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オペレーション・プランタジネット(後編) ~ 第32話 ~


第32話
オペレーション・プランタジネット(後編)

〔戦域:ラングレー基地周辺〕

(南側にノイエDC軍がいる。ノイエDC軍に爆煙)
バン「ぬうっ!  被弾箇所と状況を報告せよ!!」
一般兵「上部甲板に直撃!  第3、第5砲塔使用不能!!」
バン「ひるむな!  ここまで肉迫したのだ、 勝機は必ず我らに訪れる!」
一般兵「はっ!」
バン「後方の部隊を前に出させろ!  それと、合流予定のハガネと ヒリュウはどうなっている?」
一般兵「まもなくこちらへ 到達するものと思われます!」
バン「無事に敵の防衛網を突破したか。 さすがだと言っておこう」
ノイエDC兵「大佐、 後方のアーチボルド隊から 援軍が来ました!」
(ランドグリーズが2機出現)
ユウキ「……こちらは ユウキ・ジェグナン少尉です。 これより援護に入ります」
バン「うむ。この戦いには 今後の戦局がかかっておる。 興奮を期待するぞ」
ユウキ「はっ!」
カーラ「ねえ、 連邦軍部隊は何やってんの!?  あたし達だけじゃ保たないよ!」
ユウキ「この間まで敵だった連中だ。 そう上手く連携が取れるとは思えん」
カーラ「当てにするなってこと……?」
ユウキ「そうだ。異星人を 倒すのはノイエDCの役目……」
ユウキ「そのために 俺達は視線をくぐり抜け、 ここまで来た」
ユウキ「当てになるのは…… 今日まで生き抜いた自分自身の力だ」
カーラ「ユウ……!」
ユウキ「生き残るぞ、カーラ。 奴らを地球から叩き出してな」
カーラ「わかったよ……!」
カーラ「あたしみたいな子を 増やさないためにも…… 必ずあいつらを倒す!!」
メキボス「……ありゃりゃ、 ひるませるどころか、その気に させちまったんじゃねえか?」
ヴィガジ「……」
メキボス「シカログやアギーハも 返り討ちにあったみてえだし……」
メキボス「後方からも援軍が来てる。 下手すりゃ、アウトかもな」
ヴィガジ「ならば、 残存戦力を全て投入するまで!」
メキボス「おいおい、 あんまり熱くなるな、ヴィガジ。 それじゃ作戦が台無しだろう?」
ヴィガジ「うるさいっ!  リーダーはこの俺だぞ!」
ヴィガジ「戦局が これ以上悪化するようなら、 俺が前線へ出る!!」
メキボス「へいへい」
ユウキ「行くぞ、カーラ!」
カーラ「うん!」

