back index


古の忌憶 SRポイント41以上 ~ 最終話 ~

3時間前

〔戦域:ファブラ・フォレース最深部 クロスゲート周辺〕

(クロスゲートの周りには量産型ヒュッケバインMk-IIがいる)
エリック「……鋼龍戦隊から連絡は入ったかの?」
クリフォード「いえ、まだです。上手くいっていれば、 バラルの園近辺へ到達している頃ですが……」
エリック「なら、ワシらはワシらの仕事をしようかの。 3Dスキャンはどうじゃ?」
クリフォード「それが不可能でしてね、理由は不明ですが。 もっとも、スキャンできれば、我々が ここの調査を行っていた時に……」
(量産型ヒュッケバインMk-IIが全機爆発する)
クリフォード「!!」
(クロスゲートの南側にエア・クリスマスとガリルナガンが出現)
アルテウル「……間違いない、あれはクロスゲートだ」
カーリー「クロスゲート? 何なのです、それは?」
アルテウル「それより、残っているクルーを全て退艦させろ。 この遺跡を制圧するのだ」
カーリー「はっ、司令は?」
アルテウル「私はニブハルと共に残る。 オート・クルーズ・モードに切り替えておけ。 艦長、お前も艦を降りるのだ」
カーリー(何だと……?)
ニブハル「後は私にお任せ下さい、カーリー艦長」
カーリー「……自分には艦を守る責務があります。 退艦命令には従えません」
アルテウル「……いいだろう。 では、空間転移の準備を始めてもらおうか。 転移先は後で指定する」
カーリー「………」
アルテウル「まだ空間転移装置のことが気になっているのか?  あれのおかげで我々はグランド・クリスマスから 脱出できたのだぞ」
カーリー「ですが、 転移出現時のESウェーブ・パターン…… あれは、いったいどういうことなのです?」
アルテウル「理由を知りたければ、教えてやってもよい。 ただし、条件が一つある」
カーリー「何でありましょう?」
アルテウル「事が終わるまで、何も聞くな。 私の命令に従え」
カーリー「……了解です」
アルテウル「アーマラ、そちらはどうだ?」
アーマラ「アルテウル様の予想通りです。 散布したZクリスタルが、 AI1の再生を始めました」
カーリー(Zクリスタル……? AI1を再生……!?)
アーマラ「ラズムナニウムとの相乗効果と クロスゲートからのエネルギーで 修復には時間が掛からなさそうです」
アルテウル「フッ、エルデ・ミッテはいい仕事をしてくれた」
アルテウル(後は、鋼龍戦隊がガンエデンを倒せば、 私の計画は…………)

〔戦域:バラルの園周辺宙域〕

アクア「う、嘘よ……!  あの時、AI1は私達の手で……!!」
ヒューゴ「あ、ああ、奴は完全消滅した……!  それが、復活するなどと!」
テツヤ「エア・クリスマスは グランド・クリスマスの決戦で沈んだはず……!」
テツヤ「いや、空間転移であの場から逃れたのか!?」
エイタ「ですが、現状でそれを可能とする地球の戦艦は、 存在していないはずです!!」
メキボス「シャドウミラーは空間転移装置を持っていたな。 その類か?」
ギリアム「いや……システムXNは、もう存在しない」
アクセル「おれ達が使っていたトライロバイト級も 空間転移機能を有していたわけではない。 ツヴァイが転移させていた」
ギリアム「ソーディアンのダガーも、いまだ解析中…… 実用化の目処は立っていない」
メキボス「なら、おれ達の転移装置を 何らかの手段で入手したか……?」
ヴィレッタ「違う!」
アヤ「隊長!?」
ヴィレッタ「先程の転移出現、 あのESウェーブ・パターンは……!」
(ガンエデンに爆煙)
アイビス「イルイ! イルイがっ!!」
(ハイペリオンの周りに爆煙)
アイビス「くううっ!!」
(Gコンパチブルカイザーの周りに爆煙)
コウタ「あ、あいつらっ!!」
(エア・クリスマスとAI1の間にガリルナガンが出現)
イング「ガリルナガン!」
アルテウル「……ご苦労だった、艦長」
カーリー「はっ」
ニブハル「では、我々はこれで。 報告は私にお任せ下さい」
アルテウル「その必要はない」
ニブハル「は?」
アルテウル「もうどこにも報告する必要はないのだよ」
ニブハル「ですが、私の役目は……」
アルテウル「そう言って、知り得た情報をどこへ売る?  ミツコ・イスルギか? ゾヴォークか?  それとも……」
(ガリルナガンがエア・クリスマスを攻撃。エア・クリスマスに爆煙)
カーリー「なっ!?」
ニブハル「ア、アルテウル様!?」
アルテウル「念のためだ。お前達の口を封じる」
ニブハル「お、お待ち下さい! わ、私は!!」
(エア・クリスマスに爆煙)
テツヤ「ど、同士討ちだと!?」
アルテウル「……これで残るはお前だけだ、アーマラ。 当てにしている」
アーマラ「この命ある限り、お供致します……アルテウル様」
アルテウル「では、始めよう……最後の儀式を」
(ガンエデンと塔に爆煙)
アイビス「くうっ! ガンエデンに取り付けない!」
(AI1がガンエデンに隣接。ガリルナガンも追って移動する)
ヒューゴ「奴ら、何を!?」
アルテウル「鋼龍戦隊よ……お前達に礼を言おう」
テツヤ「ア、アルテウル・シュタインベック!」
イング「生きていたのか!?」
アルテウル「長年かけて練り上げた、十重二十重の我が計画…… 紆余曲折はあったが、お前達のおかげで 最上の終極点が導き出された……」
アルテウル「今、ここに全ての因子が揃ったのだ」
(AI1から黒い煙のようなものが出て、ガンエデンを包み込む)
ツグミ「ま、まさか、ガンエデンを取り込む気!?」
アイビス「イ、イルイッ!!」
ギリアム「念動力なき者にガンエデンを 制御することは出来んぞ!」
アルテウル「マシアフが必要なのだろう? 知っているぞ!」
ギリアム「何!?」
ブリット「だが、イルイは!!」
アルテウル「そのような者は必要ない! 私は賭けに勝った!」
アルテウル「そうだ、イング!  お前を鋼龍戦隊へ送り込んだのは、 やはり正解だった!」
イング「!!」
アルテウル「さあ、これまでの戦いで高められた お前の念を解放しろ! 我が真言を聞け!」
アルテウル「テトラクテュス・グラマトン!!」
(精神感応)
イング「ぐあっ!!」
(エグゼクスバインが輝き始める)
イング「か、身体が! うあああああっ!!」
アリエイル「イ、イング!!」
イング「あああああああっ!!」
アルテウル「お前は鍵だ! 人造神を我が物とするための!  そして、真実の“門”を開く!  さすれば、虚憶は実憶となろう!」
アルテウル「積年の我が疑問!  今こそ、その全てを解き明かす時だ!!」
(閃光)


