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混迷への出撃 アーク

〈宇宙〉

マーグ(味方)「……う……ここは……?」
ロゼ「お目覚めですか、マーグ隊長。私 は副官として配属されさた、ロゼです」
マーグ「ロゼ? 隊長? ……どうしたんだ!?  何も思いだせない!」
ロゼ「隊長はすべての過去を 消し去ったのです」
マーグ「なぜ?」
ロゼ「未来に生きるために」
マーグ「未来に?」
ロゼ「任務をご説明します。こちらへ」

マーグ「……これは?」
ロゼ「地球の軍勢です。いくつかの 勢力にわかれておりますが
 我が銀河帝国軍の 先遣部隊は勢力の区別なく
 これらの戦力を把握すること、 また、それに可能な限り大きな
 ダメージを与えることを目標として おります」
マーグ「地球……」
ロゼ「そして、ズール皇帝陛下じきじきに 隊長に与えられたもっとも重要な
 任務が、裏切り者マーズの 抹殺です」
マーグ「裏切り者マーズの抹殺…… マーズという奴は地球の勢力に
 まぎれこんでいるのだな?」
ロゼ「はい」

マーグ(敵)「裏切り者マーズ……待っていろ、 この俺が息の根をとめてやる」

〈衛星軌道上〉

(アーガマで暗礁空域近くまで移動)
アムロ「ピースミリオンだって?」
クワトロ「ああ。以前ゼクス・マーキスと ともにいた艦だな
 我々との合流を求めている」
万丈「いいじゃない。仲間は多いに こしたことはない」
アラン「お前はあいかわらずだな、万丈」

ブライト「サリィ、サリィ・ポオか」
サリィ「おひさしぶりです、 ブライト艦長、みなさん」
レイン「サリィ? ゴッドの受け取りに 行った時、別れたきりだったわね
 いったい何をやっていたの?  ピースミリオンと一緒にいるなんて」
サリィ「デュオからM作戦で降下した ガンダムが、何機か地上に
 残されたって聞いたから、それの 回収にね。おかげで収穫も
 たくさんあったわ」
デュオ「ヒイロ! カトルもいるのか!?  あとのふたりはどうした?」
カトル「五飛も誘ったんですが、 返答がなくて。トロワは……」
デュオ「どうした、カトル?」
ヒイロ「トロワは行方不明だ」
デュオ「そうか……ま、奴のことだ、 そのうち出てくるだろう」
カトル「…………」
サリィ「仲間はもうひとりいるのよ」
ノイン「ルクレツィア・ノインです。よろしく」
エマ「ノイン特尉!? どうして あなたが……?」
ノイン「私にもいろいろと事情があるのです、 エマ特尉。今の私はOZの
 ノインではなく、ただのノインとして ここにいます」
サリィ「ノインたちはサンクキングダムに いたんだけど、OZの攻撃で、ね
 その時に出会ったの」
ハワード「最後はわしかな。いちおう ピースミリオンの艦長をやっておる
 ハワードだ」
デュオ「ハワード!? ピースミリオンはあんたの 艦だったのか」
甲児「なんだデュオ、このじいさんと 知りあいか?」
デュオ「ああ。最初に地球に降りたときに ずいぶん世話になった
 わからないなハワード、なんで俺たちを 支援しようってんだ? それに
 あの艦で何をしようというんだ?」
ハワード「ま、銀河帝国軍に対応すると いうのが、妥当な線だろうな」
「なんだよ、ずいぶん適当な言い方 じゃねぇか」
ハワード「細かいことにこだわっとると、長生き せんぞ。あまり深く気にすることはない」
クワトロ「……ゼクス・マーキスは一緒では ないのか?」
ハワード「ゼクスの行方はわしにもわからん。 どこへ行っておるのやらな」
ヒイロ「俺が最後に奴に会ったとき、 トレーズのつくったエピオンを渡した
 奴は自分の手で未来をつくる べく行動を起こすはずだ。エピオンが
 それを見せるからな」
デュオ「未来って、あんときのガンダムがか?」
ヒイロ「俺のゼロも奴のエピオンも、同じ システムを搭載している。お前なら
 それが何かわかるはずだ」
デュオ「まさか……ゼロシステムか!?」
アムロ「そのゼロシステムというのは、いったい どういうものなんだ?」
デュオ「戦闘状況を分析・予測して 対応をパイロットにフィードバックする
 システムだ。一般人でもニュータイプ なみの戦闘能力を出せるが
 ヘタすりゃマシンにのっとられる」
カミーユ「また、戦闘を強要するシステムだと いうのか……まったく」
フォウ「カミーユ……」
カミーユ「大丈夫だよ、フォウ。君が恐がる ことはないんだ」
フォウ「……うん」
カトル「……危険なシステムです。心の弱い 人間は、システムにコントロール
 されてしまう。僕が……僕がシステムに 負けてしまったように……」
アムロ「君が……?」
ヒイロ「使いこなせば問題はない。そうすれば システムの作用はより拡大する」
デュオ「未来が見えるようにってか。ちぇっ、 俺はごめんだぜ、そんなシステムは
 未来なんて、自分でつかむもんだ。 誰かに見せてもらうもんじゃない
 ましてや機械なんかにな。 あのシステムは、まともな人間が使う
 代物じゃないぜ」
ヒイロ「お前に乗れとはいってない。俺には 乗りこなせる」
デュオ「やれやれ、忘れてたぜ。お前はまともな 人間じゃなかったよな」
「へっ、このぶっちょうヅラ小僧も あいかわらずかよ」
ヒイロ「笑えというのなら笑ってやってもいいが 必要とは思えん」
デュオ「……お前しばらく会わないうちに 性格変わってないか?」
ヒイロ「気のせいだ」

