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ブーステッド・チルドレン ~ 第4話 ~

《ハワイ海域》

DC艦長「アーチボルド少佐、 本艦は間もなくハワイ諸島海域に 進入します」
アーチボルド「よろしい。 深度200で停艦させて下さい」
DC艦長「了解です」
アーチボルド「ユウキ君、 ASRSの搭載作業の方は?」
ユウキ「すでに完了しています」
アーチボルド「結構」
(扉が開閉する)
クエルボ「アーチボルド少佐、 補充パイロットを連れてきました」
アーチボルド「ああ、例の……」
クエルボ「二人とも、 自己紹介をするんだ」
ゼオラ「初めまして。 自分はゼオラ・シュバイツァー 曹長であります」
ゼオラ「以後、 よろしくお願い致します」
アラド「自分は アラド・バランガ…… 以下同文であります」
ユウキ(彼らが補充兵だと?  まだ子供じゃないか)
ゼオラ「ちょっと、アラド!  何よ、その言い方! それに 敬礼を忘れてるわよ、敬礼を!」
アラド「ったく、うるせえなあ」
ゼオラ「何ですって!?」
アラド「わかった、わかった。 ちゃんとやりゃあいいんだろ?」
アラド「あんまりカリカリしていると、 頭の血管切れるぜ、ゼオラ」
ゼオラ「もうとっくの昔に 切れてるわよっ!」
クエルボ「お、おい、お前達…… いい加減にしないか。少佐の前だぞ」
ゼオラ「いえ、この子はビシッと 言っておかないとダメなんです」
ゼオラ「いい、アラド?  その一言多い性格、直しなさい」
アラド「持って生まれたモンだから しょうがねえだろ。お前だって、 すぐに怒る性格直んないし」
ゼオラ「もう! いいから、さっさと 自己紹介をやり直しなさいっ!」
アラド「それじゃ……」
アラド「アーチボルド・グリムズ少佐!  自分はアラド・バランガ曹長!  以下同文でありますっ!」
ゼオラ「あ、あなたねえ……」
ユウキ(何なんだ、彼らは……)
アーチボルド「セロ博士…… 僕はミドル・スクールの教師に なった覚えはないんですがね」
クエルボ「も、申し訳ありません」
アーチボルド「やれやれ、 期待のルーキーが子供だとはね」
ゼオラ「お言葉ですが、少佐。 自分とアラド曹長は『スクール』の 出身であります」
ユウキ(スクール?  確か、連邦軍のPTパイロット 特殊養成機関だったな)
ゼオラ「実戦経験こそ まだありませんが、訓練は 充分に受けております」
アーチボルド「……セロ博士、これは 厄介払いと考えていいのですか?」
クエルボ「い、いえ、そんなことは」
アーチボルド「ま、新人とは言え、 人手が増えるのは助かりますが……」
アーチボルド「僕達の ターゲットの中にはあのハガネも いますから、大変ですよ?」
ゼオラ「望む所です。この手で DC総帥ビアン・ゾルダーク博士の 仇が討ちたいと思っています」
アラド(チェッ、また始まったぜ)
アーチボルド「結構。 では、ユウキ君……次の作戦には 彼らも連れていって下さい」
アーチボルド「実戦での性能を 試すためにもね」
ユウキ「了解」
アラド(性能だって?  おれたちゃ、マシンじゃねえ)
ユウキ(どうやら、 貧乏クジを引かされたらしいな)
ユウキ「では行くぞ、二人共」
ゼオラ「はい」
(扉が開閉する・ユウキ、ゼオラ、アラドが立ち去る)
アーチボルド「……それにしても、 スクール生き残りがいたとは 驚きですね」
クエルボ「……」
アーチボルド「確か、あそこにいた 子供達は過酷な実験や訓練のせいで そのほとんどが死亡……」
アーチボルド「それが問題視され、 スクールは解散。コッホ博士も残った 子供を見捨てたと聞いていましたが」
クエルボ「……その後、 アギラ・セトメ博士や私達で 子供達を引き取り……」
クエルボ「DCで 訓練と調整を続けていたのです」
アーチボルド「で、DC戦争後に アースクレイドルへ行ったと?」
クエルボ「はい」
アーチボルド「なるほど。 それで、あの二人は本当に 使い物になるんですか?」
クエルボ「ブロンゾ27……ゼオラは 問題ないと思われますが……」
クエルボ「ブロンゾ28、 アラドには能力面や思想面で 不安要素が残っています」
アーチボルド「それじゃ、 調整不良の欠陥品じゃないですか。 何故、一緒に連れて来たのです?」
クエルボ「ブロンゾクラスの ブーステッド・チルドレンは……」
クエルボ「コンビネーション戦闘用と して調整されていまして…… 二人一組が基本なのです」
アーチボルド「ま、いいでしょう。 せいぜい期待させてもらいますよ」