最終話
古の忌憶

〔戦域:境界空間〕

(ハガネとヒリュウ改は出撃済み。出撃準備)
コウタ「な……何だ、ここは!?」
ショウコ「ダークブレインを倒した後で ショウコ達が落ちた境界に似てる……?」
ロア「……アルテウルがゲートを開いたのだ」
ショウコ「えっ!?」
ロア「下を見ろ」
(下の方にクロスゲートが見える)
コウタ「ク、クロスゲート!?」
ショウコ「南極にあったはずなのに!」
コウタ「つーか、俺達はいつクロスゲートの中に 入ったんでえ!?」
アイビス「ガンエデンは! イルイはどうなったの!?」
クスハ「ど、どこにも見当たらない……!」
リオ「イングのエグゼクスバインもいないのよ!」
アクア「ま、まさか、AI1に取り込まれたの!?」
(クロスゲートの真上辺りにガリルナガンが出現)
アーマラ「その通り。 我が主、アルテウル様は本懐を遂げられた」
リュウセイ「アーマラ!」
アーマラ「フン、アルテウル様の世界に お前達が紛れ込んでいるとはな」
リュウセイ「答えろ! あいつは何をやったんだ!?」
アーマラ「ククク…… 祝福する者は、多ければ多いほどいいか」
ライ「祝福だと?」
アーマラ「そうだ!  お前達も祝え! 新たな神の誕生を!!」
(浮いていたクリスタルが光りだし、中央にアダマトロンが出現)
???(ユーゼス)「……失われた記憶の輪が…… 虚憶の欠片がつながっていく…… 我のネフェシュが真実の姿に……」
???(ユーゼス)「理解した……我が何処より来たか…… 何者であったか……」
???(ユーゼス)「ゼルファート……ズフィルード……ゼスト…… ジュデッカ……それらを経て……」
???(ユーゼス)「新たなアダムであり、メタトロン…… すなわち、“アダマトロン”が我が真体となる」
ヤンロン「禍々しい姿……邪神そのものだな」
ラウル「ガンエデンのボディにAI1…… それに、頭の上に浮かんでるのは!」
フィオナ「まさか、クロスゲート……!?」
コウタ「なら、下にあるのは何なんだよ!?」
ロア「あれは別のゲートの出口だ。 その先に何があるのかはわからん」
コウタ「ど、どうなってんだよ、いったい!?」
アリエイル「何故、アルテウルがクロスゲートを……!?」
???(ユーゼス)「我はアルテウルに非ず」
アリエイル「!?」
ユーゼス「我が名はユーゼス……ユーゼス・ゴッツォ」
ヴィレッタ「!!」
マイ「あ、あの仮面……見覚えが……!?」
アヤ「マイ!?」
リュウセイ「ゴッツォ……!? 聞き覚えがあるぞ!  確か、イングラム教官が言っていた!」
ライ「ああ、俺も聞いた」
ヴィレッタ「もしや、あの男が私とイングラムの……!?」
アーマラ「フフッ、ようやく気づいたか、ヴィレッタ。 いや、ヴェート・バルシェム」
アーマラ「それとも、お姉様とでも呼んでやろうか?」
ヴィレッタ「ならば、お前も!?」
アーマラ「ああ。帝国繁栄のため、ゴッツォの先遣りたりて 礎となるが我らバルシェムの用途であり、存在理由」
メキボス「帝国……?  なるほど、見えてきたぜ。てめえらの正体が」
メキボス「バルマー……ゼ・バルマリィ帝国監察軍だな」
アーマラ「そうだ、ゾヴォークの者よ」
ミチル「バ、バルマーちゅうんは何やねん!?」
メキボスエアロゲイターと言えば、お前にもわかるだろう」
ミチル「!!」
ジョッシュ「なら、アルテウルは地球人じゃなく……!」
ヒューゴ「異星人だったのか!?」
アクア「そ、それが連邦政府の中枢にいたって言うの!?」
アーマラ「その通りだ、地球人共よ。お前達の統治府は、 知らぬ間に……グライエン・グラスマンですら 気づくことなく、我が帝国に蝕まれていたのだ」
アーマラ「そして、ガイアセイバーズは、 地球戦力でありながら、その尖兵となっていた。 そこに所属する者すら知ることなく」
アリエイル「そ、そんな……!!」
アーマラ「全ては、アルテウル様の計画を遂行し、 成就させるために! 我がゼ・バルマリィ帝国の 繁栄のためにだ!」
ユーゼス「……帝国など、もはや我には関係ない」
アーマラ「!」
ユーゼス「愚帝、ゴッツォ……帝国に関わる者は、 全て我が焼滅させる。そして、アーマラ……お前は」
【強制戦闘】
ユーゼス[イドオニー・ザアム・カーラー]vsアーマラ[回避]
(ガリルナガンのHP300に)
アーマラ「ア、アルテウル様!!」
ユーゼス「我が尖兵となり、任務を果たした功績に報いよう。 帝国ではなく、創造主たる我にその身を捧げよ」
アーマラ「私は! 生きて、あなたのためにと!」
ユーゼス「我と一体になるのだ。享受せよ」
アーマラ「そ、そう言って、私を捨てるのですか!?」
(ガリルナガンが爆発)
ユーゼス「アーマラ……イングと共に我が血肉となるがいい」
リュウセイ「あ、あいつ、自分の部下を!!」
ヴィレッタ「………」
アリエイル「………」
リオ「イ、イングは……あの子はやっぱり、あの中に!?」
ユーゼス「そう……イングは、この時のために 我が作り出したガンエデン用の人造マシアフだ」
リオ「イルイの身代わりってこと!?」
アイビス「じゃあ、あの子はどうなったのよ!?」
ユーゼス「マシアフは自らの念を閉ざし、眠りについた。 もう二度と目覚めることはない。つまり、消えたのだ」
アイビス「そんな! 嘘だ!!」
ユーゼス「マシアフに力あらば、 それを以て我とイングを拒絶したであろう」
アイビス「!」
ユーゼス「結果的に、お前達は我の目的達成を幇助したのだ」
アイビス「そんな……そんなこと、認めるもんか……!」
ユーゼス「ガンエデンが選んだマシアフなど必要ない。 バルシェム・シリーズとマシンナリー・チルドレンの ハイブリッド……」
ユーゼス「数多くの失敗作を経て、強念を固着させることに 成功した唯一の個体……我が作り出し、お前達が 育てたイングが我の力となる」
リョウト「育てた……!?  なら、彼を僕達に接触させたのは……!」
ユーゼス「強念者は、幾多の危機を乗り越えることによって その力を増幅させていく」
ユーゼス「故に我は、数々の強敵との戦いを 宿命づけられたお前達鋼龍戦隊に イングを送り込んだのだ」
ユーゼス「ただ、ベースがマシンナリー・チルドレンである故、 身体と記憶に細工を施し……」
ユーゼス「お前達を信用させるため、 そして、イング自身にも思い込ませ、 その闘争心を励起するためにも……」
ユーゼス「ガイアセイバーズからの脱走という状況を 作り出さねばならなかったがな」
アリエイル「………」
デスピニス「でも、あの時…… 私達がイングさんを見つけなければ……」
フィオナ「そうよ、あの子は大怪我を負っていたわ!  最悪、死ぬかも知れなかったのよ!?」
ユーゼス「……イングの脱走はドゥバン・オーグの妨害によって 望まぬ方向へ歪み……修正は困難かと思われたが、 天は我を見放さなかった」
ユーゼス「偶然に偶然が重なり、結果的には我の思い通りに……」
リョウト「だけど、ガイアセイバーズ…… いや、他の敵との戦闘でイングが倒れてしまう 可能性が……!」
ユーゼス「アウレフ・バルシェム…… イングラム・プリスケンという我が傀儡も、 そうやって自ら選び出した者を育成した」
ユーゼス「時には自らも敵となり、 対象者を死の間際まで追い込むことによって」
アヤ「!!」
ユーゼス「ヴェート・バルシェム……ゴッツォの枷なき お前でも、それはわかるだろう?」
ヴィレッタ「……ええ」
リュウセイ「なら、メテオ3を地球に送り込み、 イングラム教官を……エアロゲイターを 裏で操っていたのは、てめえか!?」
ユーゼス「そうだ」
ライ「俺達にトロニウムを始めとする EOTをもたらしたのは……!」
マイ「わ、私にレビの人格が植え付けられる きっかけを作ったのは……!」
アヤ「私達を兵器として仕立て上げ、ホワイトスターという 檻へ閉じこめるように……そうするように イングラム少佐へ命令を与えたのは……!」
ユーゼス「それも我だ」
リュウセイ「L5戦役の黒幕はてめえか!  てめえだったのかッ!!」
ユーゼス「お前達は、我らと言葉を交わせる程度には 発達した知性を持ちながら、蟲毒の如く たった一つの惑星の上で……」
ユーゼス「飽くことなく争い、殺し合い、 闘争本能と繁殖力を発達させてきた」
ユーゼス「そして、我が与えた技術の種…… 闘争のためとあらば解析し、応用を可能にする 戦争技術への高順応性も持っていた」
ユーゼス「さらに、多くの強念者達…… この銀河の中でも、そのような知的生命体が 生息する惑星は希有だ」
メキボス(……それには同意できるがな)
ユーゼス「そのような星に真のクロスゲートとガンエデンが 存在しているという我の読みは、的中していた」
ジョッシュ「お前は地球に……いや、ファブラ・フォレースに クロスゲートが存在していることを 知っていたのか!?」
ユーゼス「リ・テクからの報告で当たりはつけていたが、 確信はなかった。他にも所在候補地があったのでな」
ユーゼス「故にファブラ・フォレースの謎を解く鍵…… シュンパティアの改良策をフェリオ・ラドクリフに 授け、遺跡の解析を進めさせたのだ」
ジョッシュ「その改良策……T-LINKシステムか」
ユーゼス「似て非なる物、カルケリア・パルス・ティルゲム。 T-LINKシステムより高性能であり、そこにいる レビ・トーラーもかつて使用していた物……」
マイ「!!」
ユーゼス「その一部のデータをお前の父親に提供した」
ジョッシュ「つまり……親父を利用したわけか」
ユーゼス「だが、その結果…… シュンパティアはルイーナを倒す鍵となり、 クロスゲートの存在を明らかにした」
ユーゼス「まさに一挙両得……そして、“破滅の王”を封じた お前達には感謝の念すら覚える」
イルム「呆れるぐらいに手が込んでるな。 だが、まだ疑問は多く残ってる」
イルム「イングの派遣先として、俺達の部隊を選んだ理由は 他にもあるんじゃないか?」
イルム「例えば、ガイアセイバーズ…… 強敵と戦うためにお前が作った部隊だろうが」
メキボス「そうだな。手元に置いといた方が育て易いはずだ。 それとも……可愛い子には旅をさせよ、か?」
ユーゼス「鋼龍戦隊には、念動力や精神感応力を有した人間が 多く属しているからだ。その者達との接触は イングの成長を促す」
ユーゼス「そして、お前達がガンエデンに選ばれると 推測したからでもある」
イルム「俺達が? その根拠は?」
ユーゼス「お前達はDC戦争、L5戦役、 インスペクター事件、修羅の乱…… それらの戦いで類い希なる力を発揮した」
ユーゼス「私利私欲ではなく、 地球圏存続のために剣を振るい続けてきた。 つまり、ガンエデンに選ばれる資質がある」
イルム「なるほど。 イルイがガイアセイバーズを選ぶとは 思えないしな」
ユーゼス「故に我は、お前達に試練を与えた」
ゼンガー「試練……もしや、それは」
レーツェル「我らに大統領暗殺の罪を被せたのは……!」
ユーゼス「そう、我だ」
シュウ「やはり……。ゲストやルイーナのみならず、 ガイアセイバーズ、そして連邦軍を敵に回せば、 孤立無援……相当な試練になりますね」
ユーゼス「その通り。窮地に陥ったお前達が さらなる力を発揮し、終極点へ至るよう 我が仕組んだことだ」