ジュドー「って、おいそりゃどういうことだよ、 ブライトさん」
ブライト「どうもこうもない。いった通りだ」
カミーユ「本気なんですか、OZや例のアクシズ 軍の作戦に合わせるって」
アラン「銀河帝国軍に対応している 限りは、OZも我々も互いに
 戦うのはあまりにも愚かだ。現実 的なものの見方だとは思わんか?」
リョウ「我々はいいとしても、OZが手を 出さないとはかぎらないじゃないか」
万丈「だからさ、それはアクシズ軍に 間に立ってもらおうってわけだ
 そうでしょう、クワトロ大尉」
クワトロ「ああ……そうだ」
カミーユ「アクシズ軍……ジオンの残党って、 そういうことですか、シャア・アズナブル」
アムロ「カミーユ」
カミーユ「いいんじゃないですか。地球圏を 守るためには、なりふりかまって
 いられないってことでしょう。 それはわかる話です」
ハヤト「ああ、確かにそれが現実的だな」

ブライト「よく来てくれました。感謝します」
ハマーン「なに、マーチウィンドは地球圏 を代表する勢力の1つと
 認識している。その マーチウィンドからのお誘いだ
 このくらいせねば、失礼にあたろう?」
クワトロ「ハマーン・カーン……」
ハマーン「ひさしいなシャア。我がアクシズに 戻らずにいるということは……
 やはり裏切りか?」
クワトロ「……もともと私は、裏切りなど いっさいしていないよ、ハマーン」
ハマーン「失望したよ。一年戦争の 働きがあればこそ、地球へ
 送り出したが。まぁいい。 銀河帝国軍にあたる間、
 OZとの交戦を避けたいということ だったな。その交渉を私にやれと?」
クワトロ「そうだ」
ハマーン「いいだろう。シャアからそのような 申し入れを受けるとは、うれしい
 だが困ったものだな。お前は ものの頼み方を知らないようだ」
クワトロ「……頼む、ハマーン・カーン。 協力してもらいたい」
ハマーン「フフッ、ハハハハハ。了承した。ともに 銀河帝国を叩こうではないか」

ナオト「なあタケル、1度でいいから ゴッドマーズに俺を乗せてくれないか」
タケル「えっ!?」
ミカ「ダメダメ。ゴッドマーズの方で ひねくれ者はいやだっていってるわ
 ほら、聞こえない?」
ナオト「ちぇっ、ずけずけいってくれるぜ」
甲児「でもよ、今の状況ってのは、すげぇ ピンチなはずだよな」
ナオト「え? ああ、そうだな」
さやか「それがどうかしたの?」
甲児「なんかさ、ゾルバドスと戦ってた時ほど 追いつめられててヤバイって感じが
 しないんだよな」
鉄也「フン、お前がたるんでるだけだろう」
ルー「でも、いわれてみれば確かにそうだわ。 なんでかしら?」
ショウ「もしかしたら……俺たちはあまりに 戦い続けていたせいで、感覚が
 マヒしてしまっているのかもしれないな……」
マーベル「ショウ……そうね、そういうことはあるかも しれない」
ショウ「ああ、軍人やそのための訓練を つんできた鉄也たちとは、違うからな」
ナオト「だけど、今日を思いわずらうこと なかれ、明日のことを考えよって
 いうじゃないか」
カトル「でも……それは危険なことです。 今日の続きに明日があるんです
 いま目の前にあることに真剣に 対処しなくては、明日はこないかも
 しれないんですよ」
「そうだな。ゆとりといえば聞こえはいいが ゆるみとなると話は別だ」
リョウ「ああ。確かにそういう部分はあった かもしれない。俺たちもしっかりと気を
 引き締めていかないとな」
(アーガマ暗礁空域から月とは逆の方向へ)
デビッド「おい聞いたかよ。例のコロニーの 武装集団、ついにOZの
 宇宙戦艦リーブラを奪取した らしいぜ」
ロアン「ホワイトファングでしょう。知ってますよ 何しろ、今その方々が
 全地球圏規模でそれを宣言 していますからね。ほら」
デビッド「なに!?」