《連邦軍ヒッカム基地》

ラトゥーニ「失礼します。少佐、 試作機の重力下調整が終わりました」
カイ「うむ。 わざわざすまんな、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「いえ」
カイ「ああ、そうだ。 お前、海には行ったのか?」
ラトゥーニ「え……?」
カイ「せっかくハワイにいるんだから、 泳いでおかんともったいないぞ」
カイ「ガーネットからも 水着が送られてきたんだろう?」
ラトゥーニ「でも、 デザインとサイズが……」
カイ「サイズ?」
ラトゥーニ「はい……。 私、そんなに育ってません……」
カイ「なに、心配はいらん。ウチの娘も そうだった。その内、ガーネットが 送ってきた水着が似合うようになる」
ラトゥーニ(私が、 ガーネットみたいに……?)
ラトゥーニ(あり得ない)
カイ「よし……早速、 試作機のテストを行う。 準備を頼むぞ、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「はい」

《連邦軍ヒッカム基地》

イルム「そうか、量産型の ヒュッケバインMk-IIがな……」
ライ「報告によれば、DC残党によって 4機が強奪されたそうです」
イルム「配備された途端にそれか。 どうもやり方が露骨だね」
ライ「それだけDC残党が 量産型のMk-IIに注目していると いうことでしょうか?」
イルム「さてな。 しかし、連中の動きが ここまで活発化しているとなると……」
ライ「ええ、 DC残党が一つの組織として まとまりつつあるのかも知れません」
イルム「それも東京宣言の影響か」
イルム「異星人の存在が公認と なっちまった以上、連中が躍起になる 気持ちはわからんでもないが」
ライ「とにかく、マオ社の方でも 充分に気をつけて下さい」
イルム「そうだな……連中が ビルガーやブレード、Mk-IIIを 狙ってくる可能性もあるか」
イルム「やれやれ、 SRX計画とATX計画の凍結処分が 解除されたってのに難儀な話だ」
ライ「だからこそかも知れません。 それに、軍の反対派が急に大人しく なった点にも疑問が残ります」
イルム「ああ、 そりゃ政府の人間が軍に計画再開を 働きかけたからさ」
ライ「政府の人間……?」
イルム「ああ。 名前はニブハル・ムブハル…… ミッドクリッド大統領の特別補佐官だ」
ライ「……」
イルム「ところで、 新しい特殊戦技教導隊の 居心地はどうだ?」
ライ「メンバーは私とカイ少佐、 ラトゥーニ少尉の3名ですし……」
ライ「任務は主力機用の モーション・データ作成ですから、 今のところは平和なものです」
イルム「そうか。 俺は今度、ブレードの試作機と 一緒に地球へ降りることになった」
イルム「行き先は伊豆だ」
ライ「ということは…… あの機体は我々でなく、 リュウセイ達の所へ?」
イルム「ああ、基が基だからな。 じゃあ、ファルケンは任せるぞ」
ライ「了解です」
(通信切れる)
ラトゥーニ「ライディース少尉、 試作機のテストの準備が整いました」
ライ「わかった。すぐに行く」


