アラド「…イルイ…
おれ、そのどちらも選ぶつもりはねえよ」
イルイ(大人)「アラド……
あの時の約束を忘れたのですか…?」
アラド「………!」
イルイ(大人)「あなたは
私と一緒にいてくれると言った……。
あの約束を忘れたのですか……?」
アラド「忘れちゃいねえ…。
忘れちゃいねえから…」
アラド「おれはここまで来たんだ…!」
イルイ(大人)「ならば…
いったいどうするというのです?」
アラド「そんなの、
決まってんじゃねえか……」
アラド「イルイ、
お前との約束を守るんだよ」
イルイ(大人)「………!」
アラド「そうだ、イルイ…
おれはお前を守るって約束した…!」
アラド「そして…おれは信じてる…!
おれ達と一緒にいた時のお前が、
本当のイルイだと!!」
イルイ(大人)「フフフ………」
アラド「!!」
アラド「何がおかしいんだ、
ガンエデン!?」
イルイ(大人)「私の予想どおり、
あなたが愚かな選択をしたからです…」
アラド「愚かだって…!?」
イルイ(大人)「ええ。
所詮、あなたは不良部品…。
その程度の答えしか出せないでしょう」
アラド「不良部品!? その程度!?」
アラド「だったら!
落ちこぼれの意地って奴を見せてやる!!」
イルイ(大人)「無駄なことです。
何の力もないあなたに、私が……」
(イルイに精神感応)
イルイ(大人)「ああうっ!!」
アラド「!?」
ゼオラ「イルイ!!」
イルイ(大人)「う、ううう……っ!」
イルイ(子供)(そんなことない……)
イルイ(大人)「くっ! うう!」
イルイ(子供)(だって、
アラドは私を助けてくれたもの)
イルイ(大人)「…う…ああっ!」
イルイ(子供)(それに、アラドは優しいし…
色んなものを守ろうと頑張ってる…)
イルイ(大人)「ま、まだ…残っていたのか…!?」
イルイ(子供)(………)
(イルイ(大人)に精神感応)
イルイ(大人)「消えろ! イルイ!!」
アラド「消えろって…
どういうことだ!?」
ゼオラ「も、もしかして…!」
勇「拒否反応…だったのか…?」
イルイ(大人)「……………」
アラド「イルイ!!」
イルイ(大人)「………………」
ジュドー「イルイ!
俺達の声は届かないのか…!?」
鉄也「ならば、イルイ…
俺達はお前に排除されるわけにはいかん」
イルイ(大人)「………」
コウ「俺達はスペースノイドも守る!」
サンシロー「ああ!
バーム星やゼーラ星の人間もだ!」
竜馬「そして、
ゲッター線やビムラーと共に生き…」
勇「オルファンが
見せてくれた可能性を信じる!」
イルイ(大人)「…………」
真吾「俺達には、
過保護な神様なんか必要ないんでね」
ゼクス「人類が自らの手で勝ち取った
平和はすぐ近くまで来ている…」
ヒイロ「ガンエデン……
例えお前が神だとしても……
その平和を乱すつもりならば…」
ヒイロ「俺はお前を殺す」
イルイ(大人)「……………」
イルイ(大人)「…わかりました………」
イルイ(大人)「これより、人造神ガンエデンは…
その使命を果たすため……
この最後の楽園を護るため…」
イルイ(大人)「あなた達を排除します」
(白い球が塔の上へ移動し撤退、歌声、振動)
モンシア「な、何だぁ!? この震動は!?」
京四郎「そ、それにこの歌声は…!?」
アラド「……!!」
(揺れが止まる。歌声。中央の塔の入口に白い柱が現れる。
柱の中に黒い玉が現れ、柱が消えてから稲妻が走った後にガンエデンが出現)
一矢「あれが……!」
麗雄「地球の守護神……」
凱「ガンエデンか!!」
(敵機増援が出現)
カミーユ「何!?」
サンシロー「ク、クストースと
同じ奴らが…!!」
万丈「なるほど……
これがバラルの戦力というわけか…!」
万丈「そして、
彼らとイルイを操るシステムが
あのガンエデン…!」
甲児「イルイを操ってる!?
やっぱり、そうなのかよ!?」
アムロ「ああ…。イルイは自分が
ガンエデンに選ばれた者だと言った…」
アムロ「そして、
先ほどアラド曹長に対して見せた
拒否反応らしきもの……」
アムロ「あれは
今の彼女が本当のイルイでないことを
証明している…!」
豹馬「ってことは…!」
アムロ「彼女が自分自身を取り戻すか…
俺達の手でガンエデンのシステムを
破壊すれば、助けられるかも知れない」
アムロ「上手くいく確率は
限りなく低いが…やってみるか?」
健一「ええ、もちろんです!」
鋼鉄ジーグ「出撃前に言ったとおり…
イルイを助けてやろうぜ!」
凱「少しでも可能性があるのなら…
俺はそこに全てを賭ける!」
レミー「そそ。私達、
最初からそのつもりでここに来てるし」
ヒイロ「異論はない」
比瑪「オルファンさんだって、
私達の声を聞いてくれたんです!