カーンズ「かつて平和的自治権の確立 を願った我々宇宙コロニーに
 対し、地球側は常に武力に よる弾圧を行ってきた。連邦の
 時代しかり、異星人を排除 したOZの時代しかりなのだ。今また
 地球圏は新たな危機に直面 しているが、その罪を見逃して
 いいものではない。我々の敵は、 地球に根ざすすべての存在である
 そして我々宇宙革命軍 ホワイトファングは大義を貫くための
 指導者を迎えた」

デュオ「おい、こいつは……」
クワトロ「どういうことだ……?」
ノイン「ゼクス!?」

ミリアルド「地球圏を正すため、今この時に こそ行動を起こすのだ。私の名は
 ミリアルド・ピースクラフト。私はここに コロニーを除くすべてのものの排除を
 宣言する」

ハワード「バカな!?」
「なんでだよ!? ロームフェラだって 銀河帝国と戦おうって時に
 なんでそんなことしなきゃならねぇんだよ!」
「ああ……正気とは思えんな」
リョウ「地球圏そのものの危機だという のに……いったいこの連中は
 何をかんがえているんだ!?」
沙羅「こいつはシャピロなみに頭がおかしいのさ そうとしか考えられないよ」
鉄也「奴がいかれてようがなんだろうが、どう でもいいさ。コロニー以外ってことは
 俺たちも含まれている。ホワイトファング も、叩くべき敵だってことだ」
カトル「でも、あれがコロニーの総意とは とても思えません!」
ブライト「……とにかくだ。お前たち、今は 銀河帝国軍と戦うことだけを
 考えろ。ホワイトファングのことは そのあとで考えればいい。いいな」

ノイン(……ゼクス……どうして……?)

ヒイロ「ゼクス……エピオンが見せた未来から お前はそれを選んだか。だが
 ウイングゼロの予測では、お前に 未来はない。エピオンの予測は
 違うのか……?」
(アーガマ更に進む、バルジを横切った?)

アムロ「大丈夫なのか、アーク」
アーク「体動かしている方が楽だっていった のは、あなたたちです」
アムロ「そうだが……」
アーク「大丈夫ですよ。僕は、約束を 果たさなきゃならないんです」
アムロ「アーク……」

ブライト「そろそろだな。敵もこちらの動きに 気づいているはずだ。パイロットは
 スタンバっておけ」
甲児「オレたちが陽動ってのは気にくわない が、ま、しょうがないか。でもよ
 本当にOZは動いてるんだろうな」
沙羅「確かにね。連中が動いてなかったら あたしらは敵の先遣艦隊を
 全部相手にしなきゃならなくなるよ」
クワトロ「……ハマーン・カーンは地球圏を 欲している。少なくとも
 ゼクスのようなことにはならんさ」
ジュドー「あんたの言葉は信用するけどね。 あの女は、恐いんだよ」
タケル「……!? くる……敵が……」
ブライト「なんだと?」
マリア「……!? 何が近づいている!」
銀鈴「まさか予知能力!?」
大介「タケル、マリア、そうなのか?」
マリア「わからないわ……くる!」
(ガンダムアラート)
ベルトーチカ「敵部隊接近!」
ブライト「本当に来たのか!? 総員 第一戦闘配置!」
タケル(なんだ……この感覚…… まさか、兄さんがいるのか?)