第4話
ブーステッド・チルドレン

〔戦域:海辺〕

(ガーリオンなどが沈んでる)
カーラ「ねえ、ユウ。 ホントにこの場所でいいの?  ここ、演習場とかじゃないよ?」
ユウキ「偵察隊から、 例の試作機がこちらへ向かったという 報告を受けた」
ユウキ「カルチェラタン1より全機へ。 ASRSを作動させ、待機しろ」
ゼオラ「了解。 ……アラド、勝手に動いちゃ駄目よ」
アラド「いちいちうるせえな。 待機だろ? わかってるって」
ゼオラ(もう。どうしてこう 反抗的なのかしら。オウカ姉さんの 言うことは素直に聞くくせに)
カーラ「ね、ね、あんた達…… もしかして付き合ってんの?」
ゼオラ「え!?  な、な、何でそんなことを!?」
カーラ「ほら、仲が良さそうだし」
アラド「あの……リルカーラ少尉。 自分達はそんな関係じゃありません」
カーラ「あ、そうなんだ」
アラド「ついでに言うなら、 自分はおしとやかなタイプが 好みなんです」
ゼオラ「!  がさつで悪かったわねっ!」
アラド「んなこと一言も 言ってねえっての!」
カーラ「やっぱり仲いいじゃん。 ケンカするほど、って奴だね」
アラド「そういう少尉は どうなんスか? もしかして、 隊長と……」
カーラ「う~ん…… どっちかって言うと、年下の男の子が 好みかな」
ゼオラ「えっ!?」
カーラ「あはは、冗談だよ、冗談」
ゼオラ「そ、そうですか……」
アラド「さっきの、 お前が驚くトコじゃねえだろ?」
ゼオラ「う、うるさいわねっ!!」
カーラ(はは~ん、なるほどね)
ゼオラ「それより、上官に ああいうこと聞いちゃ失礼でしょ!」
アラド「へいへい」
ユウキ「無駄話はそこまでだ。 ……現れたぞ」
(ビルトファルケン(ラトゥーニ)、ゲシュペンストMk-II・M(カイ)、ヒュッケバインMk-II・M(ライ)、リオンF×4が出現)
カイ「どうだ、ラトゥーニ?  ビルトファルケンは」
ラトゥーニ「機動性や射撃性能が高く、 単独でも有効な運用が可能だと 思います」
カイ「ふむ。ファルケンは ヴァイスリッターのコンセプトを 受け継いだ試作機だからな」
カイ「もっとも、相方のビルガーの方は 前例のこともある。杭打ち器の次には 何が付くかわからんぞ」
ライ「フッ……そうですね」
カイ「では、それより模擬戦を始める。 二人共、マガジンの確認を忘れるな」
ライ「了解」
カイ「データ収集、開始。 リオン隊は周辺を警戒しろ」
ライ「ラトゥーニ、遠慮は不要だぞ」
ラトゥーニ「はい」
ユウキ「……間違いない、 あれがビルトファルケンだ。 すぐに仕掛けるぞ」
カーラ「わかったよ。 アラド、ゼオラ、準備はいい?」
アラド「はい!」
ゼオラ(いよいよ実戦…… 今までの訓練の成果を 見せる時が来たわ)
ゼオラ(DC再興のためにも…… 私達の仲間を捜し出すためにも、 頑張って結果を出さなきゃ)
ゼオラ「……アラド、 しっかり私についてきなさいよ?」