レーツェル「だから、あの時……逃げ道が用意されていたのか」
ラミア「そして、グランド・クリスマスでの決戦が 最後の試練……いや、茶番か」
ラトゥーニ「シエンヌ達もユーゼスの掌の上で踊らされて……」
ヒューゴ「アルベロ隊長も……そして、俺達も……!」
アリエイル「プロジェクト・イデアランツ…… 私とドゥバンでさえも……」
リョウト「そして、イング……」
リュウセイ「ユーゼス……イングラム教官を操ってた てめえらしい手口だぜ……!」
リュウセイ「裏で糸を引いて、てめえ自身はのうのうと!」
ユーゼス「それが十重二十重の我が計画だ」
タスク「よく言うぜ。 俺達がエアロゲイターを倒したから、 慌てて地球へ来たんじゃねえのか?」
ユーゼス「否。 その事態も想定し、水面下で事を進めていた。 ニブハルはそのための駒だ」
メキボス「フン……あいつがそうなら、ウェンドロやゼゼーナンも てめえの茶番に付き合わされてたってことになるな」
レーツェル「最終目的が地球の主導権掌握でないのなら、 ガイアセイバーズの行動に合点のいかぬ点が あって当然か」
シュウ「では……最大の疑問に答えていただきましょうか、 ユーゼス・ゴッツォ」
シュウ「何故、あなたはクロスゲートやガンエデンの 詳細を知っているのです?」
ユーゼス「ゼ・バルマリィ帝国にそれらに関する 伝承や文献があり、そして……」
ユーゼス「我に虚憶の欠片があったからだ」
テュッティ「虚憶……?」
ユーゼス「一大劫を経て再有生し、受け継がれる記憶…… 言わば、前世の記憶だ」
ユーゼス「お前達の中にも虚憶を持っている者がいるだろう?  見聞なきはずのクロスゲートやガンエデン、 その名や姿に覚えがある者が」
シュウ「………」
ギリアム「………」
ユーゼス「記憶を辿ろうとも明確な答えは出ず、おぼろげに 存在している知識……きっかけがなければ、 自覚せぬまま一生を終える」
リュウセイ「な、なら、俺は前世でクロスゲートを 見たことがあるってのか……!?」
エクセレン「あらら、本当にそっち方面の話だったのね」
ユーゼス「リュウセイ・ダテ…… 我はお前を知って……いや、“覚えて”いるぞ」
リュウセイ「何!?」
ユーゼス「マサキ・アンドー……そして、サイバスター。 その存在も“覚えて”いる」
マサキ「俺はてめえなんぞに覚えはねえぜ!」
ユーゼス「我とお前の前世は交わっていた…… いや、お前だけではなく、他の者とも」
ユーゼス「今生が初めての縁となる者が多いが…… 深浅の差あれど、我との因縁を持つ者が 何人か存在している」
リューネ「こっちには覚えがないのに、 一方的にそんなこと言われてもね」
ヤンロン「虚憶を持つ者、持たない者……その差は何だ?」
ユーゼス「虚憶の有無、内容については個体差がある。 その要因となるものは縁……一大劫前からの因縁だ」
ユーゼス「別の形で生まれ変わる者もいれば、 一大劫を経て再有生する者もいる。 虚憶の持ち主のほとんどが後者だ」
マサキ「い、いちだいこう? さいゆうしょう?」
リシュウ「一大劫とは仏教の言葉での。世界が誕生してから 消滅するまでの過程が成劫、住劫、壊劫、空劫、 すなわち四劫に分かれていると考えられており……」
リシュウ「それら全ての時間を一大劫と呼ぶのじゃ」
ユーゼス「そして、再有生とは一大劫を経て 同じような姿、気性、能力を保つことだ」
ユーゼス「例えば、 マサキ・アンドー……そして、シュウ・シラカワ。 お前達も再有生を遂げ、互いに因縁で結ばれている」
ユーゼス「そう……並行世界だけでなく、一大劫を経てもなお、 お前達は強固な縁で結ばれているのだ」
マサキ「そんな気の遠くなるような因縁、願い下げだぜ!」
シュウ「……同感ですね」
マサキ「だいたい、 俺には再有生なんてものをやった実感なんてねえ!  普通に人間の子として生まれて来たんだ!」
ユーゼス「再有生という言葉の意味を知っただけであれば、 そうだろう。四劫は宇宙の真理……それを知らずとも 破界と再生は繰り返される」
ユーゼス「再有生を遂げなくとも、虚憶がなくとも、 それらに気づかずとも、人は生まれ…… 死んでいくのだ」
ユーゼス「ただ……仮に再有生の実感があるとすれば、 お前はそのような姿ではいられぬ」
マサキ「何だって……!?」
ギリアム「………」
レーツェル「ユーゼス・ゴッツォ。 再有生を可能とする条件は何だ?」
ユーゼス「……運命、宿命とでも言っておこう」
レーツェル「ならば、それを定めたのは何者だ?」
ユーゼス「神だとでも認識するがいい」
エクセレン「あらら…… 肝心な所を曖昧に答えられちゃったわね~」
レーツェル「もう一つ聞こう。 再有生は、自らの意思で行えるものなのか?」
ユーゼス「希にそれを知り、四劫の超越を試みる者…… いや、そうせざるを得ない者達がいる」
ライ「……お前のことか、ユーゼス」
ユーゼス「そう……そして、我と深き因縁を持ち、 幾度も我の前に現れるイングラム・プリスケン」
ヴィレッタ「……!!」
リュウセイ「イ、イングラム教官が!?」
ユーゼス「だが、彼奴は己の虚憶に気づく前、 お前達の手によって消滅した。 もはや、我の前に立ち塞がることはない」
ユーゼス「今にして思えば、ネビーイームの損失を 補って余りある結果だ。我が因縁の鎖の一つを お前達が断ってくれたのだからな」
リュウセイ「て、てめえ……!」
ユーゼス「例え、イングラムが別の形で転生しようと、 時すでに遅し。我は彼奴より先に因子を揃え、 このアダマトロンを現出させた」
コウタ「わけのわからねえ話はもうたくさんだぜ。 で、てめえはそのメダマだかメロンだかで 何をやろうってんだ?」
ユーゼス「我は長らく疑問に思っていた…… 何故、我にクロスゲートやガンエデンに関する 虚憶が存在していたか……」
ユーゼス「我はいったい何者だったのか…… 我は何処から来たのか……」
ユーゼス「そして、クロスゲートとガンエデンに関する 研究と調査を進め……虚憶の欠片をつなぐための 計画を立て、実行に移した」
ユーゼス「我は知りたかったのだ…… 何が原因となって、虚憶を持ったのか。 欠けていた記憶は何なのか」
ユーゼス「ガンエデンとは、クロスゲートとは何なのか。 誰が、何のために造ったのか。 我とどのような関係があるのか」
ユーゼス「そして、我は因子を揃え、その両方を掌中にした」
カチーナ「じゃあ、てめえの頭の上にあるのは 南極のクロスゲートなのか!?」
カーラ「でも、どうやってあんな物を!?  そもそも持ち運ぶことなんて出来んの!?」
ユーゼス「真のクロスゲートは、 その有り様を変化させ、時には自ら動くこともある」
ユーゼス「我はゲートより出ずる力を用い、 ラズムナニウムとズフィルード・クリスタルによって AI1を再生、そして融合させた」
アクア「エ、AI1がクロスゲートを!?  そんなことが出来るなんて!!」
ユーゼス「それも大きな賭けであったが、 我は運命と虚憶の導きを感じた。 事は成るべくして成ったのだ」
ユーゼス「我は全ての疑問を解き明かした…… 我が何者か、我が何を目指していたか。 我は切望していた答えを得たのだ」
ユーゼス「そして、我の目的は変わった」
ブリット「どう変わったと言うんだ!?」
ユーゼス「以前の我は、起因を知ろうとした。 我を縛る因果の鎖……その始まりと原因を」
ユーゼス「だが、もはやその必要はなくなった。 我はクロスゲートから得たのだ、 アカシャ変動因子を」
ユーゼス「かつて、我が作り上げようとした クロスゲート・パラダイム・システム…… それに欠けていた因子を」
ギリアム「クロスゲート・パラダイム・システム……!」
ジョッシュ「何なんだ、それは!?」
ユーゼス「そのシステムにより、 我は意のままに因果律を操作することが可能となる。 それは全能の力、そして真神の力……」
(アダマトロンの前にヴォルクルス(上)、ヴォルクルス(下)が出現)
プレシア「!!」
リューネ「ヴォルクルス!?」
テュッティ「まさか、ユーゼスが呼び出したの!?」
サフィーネ「あれ、本物じゃないわよ。分身でもないけど」
リューネ「だったら、偽物!?」
サフィーネ「そういうわけでもないみたいだけど……」
マサキ「本物でも偽物でも、 何でユーゼスがヴォルクルスを 召喚できるんだよ!?」
シュウ「おそらく、彼ではなく…… クロスゲートの力によるものでしょう」
シュウ「あれは、私達が知っているヴォルクルスとは 少し違うようですから……何処かの並行世界から 召喚されたものである可能性が高いですね」
マサキ「だとしても、よりにもよって あんな奴が……!」
シュウ「それは……ユーゼスが言った、私とあなたの 再有生を経た因縁が原因かも知れませんよ」
(クストースと窮奇王、饕餮王などが出現)
クスハ「クストースと四凶が!」
マサキ「あれもクロスゲートの仕業かよ!?」
ユーゼス「我こそはアルファであり、オメガである。 我こそは終わりであり、始まりである。 我こそは宇であり、宙である」
ユーゼス「もはや、起因など知る必要はない。 過去の因果、因縁、虚憶、忌憶に 縛られることもない」
ユーゼス「愚帝、監察者、監査者、そして神ですら 我を沮止すること能わず」
ユーゼス「我に纏わるもの全てを隠滅させ、 我が新たな、数多の世界を創り出し、 その規範となる」
ユーゼス「因果、因縁、輪廻すらも我が新たに構築する」
ユーゼス「そして、四劫を超越し、 我が新たな人類の祖……新人祖となるのだ」
リム(リアナ)「し、新人祖……!?」
シャイン「では、私達は……!」
ザッシュ「あ、新たな世界を創り出すって…… 神にでもなるつもりなのか!?」
ラッセル「人造の神が本物の神に……!?」
エクセレン「思いっ切り広げたわねぇ、大風呂敷を」
アクセル「フン、黙って御託を聞いていれば…… 要は、この宇宙を滅ぼすと言うことか」
キョウスケ「長い口上の割には、シンプルな目的だな」
ユーゼス「新人祖の誕生を讃えつつ、消散せよ。 我が創造する世界、永久の楽園に古き血脈はいらぬ」
シュウ「今のあなたが本当に因果律を操作できるのであれば、 私達の存在を消すことなど容易いのでは?」
ユーゼス「新たな輪廻を構築するため、 自らの手で古き呪輪廻を抹消する」
ユーゼス「死に至るお前達の苦悶、絶望を 新人祖誕生の賛美歌へと変えるのだ」
リュウセイ「自分の手でケリをつけなきゃ、気が済まねえってか。 そいつは俺も同じだぜ」
アヤ「あなたに翻弄された私達の運命…… ここで収拾するわ」
ヴィレッタ「ユーゼス……イングラムに代わって、お前を討つ。 例え、私の創造主であろうとも」
アイビス「あたしは、イルイが消えたなんて信じない…… あんたがガンエデンを乗っ取り、 そこにそうやって存在している以上……」
アイビス「あの子だって、まだ消えちゃいないはず!  イングと一緒に助け出してみせる!」
ユーゼス「もはや、お前達は輪廻転生、再有生すること能わず。 あらゆる宇宙、全ての世界から滅去してくれる」
リュウセイ「その前にてめえが消えろ!  前世の記憶、俺達との因縁もろともにな!!」
(作戦目的表示)

