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~ 第34話 ~

《クロガネ格納庫》

リュウセイ「ロ、ロブ!  お前、どうしてここに!?」
ロバート「シラカワ博士の招集を受けてな。 カーク達と一緒に来たんだ」
リュウセイ「もしかして、こっちの状況を 何とかするために……?」
リン「……そうだ」
リュウセイ「しゃ、社長!」
イルム「リン……お前も来ていたのか」
リン「以前、お前に言った通りだ。 私にはこの手で取り戻さねば ならないものがある」
イルム「ああ、わかってるさ」
レオナ「リン社長…… お預かりしていたヒュッケバイン008Lを お返しします」
リン「すまないな、レオナ」
ロバート「……リョウト、 各機の状況を把握したい。 すぐにデータをまとめてくれ」
リョウト「いえ、もうやってあります」
ロバート「え?」
リョウト「実は……今後の勉強のために いつも整備班の人から機体のデータを 回してもらってたんです」
ロバート「ふふ、やるな。 それなら、すぐに修理作業に 取りかかれる」
リョウト「僕もお手伝いします」
ロバート「いや、お前はカークと共に ヒュッケバインMk-IIIタイプRの エンジンの交換作業をやってくれ」
リョウト「え……?  エンジン交換って……?」
リュウセイ「もしかして、 トロニウム・エンジンに!?」
ロバート「ああ、そうだ。 俺達が保有していた残り1個の トロニウム……」
ロバート「本来なら、参式の1号機に 搭載する予定だったものを使う」
リン「レオナ、 エンジン交換後のタイプRには お前が乗るんだ」
レオナ「わかりました」
ロバート「それから、俺が開発していた Gインパクト・ステークと……」
ロバート「ネオ・チャクラムシューターの 試作品も持ってきた」
リュウセイ「試作品?」
ロバート「ああ。 本当は特機用の武器なんだが……」
ロバート「今の段階じゃ、 形状試作も兼ねてPTサイズに してあるんだ」
リュウセイ「ふ~ん……。 じゃ、R-1やMk-IIIで使えるな」
ロバート「……よし、 早速作業を開始しよう。 時間はあまりないからな」

《ヒリュウ改医務室》

ラーダ「……あなたに 投与されていた精神高揚剤は 一過性で常習性のないものだったわ」
ラーダ「だから、今後服用しなければ 大丈夫……。体質の方はゆっくり 時間をかけて改善していきましょう」
ゼオラ「はい……」
ラーダ「……」
ラーダ「……こんな言い方をするのは 不本意なのだけど……」
ラーダ「以前はともかく、 ここしばらくは記憶操作以外の調整を ほとんど受けていなかったようね」
ゼオラ「……」
ゼオラ「それは多分…… セロ博士のおかげだと思います」
ラーダ「……」
ゼオラ「あの人は…… コッホ博士やセトメ博士と違い、 色々と私達のためを想って……」
ゼオラ「私達に名前を付けてくれたのも、 クラスと番号で呼ばれるのが 可哀想だからって……」
ラーダ「でも、自分の研究のために あなた達を利用していることに 変わりはないわ」
ゼオラ「……」
ラーダ「いつかは…… その報いを受けなければならないのよ。 あの人も……私も」
ゼオラ「ラーダさん……」
ラーダ「……ごめんなさい。 余計な話をしてしまったわね」
ラーダ「さあ、アラドやラトゥーニ達が あなたを待っているわ。 早く行ってあげなさい」
ゼオラ「はい……」

《ヒリュウ改格納庫》

マリオン「……本体の装甲は ほぼ取り換え。両腕と両脚は 私が持ってきたパーツを付けました」
タスク「な、何スか!?  あのデカいステークは……」
マリオン「リボルビング・バンカー。 リボルビング・ステークの 試作品でしてよ」
マリオン「大きすぎる上に機体の バランスを著しく損ねてしまうため、 お蔵入りしていた物ですわ」
タスク「さては、何も考えずに 勢いで作っちまったんでしょ?」
(平手)
タスク「いてっ!」
マリオン「次は撃ち貫きますわよ?」
タスク「す、すんません」
キョウスケ「ラドム博士、 おれが提出したプランと 違う所もあるようですが……」
マリオン「どうせやるなら 徹底的に、でしてよ」
マリオン「両肩のクレイモアは ベアリング弾の搭載量を増やすため、 さらに大型化……」
マリオン「そして背部にはヴァイスの 予備パーツを基にして作った スタビライザーを追加……」
マリオン「特別大サービスで テスラ・ドライブも積んでおきましたわ」
タスク「じゃあ、 今度のアルトは空を飛べるんスか?」
マリオン「いえ」
タスク「へ!?  じゃ、じゃあ、何のために?」
マリオン「バランサーとして 使うためですわ」
タスク「つまり、テスラ・ドライブを 使わなきゃならないほど機体の バランスが悪いってことッスか?」
マリオン「ええ」
キョウスケ「……」
マリオン「その代わり、 突進力や攻撃力、防御力は アルト以上のものになっています」
マリオン「これで シャドウミラーの特機にも 当たり負けはしないはずですわ」
キョウスケ「……わかりました」
タスク「ひえ~…… こりゃ、ビルガーとは別の意味で 出たトコ勝負の機体だなぁ」
キョウスケ「望む所だ」
タスク「で、博士。新しいアルトの名前は 何て言うんスか?」
マリオン「リーゼ…… アルトアイゼン・リーゼでしてよ」
キョウスケ「ドイツ語で巨人…… なるほどな」
キョウスケ(こいつなら アクセルと互角に渡り合える)
キョウスケ(そして、 アルフィミィを倒し、あいつを……)