アラド「そんなカッコわりぃ 真似が出来るか。フォワードは おれがやるぜ」
ゼオラ「何言ってんの!  あなた、ただでさえもスクールじゃ 一番成績が悪かったんだから……」
ゼオラ「前に出たら死んじゃうわよ!」
アラド「ホントにうるせえ奴だな。 なるようになるって」
ゼオラ「あ、あなたねえ!」
ユウキ「……お前達、 戦場で集中力を欠くと死ぬぞ」
ゼオラ「す、すみません……」
ユウキ「ファルケン以外の相手は 俺達がする。お前達は奪取任務に 専念しろ。いいな?」
ゼオラ「はい!」
ユウキ「カルチェラタン1より 各機へ! ASRS解除!  仕掛けろ!」
(敵機が浮上)
連邦兵「カ、カイ少佐!  て、敵機の反応がっ!」
カイ「何!?」
ライ「チッ、やはり!」
カイ「あんな近くに!?  何故気づかなかったんだ!?」
ユウキ「カーラ、敵のリオンを!」
カーラ「任せて!  もうロック済みだよ!」
(ゲシュペンストMk-IIは左によけるがリオン隊は全滅)
カイ「うぬっ! あの距離から!?」
カーラ「緑だけかわした!?」
ユウキ「今は構うな!  ヒュッケバインを抑えろ!」
(アラド機の側のリオンFがライ機を取り囲む)
カイ「ライディース!」
ライ「くっ、あのスピードは……!?」
ラトゥーニ「リオンの ものじゃない……!」
ゼオラ「今よ!  遅れないで、アラド!」
アラド「あ、あら!?  ブースト・ドライブのスイッチって、 どれだったっけ!?」
(ゼオラ機がビルトファルケンへ隣接)
ラトゥーニ「!」
カイ「やはり、ファルケンが狙いか!  ラトゥーニ!!」
ゼオラ「つかまえたわよ!」
ラトゥーニ「やらせない……!」
【強制戦闘】
ゼオラ[レールガン]vsラトゥーニ[回避]
(当たらないが、ビルトファルケンが北へ少し移動)
ゼオラ「この距離でかわした!?」
ラトゥーニ「!」
ゼオラ「それに、 さっきのパターンは!?」
ラトゥーニ「もしかして……!」
ゼオラ「ラ、ラト……なの……?」
ラトゥーニ「ゼオラ……!?」
ゼオラ「い、いえ、そんなことは あり得ないわ。きっと、あの子の データが流用されてて……!」
ゼオラ「そうよ、ラトが こんな所にいるわけないもの!  だって、あの子は……!」
ラトゥーニ「ゼオラ…… 生きて……いた……?」
ゼオラ「何かの間違いよ、何かの……」
アラド「どうした、ゼオラ!?」
ゼオラ「な、何でもないわ!  それより、どうして私に ついてこないのよ!?」
アラド「そ、それが…… ブースト・ドライブのかけ方が わかんなくってさ」
ゼオラ「もう!  ビルトファルケンは私に任せて!  援護を頼むわよ!」
ラトゥーニ「……本当に…… ゼオラなの……?」
カイ「どうした、ラトゥーニ!  動きが鈍いぞ!」
ラトゥーニ「……」
カイ「チッ!  ライディース、あの子を頼む!  俺もすぐに行く!」
ライ「了解!」
ライ(とは言うものの、四方の敵機を 突破しなければ……!)