だから、イルイもきっと…!」
アムロ「…決まりだな。
なら、アラド曹長…
お前が彼女に呼びかけるんだ」
アラド「じ、自分が…!?」
アムロ「そうだ。
イルイはお前に強い反応を見せている…」
アムロ「お前の声なら、
あの子に届くかも知れん」
アラド「で、でも、おれ……
ニュータイプじゃないんですよ!?」
コウ「能力のあるなしは問題ないさ。
大事なのはお前の想いの強さだよ」
真吾「そうそう。
人間、その気になりゃ何でも出来るって
言葉、聞いたことあるだろう?」
アラド「………」
アラド「やれるとは言えない…
でも、やるしかないんだ!」
アラド「…って、アムロ大尉も
一年戦争中に言ってたと聞いてます」
ゼオラ「それ、ホントなの!?」
アムロ「…本当だ」
ゼオラ「そ…そうなんですか…」
アラド「…………」
コウ「アラド…
アムロ大尉が言った任務…イルイを
助ける任務をやり遂げられるか?」
アラド「ええ、もちろん…!」
アラド「必ず、やり遂げてみせます!」
アムロ「よし、いい返事だ」
ヴィレッタ「じゃあ、
私達のやることは決まったわね」
レーツェル「ああ。
露払いは我々でさせていただく」
アラド「ヴィレッタさん…
レーツェルさん…!」
デュオ「よ~し…それじゃ、
いっちょ囚われのお姫様を
助けに行くとしますか!」
キンケドゥ「ああ、俺達の得意分野だ」
アラド「デュオ……
キンケドゥさん……」
五飛「アラド、
お前の意地を見せてみろ」
健一「イルイを助け、地球を救うためなら…
俺達は力を惜しまないぜ」
豹馬「ああ! ガンエデンだかガンモドキだか
知らねえが、ブッタ切ってやろうぜ!!」
ジュドー「ここまで来て、
あの子を助けられないなんて嫌だからね」
プルツー「あたし達も応援するから…」
プル「頑張って、アラド!」
アラド「…みんな…!!」
ベラ「この戦いに参加する全ての者へ…!
私達の双肩には人類の運命が
かかっています!」
大文字「我々に後退は許されない!
諸君らの奮闘を期待する!」
凱「行こう、みんな!
この星の明日のため…」
勇「俺達を待っている人々と地球のために!」
キンケドゥ「人類の
進むべき未来のために!」
ゼオラ「ガンエデン!
私達はあなたを倒すわ!!」
アラド「待ってろ、イルイ!
俺は地球とお前を救ってみせるっ!!」
(作戦目的表示)
イルイ(大人)「剣達よ、眠りなさい…。
ガンエデンに全てを委ね……」
イルイ(大人)「そして、
最後の楽園に久遠の安らぎを……」
(東端に守護神ゴードルが出現)
豹馬「お、おい…あれって!?」
一矢「守護神ゴードルとギメリア!
まさか…」
健一「ハイネル兄さんとリヒテル提督…
やはり生きていてくれたのか!」
ハイネル「地球の戦士達よ…。
そなたらが守り通した小バームは
月に着陸した」
一矢「そうか…。
エリカ…きっと君も無事なんだな…」
リヒテル「竜崎一矢…今更、
お前の前に生きて姿をさらすなど
許されることではない…」
一矢「リヒテル…」
リヒテル「だが、バームと…
そして、地球の未来のため、
この戦い、余にも手伝わせてもらう」
一矢「リヒテル…頼りにさせてもらうぜ!」
イルイ(大人)「………」
健一「見ているか、ガンエデン!」
健一「お前が敵だと認識している
他の星の人間とだってこうして
心を通わせることが出来るんだ!」
一矢「この心を罪だと言うのなら
俺達はお前を許すわけにはいかない…!」
イルイ(大人)「………」
リヒテル「よかろう!
ならば、この戦いに勝利し、
未来を築いてみせよう…!」
ハイネル「地球の戦士達よ!
義によって助太刀させてもらうぞ!」
(北側にグランチャーが出現)
比瑪「!」
勇「グランチャーだと!?
まだ、動ける奴がいたのか!」
ジョナサン「どうした、勇?
苦戦しているのか?」
勇「ジョナサン! お前なのか!?」
ジョナサン「そうさ。
俺もグランチャーも正真正銘の本物だ」
ジョナサン「そして、
シラーとクインシィも一緒だ」
勇「姉さん達が…!?」
クインシィ「勇……」
勇「姉さん…。
もしや、俺達を助けに…!?」
クインシィ「…そうだ、勇。
私はオルファンに約束したからな…
守ってやると……」
比瑪「依衣子さん…」
ジョナサン「そして、
オルファンの輝きを…その暖かさを
失うわけにはいかない」
勇「ジョナサン……」
ジョナサン「さらに、俺達の力を…
俺達がやってきたことをガンエデンに
否定される覚えもないんでね」
比瑪「はい!
一緒にオルファンと地球と…
みんなの未来を守りましょう!」
勇「すまない…!
姉さん達の力を借りるぞ!」
(バラルの園の北側にブンドル艦が出現)
真吾「お、おい…あれって!?」
レミー「やだ…!
ブンちゃんの艦じゃない!」
ブンドル「フ…マドモアゼル・レミー…。
再会の時は意外に早かったようだ」
キリー「んで、あんたら…
わざわざ最後の最後に出て来たってことは
ラスボスのつもりかい?」
カットナル「地球と人類の大ピンチに
何を言っておる!」
ケルナグール「我々は
お前達の助太刀に来たのだ!」
真吾「おいおい…ブンドルだけじゃなく、
カットナルとケルナグールもいるのか?」
ブンドル「…このような輩を艦に
乗せるのは私の美学に反するのだが…」
カットナル「まあ、そう言うでない。
連邦上院議員候補と大会社社長が
大っぴらに動くのは問題があるのでな」
ケルナグール「というわけで…
今回に限り、お前の艦に同乗させて
もらうことにしたのよ」
真吾「ま、
どういう風の吹き回しか知らんが…
手伝ってくれるんなら歓迎するぜ」
ブンドル「フ…。
未来の扉を開くため、強大な力に挑む…」
ブンドル「フィナーレを飾るに相応しく…
そして、美しい戦いだと言えよう」
レミー「それじゃ、頼むわよ!
