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紅の幻想 ~ 第27話 ~

《ハガネ艦橋》

エイタ「哨戒中の友軍艦から連絡あり。 ポイントS3448で、シロガネらしき 艦影をキャッチしたとのことです」
ダイテツ「方向は南南西…… 本艦の位置からも割と近いな」
エイタ「はい。その先には 我が軍の中継基地があります」
ダイテツ(シロガネがそこを目指している 可能性もあるか……)
ダイテツ「本艦は これよりポイントS3448へ向かう。 その旨をヒリュウにも伝達しろ」
エイタ「はっ」
ダイテツ「テツヤ、偵察隊を先行させろ」
テツヤ「……了解です」
テツヤ(リー……お前は……)
テツヤ(お前はそれほどまでに 連邦軍が……そして、俺達が 信用できないというのか……)

《ハガネ艦内》

ライ「俺達に話とは何だ? クスハ少尉」
クスハ「あの子の…… マイちゃんのことなんですが……」
リュウセイ「……!」
クスハ「もしかして、あの子は……」
ライ「……悪いが、 俺達も彼女についての詳細は 聞かされていない」
クスハ「え……?」
リュウセイ「すまねえ、クスハ。 今はまだ答えられねえんだ」
クスハ「リュウセイ君……」
リュウセイ「頼む…… もう少し時間をくれ」
クスハ「う、うん……」
(扉が開閉する・クスハが立ち去る)
ライ「リュウセイ……」
リュウセイ「もうこれ以上は無理だぜ。 お前だって、そう思ってんだろ?」
ライ「……」
リュウセイ「クスハだって気づいてる…… 誤魔化し切れるもんじゃねえ」
ライ「……どうするつもりだ?」
リュウセイ「今から 隊長とアヤに話をつけてくる」
ライ「話?」
リュウセイ「ああ。 中途半端なままじゃ、いずれは……」
ライ「そうだな」
リュウセイ「それに、マイは 俺達と違って自分の意思で戦ってんのか どうかわからねえ……」
リュウセイ「もしかしたら、 ゼオラやオウカみてえに あいつも……」
ライ「わかった。俺も行こう」
リュウセイ「ライ……」
ライ「隊長に 確認したいことがあるのでな」

《???》

レビ「……目を覚ませ、マイ……。 マイ・コバヤシ……」
マイ「うう……う……」
レビ「お前も見たはずだ…… あの女を……」
マイ「!?」
レビ「お前が置かれている状況は あのラミアという女と同じ……」
マイ「ど、どういうことだ……?」
レビ「……お前の周りの者は 全て『敵』……」
レビ「我らを打ち倒した 憎むべき『敵』……」
マイ「て、『敵』……!?」
レビ「そうだ……アヤ・コバヤシ…… リュウセイ・ダテ…… ハガネとヒリュウの者達は……」
レビ「全て我らの『敵』だ」
マイ「そ、そんな……嘘だ……!」
レビ「嘘ではない……。 あの者達は我らを……ジュデッカを 打ち倒した……」
マイ「う、うう……う……!」
レビ「私と一つになるのだ、 マイ・コバヤシ……」
レビ「我らの『敵』を倒すために…… 再びジュデッカを甦らせるために……」
マイ「わ、私は…… 『敵』になりたくない……!  アヤ達の『敵』には……!」
レビ「『敵』だ……!  あの者達は我らの『敵』……!」
(精神感応)
マイ「ううっ! あああっ!!」
レビ「『敵』を倒せ……!  我らの『敵』を……!」
レビ「アヤ・コバヤシ達を倒せ……!」

《ハガネ艦内》

マイ「嫌だ! 私は……!!」
シャイン「マイ、しっかりなさいませ!」
マイ「!!」
ラトゥーニ「マイ……」
マイ「ど、どうして……お前達が……?」
ラトゥーニ「あなたが うなされているのが聞こえたから……」
マイ「……」
シャイン「大丈夫でございますか……?」
マイ「……」
マイ(ラトゥーニや…… シャイン王女が私の『敵』……?)
マイ(アヤ達が……私の……)
ラトゥーニ「マイ……?」
マイ「ち、違う……!」
ラトゥーニ「!?」
マイ「違う! そんなことはない!  そんなことは!!」
(扉が開閉する・マイが立ち去る)
シャイン「ど、どこへ行かれますの!?」
ラトゥーニ「マイ……!」

《ハガネ艦内》

ラーダ「アヤ…… みんながあの子とレビの関係に 気づくのは、もう時間の問題よ」
アヤ「……」
ヴィレッタ「……」
ラーダ「何よりも本人が 事実を知らないのなら尚更…… 隠し通すことは出来ないわ」
アヤ「……」
ヴィレッタ「そうだな……。 マイも私達も……事実を 受け入れなければならない」
アヤ「隊長……」
ヴィレッタ「私達から話すしかない。 今、マイが抱えている問題も 含めて……」
ラーダ「問題……?」
アヤ「ええ……。 それが……マイにまだ事実を 教えられない理由……」
アヤ「あの子には…… レビの記憶が残っているんです」
ラーダ「え……!?」
アヤ「マイの中には レビ・トーラーの残留思念が……」
(扉が開閉する)
リュウセイ「な、何だって……!?」
アヤ「!」
ライ「その話は本当なのですか?」
アヤ「リュ、リュウ……ライ……!」
リュウセイ「あいつにレビの記憶が…… 俺達の敵だった頃の記憶が 残ってるなんて!」
(扉が開閉する)
マイ「……そんな……」
リュウセイ「!!」
アヤ「マ、マイ!」
マイ「わ、私が……レビ……!?」
アヤ「あ……!」
マイ「私は『敵』……!  お前達の……『敵』……!」
マイ「う、うあああっ!!」
(速い足音・マイが走り去る)
リュウセイ「マイ!!」
アヤ「ま、待って! どこへ行くの!?」

