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白い福音 ~ 第25話 ~

〈指定ポイントへ到達〉

[シュウ]

シュウ「では、離脱しますよ、チカ」
チカ「はい!」

[サフィーネ]

サフィーネ「それじゃ、お先に!」

[モニカ]

モニカ「お先に失礼致しますわ」

[テリウス]

テリウス「ふう、何とか逃げられたか……」

[セレーナ]

セレーナ「よし、離脱するわよ!」
エルマ「ラジャ!」

[ヨン]

ヨン「現戦域から離脱します!」

[メキボス]

メキボス「じゃあ、先に引き揚げるぜ」

[アルバーダ]

アルバーダ「俺が最後か。離脱するぜ!」

[ペレグリン級 ブリッジ]

アルバーダ「……みんな無事に帰還できたか。 ヨン、アンノウンが追ってくる様子は?」
ヨン「いえ、ありません……」
テリウス「あいつら、いったい何なんだ……?」
セレーナ「さあね……地球を覆ってる光の膜とは 何か関係がありそうだけど」
ヨン「あの……気になることが二つあるんですが……」
サフィーネ「何なの?」
ヨン「まず、一つめですが…… 地球を観測していて、低軌道より やや低い所に存在する巨大建造物……」
ヨン「全長約4キロメートルの 岩塊のような物体を発見しました」
アルバーダ「4キロメートルの岩塊だと……!?」
メキボス「いつの間にそんな物が……。 ヘブンゲートみてえな要塞だとでも?」
セレーナ「仮に連邦軍が建造していたのなら、 事前に関連情報が出ていそうだけどね」
アルバーダ修羅のソーディアンみてえに 別世界から転移して来た物体なんじゃねえか?」
ヨン「その可能性はあると思います」
メキボス「岩塊の位置は光の膜の上か下か、どっちだ?」
ヨン「下です」
メキボス「………」
シュウ「何にせよ、現状では情報が少な過ぎますね」
テリウス「ま、まさか、調べに行くって言うんじゃ……」
シュウ「今、そんな余裕はありませんよ。 ヨン、もう一つの気になることとは…… 連邦軍の宇宙艦隊でしょう?」
ヨン「は、はい。 シラカワ博士も気づいておられたんですね」
シュウ「私だけではありませんよ。 艦隊のことは、アルバーダ達も 知っているのではないですか?」
アルバーダ「まあ、その通りだ。 やっぱり、俺達が上と連絡を取ったことに 気づいていたんだな」
シュウ「私にああ言われて、何もしない軍人は 優秀ではありませんよ」
アルバーダ「……褒め言葉として 素直に受け取っていいのか?」
シュウ「構いませんよ。 それで……あの艦隊はゲストと決着を付けるために 集められたのでしょう?」
アルバーダ「ああ…… 作戦名はオペレーション・レコンキスタだ」
シュウ「そうですか。 彼らは今、ヘブンゲート方面へ移動していますよ」
メキボス「……!」
シュウ「それに、 鋼龍戦隊のヒリュウ改も同行しているようです」
セレーナ「地球があんなことになってるのに、 オペレーション・レコンキスタを 敢行するって言うの……?」
シュウ「こういう情況下だからこそ、 自分達が出来ること、やるべきことを 優先させたのではないでしょうか」
セレーナ「それって、つまり…… 光の膜やアンノウン、巨大構造物に対して、 打つ手がないってわけね」
シュウ「……おそらく、 ルイーナの次元断層と同様、地球と宇宙の間を 行き来することが出来なくなっているのでしょう」
セレーナ「………」
(成功シグナル)
ヨン「こ、これは!」
アルバーダ「どうした?」
ヨン「枢密院から返答が……!  マスター、ゼゼーナン卿の本国召還命令が出ました!」
メキボス「やれやれ、タイミングがいいんだか、 悪いんだか……」
サフィーネ「でも、召還命令が出たって、 ゼゼーナンは開き直るんじゃないの?」
メキボス「そこへ行き着く前にやれることがある。 俺は今からヘブンゲートへ向かうぜ」
アルバーダ「俺は、って……もしかして、一人で行く気か?」
メキボス「ああ。その方が動き易いし、早く到着するからな」
ヨン「マスター、私も一緒に……!」
メキボス「いや、お前はこの艦でシュウ達と共に ヘブンゲートへ移動しろ。後で指示を出す」
ヨン「で、ですが!」
メキボス「ガヤットーバ、これは命令だ。従え」
ヨン「……!」
シュウ「メキボス」
メキボス「俺を止める気か?」
シュウ「いえ」
メキボス「じゃあ、何だ?」
シュウ「もし、鋼龍戦隊と接触したら、 私達のことは彼らに黙っておいて下さい」
メキボス「……わかった。また後でな」
(扉が開閉する・メキボスが立ち去る)
ヨン「……マスター……」
モニカ「……シュウ様、 あのお方を行かせてよろしいんですの?」
シュウ「ええ……ヘブンゲートの件は彼に任せましょう」
シュウ(私の手間が省けるかも知れませんからね……)
シュウ(それに…… おそらく、鋼龍戦隊は作戦の最終段階…… ゼゼーナン卿との決戦に投入されるでしょう)
シュウ(その前に、私は……)


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