《ブリーフィングルーム》

(扉が開閉する)
ラトゥーニ「ゼオラ……!」
ゼオラ「ラト……。 ごめんなさい、色々心配かけて……」
ラトゥーニ「ううん、いいの……」
シャイン「良かったですわね、 ラトゥーニ」
アイビス「アラドも 頑張った甲斐があったね」
アラド「ええ……。 ゼオラが頑固者で助かったッス」
カーラ「いいの? そんなこと言って。 またどやされちゃうよ」
アラド「いけね、 いつものクセでつい……」
ゼオラ「……」
アラド「な……何、その顔?」
ゼオラ「私……アラドのこと、 覚えていられて良かった……」
アラド「へ!?」
ゼオラ「だって、セトメ博士の暗示が 解けても、あなたのことを覚えている 保証はなかったもの……」
ゼオラ「だから…… ちゃんとあなたやラトのことを 覚えていられて嬉しいの……」
アラド「そ、そりゃもう、 お前の頭の固さときたら、 その胸とは大違いで……」
ゼオラ「本当にありがと、アラド……」
アラド「あ、ああ……」
アラド(か、かえって怖いんだけど、 この反応……)
アイビス「アラド、 次はあんた達の姉さんの番だよ」
カーラ「そうそう。 ゼオラだって、こうやってこっちに 来たんだもの。必ず上手くいくよ」
ゼオラ「はい、リルカーラ少尉……。 私達は必ずオウカ姉様を……」
アラド「オウカ姉さんだけじゃない、 エクセレン少尉も取り戻さなきゃ」
シャイン「ええ。 私達でキョウスケ中尉の お手伝いを致しましょう……」

《ヒリュウ改艦橋》

カイ「……補給物資、予備パーツ、及び ゲシュペンストMk-II・タイプSの 受領が終了しました」
ショーン「タイプS?」
レーツェル「ええ。L5戦役後、 ヒュッケバインMk-IIIのタイプRと共に 私がリン社長から預かったものです」
ショーン「なるほど……。 あなた達教導隊のメンバーにとっては 乗り慣れた機体ですな」
カイ「今となっては旧型ですが…… 強化改造が施されてあり、 接近戦で使える物になっています」
ショーン「わかりました」
レーツェル「……ハガネは応急修理を 終えた後、私の部下やハミル博士達を 乗せ、我々の基地へ向かわせます」
ショーン「では、以後クロガネは 我々の部隊で運用すると言うことで よろしいのですな?」
レーツェル「ええ。これはレイカー司令の ご意向でもあります」
テツヤ「では、 クロガネの艦長はあなたが……」
レーツェル「いや、 それは遠慮させていただく」
テツヤ「では、誰が艦長を?」
レフィーナ「……テツヤ大尉、あなたです」
テツヤ「は!? 自分でありますか!?」
レフィーナ「ええ」
テツヤ「し、しかし、自分は……。 それに、レーツェルさんには 前大戦での艦長職の経験が……」
レーツェル「クロガネの艦長は 私一人ではない……ダイテツ中佐もまた あの艦の艦長なのだ」
テツヤ「……!」
レーツェル「君も知っての通り、戦後 しばらくの間クロガネはダイテツ中佐の 下で運用されていたからな」
テツヤ「……」
レーツェル「それに、私はトロンベと共に 戦場を駆けねばならん……」
レーツェル「だから、 君があの艦を受け継ぎたまえ。 ダイテツ艦長の遺志と共に」
テツヤ「……」
レフィーナ「テツヤ大尉……あなたなら、 クロガネの艦長を務められます」
ショーン「そう…… スペースノア級の艦長となる時期が 早まっただけの話です」
テツヤ「……わかりました。 自分がクロガネの指揮を執ります」
テツヤ「ただし、 艦長ではなく……艦長代理として」
ショーン「ダイテツ艦長と共に インスペクターやシャドウミラーと 戦う……と言うことですか」
テツヤ「……はい」
ショーン「ふ…… あなたらしい考えですな」
レフィーナ「では、 テツヤ・オノデラ艦長代理…… あなたにクロガネをお任せします」
テツヤ「はっ」
レフィーナ「……ユン、 主要メンバーをブリーフィングルームへ 集合させて下さい」
レフィーナ「皆に これからの作戦概要を説明します」
ユン「了解しました」