《???》

レビ「……ようやく 真実に気づいたか……」
マイ「や、やめろ……!」
レビ「恐れることはない…… 全てを……私を受け入れろ……」
マイ「わ、私は……お前じゃない……!」
レビ「お前はこの私…… ジュデッカの巫女、レビ・トーラー……」
(精神感応)
マイ「くっ! ああっ!!」
レビ「さあ……我に身を委ねよ……」
(精神感応)
マイ「あ……ああ……!」
レビ「我と共に『敵』を倒すのだ……」
マイ「『敵』を……倒す……」
レビ「そうだ…… 我らの『敵』を打ち倒せ……。 そのための力を手に入れろ……」
マイ「ち……か……ら……」
レビ「そして…… 我が玉座に戻るのだ……」

《ハガネ艦内》

シャイン「マイがいなくなった……!?」
リュウセイ「あ、ああ。 あいつを見かけてねえか?」
シャイン「い、いえ……私達も あの子の様子がおかしかったので、 捜していたのですが……」
アラド「マイに何かあったんスか!?」
リュウセイ「俺のせいだ……!  俺が余計なことを言っちまったせいで、 あいつは……!」
ラトゥーニ「も、もしかして…… 自分のことを……?」
リュウセイ「! お、お前……」
ラトゥーニ「うん…… 何となく気づいてた……」
ラトゥーニ「それに…… あの子は昔の私達と同じような 感じだったから……」
リュウセイ「ラトゥーニ……」
ラトゥーニ「でも、今は違う…… 違うと思うの……」
リュウセイ「……」
ラトゥーニ「マイを 守ってあげなきゃ……私達で……」
ラトゥーニ「あの子は 私達の仲間だもの……」
リュウセイ「……!」
ラトゥーニ「そうでしょ? リュウセイ……。 例えどんな過去があっても、 今のあの子は……」
リュウセイ「ああ……!」
シャイン「とにかく、 皆で手分けしてマイを捜しましょう!」
アラド「わ、わかりました!」

《ハガネ艦橋》

(アラート)
ダイテツ「何事だ!?」
エイタ「20番ハンガーの機体が起動!  発進シーケンスに入っています!」
テツヤ「20番!?  偵察任務の機体じゃないぞ!」
ダイテツ「搭乗者を確認せよ!」
エイタ「は、はい!」
(通信)
エイタ「パーソナルデータ識別…… マイ・コバヤシです!」
ダイテツ「!」
テツヤ「すぐに発進を止めさせろ!」
エイタ「向こうでALCを切っています!  間に合いません!」
(発進音)
エイタ「は、発進しました!」
ダイテツ「ヴィレッタ大尉に連絡!  SRXチームに後を追わせろ!」
テツヤ「了解!」

《ハガネ格納庫》

アヤ「マ、マイが外へ!?」
ヴィレッタ「ああ…… しかも、ALCを切った状態で」
リュウセイ「何!?  そ、それじゃ、行き先が……!」
ヴィレッタ「私達に追跡命令が出た。 手分けしてマイを追うわよ」
リュウセイ「りょ、了解!」
シャイン「私も行きますわ!」
ラトゥーニ「私も……!  あの子を放っておけない……!」
アラド「おれも出るッスよ!」
ヴィレッタ「わかった…… 艦長には私から言っておく。 すぐに発進を!」
アラド「は、はい!」
(速い足音・アラド達が走り去る)
ライ「……」
ヴィレッタ「ライ、どうした?」
ライ「出る前に 確認しておきたいことがあります」
ヴィレッタ「確認?」
ライ「ええ……あなたの真意について」
ヴィレッタ「……」
ライ「何故、俺達にマイの記憶の件を 教えなかったのです?」
ヴィレッタ「……SRX計画と マイ自身のためよ」
ライ「そうやって、 俺達を偽り続けるつもりですか?」
ヴィレッタ「……」
ライ「自分は…… いや、リュウセイもあなたの素性に 薄々感づいています」
ライ「しかし、 俺達はあの時のあなたの言葉を信じ、 今まで従ってきた」
ライ「素性についても、あなた自身の 口から語られるまではと……」
ヴィレッタ「……」
ライ「だが……今回の件には 疑問が残ります。何故、あのような 中途半端な措置を?」
ヴィレッタ「それは……コバヤシ博士が マイの記憶を人為的に操作することを よしとしていないからよ」
ライ「……」
ヴィレッタ「博士は マイが自力でレビの残留思念を 振り払うことに賭けている……」
ヴィレッタ「彼女の自然な力の解放を 待っているのよ」
ライ「……」
ヴィレッタ「しかし、アヤとマイが ツインコンタクトを行わなければ、 今のSRXは安定しない……」
ヴィレッタ「動き出したシャドウミラーや インスペクター、そしてアインストに 対抗するには……」
ライ「今というタイミングで マイをSRXチームに加え、 荒療治するしかないと?」
ヴィレッタ「ああ。 だから、あの子を私達で守って いかなければならない……」
ヴィレッタ「これから私達が 生き残るために、SRXの下に 集わねばならないのよ」
ライ「……」
ライ「……わかりました」
ヴィレッタ「もう一つ……あなたに 言わなければならないことがある」
ライ「……!」
ヴィレッタ「私は……」
ヴィレッタ「私は イングラムのクローン……」
ヴィレッタ「彼の代行者として 創られた存在……」
ライ「……」
ヴィレッタ「そして…… 私の役目はあなた達と共にSRXで 来るべき脅威を振り払うこと」
ヴィレッタ「あなたには信じて もらえないかも知れないけど…… それが私の真意よ」
ライ「……」
ライ「……行きましょう、隊長。 俺達の仲間を助けるために」
ヴィレッタ「ライ……」
ライ「例えどのような過去を持って いようとも……俺達はSRXの下に 集ったチームなのでしょう?」
ヴィレッタ「……ええ」
ライ「それで充分です、隊長。 マイの後を追いましょう」
ヴィレッタ「わかったわ……ライ。 ……ありがとう」