結末はもちろん、ハッピーエンドでね!」
イルイ(大人)「アラド……」
アラド「イルイ!
戦うべき相手を間違えるな!
昔のおれやゼオラみたいに!」
イルイ(大人)「……………」
アラド「お前の敵は
おれ達やガンエデンじゃない!
お前自身なんだ!」
イルイ(大人)「…私は地球の守護者…。
私の敵は楽園の秩序を乱す者……
私の使命は……」
アラド「!!
そんな使命なんざ捨てちまえ!!」
イルイ(大人)「…そうはいきません…。
ガンエデンは古の人々の希望の結晶…」
イルイ(大人)「楽園を求め、
そこへたどりつけなかった人達の
願いが込められている……」
イルイ(大人)「…あなたは…私に
それを否定しろというのですか…?」
アラド「ああ!」
イルイ(大人)「…あなたはガンエデンを…
私の存在を否定するのですか…?」
アラド「そうだ! 何千年前だか
何万年前だか知らねえが、そんな大昔の
怨念みてえな物に縛られてどうすんだ!?」
イルイ(大人)「………!」
ゼオラ(あ、あの子……
昔の私と同じ……)
アラド「おれ達にとって大事なのは
これからのことだろうがっ!!」
イルイ(大人)「う…うう…っ!」
アラド「お前の使命なんざ、
ガンエデンと一緒に捨てちまえ!!」
イルイ(大人)「あ…ああうっ…!」
アラド「そいつは神なんかじゃねえ!
守護者でもねえ! おれ達やお前を
縛りつけるだけの鎖だ!!」
イルイ(大人)「う、うう…う…」
アラド「そんなもの、
おれがビルガーで断ち切ってやる!!」
アラド「だから、イルイ!
おれ達の所へ戻って来い!!」
イルイ(大人)「ああああああっ!!!」
(イルイに精神感応)
イルイ(大人)「あああああああ…!!」
アラド「イルイッ!!」
イルイ(大人)「ああ……ああ…!」
(イルイに精神感応)
アラド「な……何ッ!?」
イルイ(子供)「…あ、あああ……
アラド………」
アラド「!!」
イルイ(大人)「…わ、私は…イルイ……
バラルの…主……」
ゼオラ「!?」
イルイ(子供)「た……た…す…けて……!」
ゼオラ「イ、イルイッ!!」
イルイ(大人)「マ…シアフ……
ガンエデンの……巫女………」
イルイ(子供)「い…た…い……
くるし…い………!」
イルイ(大人)「地球の…守護……神………」
アラド「こ…これは!?」
イルイ(子供)「あ…ああ…わ…たしが………
わか…れる………!」
イルイ(子供)「二つに……わかれる……」
(歌声、ガンエデンに緑の光)
ガンエデン「…我は地球の守護者…。
人造神ガンエデン……」
イルイ(子供)「……………」
ガンエデン「…再び目覚めよ、巫女よ……。
神の子、イルイ……」
ガンエデン「汝の力は我のためにある…。
我の力は汝のためにある……」
ガンエデン「全ては…
この星…最後の楽園を護るために…」
ガンエデン「誰も寄せつけてはならぬ…。
誰も外界に出してはならぬ……」
ガンエデン「…封印せよ……。
最後の楽園を……封印せよ………」
ガンエデン「この星は…
災厄より逃れし者達の楽園……。
決して失われてはならぬ……」
イルイ(大人)「…最後の楽園を…封印…」
アラド「!!」
イルイ(大人)「……………」
アラド「ガンエデン!!」
ガンエデン「…幾多の剣よ…」
ガンエデン「…お前達は
我の力によって永久に封印されるのだ…。
この星と共に……」
アラド「てンめえぇぇぇぇっ!!」
(ガンエデンから砲撃)
デュオ「くそっ! このままじゃ、
俺達の帰る所がなくなっちまうぜ!」
コウ「やはり、
ガンエデンとは戦うしかないのか…!?」
アラド「く、くそっ…!
も、もう駄目なのかよ……!!」
アラド「ここまで来て…
とうしようもねえってのかよ…!?」
ゼオラ「何言ってんのよ、バカ!!」
アラド「!!」
ゼオラ「あきらめてどうするのよ!
そんなの、あなたらしくないわよ!!」
アラド「ゼ、ゼオラ…!!」
ゼオラ「ここであきらめたら、
それこそ今までやってきたことが
無意味になっちゃうのよ!?」
アラド「……!」
ゼオラ「あなた、約束したでしょう!
イルイと約束したんでしょう!?」
ゼオラ「あの子を守ってあげるって!
一緒にいてあげるって!!」
ゼオラ「そのあなたが
ここであきらめてどうすんのよっ!!」
アラド「そ、そうだ……!」
アラド「おれはまだあきらめねえ!
イルイを取り戻すまで!!」
トビア「で、でも…
どうやってあの子を助ければ!?」
アムロ「みんなで彼女に呼びかけるんだ!」
甲児「!?」
トビア「ぼ、僕達がですか!?」
アムロ「方法はそれしかない!