《ブリーフィングルーム》

ショーン「……現在に至るまで、 アインストは各拠点への転移出現を 繰り返し……」
ショーン「連邦軍、インスペクター、 シャドウミラーはそれぞれでアインストと 交戦している状態です」
カチーナ「つまり、 どいつもこいつも自分の身を守るのに 忙しいってことか」
ショーン「ええ。 余所にちょっかいを出すのは ちと難しいでしょうな」
カチーナ「で、あたしらは これから何をやりゃあいいんだ?」
ショーン「この混戦状態を 逆に利用し、単独行動をとります」
ラッセル「ええっ!?」
タスク「まさか、アインストに紛れて シャドウミラーやインスペクターを 攻撃しようってんじゃ……」
ショーン「いい勘をしておられますな。 ……おめでとう、当たりです」
タスク「う、嬉しくねぇ!」
ツグミ「そんな……!  私達だって、アインストの攻撃を 受けることになるんですよ?」
ショーン「そこはまぁ…… 気合で何とかするということで」
カチーナ「チッ、 気楽に言ってくれるぜ!」
ショーン「ですが、 空間転移装置を保有している インスペクターと……」
ショーン「システムXNを持つ シャドウミラーを倒し、アインストの 謎を解かなければ……」
ショーン「今までの戦い……そして今も アインストを阻止するために戦っている 同胞達の努力が無駄になりますぞ」
ゼンガー「うむ。この状況下においても 未だ地球圏の混乱を目論む者達は、 我らの手で討たねばなるまい」
タスク「親分、 納得するの早すぎッス!!」
ヴィレッタ「でも、 シャドウミラーやインスペクターも 無傷と言うわけではない……」
ヴィレッタ「そして、私達だけを 相手にするわけにもいかない」
アヤ「そこに 隙があると言うことですか?」
ヴィレッタ「ああ。 そして、私達の部隊は一点突破の 作戦行動に長けている……」
ヴィレッタ「オペレーションSRWの 最終フェイズを成功させたようにね」
リュウセイ「あの時は 味方が援護してくれてたけど、今度は それがアインストだってのか……」
ライ「しかも、こちらにも攻撃してくる」
ユウキ「だが、ノイエDCや連邦軍が 各地のアインストを食い止めている おかげで……」
ユウキ「俺達は敵の中枢へ攻撃を 仕掛けることが出来る」
リュウセイ「……そうだな」
カイ「それで、 具体的な作戦行動はどのような?」
レフィーナ「まず、 ヒリュウとクロガネの2隊に分け……」
レフィーナ「ヒリュウは宇宙に上がり、 インスペクターのプラントとなっている ムーンクレイドルを奪還します」
テツヤ「そして、クロガネは アースクレイドルへ向かい……」
テツヤ「内部にいると思われる シャドウミラー隊を叩く」
レフィーナ「なお、 ヒリュウ隊のメンバーは……」
レフィーナ「カイ少佐、ギリアム少佐、 キョウスケ中尉、ブルックリン少尉、 クスハ少尉、ラミア……」
レフィーナ「イルム中尉、リン社長、 カチーナ中尉、ラッセル少尉、 リョウト少尉、リオ少尉……」
レフィーナ「マサキ、リューネ、 アイビス、タカクラチーフです」
テツヤ「クロガネ隊のメンバーは 以下の通りだ」
テツヤ「ゼンガー少佐、レーツェルさん、 ヴィレッタ大尉、アヤ大尉、 リュウセイ少尉、ライ少尉、マイ……」
テツヤ「ユウキ少尉、 リルカーラ少尉、ラトゥーニ少尉、 シャイン王女、ラーダ……」
テツヤ「タスク少尉、レオナ少尉、 アラド曹長、ゼオラ曹長だ」

プレイヤー選択

アースクレイドルへ行く
宇宙へ行く


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