《ノイエDC戦艦艦橋》

NDC艦長「セトメ博士、本艦は まもなく日本海域に入ります」
アギラ(……日本か。 特脳研時代以来じゃのう)
アギラ「艦長、ハガネは間違いなく こちらへ向かっておるのかえ?」
NDC艦長「はっ。 シロガネを追撃するため、伊豆から 出撃したという報告が入っています」
アギラ「シロガネの正確な位置は 判明したのか?」
NDC艦長「いえ……。 現在、あの艦とは音信不通です」
アギラ(フェフェフェ…… ヴィンデルめ、本性を現しおったか?)
アギラ(もっとも、奴の目的が 何であれ、ワシはワシの研究が 続けられれば良いのじゃが)
(通信)
一般兵「飛行物体の反応あり。 数は1、距離は5000です」
NDC艦長「識別は?」
一般兵「現在確認中ですが、 連邦軍だと思われます」
NDC艦長「ふむ……獲物が向こうから 飛び込んできたか?」
アギラ「……アウルム1、ブロンゾ27、 お前達の出番じゃ」
オウカ「わかりました、母様」
アギラ「任務はわかっておるな?」
ゼオラ「はい……!  ハガネにいるアラド・バランガを 倒し、ラトを取り戻します」


第27話
紅の幻想

〔戦域:孤島〕

(海の中にキラーホエールがいる)
一般兵「接近中の飛行物体、 識別終了! 連邦軍です!」
NDC艦長「メインタンク、ブロー。 アップトリム15。浮上開始!」
(アラート)
一般兵「敵機が 戦闘エリア内へ侵入します!」
(ビルトビルガー・Lが出現)
ゼオラ「あ、あれは ビルトビルガー……!」
アギラ「ほう……ならば、ブロンゾ28が 乗っておるのかえ?」
ゼオラ「いえ…… おそらくそうではないと思います。 機体の色が違いますから」
オウカ「いずれにせよ、 ハガネから出撃した機体に 違いはなさそうですね」
アギラ「うむ。奴を落とせば、 ハガネを誘き寄せられる。さすれば、 ラトゥーニ11も出てくるはずじゃ」
アギラ「艦長、頼むぞ」
NDC艦長「はっ。 AM部隊を出撃させろ!」
一般兵「了解!」
マイ「! こ、ここは……!  私はいったい……!?」
ゼオラ「あの機体、 何をしているの?」
マイ(そうか…… 私はレビの意識に操られて……)
マイ「……」
マイ(私はもう……アヤ達の所には いられない……)
マイ(レビが言った通り、かつての私が 『敵』であったならば……)
マイ(これから……アヤ達の『敵』に なってしまうのだとしたら……)
マイ(せめて今の『敵』と戦って…… アヤ達のために……)
(精神感応)
マイ「さあ、出てこい!  そこにいるのはわかっている!」
(敵機増援が出現)
NDC艦長「各機へ!  あの機体を撃墜し、ここへ ハガネを誘き出せ!」
ノイエDC兵「了解!」