俺達の力で、イルイを救うんだ!」
(作戦目的表示)
コウ「イルイ!
俺達の言葉を聞いてくれ!」
イルイ(大人)「言葉は不要です…。
既にあなた達はガンエデンにとって
排除すべき対象なのですから…」
コウ「人類を縛るのはやめてくれ!
俺達は自分達の力で生きていく!」
コウ「例え、
それが愚かな行為の繰り返しでも…
未来を信じて生きて行くんだ!」
イルイ(大人)「………!」
カミーユ「ガンエデンを捨てろ、イルイ!
こんな戦い、何の意味がある!?」
ファ「思い出して、イルイ!
あなたは誰よりも優しい心を
持っていたじゃない!」
フォウ「一人で全てを背負わないで!
あなたは私達の仲間なのよ…!」
イルイ(大人)「………」
カミーユ「お前も
クワトロ大尉と同じ道を選ぶ気か!?」
イルイ(大人)「……!」
カミーユ「人間はそんなに
信じられない存在じゃないはずだ!!」
イルイ(大人)「う…うう…!」
ジュドー「聞こえるか、イルイ!
今のお前はガンエデンの使命に
操られているんだ!」
ルー「そうよ! あのイルイが
そんなひどいことをするはずがないわ!」
イルイ(大人)「………」
プル「イルイ、やめてよ…!
一緒にいた時のことを思い出しなよ!」
プルツー「そこはイルイの居場所じゃないよ!
あたし達と一緒に行こう!」
イルイ(大人)「…う……!」
ハマーン「使命と理想のはざまで
お前の心は閉じ込められてしまっている。
それが、お前の望んだ姿か?」
イルイ(大人)「私はガンエデンの巫女…。
それが私の存在理由です…」
ハマーン「そうかな…?
その消え入りそうな声を聞く限り、
それは本心とは思えんな…!」
イルイ(大人)「……!」
アムロ「イルイ、
確かに人は独りでは生きられない存在だ…」
アムロ「だからこそ、
ガンエデンが造られたのかも知れない」
イルイ(大人)「…………」
イルイ(大人)「…アムロ・レイ…
あなたの力は人類に新たな道を
示したと言えるでしょう…」
イルイ(大人)「しかし、
それは早過ぎる目覚めなのです」
イルイ(大人)「未だ人類は地球から
離れて生きていくことは出来ません…」
アムロ「だが、ガンエデンに
人の革新を止める権利はない…!」
アムロ「地球の封印は
ガンエデンのエゴに過ぎない!」
イルイ(大人)「……!」
アムロ「目を覚ませ、イルイ!
お前は神じゃない、人間なんだ!」
アムロ「人間が神を造ることは出来ない!
ガンエデンはまやかしに過ぎないんだ!」
イルイ(大人)「う…あ…ああ…!」
キンケドゥ「イルイ!
お前はガンエデンに人類の可能性を
否定させる気なのか!?」
イルイ(大人)「そう…
それがガンエデンの意志なのです…」
キンケドゥ「なら!
その歪んだ意志こそ否定しろっ!!」
キンケドゥ「俺達に
神の支配など必要ない!!」
イルイ(大人)「あ……う……!」
トビア「もうやめるんだ、イルイ!
何故、そうまでして地球を
封印しようとする!?」
イルイ(大人)「…最後の楽園を護るためです…」
イルイ(大人)「人類が宇宙に出ても…
戦いを広げていくだけ…この星を
その中に巻き込むわけにはいきません…」
ベルナデット「信じて、イルイ!
人類全てが父さんのように
なりはしないわ!」
トビア「イルイ、僕達には
神の手助けなんて必要ないんだ!!」
トビア「君が人類を…
未来を地球に縛りつけると言うのなら、
僕はそれを認めるわけにはいかない!」
イルイ(大人)「く……う……!」
ヒイロ「もうよせ、イルイ…。
力で得た勝利は永遠ではない…」
イルイ(大人)「…………」
デュオ「ま、神様から見りゃあ…
俺達は頼りないのかも知れねえが…」
デュオ「今まで何とかやってこれたんだし、
そうそう捨てたもんじゃないだろ?」
イルイ(大人)「…………」
カトル「イルイ、僕はこう思います。
人類の未来は…人類自身が作り出して
いかなければならないと」
トロワ「そして、人間は未来に向けて
確実に歩を進めている」
五飛「誰に言われたからではない。
人類は自分の力で平和と未来を
勝ち取ろうとしている」
イルイ(大人)「………」
ゼクス「もう君は独りではない。
守護者の使命は人類全体が継ぎ、
君はガンエデンから解放されるべきだ」
ヒイロ「そう…。
ガンエデンの使命はもう終わっている」
イルイ(大人)「あ……う…っ!」
万丈「イルイ…僕達と一緒に行こう。
ギャリソンがおいしい物を
作って僕達の帰りを待っている」
イルイ(大人)「…………」
万丈「君の居場所はガンエデンじゃない。
αナンバーズなんだ」
イルイ(大人)「…私は…
ガンエデンと離れるわけにはいきません。
何故なら、それは……」
万丈「…君の使命だからかい?