〈1EP〉

カーラ「あのヒュッケバイン、 4機に囲まれてるのに!」
ユウキ「かなりの腕前の奴らしいな」
カーラ「でも、ファルケンは 何か調子が悪いみたいだよ?  いけるんじゃない?」
ユウキ「ああ。 カルチェラタン7、ファルケンを 奪取しろ」
ゼオラ「了解!」

〈vs ゼオラ〉

[カイ]

ゼオラ「!? 邪魔しないで!」
カイ「ビルトファルケンに 手出しはさんせぞ!」

〈vs カーラ〉

[カイ]

カーラ「悪いけど、 ビルトファルケンはゲットしたよ!」
カイ「こいつら……どこから ファルケンの情報を手に入れた?」
(戦闘後、ゼオラ機がビルトファルケンに隣接、爆煙)
ゼオラ「コックピットハッチを 壊させてもらうわよ!」
カイ「ラトゥーニ! 動け!!」
(ビルトファルケンに爆煙)
ゼオラ「さあ、命が惜しければ 機体を放棄しなさい!」
ラトゥーニ「!!」
ゼオラ「ラト!?」
ラトゥーニ「ゼオラ……!」
ゼオラ「ど、どうして!?」
ラトゥーニ「ゼオラ…… 生きて……いた……!」
ゼオラ「ラ、ラトこそ……!  何でパーソナルトルーパーに!?  あなたはもう……!」
ラトゥーニ「ゼオラ…… どうしてDC残党に……?」
ゼオラ「どうしてって、 それが私達の任務だもの!  あなたこそ何でなの!?」
ゼオラ「何で そんな機体に乗っているの!?」
ラトゥーニ「わ、私は……!」
ゼオラ「無理矢理なのね!?  昔みたいに無理矢理乗せられて!」
ラトゥーニ「ち、違う……!」
アラド(ゼオラの奴、 何を手間取ってんだ!?)
(銃を構える音)
ゼオラ「降りなさい、ラト!  あなたはもうそんなことを しなくていいのよ!」
ラトゥーニ「!」
ゼオラ「この機体から降りなさい!  でないと、撃つわよ!」
ラトゥーニ「撃つ……!?  私を……!?」
ゼオラ「何度も言わせないで!  それが私達の任務なのよ!」
ラトゥーニ「どうして……!?  私達はスクールの……」
(銃声)
ラトゥーニ「あうっ……!!」
ライ「!? ラトゥーニ!」
カイ「機体から落ちた!?」
(ゼオラがビルトファルケンに乗り移った)
ゼオラ「ユウキ少尉!  ビルトファルケンの奪取に 成功しました!」
ユウキ「よくやった、曹長。 後は俺達に任せて、この空域から 直ちに離脱しろ」
ゼオラ「了解!」
(ビルトファルケンとゼオラ機が撤退)
アラド(やるな、ゼオラ。 おれも負けちゃいられねえ……!)
カイ「うぬっ! ファルケンが!!」
ライ「追尾は……不可能か。 機体性能がアダになったな……!」
カイ「ライ、ラトゥーニは!?」
ライ「無事です。 機体が地面に横たわっていたのが 幸いしたようです」
カイ「そ、そうか……」
カイ(何があった、 ラトゥーニ……!?)
ユウキ「よし、残っている機体が 敵の足を止めるぞ!」
カーラ「オッケー!」
カイ「む!? この反応は!」
(シロガネが出現)
ライ「シロガネ……!」
リー「各機、出撃!  DC残党を掃討せよ!」
(出撃準備)
キョウスケ「カイ少佐、ライ少尉、 大丈夫か?」
ライ「キョウスケ中尉……!」
ライ「む? あの機体は……」
カイ「特機か?  見慣れん機体だな」
ラミア(ゲシュペンストMk-II……。 やはり、こちらでも?)
ライ(どこかの試作機なのか?)
エクセレン「ハ~イ、色男さん!  お久しぶり!」
ライ「悪いが、 再会を喜んでいる暇はない。 先程、試作機が敵に奪取された」
ブリット「ほ、本当ですか!?」
ライ「……ああ」
エクセレン「じゃあ、 ラトゥーニちゃんがいないのは もしかして……?」
カイ「いや、あの子は無事だ。 それより、援護を頼む!」
キョウスケ「了解……!」

〈vs カーラ〉

[エクセレン]

エクセレン「あらん、あなた達も ワイウキバケーション?」
カーラ「ワ、ワイウキ!?  ワイキキの間違いじゃないの!?」
エクセレン「でも、 泥棒ってのは感心しないわね。 お仕置きを受けてもらいましょ!」

[ブリット]

カーラ「今頃ノコノコ現れたって、 もう遅いよ!」
ブリット「なら、お前達から 試作機の行き先を聞き出すまでだ!」

[ライ]

カーラ「やっぱ、こいつ…… ただ者じゃないって!」
ライ「……色々とやってくれたな。 無事に済むと思うなよ」

[HP70%以下]

カーラ「あ、あれ!?  テスラ・ドライブがやられちゃった!」
カーラ「ごめん、ユウ!  先に引きあげるよ!」
(カーラ機が撤退)

〈vs アラド〉

[エクセレン]

アラド「ええい、こうなったら なるようになれ、だ!!」
エクセレン「あらあら、ボク…… もしかして、初めて?」

[ブリット]

アラド「アルトにヴァイス、 試作型のヒュッケバインMk-II……!」
アラド「もしかして、 あんた達ってあのATXチーム!?」
ブリット「だったら、どうする!?」
アラド(こ、これは ちょっとヤバいかも……!)