〈3PP〉

ヴィガジ「チッ、しぶとい奴らめ。 やはり、俺が出るしか……」
メキボス「おっと、 もっとしぶといのが来たようだぜ?」
ヴィガジ「何!?」
(ハガネ、ヒリュウ改、アルトアイゼン、ヴァイスリッター、ダイゼンガー、ヴァルシオーネ、虎龍王、アンジュルグ、ギリアム機が出現、出撃準備)
一般兵「バン大佐!  連邦軍の援軍が到着しました!」
バン「来たか……!」
ダイテツ「こちらはハガネ艦長、 ダイテツ・ミナセ中佐だ。これより、 貴隊との共同戦線を展開する」
バン「バン・バ・チュン大佐だ。 了解した」
ダイテツ(あの男がノイエDCの総帥……)
バン(ハガネ……ビアン総帥を屠った艦。 その艦長か)
リューネ「バン大佐……!」
バン「リューネ嬢……」
バン「総帥の遺子である君が 彼らと行動を共にしているとは…… 因果だな」
リューネ「それは……!!」
レーツェル「それは違う、バン大佐」
バン「……!」
ゼンガー「我らもまたビアン総帥や、 マイヤー総司令の遺志を受け継ぐ者」
ゼンガー「ノイエDCとは違った形…… そして、手段でな」
バン「エルザム少佐、ゼンガー少佐……。 いつか私の前に現れると思っていたが、 このような形になるとはな」
バン「だが……今はこれ以上語るまい」
リューネ「わかってるよ。 親父が警告した異星人の脅威……!  それを今一度、振り払うために!」
バン「うむ」
ダイテツ「各機へ!  ノイエDC軍と連携を取り、 インスペクター機を撃墜せよ!」
ブリット「了解!」
ユウキ「奴は……!?」
ブリット「ユウキ……!  ユウキ・ジェグナンか!」
ユウキ「フッ…… お互い、生きていたようだな」
ブリット「ああ。まさかお前と一緒に 戦うことになるとはな」
ブリット「だが、考え方は違っても、 今やらなきゃならないことは 同じはずだ」
ユウキ「言われるまでもない。 ただし、こちらはこちらの好きに やらせてもらうぞ」
ブリット「ああ、わかった」
メキボス「とりあえず、向こうの役者は 揃ったみてえだな」
ヴィガジ「メキボス、俺は出るぞ。 我らの力を奴らに思い知らせてやる」
メキボス「もうちょっと我慢できねえか?  リーダーさんよ」
ヴィガジ「黙れ! これ以上、奴らの 好きにやらせるわけにいくか!」
メキボス「ま、面子が立たねえよな。 テスラ研の時みてえな負け方をしちゃ」
ヴィガジ「何だと!?」
メキボス「おおっと。 やり合う相手は俺じゃなく、 あっちの方だぜ?」
ヴィガジ「チッ……!  もういい、攻撃を開始するぞ!」
メキボス「だから、待てってんだよ。 俺達が動いたら意味ねえだろうが」
ヴィガジ「奴らなど当てに出来るか!  ここでこの基地を失うわけには いかんのだぞ!」
メキボス「わかってる、わかってる。 地球人を侮るのはよくねえよな、 お互いに」
ヴィガジ「……」
メキボス「だから、これからの戦いは あいつら同士でやらせときゃいい」
メキボス「ウェンドロ様だって、 そう言うだろうな」
ヴィガジ「何……!?  どこにそんな保証がある!」
メキボス「……俺が誰だか忘れたか?」
ヴィガジ「フン……わかった。 作戦通りに行く」
メキボス(やれやれ、 手間のかかるリーダーだぜ)
メキボス(じゃ、 こっちもチャージを始めるか)
キョウスケ「エクセレン、ブリット。 俺達の基地を奴らから取り戻すぞ」
ブリット「はい!」
エクセレン「そんじゃま、 異星人さん達にはさっさと お帰り願いましょっか!」
(作戦目的変更)

〈4PP〉

キョウスケ「……奴らの抵抗が 思っていたより弱いな」
エクセレン「そうね。 ここが最後の砦のはずなのに」
ゼンガー「奴らは力を出し切っていない。 ……気に入らんな」
エクセレン「罠でも 張ってるのかしらん?」
ゼンガー「その可能性は高い。しかし、 奴らが何を企んでいようと……」
エクセレン「それごと打ち砕く、でしょ?  ボス」
ゼンガー「うむ。 だが、敵は空間転移を行ってくる。 すぐに対応できるようにしておけ」
キョウスケ「了解」
ダイテツ「テツヤ大尉、索敵レンジ最大。 特に転移反応に気をつけろ」
テツヤ「やはり、来ますか!?」
ダイテツ「来る。必ずな。 そして、それを破らぬ限り、 我らに前途はない……!」
ダイテツ「各員へ! ここが正念場だ!  奮闘を期待する!」