〈敵機5機撃墜〉

NDC艦長「ええい、 たかが1機に何を手間取っている!  早く落とせ!」
アギラ「……フェフェフェ、 何者か知らんが、優れた素質を 持っておるようじゃな」
アギラ「クレイドルに連れ帰って 研究のサンプルにするか。 ……アウルム1、任せるぞ」
オウカ「わかりました、母様」
(ラピエサージュが出現、通信)
マイ「!」
オウカ「そこの者…… 命が惜しければ、抵抗を止めなさい。 そして、私と共に来るのです」
マイ「命など、惜しくはない……!  私はアヤ達のために……!」
アギラ(! あやつは……!?)
マイ「……」
アギラ(何と……!  生きておったのか、 あの被験体が……!)
オウカ「そうですか。ならば……」
(ラピエサージュがマイ機に接近し攻撃、マイ機に爆煙)
マイ「ああうっ!!」
オウカ「これが最後の警告です。 抵抗をお止めなさい」
マイ「嫌だ……!  私は『敵』になりたくない……!」
オウカ「敵……!?」
マイ「アヤ達の 『敵』になるくらいなら…… ここで戦って死んだ方がマシだ!」
オウカ「強情な子ですね。 では、これならどうです?」
(オウカに『てかげん』)
【強制戦闘】
オウカ[O.O.ランチャー]vsマイ[防御]
オウカ「ふふ、 もう動けないでしょう?」
マイ「あ……う、ううっ……!」
オウカ「さあ、行きましょう」
マイ「い、嫌……!  『敵』には……なりたく……!」
オウカ「……母様。あの機体を破壊し、 パイロットのみを回収しても よろしいですか?」
アギラ「ふむ…… 新型機じゃが、やむを得まい」
アギラ「あの被験体にはここで 恐怖心を植え付けておいた方が 良さそうじゃからの」
ゼオラ(え……!? 母様は あのパイロットを知っているの?)
オウカ「わかりました、母様」
マイ「う、ううっ……!」
オウカ「さあ、覚悟なさい!」
(オウカに『必中』)
マイ「……!!」
(精神感応)
マイ「え!?」
(R-ウィングが出現)
マイ「あ、あれは!?」
(R-ウィングがマイ機に隣接)
【強制戦闘】
オウカ[U.U.N]vsマイ[防御](援護防御(リュウセイ))
(R-ウィングがR-1に変形)
オウカ「くっ、よくも邪魔を!」
マイ「リュ、リュウセイ……!」
リュウセイ「……」
マイ「ど、どうして私を?  私はお前達の『敵』だったのに……」
リュウセイ「今はそうじゃねえだろ」
マイ「!」
リュウセイ「今は……そうじゃねえ。 俺達の仲間だ」
マイ「で、でも、私は…… もうみんなと一緒にいられない……。 お前やアヤとも……」
マイ「私は存在してはいけない人間…… 死んで当然の…」
(R-3パワードが出現)
アヤ「馬鹿なことを言わないで!」
マイ「!」
アヤ「お父様や私達は、 あなたを死なせるつもりで 目覚めさせたんじゃない……!」
マイ「だけど、私は……!」
アヤ「……あなたに真実を 教えなかったことは謝るわ……」
アヤ「そして、 あなたをパーソナルトルーパーに 乗せたことも……」
マイ「……」
アヤ「でも、 私達にはあなたの力が必要なの」
アヤ「多くの人達を守るために…… 私達がこれから生きていくために」
マイ「……!」
(ビルトビルガー、フェアリオン・Sが出現)
ラトゥーニ「リュウセイ、マイは……!?」
リュウセイ「ああ、無事だ。 ギリギリ間に合ったぜ」
アラド「そうッスか、良かった……!」
ゼオラ「青いビルガー…… アラド・バランガね!」
オウカ「……ラト、 ちょうどいい所に来たわね」
ラトゥーニ「オウカ姉様……!」
オウカ「今日こそあなたを母様の所へ 連れ戻してあげる」
(通信)
アギラ「待つんじゃ、アウルム1」
オウカ「!?」
ラトゥーニ「セ、セトメ博士……!」
アラド「アギラ……! あのばあさんも ここへ来てやがったのか!?」
アギラ「フェフェフェ…… 久しぶりじゃのう、ラトゥーニ11」
ラトゥーニ「……!」
リュウセイ「ラトゥーニ…… イレブン……!?」
アギラ「それが奴の本当の名じゃ。 ラトゥーニクラスの11号…… すなわち、ラトゥーニ11」
リュウセイ「な……に!?」
ラトゥーニ「……」
リュウセイ「どういうことだ!?  何で番号なんかを!?」
アギラ「サンプルに名前などいらぬ。 クエルボ・セロやケンゾウ・コバヤシが 与えたような名はな」
リュウセイ「!!  ケンゾウ・コバヤシだと!?」
アヤ「お、お父様が!?」
アギラ「……名など与えるから、 下らぬ情が移り、研究に支障が 出ることになる……」
アギラ「じゃから、サンプルに 名前など要らぬ。番号で充分じゃ」
アヤ「……!」
リュウセイ「まさか、 アヤもスクールの……!?」
アギラ「それは違う。 その女はワシが特脳研におった頃の 被験体じゃ」
アヤ「特脳研……!  じゃあ、あなたは!?」
アギラ「フェフェフェ、 ワシのことを忘れて……」
アギラ「いや、 記憶をいじられておるようじゃの、 被験体……ナンバー7」
アヤ「!!」
アギラ「そして、ナンバー5」
マイ「ナンバー……5!?  わ、私のことか!?」
アギラ「そうじゃ。まさか、 特脳研の爆発事故を引き起こした お前が生きておったとはのう」