[ライ]

ライ「まだ新米兵のようだな」
アラド「や、やられてたまるかよ!」

[カイ]

アラド「き、来たっ!」
カイ「何だ、あの動きは!?  素人か!?」

[撃墜]

アラド「ち、ちきしょう!  やっぱ駄目か! 脱出する!」

〈vs ユウキ〉

[キョウスケ]

キョウスケ「……また貴様か」
ユウキ「縁があるようだな、 お前達とは」

ブリット「こいつ、性懲りもなく!」
ユウキ「それはこちらの台詞だ。 お前に付き合うだけ 時間の無駄だからな」
ブリット「何だと!?」
ユウキ「言っておくぞ…… お前の主義主張を聞く気はない」
ユウキ「そして、 戦場では綺麗事など通用せん」
ブリット「知った風なことを 言うな!」

[ラミア]

ユウキ「この違和感…… 何だ、こいつは?」
ラミア(こちらの動きは 気づいているはず……)
ラミア(やはり、待つしかないか)

[ライ]

ライ「答えろ。 何故、ここでファルケンのテストが 行われることを知っていた?」
ユウキ「……守り通せる秘密など、 そうそうないということだ」
ライ「何……!?」

[カイ]

カイ「どうやら、 ただのDC残党ではないようだな?」
ユウキ「そちらもな。 その実力……教導隊のメンバーと見た」

[HP70%以下]

ユウキ「すでに作戦目的は達成した。 後退する!」

《シロガネ艦橋》

リー「教導隊も地に落ちたものだな、 カイ・キタムラ少佐」
カイ「申し訳ありません」
リー「テストパイロットは いったい何をやっていたのだ?  易々と試作機を奪われるとは……」
リー「よもや、DC残党と 内通していたわけではあるまいな?」
ラトゥーニ「……」
ブリット「艦長、 身内を疑われるんですか?」
リー「身内? 違うな。貴様らは駒だ。 私の指示通りに動く駒だ」
ブリット「!」
ラミア(その通りだな)
エクセレン「でも、 そういうこと口に出しちゃう?」
リー「貴様もな、エクセレン少尉」
エクセレン「どういたまして。 って、これじゃ、ラミアちゃんねえ」
ラミア(引き合いに出される方は たまったものではない)
ブリット「艦長、 ラトゥーニはDC戦争やL5戦役を 共に戦い抜いてきた仲間です」
ブリット「彼女が 敵と内通しているなどということは あり得ません」
ラミア「……」
リー「それはどうかな。 私は前例を知っているぞ」
リー「そう…… イングラム・プリスケンという 前例をな」
ブリット「!」
リー「奴のおかげで敵に情報がもれ、 連邦軍がどれだけの被害を受けたか 忘れたわけではあるまい?」
ブリット「う……」
リー「確か、ラトゥーニ少尉は……」
リー「DC副総帥のアードラー・ コッホが責任者を務めていた スクールの出身者だったな?」
リー「ならば、DC残党と 何らかの接点があると考えられる」
ラトゥーニ「……」
ブリット「そんな!  彼女がスクールにいたのは、 随分前の話なんですよ!?」
リー「貴様の意見など聞いていない。 黙っていろ」
ブリット「……!」
カイ「リー中佐、全ての責任は隊長の 自分にあります。今回の件に関しては いかなる処分をも受ける所存です」
ラトゥーニ(カイ少佐……)
リー「当たり前だ。覚悟しておけ」