〈ガルガウ、グレイターキン以外の敵機全滅〉

ヴィガジ「おのれ、地球人め……!  調子に乗りおって……!」
メキボス「……」
メキボス(引き寄せは充分、 グレイのチャージも完了。 ……頃合だな)
一般兵「バン大佐!  戦況は我が方が優勢です!」
バン「気を緩めるな。 まだ指揮官機が2機残っている。 奴らを倒さぬ以上は……」
(バンのライノセラスの傍にライノセラス[味方]が出現)
ユウキ「……アーチボルド少佐の ライノセラスか」
カーラ「あっちの戦線は カタがついたの……!?」
アーチボルド「……遅くなりました、 バン大佐」
バン「後方支援、ご苦労。 直ちに本艦と共に……」
アーチボルド「それが…… そういうわけにはいかないんですよ」
バン「何……!? どういうことだ?」
アーチボルド「流れが 変わったんですよ、大佐」
(アーチボルド機が敵に、バン機に爆煙)
バン「ぬおおっ!?」
ユウキ「バン大佐!!」
ダイテツ「何が起きた!?」
エイタ「ノイエDCの戦艦が 同士討ちを!!」
ダイテツ「!」
カーラ「あいつ、何を血迷ったの!?」
アーチボルド「いえいえ、 僕は至って正気ですよ、カーラ君」
バン「ア、アーチボルド……!  貴様……!!」
ライ「!」
レーツェル「アーチボルドだと?」
ライ「やはり、生きていたか!」
アーチボルド「これはこれは…… ブランシュタイン兄弟がお揃いとは。 奇遇ですねえ」
レーツェル「……!」
アーチボルド「おっと、失礼。 今のあなたはレーツェル・ ファインシュメッカーでしたか」
アーチボルド「なら、 エルピス事件のことで恨まれる 筋合いはありませんね」
アーチボルド「何しろあの時に 引き金を引いたのは、他でもない エルザム君ご本人ですからねえ」
レーツェル「……」
レオナ(エルザム様……)
ユウキ「アーチボルド少佐!  これは何の真似だ!?」
アーチボルド「ふふふ、それは……」
(アラート)
テツヤ「何だ!?」
エイタ「か、艦前方に転移反応!!」
テツヤ「インスペクターの援軍か!?」
エイタ「ち、違います!!」
ラミア「こ、この転移反応は……!!」
(シロガネが出現)
ツグミ「あ、ああっ!!」
テツヤ「シ、シロガネだと!?」
ギリアム「シャドウミラーか!」
ダイテツ「緊急回避! 急げッ!!」
リー「……逃げられまい。 推進部を損傷したハガネではな」
【強制戦闘】
リー[連装衝撃砲]vsダイテツ[防御]
(ハガネのHP15%、ハガネは行動不可に)
レフィーナ「ハ、ハガネが!!」
ショーン「ダイテツ中佐!!」
アイビス「ツ、ツグミ!!」
リー「ク、ククク…… これで終わりだ、テツヤ・オノデラ」
リー「貴様らなど必要ないのだ、 我らの軍隊には……!」
リー「貴様のような軟弱は 必要ないのだ、新しい世界ではな!」
ショーン「ハガネの損害状況は!?」
ユン「上部艦橋、推進部に ちょ、直撃したもようですっ!!」
ショーン「な……!  ダイテツ中佐、返答を!!」
(ハガネの反応なし)
ショーン「ダイテツ中佐!!」
メキボス「……盛り上がってきたな。 じゃ、こっちも花火を上げるか」
ヴィガジ「!?  貴様、サンダークラッシュを 使う気か!?」
メキボス「おいおい、 何のために俺がじっと我慢の子で チャージしてたと思ってンだ?」
ヴィガジ「冗談ではない!  俺達まで巻き添えにする気か!?」
メキボス「……上手くよけるんだな」
(メキボスに『必中』)
ヴィガジ「ま、待て! メキボス!!」
リー「!  奴め、MAPWを使う気か!  フィールド、緊急展開!」
アーチボルド「か、回避運動を!」
(サンダークラッシュ炸裂、味方機に爆煙)
クスハ「きゃあああっ!!」
リュウセイ「うおああっ!!」
ラミア「くうう……うっ!」
リューネ「か、 かわしきれなかった……!!」
アーチボルド「や、やってくれますね。 僕達への警告だとでも……!?」
メキボス「ま、そういうこった」
アーチボルド「やむを得ません、 一時撤退を!」
ユウキ「待て、アーチボルド!!」
アーチボルド「僕はこれにてお役御免です。 ……役者は他にもいますからね」
ユウキ「!」
アーチボルド「ユウキ君、カーラ君…… 君達はいい部下でしたよ。つまらない 情に流されさえしなければ、ね」