マイ「え……!?」
アヤ「そ、それは!!」
アギラ「ほう?  その記憶は残されておったか、 ナンバー7」
アギラ「フェフェフェ、ケンゾウは ワシがプログラムしたトラウマを 消しておらんかったようじゃの」
アヤ「プ、プログラム……!?  トラウマ!?」
アギラ「そうじゃ。 お前とナンバー5の記憶は ワシとケンゾウが与えたもの……」
アギラ「お前達が心から ワシらへ従うようにするために…… T-LINKシステムの研究のために……」
アギラ「トラウマを原動力として、 より強い念動力を発揮させるために こしらえたものなのじゃ」
アヤ「!!」
マイ「!!」
リュウセイ「な、何だとっ!?」
アギラ「フェフェフェ…… よいか、ナンバー5、ナンバー7。 お前達は本当の姉妹ではない」
アギラ「それどころか、 ケンゾウの娘ですらないのじゃ」
アヤ「そ、そんな……!  じゃあ、私の記憶は……!?  お母様やマイとの記憶は……!?」
アヤ「私の子供の頃の記憶は!?」
アギラ「全て作り物……偽物じゃ」
アヤ「う、嘘よ……そんな……!!」
アラド「……」
ラトゥーニ「……」
アヤ「嘘! 嘘よ!!」
アギラ「フェフェフェ、 いい表情じゃのう、ナンバー7」
アギラ「どうじゃ、ワシが作った記憶は?  よく出来ておったじゃろう?」
アギラ「何せお前が十数年の間、 本物だと思っておったぐらい じゃからのう」
アヤ「やめて! やめてぇっ!!」
アギラ「……ついでじゃ、 もう一つ教えてやろう」
アギラ「ナンバー7、お前は定期的に その機体のT-LINKシステムと 接続せねばならなかったはず……」
アギラ「それが何故だがわかるか?」
アヤ「う、うううっ……!」
アギラ「お前のT-LINKシステムは ワシとケンゾウが作った枷……」
アギラ「お前に刷り込まれた 偽造記憶のバックアップデータが そこに入っておる」
アギラ「そして、定期的にシステムと リンクし……記憶の補完や修正を しなければ、お前の人格は崩壊する」
アギラ「そう、今のようにのう!  フェハハハハハ!」
アヤ「ううっ! ああああっ!!」
リュウセイ「ア、アヤッ!!」
マイ「……わ、私が失った記憶…… それさえも……作り物……!?」
マイ「私は……レビでもなければ…… マイでもない……!?」
マイ「い、いったい……私は…… 何なの……!?」
マイ「私は……私は!!」
リュウセイ「マイッ!!」
アギラ「フェハハハハ!  どうじゃ、真実を知った気分は!?」
アギラ「ケンゾウめ、被験体に情が移って 秘密にしておったのじゃろうが、 無駄なことじゃ! フェハハハ!!」
リュウセイ「まさか、てめえ…… 俺のおふくろも……!?」
アギラ「ほう、お前の母親は特脳研に おったのかえ? そうか、それで その機体に乗っておるわけか」
アギラ「ならば、ナンバー2…… いや、ナンバー3がお前の母親じゃな」
リュウセイ「……!」
アギラ「図星か。 しかし、惜しかったのう……」
アギラ「ナンバー3は、ワシが特脳研へ 入る前に登録を抹消されておった」
アギラ「残っておれば、 ナンバー5や7同様、ワシが記憶を 作ってやったのにのう」
リュウセイ「て、てめえ……!  アヤやマイを……ラトゥーニを…… アラドを……!」
リュウセイ「人間を 何だと思ってやがるんだっ!?」
アギラ「……決まっておる。 ただのサンプルじゃ」
アギラ「そして、記憶やトラウマ、 精神の操作は、サンプル達に力を 発揮させるための手段に過ぎん」
リュウセイ「ゆ、許せねえ……!  てめえみたいな人間は……!」
リュウセイ「人の記憶や感情を弄ぶ てめえみたいな奴だけは!!」
アギラ「フン、尻の青い若造が…… 聞いた風な台詞を吐くでないわ」
アギラ「何なら、 母親の代わりにお前の脳ミソを いじってやろうか? ん?」
リュウセイ「ふざけんな! 誰が!!」
アギラ「まあよいわ。 ……ラトゥーニ11と共にナンバー5と ナンバー7もここで回収しておくか」
アギラ「ケンゾウが 中途半端に調整したとは言え、 今まで生き残っておるのなら……」
アギラ「今後の研究に 少しは役立つかも知れんからの。 ……アウルム1、任せるぞ」
オウカ「はい、母様。アラド・バランガと R-1のパイロットを始末し…… ラトと二人のサンプルを確保します」
リュウセイ「来るか!?  アヤ、マイ! お前達は離脱しろ!」
アヤ「う、うう……!」
マイ「……」
リュウセイ「おい、しっかりしろ!!」
(アヤとマイから反応がない)
リュウセイ「くっ……!  無理もねえか、あんな話を 聞かされた後じゃ……!」
リュウセイ「だが、 あの二人をやらせはしねえ!  必ず守ってみせる!!」
アラド「リュウセイ少尉、 おれも手伝います!」
ラトゥーニ「私も……!」
リュウセイ「お、お前ら……!」
ラトゥーニ「アヤ大尉を 見捨てるわけにはいかない……!」
ラトゥーニ「それに……あの子は…… マイは昔の私達と同じだもの」
リュウセイ「……!」
ラトゥーニ「だから……」
リュウセイ「わかった!  行くぜ、二人共!!」