《シロガネ格納庫》

ブリット「いくら何でも あんな言い方はありませんよ!」
カイ「気持ちはありがたいがな、 ブリット。軍隊では経歴よりも 階級が物を言う」
カイ「それに 新型機を敵に奪われたのは事実だ。 何を言われても反論できん」
ラトゥーニ「少佐……」
カイ「傷は大丈夫か、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「は……はい。 かすっただけです。でも……」
カイ「……今回の責任をお前一人に 押し付けるつもりはない」
カイ「ただし、 気持ちの整理がつき次第、 俺に説明しろ。いいな?」
ラトゥーニ「はい……」
ラミア(甘いな。 すぐに原因を追求するべきだ。 でなければ、また同じ失敗をする)
エクセレン「あらん、鬼教官さんも 柔らかくなったことで」
カイ「前の大戦の時に ただ上から抑えつけるやり方だけでは いかんとわかったんでな」
エクセレン「へ~え、誰が そんなことを教えたのかしらん?」
カイ「お前達だ、お前達」
エクセレン「あらま」
ライ「何にせよ、リー中佐の言葉通り、 内通者がいるという可能性は 否めませんね」
カイ「ああ。何故、DC残党が ファルケンの搬入日と場所を知って いたか……そこが疑問だ」
キョウスケ「それは、量産型の ヒュッケバインMk-II強奪事件に ついても同じことが言えます」
カイ「うむ。 情報の内容が内容だけに、内通者は 上の方にいるのかも知れんな」
キョウスケ「そうですね」
ラミア「……」
ラミア「ところで、エクセ姉様。 奪われたビルトファルケンは、 どのような機体なのでございます?」
エクセレン「ん~、ヴァイスちゃんの 腹違いの妹ってとこかしらん」
ラミア「腹違い? 妹?」
エクセレン「そそ。お互いの身の上を 知らずに出会った姉妹は、偶然にも 同じ男を好きになっちゃったの」
ラミア「?」
エクセレン「姉と違い、貧しい生活を 送ってきた妹は、こう思ったの。 『私、お姉様には負けたくない』」
エクセレン「そして、 姉妹の間でゆらぐ愛のライブラ。 次回をお楽しみに~」
エクセレン「……ってな感じ?」
ラミア(さっぱりわからん)
ライ「……ビルトファルケンは ヴァイスのコンセプトを受け継いだ 砲撃戦用の機体だ」
ライ「だが、ビルガーとは設計者が違い、 機体フレームもゲシュペンスト系の GIIフレームではなく……」
ライ「ヒュッケバイン系の Hフレームを使用している。だから、 腹違いの姉妹という表現になる」
エクセレン「あらん、色男さん。 相変わらずの解説役、ありがと」
ライ「……誰が解説役だ」
エクセレン「ところで、相方の ビルトビちゃんの方はどうなの?」
ライ「ビルトビルガー、だ。 色々と問題があって、 まだロールアウトしていない」
エクセレン「ふ~ん。 どお、キョウスケ? 気になる?」
キョウスケ「ああ、 ATX計画の最新型……アルトと 同じコンセプトの機体だからな」
キョウスケ「一筋縄ではいかん機体に 仕上がることは間違いない」
エクセレン「そうねえ。何てったって、 あのラドム博士の作品だもんね」
ラミア(ビルトビルガー…… 聞いたことのない機体だな)
カイ「ところで、彼女は?」
キョウスケ「イスルギ重工から来た、 テスト・パイロット、 ラミア・ラヴレスです」
キョウスケ「今は 自分の隊で面倒を見ています」
ラミア「よろしくお願い致しますです」
カイ「ああ。俺は特殊戦技教導隊隊長、 カイ・キタムラ少佐だ」
エクセレン(あらら、少佐ってば ラミアちゃんの喋り方は スルーなの?)
ラミア(教導隊……カイ・キタムラ。 データとは違うな)
カイ「この子は部下の ラトゥーニ・スゥボータ少尉だ」
ラトゥーニ「よろしくお願いします」
カイ「そして、こちらが……」
ライ「ライディース・F・ ブランシュタイン少尉だ。 よろしく頼む」
ラミア(ブランシュタイン…… あの悲劇の家系、か)
ラミア(だが、ヒュッケバインの 系列機が量産されているなら、 この男もいて当然だな)
ライ(この女……何だ?)