だけど、それを決めたのは誰なんだ?」
イルイ(大人)「……………」
万丈「イルイ…
自分以外の意志に縛られちゃいけない」
万丈「その力は君のものじゃない。
それにおぼれれば…メガノイドと
同じ運命をたどることになる」
万丈「僕達は…自分の力の使い方を
間違えちゃあいけない」
イルイ(大人)「う…うう……!」
万丈「本当の自分を思い出せ、イルイ。
自分の意志を確かめるんだ…!」
万丈「人間である君なら…
僕達が知っているイルイなら、
それが出来るはずだ!」
イルイ(大人)「く…うっ…!」
甲児「なあ、イルイ…俺さ、お前のことを
妹みたいに思ってたんだぜ」
イルイ(大人)「…………」
甲児「さやかさん達だってそうさ。
だから、誰もお前と戦いたいなんて
思っちゃいねえ…」
イルイ(大人)「…ならば、戦いをやめなさい…。
あなた達がガンエデンの加護を
享受すれば…この星は平和になるのです」
甲児「ああ、やめてやるさ。
お前がガンエデンから離れるなら」
イルイ(大人)「! そんなことは……」
甲児「出来るはずだ!
お前が俺達の知ってるイルイなら!!」
イルイ(大人)「あ…ああっ!」
甲児「だから、イルイ!
俺達の所へ帰ってこい!!
みんなお前を待ってんだぞ!!」
イルイ(大人)「あう…う…!!」
鉄也「イルイ…お前がクストースで
俺達を助けてくれたことは感謝している」
鉄也「だが、
それ以上の手助けはもういらないんだ」
イルイ(大人)「…だから、ガンエデンは
不要だと言うのですか?」
ジュン「そんな事はないわ!
あなたも地球と人類のために
戦ってきたんだから…!」
鉄也「イルイ! 人類の可能性を
閉ざすのはやめるんだ!」
鉄也「もし、人類が進化する事で
戦いが起こるのなら、俺達と共に
正しい者のために戦おう!」
イルイ(大人)「それは許されません…。
ガンエデンの定めし法こそが
人類にとって絶対なのです…」
鉄也「目を覚ませ、イルイ!
お前のやろうとしている事は
人類の支配と同じなんだぞ!」
竜馬「イルイ!
君はムサシのために泣いてくれた…!
あの時のことを思い出してくれ!」
ミチル「あの時に涙を流したあなたの心は
もうどこにも存在しないの!?」
イルイ(大人)「…あの人は……
私達を守るために……」
弁慶「そうだ!
ムサシ先輩は自分の生命を懸けて
みんなを救ったんだ!」
隼人「そして、ムサシの心は俺達に、
いや、俺達だけじゃない…
全ての人達に受け継がれている!」
竜馬「目を覚ましてくれ、イルイ!
人類は自分達の力で未来を
創ろうとしているんだ!」
竜馬「ゲッター線の力じゃない!
未来へ進もうとする意志が人間を
進化させているんだ!」
鋼鉄ジーグ「聞いてくれ、イルイ。
俺は邪魔大王国と戦うために親父に
サイボーグに改造された…」
イルイ(大人)「………」
鋼鉄ジーグ「…だが、今は力をくれた親父と
共に戦う仲間達に感謝している…!」
イルイ(大人)「ならば、その力…
ガンエデンの剣として使わせて
もらいます」
鋼鉄ジーグ「イルイ! 俺達の力は
全ての人の自由と平和のために
使われるものなんだ!」
美和「そうよ、イルイ!
そのために私達は戦ってきたのよ!」
鋼鉄ジーグ「俺達と共にいたイルイなら
その想いはわかるはずだ!」
イルイ(大人)「く…うう…!」
豹馬「やめてくれよ、イルイ!
俺…お前と戦うなんて出来ないよ!」
イルイ(大人)「ならば、武器を置き
ガンエデンの剣として生きるのです」
十三「アホ! 豹馬が言ってるのは
そんな事ちゃうわ!」
ちずる「わからないの、イルイ…。
私達はみんな…あなたの事が
好きなのよ…!」
大作「みんな、イルイの事ば
大切に思っとるとよ」
小介「僕達は敵とは全力で戦います…。
でも、イルイさんは敵じゃないんです!」
豹馬「イルイ…!
俺達の声を聞いてくれ!
優しいお前に戻ってくれよ!」
イルイ(大人)「それは…く…うう…」
健一「イルイ!
君のやろうとしていることは
人類を縛ることでしかない!」
イルイ(大人)「ならば、あなた達なら
永久の平和を創り出すことが
出来ると言うのですか?」
一平「いや…俺達だけでは
無理だろうさ」
大次郎「じゃっどん、一人一人が
力ば合わせれば、きっといつかは
出来るとぞ!」
日吉「そうだよ!
イルイもそれに力を貸してよ!」
めぐみ「イルイ! あなたの力は
平和を築くための力のはずよ!」
イルイ(大人)「………」
健一「イルイ! 目を覚ますんだ!
俺達は君と戦いたくない!」
イルイ(大人)「う…うう…!」
一矢「聞いてくれ、イルイ!
俺は…バーム星人であるエリカを
愛している!」
一矢「そして、リヒテルとも
最後には心を通わせることが出来た!」
イルイ(大人)「それは一時の気の迷いです…。
楽園に永遠を約束するためには
異物は排除されるべきなのです」
一矢「それは違う!
地球の平和だけを考えても
駄目な時代が来ているんだ!」
ナナ「お兄ちゃんの言う通りよ!
イルイだって私達といたんだから
それが理解出来るはずよ!」
京四郎「イルイ!
過去に縛られた使命なぞ愚の骨頂!