カーラ「あんた……!  まさか、あいつらとも!?」
アーチボルド「そうですよ。その方が これから面白くなるじゃないですか」
カーラ「あ、あんただけは……!  あんただけは許せない!!」
アーチボルド「ふふふ……残念ながら、 君達とはここでお別れです」
アーチボルド「ブランシュタイン兄弟と あの世で仲良くして下さいね。 それじゃ」
(アーチボルド機が撤退)
カーラ「逃がすかっ!!」
レーツェル「追うな!」
ライ「兄さん!?」
レーツェル「シロガネから敵が出てくる!  今はそちらを!」
(アシュセイヴァーなどが出現)
アヤ「あ、あれは!?」
ウォーダン「……」
ゼンガー「ウォーダン・ユミルか!」
量産型W「……」
ラミア「アシュセイヴァー……!  もう量産段階に入っていたのか」
エキドナ「そうだ、W17。 兄弟達と同じくな」
ラミア「W16……!!」
メキボス「ハッ、 ホントに役者が揃ってやがるぜ」
アクセル「……メキボスと言ったな。 貴様、どういうつもりだ?」
メキボス「ああ、お前達の力を 借りるだけじゃ悪いと思ってな。 お膳立てをしてやったまでだ」
アクセル「ふん……余計なことを」
メキボス「ま、お前らが完全に 信用できねえってのもあるんだが」
アクセル「お互いにな」
リューネ「あ、あいつら……!  手を組んでたの!?」
マサキ「どうやら そういうことらしいな!」
バン「お、おのれ……!  シャドウミラー……!!」
ヴィンデル「己の理想を 成し遂げるためには、 敵とも手を組む……」
ヴィンデル「お前と同じだ、バン大佐」
バン「ヴィンデル! 貴様、 異星人に地球を明け渡すつもりか!?」
ヴィンデル「都合がいいのだよ、 闘争を日常とする世界を 創り上げるにはな」
バン「な……に!?」
ヴィンデル「そして、ヘリオス…… 貴様がアギュイエウスの扉を開けば、 我らの力はより強固な物となる」
ギリアム「! システムXNの修復が 終わったのか!?」
レモン「あとはテストをするだけ。 だから、あなたを迎えに来たの。 ……そして、あの子もね」
エクセレン「あの子……!?  もしかして、ラミアちゃんのこと!?」
レモン「あなたよ、 エクセレン・ブロウニング」
エクセレン「!!」
アクセル「レモン、貴様……!」
レモン「ボーナスって奴よ、アクセル。 こういう出会いになっちゃったのは 残念だけどね」
アクセル「わかっているはずだ。 ベーオウルフはおれ達という存在を 知らなかった」
キョウスケ「…………」
アクセル「だが、そうであっても おれ達の障害となるのは同じ……。 そういう世界だ」
レモン「……」
アクセル「その覚悟もなく、この作戦に 参加していたわけではあるまい?」
レモン「……」
エクセレン「どういうこと?  あなたは誰……?」
レモン「さあて、ね。 私達の所へ来れば教えてあげるわ」
エクセレン「ん~…… 抜け駆けする気はないんだけど?」
レモン「でしょうね。 でも、選択肢は与えてあげるわ。 ……後はあなた次第」
エクセレン「悪いけど…… ラミアちゃんと同じで、そっちへ 行くつもりなんてないのよね」
ヴィンデル「……何でも構わん。 だが、貴様らの存在は我らの世界の バランスを著しく乱す……」
ヴィンデル「故に排除せねばならん」
メキボス「そう、俺達の目的が 一致したのはそこなんでね」
アクセル「……いつぞやの賭け…… 勝たせてもらうぞ、ベーオウルフ」
(ソウルゲインがアルトアイゼンの傍へ)
キョウスケ「!」
エクセレン「キョウスケ!」
レモン「あなたの相手は私よ、 エクセレン」
(アシュセイヴァーがヴァイスリッターの傍へ、機械音)
エクセレン「取りつかれた!?」
ウォーダン「決着をつけるぞ、 ゼンガー・ゾンボルト!」
(スレードゲルミルがダイゼンガーの傍へ)
ゼンガー「望むところだ!  ウォーダン・ユミル!!」
エキドナ「……レモン様の命令だ。 W17、お前を破壊する」
(ランドグリーズ(エキドナ機)がラミア機の傍へ、機械音)
ラミア「自爆する気か!?」
エキドナ「命令とあらばな」
メキボス「……チェックメイトだな」
ヴィガジ「ああ、 もう奴らに逃げ場はない。 後は高みの見物だ」
ヴィンデル「全機、攻撃開始!  ヘリオス以外の者は全て抹殺せよ!」