《ハワイ海域》

アーチボルド「ご苦労様でした、 ユウキ君。ビルトファルケンは 確かに受け取りましたよ」
アーチボルド「ところで、 お茶などいかがです?」
ユウキ「遠慮しておきます」
アーチボルド「そうですか。 いれ立てなんですけどねぇ」
ユウキ(ティーバッグで入れた 紅茶など、邪道だ)
アーチボルド「それで、 例の二人はどうでした?」
ユウキ「ゼオラ曹長は問題ないと 思います。しかし……」
アーチボルド「なるほど。 ま、セロ博士から彼は欠陥品だと 聞いてますからね」
ユウキ(欠陥品……? アラドが?)
アーチボルド「それで、 次の作戦なのですが……」
アーチボルド「バン総帥の部隊を 無事アースクレイドルへ たどり着かせるために……」
アーチボルド「引き続き僕達で 敵の追撃隊を引きつけます」
ユウキ「了解です」
アーチボルド「行き先は…… そうですね、極東あたりが いいでしょう」
ユウキ「極東?」
アーチボルド「ええ。あそこは 先祖代々何かと縁のある所でしてね」
アーチボルド「是非、 行って確かめたいことがあるのです。 今後のためにも……個人的にもね」
ユウキ(先祖代々?  個人的にだと? いったい、極東に 何があると言うのだ……?)

《DC戦艦格納庫》

ゼオラ「あなた、わかってるの!?  あんなことじゃ、命がいくつあっても 足りないわよ!」
アラド「だから、 さっきからあやまってるじゃねえか」
ゼオラ「あやまって 済む問題じゃないわ!」
ゼオラ「あんなザマじゃ…… あなたの腕じゃ、これから先、 生き残れやしないわよ!」
アラド「そ、そこまで 言わなくてもさあ……」
ゼオラ「あなた、 あの時の約束を忘れたの!?」
アラド「必ず生き残って、 スクールの仲間達を捜す、だろ?  ちゃんと覚えてるよ」
ゼオラ「だったら!」
アラド「心配はいらねえよ、ゼオラ。 そう簡単に死ぬ気はねえ」
アラド「それにさ、おれ…… あの約束以外に守らなきゃ ならないものもあるしな」
ゼオラ「何カッコつけてんのよ!」
アラド「へ?」
ゼオラ「落ちこぼれのあなたが 自分の命と私との約束以外に 何を守るっていうの!?」
アラド「いや、あのさ。 そんな言い方ねえだろ?」
ゼオラ「じゃあ、守るものって何よ!?  言ってみなさいよっ!」
アラド「いいよ、いいよ。そういうの、 口に出すモンじゃねえし」
ゼオラ「お願いだから…… お願いだからちゃんとやってよね」
ゼオラ「せっかく ラトを見つけたって言うのに……」
アラド「!  お前、今何て言った!?」
ゼオラ「だから、ラトが……」
アラド「いたのか、あいつが!?  もしかして、ビルトファルケンに!?」
ゼオラ「え、ええ……」
アラド「だったら、 何でその時に教えなかったんだ!?」
ゼオラ「ファ、ファルケンを 持って帰るのに夢中で……」
ゼオラ(でも……私、忘れてた。 さっきまで……ラトのことを……。 どうして……?)
アラド「そ、それで、ラトは!?」
ゼオラ「あの子…… 無理矢理パーソナルトルーパーに 乗せられてるみたいだった……」
ゼオラ「だから、私…… あの子を機体から降ろそうとして 銃を向けたの……」
アラド「何だって!?」
ゼオラ「そう、私はあの子に…… 銃を……撃った……!」
ゼオラ(……わ、私…… 何であんなことを……?)
アラド「ゼオラ?」
ゼオラ(せっかく見つけたラトに あんなことをするなんて……。 そんなつもりなんて……)
アラド「どうした、ゼオラ?  顔が真っ青だぞ?」
ゼオラ「な、何でもない!  何でもないわよ!」
(速い足音・ゼオラが走り去る)
アラド「ゼオラ……」
アラド(お前…… オウカ姉さんと同じぐらいあいつを 可愛がっていたじゃねえか……)
アラド(なのに……何でだ?)

『F32Vシュヴェールト改』を入手した

『修理装置』を入手した
『補給装置』を入手した


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