お前はお前の考えで生きろ!」
イルイ(大人)「それは…出来ません…」
一矢「イルイ!
過去の呪縛を断ち切るんだ!」
真吾「イルイ、聞こえるか!
ケン太からお前に話があるそうだ!」
イルイ(大人)「………」
ケン太「イルイ…聞いてよ!
イルイは人類が宇宙に出ちゃ
いけないって言うけれど…」
ケン太「僕…広い世界を
この目で見てみたいんだ!」
イルイ(大人)「それが結果として
地球に災いをもたらすことに
なってもですか…?」
ケン太「それは………」
真吾「待てよ、イルイ。
ケン太の感じている想いは
誰もが持っているものだぜ」
レミー「そうよ…私だって
宇宙の果てってのを見てみたい気も
するもの」
キリー「イルイ! 人類全体が
ケン太と同じような事を言い出したら、
どうするつもりだ?」
イルイ(大人)「く…う………」
ケン太「もうやめてよ、イルイ!
僕達のところへ戻ってよ!」
イルイ(大人)「真田ケン太…、
あなたの目覚めは早過ぎたのです…」
サンシロー「イルイ、聞いてくれ。
…俺は地球と人類を守るために
ガイキングのパイロットとなった」
イルイ(大人)「………」
サンシロー「イルイ!
地球を守ると言うならば君は
俺達の仲間のはずだ!」
ファン・リー「そうだ、イルイ!
どんな敵が来ようと力を合わせれば
きっと打ち勝つことは出来る!」
ブンタ「君一人だけが使命を
背負い込む必要はありません!
僕達も一緒に戦います!」
ヤマガタケ「だからよ…!
コロニーやゼーラ星の人達を
攻撃するのはやめてくれよ!」
サコン「イルイ、
君が強く思えばガンエデンの支配から
脱する事も出来るはずだ!」
ピート「イルイ!」
ミドリ「イルイ!」
イルイ(大人)「く…私は…ああ………」
凱「もうやめろ、イルイ!
俺達はお前と戦いたくないんだ!」
イルイ(大人)「………」
護「やめてよ、イルイ!
僕達、みんな…君のことを助けたいんだ!」
イルイ(大人)「………」
命「思い出して!
私達と過ごした時間を!」
イルイ(大人)「私はガンエデン…、
……人類の守護者として…
私は使命を果たさねばなりません」
凱「人類を守護する者は人類だ!
神様なんて必要ないんだ!」
護「お願いだよ、イルイ!
僕達のところに帰ってきてよ!」
イルイ(大人)「く…ああ…!」
勇「イルイ…お前から見れば
オルファンは地球の異物なんだろうな…」
イルイ(大人)「………」
勇「俺も初めはオルファンを
潰す気でいた…。でも、
αナンバーズに来てわかったよ…」
勇「オルファンとだって
わかりあえるんだって」
イルイ(大人)「………」
比瑪「だからね…私達、あなたとも
わかりあえると思うんだ…」
比瑪「だって、イルイは…
私達の大事な友達なんだもの」
イルイ(大人)「く…うう…」
比瑪「イルイ…
あなたも私達と同じ人間なのよ…」
比瑪「だから、もう戦うのはやめて…。
私達と共に生きていきましょうよ」
ユキオ「そうだよ、イルイ!」
アカリ「あたし達、
またイルイと一緒にいたいよ!」
クマゾー「いたいも!」
イルイ(大人)「う…私は…私は………」
イルイ(大人)「う…うう……!」
万丈「! アムロ大尉!」
アムロ「ああ、拒否反応が強くなりだした…
イルイがガンエデンから離れつつある!」
アムロ「みんな、
彼女に俺達の声を伝えるんだ!」
イルイ(大人)「あ、あああ……ああっ!」
アムロ「もうすぐだ!
あともう少しでイルイを
ガンエデンから引き離せるぞ!」
(歌声)
イルイ(大人)「……………」
イルイ(子供)「…………」
カミーユ「…イルイが……二人…?」
イルイ(大人)「……………」
イルイ(子供)「みんな、ありがとう……」
アラド「!!
イルイ…意識を取り戻したのか!?」
イルイ(子供)「…ううん…そうじゃない。
ガンエデンが…私を切り離して、
消去しようとしているから……」
凱「消去…!?」
イルイ(子供)「そう……。
私がみんなの声を聞いたから……」
イルイ(子供)「みんなの所へ
帰りたいと思ったから………」
イルイ(子供)「ガンエデンは私を切り離すの…」
アラド「イ、イルイ…!」
イルイ(子供)「アラド…みんな……
色々と迷惑をかけてごめんなさい……」
イルイ(子供)「…最後に…
私のお願いを一つ聞いて……」
アラド「お願いって…!
もしかして、それは……!」
イルイ(子供)「早く……私を壊して……」
比瑪「そ、そんな!
そんなこと出来るわけないじゃない!」
イルイ(子供)「…お願い…。
私がガンエデンの力を抑えている内に……」
イルイ(子供)「早く…
私とガンエデンを壊して…早く……」
アラド「そ、それを…
おれ達にやれって言うのか…?
イルイ…!」
イルイ(子供)「…お願い…お願いだから……」
一矢「く、くそっ…!