〈ヴォルクルスを撃墜〉

マサキ「よし、ヴォルクルスの片割れを倒したぞ!」
シュウ(似ていても、本物ほどの力はありませんでしたか)
リューネ「この勢いで、もう片方も!」

〈ヴォルクルスを撃墜〉

(撃墜したヴォルクルスが黒い煙のようなものに包まれる)
ゼオラ「な、何なの!?」
アラド「ま、まさか、復活するんじゃねえだろうな!?」
(ヴォルクルス(合体)が出現)
ミチル「が、合体しおったで!!」
シュウ「あれがヴォルクルスの真の姿ですよ」
アクア「なら、さっきよりも強くなって……!?」
マサキ「ここまで来て、後に退けるか!  やるしかねえ!」
ヤンロン「ああ。ユーゼス同様、捨て置くわけにはいかん」
シュウ(あのヴォルクルスがどこまでの力を持っているか…… それでユーゼスとクロスゲートの力との 関係が推し量れますね)

〈アダマトロンのHP50%以下〉

ユーゼス「……彼奴らがいまだ存在するのは、 我が因縁、我が業の深さ故か」
シュウ「あなたの過去がどうであったか知りませんが…… そういう運命なのではありませんか?」
ユーゼス「もはや運命は与えられるものでも、 切り開くものでもない。我が規範となり、 作り出し、管理するものとなる」
リシュウ「成往壊空の運命は何人たりとも逃れられぬと聞く。 例え、神であってもそうではないか?」
ユーゼス「その理を知るのは、我一人で良い。 お前達は時空が交差する“門”を通じ、 因果地平の彼方へ消え失せよ」
(アダマトロンが光り輝く)
エイタ「ア、アダマトロンの損傷部が 修復されていきます!」
テツヤ「奴はAI1を取り込んでいるんだ、 やって当然のことか……!」
リオ「こ、これじゃ、イングが……!!」
アイビス「イルイが……!!」
(閃光)

(内部空間)

イング「………」
イング(……これが……僕の知りたかった答え……)
イング(僕が何者なのか……その答えは……)
イング(全てを滅ぼす……因子の一つだった……)
???(イルイ)(イング……)
イング「!」
イルイ「………」
イング(イ、イルイ……!)
イルイ(私の……私の最後の力を……あなたに……)
イルイ(あなたを助ける……)
イング(駄目だ……! 力が残っているのなら、 君の……君自身のために使ってくれ……)
イング(あるいは……僕を消してくれ……!)
イルイ「………」
イング(死ぬべきは僕…… アルテウルに踊られさていた僕……)
イング(破滅の因子である僕……)
イルイ(ううん……あなたには力がある…… ユーゼスを止める力が……)
イング(だが、イルイ、君は……!)
イルイ(聞いて、イング…… ここで私とあなたが一緒にいる限り…… ユーゼスを止めることは出来ない……)
イルイ(でなければ……鋼龍戦隊のみんなが……)
イング(だから! だから、僕を消してくれ!  僕がこの事態を引き起こしたのも同然なんだ!)
イング(僕が消えれば、アルテウルは ガンエデンの念に耐えられなくなる!  だから、僕を殺してくれ!)
イルイ(ううん、それは出来ない…… みんなも死んでしまうから……)
イング(何だって!?)
イルイ(私が残って…… ガンエデンの念を打ち消さなきゃ駄目…… だから、イング……あなたが……)
イング(イ、イルイ!!)
イルイ(後は……きっかけがあれば…………)
イング(待ってくれ、イルイ!!)
イルイ(イング……みんなに……みんなに伝えて…… ありがとう……さようなら、って…………)
イング(イ、イルイィィッ!!)
(閃光)

〔戦域:境界空間〕

ユーゼス「我にクロスゲートとガンエデンの力がある限り、 お前達は……」
(アダマトロンが揺れ、共鳴する)
ユーゼス「!」
ラミア「アダマトロンが……!」
ユーゼス「……彼奴め、小癪な真似を……」
アイビス「!?」
ユーゼス「何人であろうと、我を止めることなど能わぬわ!」
(アダマトロンの周りに爆煙)
ユン「ア、アダマトロンが全方位攻撃を!!」
レフィーナ「!!」
(ハガネにアラート)
エイタ「こ、高速物体接近! 数は1!」
テツヤ「な、何だ!?」
(南端付近にエア・クリスマスが転移出現)
テツヤ「エ、エア・クリスマス!?」
カーリー「アルテウル! アルテウル・シュタインベック!!」
【強制戦闘】
カーリー[ファー・ツリー・ブレード]vsユーゼス[防御]
(アダマトロンに100000のダメージ。エア・クリスマスがアダマトロンに隣接している)
ユーゼス「まだ生きていたのか、カーリー…… いや、リー・リンジュン。 だが、徒労に終わったな」
カーリー「元より、今の一撃が効かぬのは承知の上……!」
ユーゼス「ほう」
テツヤ「リー! 何をする気だ!?」
カーリー「……笑うがいい、テツヤ・オノデラ…… この私の無様な姿を……」
テツヤ「!?」
カーリー「地球圏存続のため…… 強大な力を求めた結果が……この様だ……」
テツヤ「リ、リー……!」
ユーゼス「死に損ないが……失せろ」
カーリー「先程の攻撃で……座標を確定できたのだよ…… そう、転移先の座標を……最後の一手が 使えると……」
テツヤ「ま、まさか、お前!?」
カーリー「どのみち……私の命はもう尽きる……」
カーリー「見るがいい、テツヤ・オノデラ…… これが私の……!」
リー「リー・リンジュンとしてのけじめだ!!」
(エア・クリスマスがアダマトロンに重なるように転移し、爆発)
テツヤ「リー!!」
メキボス「ア、アダマトロンの中に転移したのか……!!」
アクセル「……内部での融合爆発…… それが最後の手か、リー・リンジュン」
テツヤ「リー……お前は……!」
(アダマトロンから黒い煙のようなのが出て来る)
アラド「ア、アダマトロンが!!」
アクセル「中であれだけの物が爆発したんだ、 奴とて無傷では済むまい」
アイビス「!!」
ツグミ「どうしたの、アイビス!?」
アイビス「ペ、ペンダントに…… イルイからもらったペンダントに ひびが……!」
ツグミ「え!?」
アイビス「ま、まさか……イルイが!?」
(アダマトロンにスパークが走り、腹部のAI1部分からエグゼクスバインが出現する)
リオ「エグゼクスバイン!?」
リョウト「イング!!」
イング「…………」
イング「消えるべきは……僕の方だったのに……」
リオ「イング、無事なの!?」
イング「ええ……彼女が……イルイが僕を……」
クスハ「イ、イルイちゃんは!?」
イング「彼女は……ガンエデンの念を打ち消すために……」
アイビス「じゃ、じゃあ、あの子は……!?」
イング「………」
アイビス「そ、そんな……そんな……っ!!」
ツグミ「………」
スレイ「……イルイ……」
アイビス「こ、ここまで……ここまで来て…… あ、あたし……う、ううう……」
アラド「くっ、ううう……!」
クスハ「イ、イルイちゃん……」
ゼンガー「闘志を絶やすな、お前達ッ!!」
アイビス「!!」
ゼンガー「まだ終わっていない!  ユーゼスは、まだ我らの前に立ちはだかっている!」
ゼンガー「イルイの想いを無駄にする気か!  成すべきことを成せ! 魔人祖を、 奴との因縁をここで断ち切るのだ!」
ブリット「そ、そうだ……! ここで俺達が負けたら、 全てが無駄になってしまう……!」
クスハ「そ、そうよ…… イルイちゃんとの思い出も……!」
ゼオラ「こんな所で終わってたまるもんですか……!」
アラド「ああ!  おれ達の手でこの戦いを終わらせるんだ!」
ツグミ「アイビス……!」
アイビス「わかってる……!  ガンエデン、アダマトロン…… イルイにまとわりつくものを倒す……!」
アイビス「さよならは言わない……!  イルイのため……イルイの望んだもののために 全ての決着をつける!!」
(エグゼクスバインに青白い光)
イング「アルテウル・シュタインベック…… いや、ユーゼス・ゴッツォ。お前を倒す。 それが、イルイから託された僕の役目だ」
ユーゼス「忘れたか。 お前にはバルシェム・シリーズ同様、 枷が付けられている」
ユーゼス「我が真言を受け、鋼龍戦隊を滅せよ。 テトラクテュス・グラマトン」
(イングの反応はない)
イング「……もうお前の思い通りにはならない。 いや、出来ないんだ」
ユーゼス「………」
イング「わかっているはずだ、ユーゼス。 クロスゲート・パラダイム・システムが 不完全であることを」
イング「だから、鋼龍戦隊のみんなを消去できない。 僕を操ることも不可能だ。何故だかわかるか?」
ユーゼス「………」
イング「イルイがお前の中にいるからだ。 鋼龍戦隊のみんなの想いが、彼女に届き…… 彼女の想いもまた、彼らに」
イング「T-LINKシステムなしでも、 お互いの念が、心が通じ合っている…… そして、それがお前を倒す力の源となる」
ユーゼス「………」
イング「ユーゼス、お前は最後の一手を誤った…… イルイを取り込んでしまったことが、 お前の敗因となるんだ」
ユーゼス「……歪みは修整すればいい。 アカシャ変動因子は、必ずや我の未来に 良き効果をもたらすはずだ」
イング「仮定の話を持ち出した時点で、先がどうなるか お前にはわかっていないということだ」
ユーゼス「それは、我の台詞だ」
イング「だが、今のお前に因果を操る力はない!  ここはまだ、僕達の運命分岐点なんだ!」