混迷への出撃

(戦艦選択・出撃選択、敵機が出現)
ブラッキー「また奴らか。全軍、敵を せん滅せよ!」
ロゼ「マーグ隊長、あれがマーズです」
(ゴッドマーズにカーソル)
マーグ(敵)「そうか。裏切り者マーズ、 ズール皇帝の命により、このマーグが
 貴様を抹殺する!」
タケル「マーグ……兄さん!? いったい どうしたっていうんだ、マーグ!
 俺の兄は、そんな男じゃなかった」
マーグ「兄だって!? ハハハハハッ、俺は ひとりだ。弟をもった覚えはない」
タケル「マーグッ!!」
マーグ「問答無用。いくぞマーズ!」

〈vs マーグ〉

マーグ(敵)「死ねい、マーズ!」
タケル「マーグ、やめろぉっ!」

[説得 (タケル)]

タケル「マーグ、お前は本当にマーグなのか?  俺の兄なのか!?」
マーグ(敵)「俺はマーグだ。だがお前の兄ではない」
タケル「マーグ!」
マーグ「貴様のような奴はズール皇帝の 名のもとに処分してくれる!」
タケル「マーグ、やめろぉぉーっ!」

〈vs ダンゲル〉

ダンゲル「ウワハハハハハハッ、 死ねい地球人どもめ!」
豹馬「こいつッ!」
ちずる「この反応……おじい様がいっていた キャンベル星人!?」

〈敵機全滅〉

タケル「マーグ……兄さん……いったいどうして しまったというんだ……」

〈宇宙〉

アラン「さてと、とりあえず緒戦は 勝利したな」
アムロ「ああ、今ごろはOZの方でも撃退し てくれている頃だろう。これで帝国の
 先遣部隊にはかなりダメージを 与えたはずだ」
ブライト「そうだな。よし、我々はこのまま スウィートウォーターへ向かう
 バニー、スウィートウォーターへ連絡を 頼む」
バニー「レーザー通信ですね。わかりました」

バニー「大変です!」
ブライト「どうした!?」
バニー「スウィートウォーターからの ニュースで、いま大変なことに
 なっちゃってるみたいなんです」
デュオ「なんだよ、ホワイトファングがOZの 宇宙要塞でも落としたってのか?」
バニー「なんでわかったの!?」
アラン「なんだとッ!?」
ノイン「まさか……そんな、ゼクスがそこまで!?」
アムロ「バルジがおちたというのか……ジャミトフは どうした? ハマーンはジャミトフが
 バルジにいるといっていたが」
バニー「それが、ロームフェラ財団代表 代行のデルマイユ公と、OZの
 ジャミトフ総帥の脱出は確認 されていないそうです」
「デルマイユとジャミトフが 死んだってのか!?」
デュオ「あいつ……どうやらマジだな。地球が 滅んでもかまわないってのかよ」
クワトロ「らしいな。ジャミトフもゼクスがそこまで やるとは思っていなかったのだろう
 要塞の守りを手うすにしすぎたな」
ギャリソン「落ち着いている場合では ございません。バルジがおち、ジャミトフが
 死んだとなれば、OZ宇宙軍の 受けたダメージは大きすぎますな」
万丈「こいつは、かなりまずいことになってきたな」
ブライト「ああ。認めたくはないが、銀河帝 国軍を撃退するためには、OZの
 戦力を頼らざるをえなかった。が、 これではもはやOZもろくに戦えまい」
クワトロ「そうだな……艦長、ともかく我々は スウィートウォーターへ急ごう
 状況を確認せねばならん」
ブライト「あ、ああ……そうだな」

〈梁山泊〉

中条長官「本当に行くのかね? なにやら宇 宙は大変なことになっているようだが」
リリーナ「だからこそ、行くのです。あれが我が 兄のしたことであれば、私にはそれを
 やめさせる義務があります」
ジュリア「気をつけて、リリーナ」
リリーナ「大丈夫です、ジュリア様。なんとか 兄を説得してみます」

〈フランス中部〉

トレーズ「歴史はやはり我々人類に過 酷な方向へと流れているようだね」
???(レディ)「はい、トレーズ様の予想 された通りです。また
 デルマイユ公・ジャミトフ閣下の ご両名がお亡くなりになったことを
 受け、財団の最高幹部会は 満場一致でトレーズ様への
 復帰要請を決議したとのこと です。OZそして財団の代表として」
トレーズ「そうだろうね。事態がここまで 推移すれば、指導者のいない
 ロームフェラ財団など烏合の衆に すぎない。協議制では、めまぐるしく
 移り行く事態に対応できない」
???(レディ)「では、やはりお受けになるのですね?」
トレーズ「無論だよ、レディ。地球圏の、 いや人類の未来を決する
 大舞台の役者はそろった。 残された時間はあまり多くない
 第3幕を始めるとしよう」
レディ「はい、トレーズ様」