どうしようもないのか…!?」
勇「ここまで来て…こんな結末か…!」
麗雄「あきらめるな。
彼女を助ける方法なら、まだある…!」
勇「え…!?」
凱「本当なのか、父さん!?」
麗雄「うむ。
危険な賭けになるが…それでもやるか?」
凱「ああ、もちろんだ!」
甲児「それで、
助ける方法って何なんです!?」
麗雄「ガンエデンの機能を停止させると同時に
イルイ君を助けるんだ」
甲児「へ!? そ、それだけ!?」
ジュドー「そ、そうか…! 要は…」
カミーユ「俺達が
フォウやプルを助けた方法と同じ…!」
麗雄「ただし、時間はない。
イルイ君が完全に支配されてしまえば、
手遅れとなる…」
麗雄(それに…もし、彼女が
ガンエデンの最終安全装置としての
役目も持たされていたら……)
麗雄(いや…今は賭けるしかない。
どのみち、ガンエデンを破壊しなければ
地球に未来はない…!)
ブライト「よし!
全機、攻撃をガンエデンに集中し、
機能を停止させろ!」
ブライト「我々自身の力で、
地球とイルイを救うんだ!!」
(作戦目的表示)
アラド「ガンエデン!!
もうおれは神なんか信じねえぜ!!
たった今からなっ!!」
コウ「ガンエデン!
確かにお前は地球の守護神かも
知れない…」
コウ「だが、俺達に神は必要ない!
人類はお前なしでもやっていける…
いや、やっていくんだ!」
カミーユ「ガンエデン!
俺達は人類の未来に立ち塞がるなら
お前を倒す!」
カミーユ「人々が夢見た
人類の革新のために!」
ジュドー「待ってろよ、イルイ!
今、時代遅れの石頭を破壊して
お前を助け出してやるからな!」
ハマーン「消えろ、ガンエデン!
人類を縛るお前は私が討つ…!」
ハマーン「シャアに代わってな!」
アムロ「ガンエデン…俺達は
お前を倒すことをためらわない…!」
アムロ「ガンエデンの呪縛から
人の魂を解放するために!」
キンケドゥ「ガンエデン!
地球の未来はお前ではなく人が
人の力で創っていってみせる!」
キンケドゥ「その証のために
この手でお前を倒す!」
トビア「待っていろよ、イルイ!
もうすぐ俺達が君を救い出す!」
トビア「このガンエデンを倒して!」
ヒイロ「ターゲット確認…
攻撃目標…」
ヒイロ「ガンエデン!」
万丈「ガンエデン…、
自由を縛り、未来を閉ざす神など
人類には必要ない…」
万丈「だから、僕達はお前を倒す!
自らの手で平和な世界と
輝かしい明日を築くために!」
甲児「ガンエデン!
お前を守護者の使命から解き放って
やるぜ!」
甲児「だが、その前にイルイだけは
きっちり返してもらう!」
鉄也「ガンエデン…、
もしかしたらお前の言うことは
全て正しいことなのかも知れない…」
鉄也「だが、俺達は人間だ!
未来は自分達で決めさせてもらうぞ!」
竜馬「見ているか、ムサシ…。
俺達はお前にもらった生命で
人類の未来を切り開いてみせる…」
竜馬「だから、ムサシ…
この一撃に力を貸してくれ!」
鋼鉄ジーグ「見ててくれよ、
父さん、母さん、まゆみ…」
鋼鉄ジーグ「俺達はガンエデンを倒して
イルイと人々を救ってみせる!」
豹馬「行くぜ、イルイ!
ちょっと荒っぽいかも知れないが
今、助けてやるからな!」
健一「ガンエデン…!
過去の呪縛にとらわれたお前と
イルイを今、解放してやるぞ!」
一矢「ガンエデン…!
俺はこの拳にエリカとの愛を誓った…!」
一矢「そして、この拳でお前を倒し
新しい時代を築いてみせる!」
ケン太「やっちゃえ、真吾!」
真吾「OK! フィナーレらしく
派手にいこうじゃないの!」
サンシロー「ガンエデン!
お前が信じなかった人間の力、
俺が見せてやるぞ!」
凱「ガンエデン!
俺達、人間の力と勇気をお前に
見せるぞ…!」
凱「そして、証明してやる!
お前がいなくても人類は
やっていけることを!」
勇「もうすぐだ、イルイ!
もうすぐお前を過去の呪縛から
解放してやるぞ!」
カミーユ「ガンエデンの動きが止まった…!」
凱「あ、ああ…後は…!」
イルイ(大人)「…ありがとう、皆さん…」
イルイ(大人)「これで…
私達は本当の眠りにつくことが出来ます…」
アラド「!?」
(爆発、振動)
甲児「!!」
凱「バ、バラルの園が…!!」
アラド「イルイィィッ!!」
イルイ(大人)「来ないで……アラド……」
アラド「!?」
イルイ(大人)「今、
私をガンエデンから引き離せば…
内部にためこまれた念が一気に解放され…」
イルイ(大人)「この星は
強念の結界に覆われてしまいます……」
アラド「な……!?」
イルイ(大人)「ですから……
私は残された力でガンエデンの念を
相殺し……」
イルイ(大人)「彼女と共に…眠りにつきます…」
アラド「そ、そんな…!
