッド”との戦闘で!」
アルベロ「ならば、死中に活を見出すまで」
フォリア「口先だけなら、何とでも……!」
アルベロ「実行できぬ者は死ぬだけだ、 フォリア・エスト准尉」
フォリア「……!」
アルベロ「罠を張られても、それを突破する。 俺はそれを可能とする部下を選んできたつもりだ」
(足音・アルベロが立ち去る)
フォリア「くっ、親父の奴……万事あの調子だ」
ヒューゴ「……隊長だって、 内心ではミタールの命令に納得がいっていないはずだ。 俺はそう思う」
フォリア「どうだかな。 お前は好意的に解釈しすぎだぜ」
ヒューゴ「隊長を信じずに、何を信じる?」
フォリア「単純でいいよな、お前は」
ヒューゴ「……なら、お前はどうして クライウルブズに志願したんだ?」
フォリア「それはな…… あの男が俺にとって越えるべき壁だからさ」

[アースクレイドル内部]

ミタール「……ブルー・ウルフは “ヘッド”を積んだ輸送機をトーチカまで護送」
ミタール「ブラウン・ウルフは 引き続きアースクレイドルの警護」
アルベロ(頭ごなしで命令してくれる…… 指揮官気取りか)
ミタール「そして、少佐はブラック、ブルー、 ブラウンの中から何名か選抜し、彼らを率いて 宇宙へ上がってくれたまえ」
アルベロ「宇宙……?」
ミタール「そう。 エリックからの依頼でな……」
ミタール「ホワイトスターへ行ってもらう」
アルベロ(何……!?)

『リペアキット』×2を入手した。
『プロペラントタンク』×2を入手した。


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