〈2 NEXT PP〉

アギラ「……ラトゥーニ11が 現れた以上、ハガネをここへ 誘き寄せる必要はないのう」
アギラ「艦長、 さっさとサンプルを回収し、 ここから後退するのじゃ」
NDC艦長「はっ」
(敵ガーリオンが出現)
アラド「くそっ!  アヤ大尉とマイを捕まえる気か!?」
リュウセイ「やらせるかっ!!」
オウカ「邪魔はさせません!」
(ラピエサージュ、機械音、R-1に爆煙)
リュウセイ「うああっ!!」
(ラピエサージュ、機械音、ビルトビルガーに爆煙)
アラド「ぐあっ!!」
ラトゥーニ「リュウセイ! アラド!」
オウカ「……ラト、あなたも観念なさい。 そして、私と共に母様の所へ」
ラトゥーニ「嫌……!」
オウカ「強情な子ね。でも、そこが あなたの可愛い所でもあるわ……」
ラトゥーニ「!?」
オウカ「だから、 私はあなたを必ず取り戻す!  その機体を破壊してでも!」
(ラピエサージュに爆煙)
オウカ「!?」
(R-GUNパワードが出現)
オウカ「くっ、何者です!?」
ヴィレッタ「……私の部下を…… いえ、仲間達をやらせはしない」
マイ「……!!」
リュウセイ「た、隊長!!」
ヴィレッタ「……何とか 間に合ったようだな」
アギラ「ええい、邪魔をしおって!  艦長、あの2機を回収せい!」
NDC艦長「はっ!」
ヴィレッタ「遅い!」
(銃声、マイ機の傍のガーリオンを撃墜)
NDC艦長「え、ええい!  こうなれば、R-3だけでも!」
(R-2パワードが出現)
ライ「ターゲット、オールロック!  ハイゾルランチャー、発射!」
(R-3パワードの傍のガーリオンを撃墜)
アギラ「な、何と!?」
アヤ「ラ、ライ……!」
ライ「ご無事ですか、大尉。 それに……マイ」
マイ「ライ……ディース…… 私を……?」
ライ「……俺達はチームだ。 例え、それぞれがどんな過去を 持っていようとも……」
ライ「今はSRXの下に集まった…… 一つのチームだ」
マイ「……」
ライ「だから……俺はここへ来た。 お前達を助けるために」
アギラ「フェハハハハ!  笑わせおる、笑わせおるわ!」
ライ「!」
アギラ「どんな過去でもだと?  チームだと? フェハハハハ!」
アギラ「お前達の絆には…… ナンバー5と7には、ワシが作り上げた 記憶や過去が組み込まれておる!」
アギラ「お前達は、ワシらの操り人形と 共に今まで戦っておったのじゃ!  所詮、仕組まれた絆なのじゃ!」
アギラ「紛い物の絆にすぎんのじゃ!  フェハハハハ!!」
マイ「う……あ……!」
アラド「あ、あのクソババア!!」
アヤ「……それがどうしたのよ……!」
アギラ「ハハハ……ハ!?」
アヤ「それが どうしたって言うのよッ!!」
アギラ「!!」
アヤ「私の昔の記憶があなたに作られ、 与えられた偽物だとしても…… 今の私には関係がない!」
アヤ「少なくとも、リュウやライ、 隊長……みんなと出会ってからの 記憶は私自身のもの!」
アヤ「偽物なんかじゃない、本物なのよ!  あなたなんかに作られた 記憶じゃないわ!!」
アギラ「う、うぬ……!」
リュウセイ「ア、アヤ……!」
アヤ「リュウ…… あの時、イングラム少佐は 私にこう言ってくれたわ」
アヤ「過去に囚われるな、 新しい道を進めと……」
リュウセイ「あ、ああ……」
アヤ「だから、私は過去を乗り越える。 それがどのようなものであっても」
アヤ「そして、 あなた達と同じ道を歩み、 一緒に戦うわ。このR-3で……」
ライ「大尉……!」
アヤ「刷り込まれたからじゃない…… 命令だからじゃない。これは私自身の 意思……私が決めたこと」
マイ「……」
アヤ「マイ、今の私達に必要なものは 過去じゃなく、未来よ……」
アヤ「だから、 あなたも自分の意思で決めなさい。 これからどうするかを」
マイ「わ、私は……」
マイ「私は……アヤやリュウセイ達と 一緒に行く……!」
マイ「かつての私が 犯した罪を償うために……」
マイ「私を必要としてくれるお前達と 一緒に……自分の意思で戦う!」
リュウセイ「マイ……!!」
アギラ「操り人形風情が何をぬかすか!  お前達の記憶の大部分が紛い物で あることに違いはないわ!」
アヤ「そんな言葉には もう惑わされない! 私の妹を、 マイを返してもらうわよ!」
アギラ「ほざきおったな!  ならば、お前はここで殺してやる!  アウルム1!」
オウカ「はい、母様!」
ヴィレッタ「先程も言った…… 私の仲間をやらせはしないと!」
(R-GUNパワードがラピエサージュに隣接)
オウカ「!!」
ヴィレッタ「リュウセイ、ライ、アヤ!  お前達はマイを助けなさい!」
アヤ「はいっ!  二人共、加速して合体するわよ!」
リュウセイ「おう!」
ライ「了解!」
(マイの近くにRシリーズが集まる)
リュウセイ「行くぞ、ライ、アヤ!  ヴァリアブル・フォーメーション!!」
アヤ「念動フィールド、ON!」
ライ「トロニウム・エンジン、 フルドライブ!」
アヤ「プラスパーツ、パージ!  ライ、両腕を飛ばしてマイの機体を 確保するわ!」
アヤ「パーツ変形と同時に コントロールをこちらへ!」
ライ「了解! ユーハブ!」
アヤ「アイハブ! 行くわよ!」
(SRX合体、マイ機を引き寄せた)
アヤ「確保完了! リュウ、後退して!」
リュウセイ「おっしゃ!  アラド、ラトゥーニ、ついてこい!  フォーメーションを組み直すぞ!」
アラド「は、はい!」
ラトゥーニ「うん!」
(東側の小島に集結)
ヴィレッタ「上手くいったようね」
アラド「よし、後は!」
ラトゥーニ「何とかして姉様を……!」
アギラ「お、おのれ、小癪な真似を!  艦長、残りの機体を出撃させい!」
NDC艦長「はっ!」
(敵機増援が出現)
アラド「ビルトファルケン……!  ゼオラか!!」
ゼオラ「アラド・バランガ……!  オウカ姉様の邪魔はさせない!」
アラド「ゼオラ、 お前もさっきのアギラの言葉を 聞いただろう!?」
アラド「お前はあのババアに 記憶を操作されてんだよ!!」
ゼオラ「あれはスクールの話じゃない!  私達のことじゃないわ!」
アギラ「……そうじゃ、ブロンゾ27。 お前はワシの可愛い娘じゃ」
アギラ「だから、アウルム1と共に ワシのために戦っておくれ」
ゼオラ「はい、母様!」
アラド「くそっ……!  アギラ、てめえぇぇっ!!」
アギラ「フェフェフェ、お前などが ワシの娘に勝てはせんわ!」
アギラ「それに出来損ないの被験体など もう要らん! 艦長、ラトゥーニ11 以外の者を皆殺しにせい!!」
NDC艦長「はっ!」
リュウセイ「アラド、ラトゥーニ、 他の連中の相手は俺達がする!  今度はお前達があの二人を!」
ラトゥーニ「うん!」
アラド「ラト、ファルケンと ラピエサージュの動きを止めるぞ!」
ラトゥーニ「わかったわ!」
NDC艦長「全機、攻撃を開始せよ!」
アヤ「リュウ、敵が来るわ!  敵機の捕捉と行動予測は 私に任せて!」
リュウセイ「おう!  ライ、エンジンの出力は!?」
ライ「心配はいらん。 制限時間いっぱいまで存分にやれ」
リュウセイ「隊長、R-GUNは!?」
ヴィレッタ「いつでもコネクト可能…… タイミングはお前に任せる」
リュウセイ「了解!  マイ、お前はSRXの後ろに下がれ!  援護を頼むぞ!」
マイ「わかった……!」
アギラ「フエハハハ!  本気で笑わせおる、笑わせおるわ!」
アギラ「出来損ないの者達が、 出来損ないの兵器に乗って、 紛い物の絆で結ばれておる!」
アギラ「滑稽じゃ!  これ以上に滑稽なことがあるか!  フェハハハハ!!」
リュウセイ「うるせえぇぇっ!!」
アギラ「!?」
リュウセイ「出来そこないかどうか、 紛い物かどうか! てめえの目で 確かめてみやがれ!!」
リュウセイ「俺達SRXチームの力と!  絆をなぁっ!!」
(作戦目的変更、熟練度獲得条件変更)