〈NEXT PP〉

(ハガネが行動可能に)
テツヤ「……う、うう……!」
テツヤ「か、艦長……!  みんな……無事か……!?」
ツグミ「テ、テツヤ大尉……!」
テツヤ「タカクラチーフ!  無事か!?」
ツグミ「わ、私は何とか……!  それより、エイタ伍長が!」
テツヤ「! エイタ、しっかりしろ!  エイタッ!!」
(エイタからの反応なし)
テツヤ「エ、エイタ……!!」
ツグミ「止血すれば助かります!  大尉は艦長を!!」
テツヤ「あ、ああ!」
ダイテツ「……テツヤ……」
テツヤ「か、艦長! ご無事ですか!?」
ダイテツ「ワシは……大丈夫だ……。 じょ……状況は……?」
テツヤ「き、機関は停止……かろうじて 浮いている状態です。また、 使用可能な火器は30%以下……」
ダイテツ「トロニウム…… バスターキャノンは……?」
テツヤ「艦首部分の損傷は中破…… 出力は低下しますが、 1発だけならば……」
ダイテツ「……充分……だ。 全軍に……撤退命令を出せ」
テツヤ「し、しかし!」
ダイテツ「撤退するのだ……!  生き残るために……!」
テツヤ「す、すでに本艦や各機は 敵に包囲されており……!」
ダイテツ「諦めてはならん……!  チャンスは必ずある……」
テツヤ「は……!?」
ダイテツ「それを待って突破口を開け…… お前があの時に使った……方法でな」
テツヤ「あの時……!?  ま、まさか!」
ダイテツ「そうだ…… ワシの命令に逆らってまで…… お前が使った……あの方法だ」
テツヤ「か、艦長……!」
ダイテツ「ワシは死なん……。 ワシは死なんよ、テツヤ。 あの時と同じように……生き延びる」
ダイテツ「いかなることがあっても…… 諦めはせん。それはワシがお前達に 教えたことであり……」
ダイテツ「お前達から…… 教えられたことでもあるのだ……」
テツヤ「……!」
テツヤ「……わかりました、艦長。 バスターキャノンのチャージを 開始します!」
ダイテツ「うむ……。 チャンスを見誤るなよ、テツヤ……」
テツヤ「はっ! タカクラチーフ、 発射のオペレートを頼む!」
ツグミ「は、はいっ!」
テツヤ「スティール2から各機へ!  我々は現空域より撤退する!!」
ブリット「て、撤退!?」
リューネ「ど、どこへ 逃げろっていうのさ!?」
テツヤ「突破口はこちらで開く!  お前達は本艦の両脇まで下がれ!」
レフィーナ「テ、テツヤ大尉!  無事だったのですか!?」
テツヤ「レフィーナ艦長、 チャージが完了するまで、 本艦の援護をお願いします!」
レフィーナ「チャージ……!?」
ショーン「あの手を使う気ですな。 艦長、こちらもオーバーブーストの 準備を」
レフィーナ「わ、わかりました!」
ショーン「Eフィールド、出力最大!  前方へ展開!」
ダイテツ「……頼むぞ、ショーン……。 ワシの艦を……」
ショーン「……!」
ダイテツ「ワシの部下達を……」
ショーン「……了解です…… ダイテツ中佐」
エキドナ「アクセル隊長、 敵は撤退するつもりのようです」
アクセル「逃がすな。 ここで終わらせるぞ」
キョウスケ「……だといいがな、 アクセル・アルマー」
アクセル「もう貸し借りはない。後は 貴様をこの世界から消し去るのみ」
キョウスケ「出来るものなら、 やってみろ……!」