〈アダマトロンのHP30%以下〉

(アダマトロンに爆煙)
ユーゼス「この流れはまさか……」
ユーゼス「否、そのようなことはあり得ぬ。 これまでの我とは違う……決定的に 違っている点がある……」
ユーゼス「クロスゲート、ガンエデン、アカシャ変動因子…… これらは我の未来を変えるはず」
シュウ「ククク、どうしました?  今頃、自分の宿命に気づきましたか?」
ユーゼス「馬鹿な……同じ結果を迎えるなど……あり得ぬ」
キョウスケ「同じ結果と言ったな。 つまり、今までのお前がおれ達のような存在に 敗れていたということか」
ユーゼス「………」
リュウセイ「お前と戦っていた俺達が、 どうだったかはわからねえが…… やることは変わってねえはずだ」
ライ「そして、貴様は今回も同じ結末を迎える」
アヤ「そう、それがあなたの運命……!」
ユーゼス「その運命を、今度こそ我は変える……!  呪輪廻から解脱し、新たな世界の創造主、 新人祖となるのだ……!」
レーツェル「ならば、お前の運命にもうしばし付き合おう。 お前を屠り、定められた結末を迎えるために!」
ユーゼス「結末など、定められておらぬ…… 定めるのは、我だ……!」
イング「ユーゼス・ゴッツォ、お前の過去生に 僕は存在していたか?」
ユーゼス「………」
イング「存在していなければ、 僕こそがお前の新たな運命変動因子だ!」
イング「お前の運命を決めるのは、お前じゃない!  僕達なんだ!!」

〈アダマトロン撃墜〉

ユーゼス「お、同じか……同じ結末なのか……!」
ユーゼス「な、何故だ……何故だ……!?  因子が決定的に違うのだぞ……ガンエデンを…… クロスゲートを手に入れたのだ……!」
ユーゼス「私の邪魔をする者など……いないはず……!」
シュウ「フッ……目の前にいるでしょう?」
アクセル「結末は見えていたはずだ、これがな」
ユーゼス「わ、私がこんな所で……終わるはずがない……!」
シュウ「最期に教えていただきましょうか。 クロスゲートは、誰が何のために造ったのです?」
ユーゼス「終わるはずが……ない……!  そうだ、新人祖たる私が死ぬなどと……!」
ユーゼス「くっ、ふふふ……ふふふ…… 輪廻を解脱した私が……死ぬわけがない…… くふっ、ふふふふ……」
マサキ「あ、あいつ!?」
ユーゼス「そうだ……私は世界を……全てを創る…… ふふふっ……そう、全て……全てを……ふふふ」
シュウ「もう一度聞きます。 クロスゲートを造ったのは、何者です?  何が目的なんです?」
ユーゼス「ふはははははははは!!」
ヴィレッタ「!?」
ユーゼス「私だ! 私が造ったのだ!  そう、あれは! 私が造るはずだったのだよ!!」
リュウセイ「あ、あいつ、何を!?」
ユーゼス「クロスゲートもガンエデンも!  新しい世界も、人類も! ははははは!!  そう! 私が全て造るはずだったのだ!!」
ユーゼス「なのに、何を間違った!?  何が原因なのだ!? イルイか!?  はははは! そうか! イルイだな!!」
イング「……そのイルイを取り込んでしまったのは誰だ?」
ユーゼス「私! この私だ!!」
イング「僕という運命変動因子を 作ってしまったのは……誰だ?」
ユーゼス「それも私だぁぁぁぁぁ…………!!」
(アダマトロンが大爆発、閃光)

〔戦域:宇宙空間〕

(ヒリュウ改、ハガネの周りに鋼龍戦隊の機体が集まってる)
テツヤ「宇宙空間……! 元の世界に戻ったのか!?  アダマトロンはどうなった!?」
エイタ「か、確認できませんが、前方の空間に……!!」
(前方にクロスゲートがある)
テツヤ「ク、クロスゲート……!!」
レフィーナ「アダマトロンに取り込まれたはずなのに……!」
ショーン「あれだけが残るとは……!」
アクセル「おれ達の力では、アダマトロンは倒せても クロスゲートは壊せんということか?」
ギリアム「おそらくな……」
レーツェル「古からそうであったように……これからも この世界に存在し続けると……?」
ラミア「いったい、何のために……」
ゼンガー「その答えは、あの門のみが知っているのかも知れん」
テツヤ「エイタ、クロスゲートの様子は?」
エイタ「エネルギー反応は収まっています。 中から何かが出て来るような気配はありません」
エイタ「なお、本艦の現在位置も確認しました。 地球近海……元の世界に帰還しています」
テツヤ「そうか……」
(マガルガに爆煙)
ククル「くううっ!」
ゼンガー「ククル!?」
ククル「ふ……ふふ……バラルの神が湮滅した今…… 妾も同じ運命を辿るようじゃ……」
ゼンガー「お前は……!」
ククル「……よい……これでよいのじゃ……。 バラルの下で……彼奴らに欺かれ……」
ククル「多くの罪を犯した妾には……当然の報い……」
リシュウ「ククル……」
ククル「……ただ……父君や母君の下には……」
ゼンガー「……お前は我らと共に戦い、この世界を救った。 その行いは罪に非ず。故に……」
ククル「ふふ……斯様な言葉で……妾を送ってくれるか……」
(マガルガに爆煙2回)
ククル「礼を……言うぞ……ゼンガー……」
(マガルガが大爆発)
ゼンガー「……!!」
リシュウ「………」
ゼンガー「……ククル……」
シュウ「……神の呪縛から解かれましたか……」
マサキ「シュウ……」
シュウ「……これで、事は済みました。 後は、ここにおられる方々にお任せしますよ」
マサキ「どこへ行く……いや、これから何をする気だ?」
シュウ「答え次第では、私と一戦交えるつもりですか?」
マサキ「……ああ。てめえにゃ、前例があるからな」
シュウ「安心していただいて結構ですよ。 私は、既にヴォルクルスの支配から 脱していますので」
マサキ「何……!? いったい、どうやって!?」
シュウ「あなたに教える必要はありませんね」
ヤンロン「……それで信用しろというのか?」
モニカ「ヤンロン、 シュウ様の仰っていらっしゃることは本当ですわ。 私もその場におりましたもの」
ヤンロン「本当なのですか、モニカ王女……」
モニカ「はい」
ヤンロン「ならば……」
サフィーネ「私もいたしね。 シュウ様は嘘を言ってないって保証するわ」
ヤンロン「お前の言うことなど、あてにならん」
サフィーネ「ちょっと、何よ! その態度の違いは!」
マサキ「……行けよ、シュウ。さっさと行っちまえ。 だけど、妙な真似をしやがったら、 ただじゃ済まさねえからな」
シュウ「フッ……覚えておきましょう」
テュッティ「モニカ様、あなたは今後もシュウと……」
モニカ「ええ、それが私の望みですもの」
シュウ「……では、お別れです」
モニカ「皆様、ご機嫌よう」
サフィーネ「シーユーアゲイン♥ ……ってことで、いいのかしらねぇ?」
(グランゾン、ウィーゾル、ノルス・レイが撤退)
マサキ「………」
リューネ「……良かったの、あれで?」
マサキ「まあな。 あの野郎、ラ・ギアスでのことはともかく…… 地上でこっちの不利になるような真似はしなかった」
ミオ「うん……そうだね。 どっちかって言うと、助けてくれたよね」
マサキ「それに、あんな戦いがあったばかりだ…… 正直言って、疲れたぜ……」
クロ「まったくニャ」
レフィーナ「副長、クロスゲートの監視を厳にしつつ、 各機に帰艦命令を」
ショーン「了解です。 このまま何事もないことを祈りたいものですな」
レフィーナ「あれが再び災いをもたらすようであれば…… バラルやガイアセイバーズではなく、私達が……」
レフィーナ「……許されるならば、 今一度、私達が地球を護る剣となって戦いましょう」
ショーン「ええ……」
レフィーナ「それに、私は……クロスゲートが災いだけを もたらすとは思えないのです……」
レフィーナ「あれのおかげで、私達は元の世界へ 戻って来られたのかも知れませんから……」
(クロスゲートを見る)