〈敵機9機撃墜〉

(アラート)
アギラ「何じゃ!?」
NDC艦長「戦闘空域にハガネと ヒリュウ改が突入してきます!」
(ハガネとヒリュウ改が出現)
ダイテツ「各機、出撃せよ!」
(出撃準備)
シャイン「ラトゥーニ!  マイは……マイは無事ですの!?」
ラトゥーニ「うん……!」
カチーナ「あのガキ、 勝手な真似しやがって!」
マイ「……!」
カチーナ「やっぱり、あいつは……!」
ライ「SRXチームのメンバーです、 カチーナ中尉」
カチーナ「何ィ?」
リュウセイ「マイは アヤや俺達と一緒に戦うと言ったんだ。 ……俺はそれを信じる」
カチーナ「そんなんで 納得しろってのかよ!?」
アヤ「説明は後で私がするわ!  とにかく、今は目の前の敵を!」
カチーナ「チッ……しょうがねえ!」
アギラ「……これでは、 こちらの方が不利じゃの。 艦長、艦を潜行させよ」
NDC艦長「よ、よろしいのですか?」
アギラ「少数ならともかく、あの数では 命あっての物種と言う奴じゃ」
アギラ「アウルム1、ブロンゾ27…… 後詰を任せる。頃合を見計らって 後退せい」
ゼオラ「母様、ラトは……!?」
アギラ「また機会を改める。よいな?」
オウカ「わかりました、母様」
(キラーホエールが撤退)
アラド「くそっ! 待ちやがれ!!」
ゼオラ「母様が逃げる時間は 私達が稼ぐ!」
(作戦目的変更)

〈ビルトファルケン撃墜〉

ゼオラ「くっ、ダメージを!?」
オウカ「ゼオラ、 後は私に任せて後退しなさい」
ゼオラ「わ……わかりました、姉様」
(ビルトファルケンが撤退)
アラド「ゼ、ゼオラ!!」

〈ラピエサージュ50%以下〉

オウカ「……頃合ですね。 ラト、また会いましょう……」
(ラピエサージュが撤退)
ラトゥーニ「姉様……!」
アラド「オウカ姉さん……!」
エイタ「敵機の反応、消えました!」
ダイテツ「各機を回収。 本艦とヒリュウ改はシロガネの 追撃任務を続行する」
ダイテツ「それから、 ブリーフィングルームに 主要メンバーを集合させろ」
エイタ「了解です」