〈エキドナ機のHP50%以下〉

メキボス「……意外に手間取るもんだな。 俺達も手伝うとするか」
アクセル「余計な真似をするな。 貴様らは黙って見ていろ」
メキボス「へいへい」
(アラート)
一般兵「!? リー艦長、 ハガネの艦首に高エネルギー反応が!」
リー「何だと!?」
一般兵「トロニウム・バスターキャノンの 発射準備に入っているものと 思われます!」
リー「回線をハガネにつなげ!」
(通信)
リー「テツヤ!!」
テツヤ「パーフェクトの二つ名らしくない 詰めの甘さだったな、リー……!」
リー「貴様、生きていたのか!?」
テツヤ「ああ。 確かにお前は俺より優秀だが、 実戦経験だけは俺の方が上……」
テツヤ「伊達にダイテツ艦長の下で 鍛えられちゃいない!」
リー「黙れ!  貴様ごときがこの私に勝てると思うな!  砲撃準備! 照準、ハガネ!」
テツヤ「来るか!  タカクラチーフ、エネルギー充填率は!?」
ツグミ「現在、67%です!」
テツヤ「チャージはそこまででいい!  残ったエネルギーはテスラ・ドライブと Eフィールドに回せ!」
ツグミ「はい!」
テツヤ「トリガーをこちらに!  重力ブレーキの解除は君に任せる!」
ツグミ「わ、わかりました!」
テツヤ「艦長!」
ダイテツ「うむ…… 全機を早く下がらせろ……!」
テツヤ「はっ!  全機、急いで後退せよ!!」
ブリット「キョウスケ中尉!  後退命令です!」
キョウスケ「やむを得ん……!」
アクセル「逃がしはせんぞ、 ベーオウルフ!」
(アクセルに『熱血』『気迫』、ソウルゲインがアルトアイゼンに隣接)
キョウスケ「何っ!?」
アクセル「逃がさんと言った!」
【強制戦闘】
アクセル[麒麟]vsキョウスケ[防御]
(アルトアイゼンのHP1%)
エクセレン「!!」
クスハ「キョ、キョウスケ中尉!!」
(キョウスケの反応なし)
エクセレン「キョウスケッ!!」
(キョウスケの反応なし)
ブリット「へ、返事がない!?」
エクセレン「そ、そんな……!  じょ、冗談はやめてよ……ね?」
リュウセイ「キョウスケ中尉!  返事を! 返事をしてくれっ!!」
アクセル「呼んでも無駄だ。 もう奴は動けん」
(キョウスケの反応なし)
アクセル「もらっていくぞ。 この世界で貴様を倒した証をな」
(アルトアイゼンに爆煙)
アラド「ア、アルトの腕がっ!!」
アクセル「……墓標代わりだ。 こいつもいただく」
(アルトアイゼンに爆煙)
リューネ「あ、足まで!?」
ゼンガー「キョウスケッ!!」
アクセル「……コックピットを潰す。 それで終わりだ」
エクセレン「あ、ああ……あ……!」
(精神感応)
エクセレン「!!」
エクセレン「く、来る!!」
リューネ「え!?」
(アインストアイゼンがアルトアイゼンの周りに出現)
アクセル「何っ!?」
(ソウルゲインに爆煙)
アクセル「うぐっ……!  アルト……アイゼンだと!?」
カチーナ「あ、あいつらは!?」
クスハ「ま、まさか!!」
龍虎王「……!!」
クスハ「ま、まだ来るの!?  龍虎王!?」
(アラート)
ヴィンデル「何事だ!?」
リー「ほ、本艦周辺…… いや、基地全域に転移反応が!!」
ヴィンデル「!!」
(アインストが基地の周りに出現)
アクセル「何だ、こいつらは!?」
レモン「ア、アインストシリーズ……!  どうしてここに!?」
エクセレン(キョ、キョウスケを 助けに……来た……!?)
(基地のあちこちに爆煙)
リー「ア、アインストが こちらに攻撃を!!」
ヴィンデル「ええい、迎撃だ!  迎撃せよ!!」
(シロガネに爆煙)
ヴィンデル「う、うぬっ!!  化け物共めが!!」
リー「ヴィンデル大佐!  この区域だけではありません、 周辺にも無数のアインストが!」
ヴィンデル「何だと!?」
メキボス「……やれやれ、 こんな展開は聞いてねえぜ」
ヴィガジ「ま、まずい!  これではこちらも……!!」
メキボス「落ち着け、ヴィガジ。 まだチャンスはある。宇宙で 態勢を立て直せばいいんだ」
ヴィガジ「そ、そうだな……。 だが、何と言ってウェンドロ様に 報告すべきか……」
メキボス「俺がやっといてやる。 ま、あんな連中が出てきたんじゃ しょうがねえさ」
ヴィガジ「す、すまん」
メキボス「この基地も もう役には立たん……撤退するか」
メキボス「だが、 その前に奴らの母艦の一隻や二隻、 沈めておかんと気が済まんな」
バン「……ならば、 私の艦を沈めるがいい……!」
メキボス「!?」
(バンに『ど根性』『熱血』)
メキボス「まだ生きてやがったのか!?」
(バン機が基地中央へ向けて移動)
ヴィガジ「死に損ないが!  こいつをくらえ!」
(バン機に爆煙)
バン「ぬうううっ!!  まだだ! まだ沈んではならん!!」
ユウキ「た、大佐!!」
バン「ユウキ少尉、リルカーラ少尉……!  お前達はハガネと共に行け!」
バン「行って、 インスペクターを打ち倒すのだ!!」
カーラ「!!」
リューネ「バ、バン大佐!!」
バン「リューネ嬢……息災でな」
リューネ「ま、待って!!」
バン「若者達よ、生き延びよ!  生き延びて、我らの母星を守れ!」
(バン機がガルガウに隣接)
バン「ノイエDCに…… いや、若き戦士達に!」
バン「栄光あれぇぇぇぇっ!!」
(バン機が自爆)
リューネ「バ、バン大佐ぁぁぁっ!!」
メキボス「ぐっ……!  ヴィガジ、大丈夫か?」
ヴィガジ「あ、ああ……!  野蛮人め、味な真似を……!!」
メキボス「今時流行らねえんだよな、 ああいうのは」
テツヤ「あ、あの爆発で まだ平気なのか!?」
ダイテツ「テツヤ、何をしている!  バンの死を無駄にする気か!」
テツヤ「!!」
ダイテツ「生き延びるために撃て!  バスターキャノンを!!」
ダイテツ「撃って活路を切り開けッ!!」
テツヤ「りょ、了解!!」
【強制戦闘】
ダイテツ[トロニウムバスターキャノン]vsメキボス[防御]
(メキボスがよける)
メキボス「万策尽きたな!  終わりにしてやるぜ!」
テツヤ「今だ! 重力ブレーキ解除!!」
メキボス「!?」
テツヤ「Eフィールド、展開!!」
ツグミ「は、はいっ!!」
テツヤ「全機、 本艦に続いて離脱せよ!!」
(ハガネが東端へ移動)