〈宇宙〉

マーグ(敵)「ロゼ、あのマーズというのは何者 なんだ? なぜ俺を兄という」
ロゼ「隊長をまどわせようとしているのです。 なぜそのようなことを気になさるのですか」
マーグ「わからない……なぜかあいつの ことが気になる。マーズのことが
 俺とそっくりの顔。しかも俺のことを 兄と呼ぶ……」
ロゼ(いけない……洗脳が弱まって いる……?)
ロゼ「マーグ隊長、私の目をみてください」
マーグ「目……?」
(精神感応)
マーグ(味方)「う……」
ロゼ「マーズはあなたの敵、銀河帝国の 敵。マーズを倒すのがあなたの使命
 マーズを倒すのよ」
マーグ(敵)「……マーズ……マーズは俺が倒す!  マーズ!!」

〈月〉

ヘンケン「OZの混乱を幸運だったと見るか 不運だったと見るか……」
チェーン「どっちでも同じです。結果は変わり はしません。今、重要なのは、その
 おかげでネェルアーガマをスウィートウォー ターまで持って行けるってことです」
ヘンケン「まあ俺が月までこれたのもそうだがな。 他の補給はどうだ?」
チェーン「ZZガンダムとアシュクリーフは 問題ありませんね。ZZの方は、
 もう先行して出させました」
ヘンケン「アシュクリーフ? それもアナハイムで つくったMSか?」
チェーン「違いますよ。ゾルバドス帝国が いた頃、フレモントインダストリーが
 帝国用として開発していた機 体です。ほら、マーチウィンドに
 ソルデファーという試作機が あるじゃないですか
 アサルト・ドラグーンっていい ましたっけ。あれの後継機ですよ
 バランスも性能も申し分ない 機体です
 D.P.Sって操縦システムは 少し恐いところもありますけど」
ヘンケン「それがなぜ我々の手に入ったんだ?」
チェーン「月面基地制圧時にOZが入手した そうです。ただ適応できるパイロットが
 見つからなくて、未完成機として 放置されていたところを、アナハイムが
 買い取ったらしいですよ。 そうですよね、オクトバーさん」
オクトバー「ええ。我々はマーチウィンドの 戦闘データをもらっています
 ソルデファーのパイロットなら、 アシュクリーフも使えるはずですからね
 もっとも上の判断では、新しい 技術とテストデータをほしいと
 いうところでしょう」
チェーン「オクトバーさん、νガンダムの調整は どうなっているんです?」
オクトバー「まだ時間がかかります。兵装も 一部が取りつけられていません
 実戦に出すのは無理ですね」
チェーン「そんな、いま渡せなかったら次は いつになるかわからないんですよ!?」
オクトバー「無理なものは無理ですよ」
チェーン「わかりました。調整は ネェルアーガマでやります
 残りのデータ、まわしといてください」
オクトバー「やめてください。未完成のまま 持ち出すつもりですか」
チェーン「アムロ……大尉が待ってるんです!  あとは私と彼で完成させるわ」
オクトバー「どうなっても知りませんよ」
チェーン「大丈夫です! ヘンケン中佐、 ネェルアーガマの発進準備
 急いでもらってください。私はνを 搬入させます」
ヘンケン「あ、ああ」
チェーン「いいですね、オクトバーさん」
オクトバー「しかたないですね。わかりました、データは 整理して、スウィートウォーターに
 送っておきますよ。そのかわり、実戦 データは逐次こちらへ送ってください」
チェーン「はい。ありがとうございますッ!」
(扉が開閉する)

ヘンケン「……なんだ、ありゃ」

〈宇宙〉

ワール「はっ、先遣艦隊は苦戦している 模様です。マーズもいまだ
 健在であります」
ズール皇帝「うぅむ、マーズめ。あやつに関しては ワシの誤算であったわ」
ワール「誤算、でございますか」
スール皇帝「うむ。地球の火山活動の 影響でマーズの眠っていたカプセルが
 地球人に発見されたこと、 マーズを育てた地球人が地球を
 愛する心を教えたこと、そして ガイヤーを守るロボットの存在
 これらの1つでもなければ 今ごろは地球など
 宇宙のチリとなっておったものをな」
ワール「……いかがいたしましょうか、陛下」
ズール皇帝「ガンダルが苦戦しておるというのも地 球がいかに危険であるかの証拠
 ワール、艦隊の用意をせい。ワシ みずから地球とやらへ向かうとしよう」
ワール「はっ、かしこまりました、陛下」
ズール皇帝「指揮はお前にまかせる。副官と してジャネラを連れて行くがよい」


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