(ブリーフィング・ルーム)

ジェイコブ「……本当にご苦労だった。 諸君らのおかげで、地球圏は救われた」
レフィーナ「そちらの様子はどうなのですか?」
ジェイコブ「アルテウル・シュタインベックの正体が知れ、 どこもかしこも大騒ぎだよ」
ジェイコブ「何せ、異星人が……メテオ3を送り込んだ張本人が 地球連邦政府の重職に就いていたわけだからね」
ジェイコブ「現政権は確実に倒壊…… ガイアセイバーズに深く関わっていて、 生き残った者達は全員逮捕だ」
レフィーナ「そうですか……。 我々の処遇はどうなるのでしょう?」
ジェイコブ「まず、内々でのことだが…… 軍籍剥奪処分は撤回されることになる」
ジェイコブ「また、グランド・クリスマスの調査により、 アルテウルがグライエン前大統領の暗殺を 目論んだ証拠が揃いつつある」
ジェイコブ「君達の汚名が返上されるのに、 そう時間は掛からんだろう」
テツヤ「ですが、罠にはめられたとは言え、 前大統領を死に至らしめた自分の罪は……」
ジェイコブ「その件に関しては、こちらでも善処する。 今回の大戦の功労者を悪いようにはしないさ」
ジェイコブ「ところで…… メキボス・ボルクェーデはそこにいるかね?」
メキボス「ああ、俺もそちらと話があったんでな。 ゾウォーク枢密院は、地球に対して条約締結ではなく、 不介入の姿勢を取ることに決定した」
ジェイコブ「そちらから仕掛けてきておいて…… 後は知らぬ存ぜぬというわけかね」
ジェイコブ「そもそも、 枢密院は地球人を危険視していたのではないか?」
メキボス「そうだったんだが…… これまでの戦いを経て、その考え方が変わったのさ」
メキボス「ただ……今、和平条約なんかを結ぼうとしたら、 かえって揉めるだろう。そっちの上も ゴタゴタしてるんだしよ」
ジェイコブ「つまり、冷却期間が必要だと?」
メキボス「まあ、そういうことだ。 それと、こっちの軍勢はもう引き揚げさせたからな」
レフィーナ「え……?」
メキボス「さっきロフ達に連絡し、本国へ帰るよう命令した。 今頃は空間転移して、地球圏からおさらばさ」
メキボス「事後報告ですまないが、 こっちとしても無駄な揉め事を避けたかったんでね」
ジェイコブ「それで……君が残ったというわけか」
メキボス「ああ……今度はニブハルを介さず、 ダイレクトなパイプ役としてな」
ジェイコブ「なるほど……君が“グレイ”だったのか」
メキボス「そういうことだ。紳士的な待遇を頼むぜ?」
ジェイコブ「……検討しておこう。 それから、アルテウル・シュタインベック…… いや、ユーゼス・ゴッツォの母国……」
ジェイコブ「ゼ・バルマリィ帝国について、詳しい情報を聞きたい」
メキボス「生憎だが、よくわかっていないというのが答えだ」
ジェイコブ「ふむ……その理由は?」
メキボス「ゾヴォークとゼ・バルマリィ帝国は 過去に何度か衝突したことがあるが、 大規模な星間戦争じゃなく……」
メキボス「辺境に派遣されたこっちの艦隊が、 ホワイトスターみてえな自動惑星や その機械化軍団とやり合っただけだ」
ショーン「あれは複数存在しているのですか」
メキボス「ああ。ゾヴォークが遭遇した連中の目的も エアロゲイターと同じ……」
メキボス「自動惑星でフラフラと彷徨っていたことから、 はぐれバルマーとも言われてる」
メキボス「そいつらの実体と保有していた情報が どのようなものか……あんた達にもわかるだろう?」
ショーン「ええ、まあ。 結局、彼らの母星がどこにあるのか不明のままです」
メキボス「こちらも調査はしているが、連中の実態は見えん。 バルマーの母星はこの銀河系内に存在しているのか、 それとも……」
メキボスいずれにせよ、ユーゼス・ゴッツォは独断で行動し、 自分の母国も潰す気だったみてえだが……」
メキボス「ゼ・バルマリィ帝国の実態や その本当の目的については、謎のままなのさ」
ジェイコブ「ふむ……」
レフィーナ「ジェイコブ中将、クロスゲートについては?」
ジェイコブ「調査チームを組むことになり、 現在はそのメンバーを選定している所だ」
ジェイコブ「君達の中からも何名かチームに 参加してもらうことになるかも知れん」
レフィーナ「了解しました」
ジェイコブ「なお、クロスゲートの監視と警戒任務についてだが…… 当面の間はオペレーション・レコンキスタ 連合宇宙艦隊が受け持つことになった」
ジェイコブ「彼らが到着次第、引き継ぎを行い、 帰還してくれたまえ。その後のことについては、 追って沙汰する」
ジェイコブ「ただし、軍属でない者達の扱いについては、 本人達と君の判断に任せる」
レフィーナ「わかりました」

《日本 東京・浅草地区》

[浅草地区 雷門]

ミチル「早いもんやのう……。 あのアダマトロンとの戦いから一ヵ月……。 生きてまた雷門をくぐれるなんてのう」
ショウコ「ミチルさん、何言ってるの?  まだ一週間ぐらいしか経ってないでしょ」
コウタ「つーか、何でこいつが……」
ショウコ「仕方ないでしょ。 あの事件の関係者ってことで、しばらく ウチにいてもらわなきゃならないんだから」
コウタ「こんな奴、監視でも何でも付けて、 さっさと大阪に帰しちまえばいいんだよ」
ショウコ「そういうわけにはいかないんだから……。 ショウコ達だって、特別措置で自宅待機なのよ?  本来なら、今も水鳥島で……」
コウタ「わかった、わかったよ」
ミチル「まあ、ワイの生まれは東京やから、 こっちにも多少は馴染みがあるしな」
コウタ「何だと? それ、本当かよ?」
ミチル「せや。10歳の頃に大阪へ引っ越したんや」
ショウコ「そうだったんだ……」
ミチル「何より、ショウコはんと一緒にいられるのが 嬉しいわ」
コウタ「てめえ……ショウコに妙な真似しやがったら、 オーバー・カイザー・ソードでぶった切るからな!」
ミチル「そんなもん、Gバンカランで跳ね返したるわい!」
ショウコ「GコンパチカイザーとGバンカランで 喧嘩するなんて、冗談じゃないわよ!」
ショウコ「二人共、仲良くしなかったら ご飯を作ってあげないからねっ!」
コウタ「うっ……!」
ミチル「す、すんまへん、ショウコはん」
コウタ「ちぇっ、この野郎…… 全国制覇とか何とか言ってやがったくせによ!」
ミチル「おう、そのことやけどな。 コウタ、ワイとおどれで全国の高校をシメへんか?」
コウタ「はあ?」
ミチル「ワイとおどれやったら、出来るわ。 どや? ワイの舎弟になって……」
コウタ「フン、誰がてめえの舎弟なんぞになるか。 それに、シメる相手が間違ってらぁ」
ミチル「何やて?」
コウタ「俺がシメるのは、 この浅草を……地球を狙ってくる奴らだ」
コウタ「そいつらが現れやがったら、 はファイター・ロアとして…… Gコンパチカイザーで戦うぜ」

《水鳥島(鋼龍戦隊)》

[水鳥島(基地滑走路)]

マサキ「……特別措置でOKが出たんなら、 俺達はラ・ギアスに帰るぜ。 イブン婆さんとも通信がつながったしよ」
リュウセイ「そうか……寂しくなるな」
リューネ「また何かあったら、エーテル通信機で呼んでよ。 すぐに駆け付けるからさ」
アヤ「でも、あなた達には向こうで やらなければならないことがあるのでしょう?」
テュッティ「ええ……」
ヤンロン「僕達は、魔装機神操者としての義務を 果たさなければならない」
ミオ「もうちょっと地上でのんびりしたかったけど…… 向こうのことも心配だしね」
カチーナ「みんな、ラ・ギアスに戻っても頑張れよ」
タスク「ザッシュは別の意味でもな」
ザッシュ「え? は、はい……」
プレシア「皆さん、色々とお世話になりました」
ラッセル「あの……ゲンナジーさんによろしくお伝え下さい」
ミオ「え? 誰だっけ、それ?」
マサキ「ジャオームの操者だよ。会ったことあるだろうが」
ミオ「あ~、思い出した。あの人ね」
マサキ「って言うか、ラッセルとゲンナジーって いつの間に仲良くなってたんだ?」
タスク「ラ・ギアスにいた時、話をしてたらしいぜ。 俺は言われるまで気づかなかったけど」
アヅキ「クロちゃん、シロちゃん…… また会うことがあったら、肉球をプニプニしていい?」
シロ「構わニャいニャ」
クロ「アヅキも元気でニャ」
リュウセイ「そこもいつの間に……?」
エイタ「ああ、ハガネがラ・ギアスへ行った時にな。 アヅキは無類の猫好きなんだ」
テュッティ「……マサキ、そろそろ時間よ」
マサキ「わかった」
ミオ「みんなも元気でね」
マイ「うん……」
リューネ「向こうで何事もなかったら、遊びに行くよ」
ヤンロン「リューネ……君は魔装機神操者ではないが、 その義務と心得というものを……」
リューネ「わかったわかった、こんな時にお説教しないでよ」
リュウセイ「マサキ……ラングランだけじゃなく、 ラ・ギアスが平和になることを祈ってるよ」
マサキ「ああ……地上のことは任せたぜ。 それじゃ、またな!」