《ハガネ艦橋》

テツヤ「……タカクラチーフ、 本艦の現在位置は……?」
ツグミ「ラングレーの北東…… 約12000です」
テツヤ「敵の追撃は?」
ツグミ「ありません。 現在もラングレー基地周辺で アインストと戦闘中だと思われます」
テツヤ「味方機は……どうだ?」
ツグミ「回収は……完了しています」
テツヤ「……アルトアイゼンは?」
ツグミ「ゼンガー少佐が回収しました。 現在、格納庫内でキョウスケ中尉の 救出作業を行っています……」
テツヤ「そうか……。 何とか生き延びられたか……」
ツグミ「……ええ。損害は甚大ですが」
テツヤ「……艦長、 かろうじて脱出に成功しました。 以後の命令を……」
ダイテツ「……」
テツヤ「艦長……?」
ダイテツ「……」
ツグミ「ま、まさか……!!」
テツヤ「そ、そんな……!」
ダイテツ「……」
テツヤ「か、艦長……!」
ツグミ「あ、あああ……!」
テツヤ「艦長! ダイテツ艦長!!」
テツヤ「艦長ぉぉぉぉぉぉ……っ!!」

《ブリーフィングルーム》

アイビス「嘘……!  何かの間違いでしょ、ツグミ……!」
ツグミ「私だって 信じたく……なかった……」
リュウセイ「じゃ、じゃあ…… ダイテツ艦長は……!?」
ツグミ「……」
マサキ「馬鹿な……!  あ、あのおっさんが……?」
クスハ「そ、そんな……そんな……!」
レオナ「艦長は…… あの時の……シロガネの攻撃で……?」
ツグミ「ええ……」
ブリット「く、くそっ……!  リーめ……シャドウミラーめ……!!」
ツグミ「そして…… 艦長は最期まで……指示を……」
アイビス「う……ううっ……う…… ダイテツ艦長……」
マサキ「お、おっさん……あんた……」
マサキ「俺達を…… 俺達を……逃がすために……」

《ハガネ医務室》

エクセレン(……キョウスケ……)
エクセレン(キョウスケ…… ダイテツ艦長が……)
(扉が開閉する)
ラミア「エクセ姉様……」
エクセレン「ラミアちゃん……」
ラミア「キョウスケ中尉の 容態は……?」
エクセレン「今、手術中よ……。 結果は……まだ……」
ラミア「そうですか……」
エクセレン「あの人のことだから…… 大丈夫だとは思うけど……」
ラミア「しかし、 ダイテツ艦長は……」
エクセレン「戦争だもの、 わかってるわ……。 いつかはこうなるって……」
エクセレン「でもね……。 やっぱり、悲しいわよね……」
ラミア(……悲しい…… そう、この感情が……)
ラミア(シャドウミラーが 活動を続ける限り、 この感情が広がっていく……)
ラミア(それがヴィンデル様や 隊長……そして、レモン様達が 望む世界なのか……)

《ヒリュウ改艦橋》

テツヤ「……生き延びろ…… 活路を切り開け……。 それが艦長の最期の……」
レフィーナ「………」
テツヤ「くそっ……!  自分が……あの時、リーの手に 気づいていれば……!」
レフィーナ「テツヤ大尉……」
テツヤ「自分が…… 自分がふがいないせいで……!」
ショーン「……戦場では 敵の弾は平等に当たるもの…… 例え、それが艦長であっても」
テツヤ「……!」
ショーン「大尉、いつまでも 悲しんでいる場合ではありませんぞ」
ショーン「現在、 我々が置かれている状況は 非常に厳しいのです」
ショーン「ハガネは航行不能、 機動兵器の多数は大破……」
ショーン「こんな時に シャドウミラーやアインストに 襲われれば、一巻の終わりですよ」
レフィーナ「……」
テツヤ「……」
ショーン「……活路を切り開きましょう。 ダイテツ中佐の言葉通りに」
ショーン「我々が涙を拭い、 それを実践しなければ…… 全体の士気に関わります」
ショーン「我らがこの窮地を 生き延びなければ、中佐達の死が 無意味なものとなります」
レフィーナ「……わかりました、副長。 今、やるべきことをやりましょう」
テツヤ「自分は……ダイテツ艦長の 最期の命令を実行します」
テツヤ「活路を切り開きます……」
テツヤ「艦長の教え通り、 決して諦めずに……!」