《ブリーフィングルーム》

ダイテツ「……以上が、 マイ・コバヤシに関する これまでの経緯だ」
カチーナ「……」
リオ「……」
マイ「……」
クスハ(マイちゃん……)
ブリット「彼女も…… エアロゲイターの犠牲者だったのか」
リュウセイ「……ああ」
エクセレン「でも……アヤ大尉、 今はあなたの妹さんなんでしょ?」
アヤ「ええ…… 例え、血がつながっていなくても」
エクセレン「なら、それでいいじゃない。 過去は過去、今は今よ」
マイ「……」
アラド「おれだって…… ここへ来る前はノイエDCにいたんだ。 でも、今は……」
リョウト「そう…… 僕も今はみんなと一緒に戦っている。 自分の意思で」
マイ「……」
レオナ「マイ、 あなたはそれを証明したわ。 だから……」
エクセレン「そ。私達の仲間よん。 あらためてこれからもよろしくね、 マイちゃん」
マイ「……」
アヤ「エクセレン……」
エクセレン「ウチの部隊じゃ、 良くあることでしょ?  ね、カチーナ中尉?」
カチーナ「しかし、あいつは エアロゲイターの大将の……」
リューネ「それを言うなら、 あたしはどうなるの? あたしだって、 敵の大将の娘なんだよ」
カチーナ「……」
クスハ「カチーナ中尉……」
リューネ「中尉はあたしのことを 今も敵だと思ってる?」
カチーナ「……ヘッ、 二度あることは三度ある、か。 ま、しょうがねえ」
カチーナ「エアロゲイターの正体は あたしも知ってるし……」
カチーナ「これからは心機一転…… アヤの力になってやれよ、マイ」
マイ「うん……」
エクセレン「アヤ大尉、 マイちゃんを大事にしてあげてね」
アヤ「ええ…… ありがとう、エクセレン」
エクセレン「どう致しましまして。 ……って、これじゃラミアちゃんねぇ」
ブリット(……そうだ……。 ラミアさんだって、きっと……)
ダイテツ「……他に異論のある者は?」
キョウスケ「……」
カイ「……」
イルム「……」
マサキ「……ねえみたいだぜ」
ヴィレッタ「……」
ダイテツ「ヴィレッタ大尉、 ワシが言った通りだったろう?」
ヴィレッタ「……はい」
ダイテツ「では、以上だ。 本艦はシロガネ追撃任務を続行する。 各員は持ち場へ戻れ」

《ハガネ艦内》

シャイン「……良かったですわね、マイ」
マイ「うん……ありがとう」
アラド「色々あるのはおれ達も同じさ。 これから頑張っていこうぜ」
マイ「でも、お前は……」
アラド「……ゼオラと オウカ姉さんのことか?」
マイ「……」
アラド「確かにショックだったけど…… おれ、必ずアギラからあの二人を 取り戻してみせる」
アラド「そう決めたんだ。 な、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「うん……私、諦めない……」
リュウセイ「ラトゥーニ……お前……」
ラトゥーニ「大丈夫、昔のことは……。 それに……今の名前、好きだもの」
リュウセイ「名前……?」
ラトゥーニ「そう……ジャーダと ガーネットが付けてくれた名前……」
ラトゥーニ「ジャーダ・ベネルディの ベネルディは金曜日……ガーネット・ サンデイのサンデイは日曜日……」
ラトゥーニ「だから、あの二人が…… お前はその間のスゥボータ…… 土曜日だって」
ラトゥーニ「ラトゥーニ・スゥボータ…… 好きなの、この名前が……」
リュウセイ「……そうか」
シャイン「私も…… いい名前だと思いますわ、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「ありがとう……シャイン王女」
アヤ「……強いのね、ラトゥーニ。 私も見習わなきゃ」
ライ「大尉……」
アヤ「大丈夫よ、ライ。今までの わだかまりが一気に解けて…… かえってスッキリしちゃったわ」
アヤ「それに……お父様が 今の私とマイをどう思っているか…… それもわかったし」
ライ「……」
アヤ「自分でも不思議なんだけど、 もう昔のことはいいの……本当に」
ヴィレッタ「……」
アヤ「それに、今の私は マイや隊長、あなたやリュウ…… そして、みんながいるから……」
ライ「ええ……」
アヤ「さ、 私達も持ち場へ戻らなきゃね」
ライ「了解です」
アヤ「マイ、行きましょう」
マイ「あ、待って……。 リュウセイに……」
リュウセイ「何だ?」
マイ「あの時…… 私をかばってくれて……ありがとう」
リュウセイ「なに、いいってことよ」
マイ「でも……本当にありがとう」
リュウセイ「何だよ、他人行儀だな。 これからは同じチームなんだから、 気ィ遣わなくていいぜ」
リュウセイ「それに、姉貴と同じで 俺のことはリュウでいいからさ」
マイ「うん……。 わかった……リュウ」
アヤ「じゃ、行きましょう……マイ」
シャイン「私達もご一緒しますわ」
ヴィレッタ「……リュウセイ、 お前に話がある。ここに残りなさい」
リュウセイ「? 了解」
ライ(ヴィレッタ隊長……)
アヤ(もしかして……)
リュウセイ「じゃ、みんな。 先に行っててくれよ」
ライ「……ああ」
アラド「わかったッス」
(扉が開閉する・リュウセイ、ヴィレッタ以外が立ち去る)
リュウセイ「で、隊長。 俺に話って?」
ヴィレッタ「……」
ヴィレッタ「……私についてのことだ」
リュウセイ「……それならいいんだ」
ヴィレッタ「……!」
リュウセイ「隊長は……隊長だろ。 それで充分だよ」
ヴィレッタ「リュウセイ……」
リュウセイ「アヤやマイも過去を 乗り越えて先に進もうってんだ…… 大事なのはこれから先なんだろ?」
ヴィレッタ「……そうだ」
リュウセイ「だから、俺はSRXで戦うぜ。 隊長達と一緒にな」
ヴィレッタ「すまない、リュウセイ……」
リュウセイ「水くせえこと言うなって。 さあ、行こうぜ、ヴィレッタ隊長。 アヤ達が待ってる」
ヴィレッタ「……ああ」

『ビルトビルガー・L』を入手した

『リペアキット』を入手した
『スーパーリペアキット』を入手した
『SPドリンク』を入手した


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