[水鳥島(港)]

レーツェル「……クロガネへの機体搬入が終了した。 我々はひとまずイティイティ島へ帰還する」
ライ「わかった、兄さん」
レオナ「しかし、よくクロガネの接舷が許可されましたね」
レーツェル「先程、聞いた話なのだが……ケネス・ギャレットが 失脚し、レイカー・ランドルフ少将が伊豆基地の 司令官として復帰されたそうだ」
ライ「なるほど、それで……」
リシュウ「ならば、鋼龍戦隊の今後の処遇についても 期待できそうじゃな」
フィオナ「リシュウ先生、あたし達はツグミさん達と一緒に 途中までクロガネに乗せていってもらって、テスラ研へ 行くつもりなんですけど……ご一緒されますか?」
リシュウ「いや、ワシは墓参りを…… ご先祖にバラルとの戦いが終結したことを 報告しようと思ってのう」
ブリット「リシュウ先生、虎王機と龍王機ですが…… 後でテスラ研へ移送します」
リシュウ「む? 彼らはまた眠ってしまったのか?」
クスハ「ええ……早くテスラ研の超機人ケージで 休ませてあげたいんですけど……」
ブリット「水鳥島での待機命令が解除されないと、 自分達は動けませんので……」
リシュウ「まあ、この機にお主らも休んでおくことじゃ。 どのみち、事後処理で忙しくなるんじゃからの」
クスハ「ええ……それに、やりたいこともあるんです」
リシュウ「何じゃ?」
クスハ「アイビスさんやアラド君達とも相談したんですが、 イルイちゃんを捜そうと思って……」
レオナ「でも、彼女は……」
ブリット「イングも無事に戻って来たんだ…… もしかしたら、あの子も……」
クスハ「それで任務の合間を見て、イルイちゃんを……」
カーラ「そういうことだったら、あたしも乗るよ。 いいでしょ、ゼンガー少佐?」
ゼンガー「ああ、構わん」
カーラ「あんまり大っぴらには動けないから、 ルスランさんにも頼んでおくよ」
デスピニス「あの……私もお手伝いを……」
フィオナ「そうね、いいわよ。 もし、こっちの方で何か手掛かりを 掴んだら、連絡するわ」
ブリット「ああ、頼むよ」
ラウル「……ところで、トウマはこれからどうする?  ウチで働いてくれるんなら、助かるけど……」
トウマ「すまない、実は考えていることがあるんだ。 ……レーツェルさん、雷鳳はどうなるんでしょうか?」
レーツェル「出自が出自だけに、我々で保管しようと思っている。 ミナキの許可も得ている」
ミナキ「ええ……私もイティイティ島へ行きます」
トウマ「なら、俺も……一緒に行きます。 もっと自分と雷鳳を鍛えたいんです」
トウマ「雷鳳を真の意味でのガーディアンに…… 地球圏の守護者とするために……」
ミナキ「トウマ……」
ゼンガー「だが、我らと行動を共にすれば、 元の生活に戻れなくなるぞ」
トウマ「あの日……雷鳳に乗り込んだ日から とっくに覚悟は決まっています」
トウマ「それに、まだ俺も雷鳳も道の途中です。 だから今は、前に向けて進むだけです」
ゼンガー「どうする、レーツェル?」
レーツェル「彼の決意は固いようだな……。 ミナキ、異論はあるか?」
ミナキ「いえ…… 引き続きトウマに雷鳳を任せたいと思います」
ミナキ「彼がそう言ってくれるのなら、 私もそれを希望します」
トウマ「ミナキ……」
レーツェル「わかった。では、許可しよう」
トウマ「ありがとうございます! 頑張ります!」
ラミア「……アクセル隊長はどうなさるおつもりでごんす?」
アクセル「クロスゲートが気になる……因縁があるだけにな。 だが、曰く付きのおれが鋼龍戦隊と行動を共に するわけにはいかん……」
レーツェル「では、我らと共に来るがいい。 ソウルゲインを預かった縁もあることだしな」
アクセル「………」
トウマ「アクセルさん……出来れば、修行の続きを お願いしたいんですが……」
アクセル「……いいだろう。覚悟しておけ」
エクセレン「アルフィミィちゃんは、アクセルと一緒に行くの?」
アルフィミィ「はいですの。 私達は固い絆で結ばれておりますので……」
アクセル「……単なる腐れ縁だ」
アルフィミィ「口ではそう言っていても、心は……ですの」
エクセレン「まあ、いいコンビよね。 じゃ、アルフィミィちゃんをよろしくね」
キョウスケ「……また会おう、アクセル・アルマー」
アクセル「貴様と会う時は、ろくなことが起きん。 次があるとすれば、どうだ?」
キョウスケ「賭けるか?」
アクセル「ふん、やめておこう。 分が悪い……これがな」

[ハガネ 艦内(休憩室)]

(扉が開閉する)
ラミア「カイ少佐、クロガネが出立しやがりました」
カイ「ああ、ここから見ていた」
ラーダ「ジョッシュ達も南極へ向かいましたし…… 後は、シャイン王女の輸送機が 到着するのを待つだけですね」
シャイン「はい。 ……ラトゥーニ、フェアリオン・タイプSは 私の方で預からせていただきます」
ラトゥーニ「わかりました」
シャイン「ラトゥーニ、今後の話でございますが…… リクセントで戦災復興のチャリティー・イベントを 開催しようと考えておりまして……」
シャイン「もし、よろしければ…… あなたに手伝っていただきたいと思っております」
ラトゥーニ「イベントで何を……?」
シャイン「例えば、フェアリオン2機で歌って踊る デモンストレーションとか、ですわ」
ラトゥーニ「う、歌……!?」
アラド「それ、面白そうだな。 で、アイドルデビューなんかしちゃったりして」
ラトゥーニ「ア、アイドル……!?」
ゼオラ「ラトとシャイン王女のペアなら、人気が出るかもね」
ラトゥーニ「ま、真に受けないで……」
ゼオラ「冗談よ、冗談。 ラトと一緒にいられなくなるのは、嫌だもの」
アラド「人手が減ると忙しくなるし…… そうすると、イルイを捜す時間がなくなっちまうしな」
ラーダ「人手と言えば…… カイ少佐、ヒューゴ少尉とアクア少尉は どうなるのですか?」
カイ「ああ、その件は……」

[ハガネ 艦内(通路)]

ヒューゴ「俺は……しばらくの間、 教導隊預かりのままにしてもらうよう、 カイ少佐に願い出た」
アクア「そう……私達、戻る所がなくなっちゃったものね」
ヒューゴ「お前にはあるだろう?  この機会に軍を辞めて、家に戻れ。 父親に頼めば、それが可能なんじゃないか」
アクア「ご冗談。私はあなたのパートナーなのよ?  平均年齢を上げちゃうけど、 私も教導隊預かりにしてもらうわ」
ヒューゴ「アクア……」
アクア「ねえ、笑わないで聞いてくれる?  私ね……いつか教える側の人になりたいの」
アクア「エルデとはああなってしまったけど…… 辛い想いをしたけど……」
アクア「あの人と出会ったから、今の私がいるんだもの……」
アクア「私もいつか…… そんなことを言われるような先生になりたい……」
ヒューゴ「……そうか」
アクア「それに、TEアブゾーバーに乗るのなら、 私がいた方がいいでしょ?」
ヒューゴ「そうだな……この厄介な身体とも 付き合っていかなきゃならないし……」
ヒューゴ「お前がサポートしてくれると助かる」
アクア「あら? 珍しく素直にそういうことを言ったわね」
ヒューゴ「そうか?」
アクア「そうよ。ともかく、これからもよろしくね」
ヒューゴ「ああ……こっちこそな」

[ハガネ 艦内(ブリーフィング・ルーム)]

リョウト「僕達でチームを?」
イルム「ああ、これまでもそういう組み合わせで 動いたことはあったが……」
イルム「SRXチームやATXチーム、 オクト隊みたいに固定しようと思ってな。 意見具申してみるつもりさ」
リオ「チームの名前は決めたんですか?」
イルム「そいつは、これから考えるが…… 隊長は俺がやるよ。言い出しっぺだし、 階級も一番上だからな」
イルム「あと、チームにはイングも入れようと思ってる」
イング「え……?」
リョウト「それ、いいアイデアですね」
イング「しかし、僕は……」
イルム「ガイアセイバーズにお前のデータはないんだろう?」
イング「そうだと聞いていますが……」
イルム「なら、ギリアム少佐に頼めば、何とでもなるさ。 もちろん、お前が良ければの話だが」
イング「………」
リオ「私は歓迎するわ」
リョウト「僕もだよ、イング」
イルム「あと、エグゼクスバインのこともあるしな。 あいつを扱える者がいなくなると、 マオ・インダストリー側も困る」
イング「僕は……ここにいて……いいんでしょうか?」
イルム「ああ、もちろんさ」
リオ「鋼龍戦隊はあなたの居場所よ」
イング「ありがとうございます…… この話、受けさせていただきます」
イング(イルイ……君に救ってもらったこの命を…… 僕は…………)

(ブリーフィング・ルーム)