《シロガネ艦橋》

メキボス「……あんた達の 受け入れ態勢は出来てる。俺達は 一足先にホワイトスターへ行くぜ」
ヴィンデル「了解した」
メキボス「くれぐれも妙な真似を するンじゃねえぞ。うちのボスは 可愛い顔して何とやら、だからな」
ヴィンデル「覚えておこう」
メキボス「じゃ、あばよ」
(通信)
レモン「……随分とノリの軽い 異星人さんねぇ。それに、向こうの ボスは女の子なのかしら?」
アクセル「さあな。外見で 中身を判断するなと言うことだろう」
レモン「……それで、 このままホワイトスターに行くの?」
ヴィンデル「ああ。 インスペクターの実状を 早い段階で掴んでおきたい」
ヴィンデル「それに、 ラングレー周辺はアインストで 埋め尽くされているからな」
アクセル「……リー、 下の様子はどうだ?」
リー「ハガネとヒリュウ改は消息不明…… アインストは今も増殖を続けている」
リー「連邦軍とノイエDC部隊は 応戦中だが、長くは保たんだろう」
アクセル「……」
レモン「アインストと接触したのは 初めてだけど、ゲシュペンストMk-IIIの 紛い物までいるなんてね」
アクセル「しかも…… 奴らはおれの邪魔をした」
レモン「狼さんを 助けに来たってことかしら……?」
アクセル「おそらくな。 報告通り、奴はアインストと 何らかの関係があるようだ」
レモン「彼らの目的は不明だけど…… もし、本格的に動き出したのなら、 ちょっと厄介ね」
ヴィンデル「うむ。制御が効かぬ戦争は ただの破壊活動でしかない」
ヴィンデル「最悪の事態に 備えるためにも、再度戦力の 立て直しが必要だ」
レモン「そのためにインスペクターを 利用するってわけね」
ヴィンデル「ああ、 システムXNを餌にしてな」
アクセル「アースクレイドルは どうするんだ?」
ヴィンデル「バンを失ったノイエDCは しばらくの間、まともに機能すまい。 クレイドルはフェフ博士達に任せる」
ヴィンデル「レモン、 W15とオビネル隊、ガーバー隊、 ノックス隊を彼らの所へ送っておけ」
ヴィンデル「それと、 量産型のWシリーズもな」
レモン「わかったわ」
ヴィンデル「リー艦長、艦を上昇させろ。 ホワイトスターへ向かうぞ」
リー「了解しました」
アクセル「……」
アクセル(……化け物に助けられて 命拾いしたな、ベーオウルフ)
アクセル(だが、お前と 決着をつけるのはこのおれだ。 こちら側でも……向こう側でもな)
レモン「……」
レモン(エクセレン…… あなたが来るのを待っているわ。 ……ホワイトスターでね)

《アースクレイドル内部》

アギラ「バンが戦死したじゃと?」
イーグレット「ああ、 オペレーション・プランタジネットでな」
アギラ「フェフェフェ、 ヴィンデル・マウザーめ…… ついに牙を剥きおったか」
イーグレット「以後、 アースクレイドルの指揮は俺が執る」
アギラ「ほう……ソフィア・ネートを 起こすつもりはないと言うことかえ?」
イーグレット「……」
アギラ「冗談じゃ。 ワシはワシの研究が続けられれば、 それでよい」
アギラ「お前が これから何をしようと構わんわ」
イーグレット「……シャドウミラーの 別働隊とアーチボルド隊が 帰還するまで現状維持だ」
イーグレット「その間、チルドレンと ベルゲルミルの量産を行い……」
イーグレット「マシンセルの完成を急ぐ」
アギラ「そうかえ。 では、ワシも一仕事させてもらおうか」
イーグレット「何だ?」
アギラ「ハガネとヒリュウ改が だいぶ痛めつけられた上、 行方不明になったと聞いておる」
アギラ「この機会に、 サンプルを入手しておきたいんじゃ。 無論、手勢はこちらで用意する」
イーグレット「よかろう。 俺としても今後のためにあの連中を 叩いておきたいのでな……」
イーグレット「スリサズとアンザスも 同行させよう」
アギラ「フン、 随分と気前のいいことじゃのう」
イーグレット「……」
イーグレット(これで…… 俺の計画を第二段階へ進められるな)


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