レイカー「久しぶりだな、諸君」
レフィーナ「レイカー司令…… 司令とお呼び出来るのが嬉しいです」
レイカー「君達やジェイコブ中将のおかげで、 サカエ共々復帰することが出来た。礼を言うよ」
テツヤ「いえ、そんな……」
レイカー「私同様、君達も復帰が認められた。 よって、水鳥島での待機命令を解除する。 伊豆基地へ帰還してくれたまえ」
レフィーナ「了解しました」
レイカー「なお、君達の今後の処遇だが…… 最終決定にはまだ時間が掛かるようだ」
レイカー「ただし、君達の立場や任務については、 以前とさほど変わることがないだろう」
テツヤ「本当ですか?」
レイカー「ああ、ジェイコブ中将からの情報だ。 これは、クロスゲートという謎の物体が 我々の頭上に鎮座しており……」
レイカー「それに万一のことがあった場合、対応できる戦力として 第一に君達の存在が挙げられた故の措置だそうだ」
レイカー「しかし、君達の降格処分や…… 監視役を兼ねた新たな戦隊司令、艦長が 統合参謀本部から派遣されることもあり得る」
レフィーナ「……グラスマン前大統領の命を 奪ってしまったことに対する罰としては、 軽すぎると思います……」
レイカー「前大統領は……我々と立場や主義、手段は違えど、 地球圏の未来を案じ、行動されていた方だった」
レイカー「これからも地球圏と地球人類存続のために 尽力することが、彼の死に対する償いとなるだろう」
テツヤ「はい……」

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 内部(通路)]

アリエイル「本当なのですか、ワン博士……」
エリック「んむ。上手くいくかどうかはわからんがの、 手掛かりは掴めたでの」
アリエイル「いったい、どうやって……?」
エリック「ラミアの身体に用いられているテクノロジーに ヒントがあったでの」
エリック「シャドウミラーがいた世界は、この手の分野が こちら側よりかなり発達しておるようでの」
エリック「もっとも、ラミアの生みの親が突出して 優れているだけかも知れんがの」
エリック「その発想を逆転させることによって、 アリエイルのヘイフリック限界を何とかするでの」
エクセレン「博士……それじゃ、よくわからないんだけど?」
エリック「詳しく説明してやってもええがの、 5、6時間ぐらい掛かるでの」
エクセレン「だったら、またの機会で~」
キョウスケ「ともかく、アリエイルの寿命が延びる可能性があると いうことですね?」
エリック「まあ、そうじゃがの……」
ラミア(レモン様の技術が、 アリエイルに未来を与えるのか……)
エクセレン「じゃあじゃあ、 アリエイルちゃんはウチの子になるの決定ねん!  コードは、アサルト5ってことで!」
キョウスケ「どうするかは、アリエイル自身に 決めさせるんじゃなかったのか?」
エリック「言っておくがの、手掛かりを掴んだだけでの。 確実かどうかは、まだわからんでの」
アリエイル「それでも、一縷の望みがあるのなら……」
ラミア「私の生みの親であるレモン様は、私に未来を 与えて下さった。アリエイル、お前にもきっと……」
アリエイル(……ドゥバン…… もう少し生きられるなら、生きてみようと思います…… あなたの分も……)
アリエイル(そして、また…………)

《北米 コロラド地区》

(墓地)

スレイ(兄様…… ここへ来るのが遅れて申し訳ありません……)
スレイ(どうか……安らかにお眠り下さい……)
ツグミ(フィリオ……あなたの夢がまた少し前進しました。 HYPER77、ハイペリオン……)
ツグミ(そして、私とアイビス、スレイで…… プロジェクトTDをさらなる高みに……)
ツグミ(遥かな宇宙を……光の矢となって…… もっと速く、もっと遠くへ……)
アイビス(フィリオ、あたし達は飛ぶよ…… 星の海を……銀河を……)
アイビス(フィリオの夢も一緒に……)
ツグミ「……さあ、そろそろ行きましょうか」
スレイ「ああ」
アイビス(イルイ……さよならは言わないよ。 きっとまた……会えると信じて……)
アイビス(だから、この地球で待っていて。 イルイが愛し、守ろうとした、この星で……)

《南極》

[南極 リ・テク マザー・ベース(医務室)]

クリフォード「この研究棟はかろうじて無事だったが…… 他は駄目だな」
ジョッシュ「ああ、もうリ・テクは……」
ギリアム「ここへ来る前にも言ったが、南極の遺跡は連邦軍の 管轄下に置かれる。また、リ・テクノロジストの 研究資料は全て情報部が没収する」
ギリアム「そして、君達が使用していた エール・シュヴァリアー、ブランシュネージュ、 NVユニット、ファービュラリスだが……」
ギリアム「先程、通達があり…… それらも全て連邦軍が接収し、管理することになった」
ジョッシュ「ええ……仕方がないことだと思います」
クリフォード「ルイーナが消滅したとは言え…… 今後、シュンパティアがジョッシュやリムに どのような影響を与えるかわからないからな」
リム(リアナ)「でも、あれは父さんの…… それに、クリスとの……」
ジョッシュ「だが、もうお前をシュンパティアに 触れさせるわけにはいかない……」
ジョッシュ「それに……解体されたって、文句を言えやしない」
ヴィレッタ「でも、ギリアム少佐…… そういうことではないのでしょう?」
ギリアム「ああ…… あれは、フェリオ・ラドクリフ教授の遺産であり、 ルイーナを撃退した“鍵”だからな」
リム(リアナ)「それなら……」
ギリアム「悪いようにはしないさ」
リム(リアナ)「良かった……」
ジョッシュ「でも、お前があれに乗るのは……」
リム(リアナ)「わかってるよ、アニキ。 あたし、コーヒーを淹れてくるね」
ジョッシュ「ココアじゃないのか?」
リム(リアナ)「うん……ウェンは苦い飲み物が好きだったから……」
ジョッシュ「そうか……」
リム(リアナ)「ラキも来て。 コーヒーの淹れ方を教えてあげるから」
グラキエース「わかった」
リム(リアナ)「ギリアム少佐とヴィレッタ大尉もいかがですか?」
ギリアム「すまんが、遠慮する。 俺達は今からファブラ・フォレースへ行き、 調査班と打ち合わせをしなければならないのでな」
ヴィレッタ「また今度、お願いするわ」
(扉が開閉する・ギリアムとヴィレッタが立ち去る)
リム(リアナ)「じゃあ、ラキ……」
グラキエース「ああ」
(扉が開閉する・リムとグラキエースが立ち去る)
クリフォード「……ジョッシュ、折り入って話がある」
ジョッシュ「何だ?」
クリフォード「グラキエースのことだ。 先程、最終検査の結果が送られて来た」
クリフォード「それによると…… 彼女には老化を制御する遺伝子が欠けており、 崩壊因子が組み込まれているそうだ」
クリフォード「だから……それほど長くは生きられない」
ジョッシュ「!!」
クリフォード「おそらく、あと3年…… いや、それより短いかも知れない」
ジョッシュ「そ、そんな……!  それじゃ、アリエイルと同じ……」
ジョッシュ「いや、でも、彼女は……」
クリフォード「ジョッシュ…… グラキエースは我々と似たような身体を持っていても、 根本的に違う所がある……」
ジョッシュ「だけど!」
クリフォード「駄目なんだ。 彼女を人工冬眠させ、未来に解決策を求めても……」
ジョッシュ「な、何か……他に手は……!?」
クリフォード「………」
ジョッシュ「……クリフ……そうなのか……」

[南極 リ・テク マザー・ベース(メインルーム)]

(扉が開閉する)
ジョッシュ「………」
リム(リアナ)「アニキ、コーヒーはまだ……」
ジョッシュ「すまない、リム……席を外してくれないか。 ラキと話があるんだ」
リム(リアナ)「う、うん……わかった」
(扉が開閉する・リムが立ち去る)
グラキエース「ジョッシュ……話とは何だ?」
ジョッシュ「ああ…… まだリムやクリフには話してないんだが……」
ジョッシュ「俺は、クロスゲートの調査チームに 入れてもらえるようギリアム少佐に頼むつもりだ」
ジョッシュ「あれは、親父達が研究していた ファブラ・フォレースから出て来た。 そして、その中からルイーナが……」
ジョッシュ「俺には……今後、クロスゲートが何をもたらすか、 見届けなければならない義務があると思って……」
グラキエース「そうか……」
ジョッシュ「出来れば、リムやクリフにも ついてきて欲しいと考えている……」
ジョッシュ「お前は……どうする?」
グラキエース「……私の答えは決まっている」
ジョッシュ「………」
グラキエース「お前がそれを……受け入れてくれるのなら」
グラキエース「私に違う生き方が許されるのなら…… そうしてみたい。私の命が尽きる時まで……」
ジョッシュ「ラキ……」
グラキエース「嫌なのか、ジョッシュ……?」
ジョッシュ「そうじゃない……」
ジョッシュ「俺は……お前の傍にいる。これからも……ずっと」

(砂浜海岸)

イルイ(子供)「……うう……」
「……お目覚めになられましたか、イルイ様」
イルイ「あなたは……!」
「師父から与えられた最後の役目を果たしました」
イルイ「えっ……」
「最後の楽園を巡る神と人との戦い…… 封印戦争を見届け……神が敗れることあらば……」
「そして、あなたをお救いする機会あらば、 そうするよう命じられていたのです」
イルイ「な、何故……?」
「あなたは神ではなく……人ですから」
「それに……あなたや、あなたが見出した剣達には また果たさなければならぬことがあるのでしょう……」
「故に…… 私はあなたを見つけることが出来たのでしょう」
イルイ「私を……? それに、鋼龍戦隊のみんなは……?」
「我が神は、人に敗れたのです。 ……それでは」
(精神感応・蓬が消える)
イルイ「あっ……」
イルイ(……神が……人に敗れた……)
イルイ(じゃあ……)
イルイ(それじゃ……みんなは生きている………)
イルイ(また……会える…………)
(閃光)

<スタッフロール>

SUPER ROBOT WARS OGII
THANKS FOR YOUR PLAYING

THE END


back index