それじゃ、おれ達は何のために…!!」
ゼオラ「私達の
やってきたことは無駄だったの…!?」
イルイ(大人)「いえ……
あなたは……あなた達は……」
イルイ(大人)「人造神の呪縛から…
この星を救ったのです……」
アラド「イ、イルイ……!!」
イルイ(大人)「悲しまないで、アラド…
私は…ガンエデンが犯した罪を
償わなければなりません…」
イルイ(大人)「そして…
この星をあなた達に返さねばなりません…」
アラド「…………」
イルイ(大人)「……私は…
あなた達に出会えて幸せでした……」
イルイ(大人)「人の心を……
大切なものを守るための勇気を…
そして、愛を教えてもらえて……」
イルイ(大人)「ですから…
最後に……私の使命を果たさせて下さい…」
イルイ(大人)「この星を護るという使命を……」
麗雄「イ、イルイ……!!」
命「イルイちゃん…!!」
イルイ(大人)「早く……
バラルの園から離れて………」
イルイ(大人)「私は……もう………!!」
大文字「…ぜ、全機…後退…!
直ちにこの場から離脱する…!!」
ピート「博士!?」
ミドリ「イ、イルイちゃんを…
助けないって言うんですか!?」
大文字「聞こえなかったのかね!!
全機後退だ!!」
ピート「!!」
大文字「イルイ君の…
彼女の決意を…無駄にしてはならん…!!」
比瑪「そ、そんな…! そんなこと…!」
一矢「イ、イルイ…!!」
凱「く、くそっ! お、俺は…!!」
麗雄「凱!!」
凱「!?」
麗雄「…もう…あの子を…
イルイを休ませてやるんじゃ……!」
凱「…!!」
ベラ「ぜ、全機…回収後…
この空域より離脱します……!」
(小隊が撤退後、戦艦4機は北へ移動)
イルイ(大人)「ありがとう……
ありがとう…αナンバーズ……」
アラド「イルイッ!!」
イルイ(大人)「さようなら………」
イルイ(子供)「さようなら………」
イルイ(子供)「…私を護ってくれた………
アラド・バランガ…」
アラド「バ……!」
アラド「バカヤロウ!!
おれはお前と約束したんだ!!
お前を守るって!!」
ゼオラ「アラド!?」
アラド「このまま
お前を見捨てていけるかよぉぉっ!!」
(ビルトビルガーが出撃)
コウ「アラド!?」
ヴィレッタ「あの子、まさか!?」
アムロ「アラド!!」
アラド「アムロ大尉!
おれの任務はまだ終わっていません!!」
アムロ「お、お前…!!」
ゼオラ「待って、アラド!!
あなたが行くなら、私も!!」
アラド「来るな!!」
ゼオラ「え!?」
アラド「これは……おれの役目だ!!」
ゼオラ「アラド……!!」
アラド「心配すんな、ゼオラ!
お前との約束は……必ず守る!!」
ゼオラ「ま、待って!!」
アラド「おれは
必ずイルイと一緒に戻ってくる!!」
ゼオラ「アラド!
お願い、私を置いて行かないで!
私はあなたと一緒に…!!」
アラド「ビルガー、頼むぜ!!
最後まで付き合ってくれよぉっ!!」
アラド「ジャケット・アーマー、
ハーフ・パージ! ウイング展開!
ドライブ全開ッ!!」
アラド「うおおおおおおおっ!!」
(アラドがガンエデンに隣接、ガンエデンから光が溢れ爆発、閃光)
ゼオラ「アラド!!」
ゼオラ「アラドーーーーーーッ!!」
(キー操作)
イザベル「ふう…」
ベルトーチカ「どうしたの、イザベル?
レポート執筆は一休み?」
イザベル「違います。書くことが多すぎて、
上手くまとめきれなくて…」
ベルトーチカ「そんなに
急ぐことはないんじゃない?
まだあれから1週間よ」
イザベル「いえ…もう1週間です。
情報伝達は正確さと時間が命ですから」
レディ「…イザベル、残念ながら
君のレポートは出版できない」
イザベル「え?」
レディ「連邦政府の決定が出た。
今回の戦乱の情報は…その大部分が
操作されることになる」
ベルトーチカ「やっぱり……」
ハヤト「まあ…
政府としてはそうするしかないだろうな」
ハヤト「前回の時以上に
戦災の復興へ力を注がねばならないし…
不必要な情報は混乱の元になる」
ベルトーチカ「それで納得がいくんですか?」
ハヤト「いくわけないだろう。今回は
伝えなくちゃならない真実が多いんだ」
イザベル「ええ…。だから、
私…レポートを書くのをあきらめません」
イザベル「いつの日か…
人々に真実を伝えるために……」
レディ「フッ……そうだな……」
大文字「…αナンバーズを解散する?」
岡「そうだ。元々、諸君らの部隊は
臨時的に結成されたものだからな」
岡「以後はαナンバーズ結成前の
状態に戻ってもらい、それぞれの
新しい任務に就いてもらう」
大文字「…そうですな。
都市やコロニーの再建、スペースデブリの
処理、火星のテラフォーミング…」
大文字「忙しくなるのはこれからです」
岡「うむ。君達の働きに期待しておる」
大文字「ところで、長官……
マザー・バンガードはどうするのです?」
岡「マザー・バンガード?
何かね、それは?」
大文字「は!?」
岡「すまんが、初めて聞く名前だな」
大文字「…ふふふ…
なるほど、そういうことですか…」
トビア「キンケドゥさん! 本当に
ガンダムをもらっちゃっていいんですか?」
キンケドゥ「ああ。ただ、X1だけは
置いて行ってくれよ。ロンド・ベル隊で
データ収集用に使うらしいから」
トビア「はい!」
キンケドゥ「ところで…
これからどうするんだ、トビア?」
トビア「ははは、どうもこうも…
もう戸籍も死亡扱いになってるだろうし…」
トビア「その上、
マザー・バンガードは岡長官のおかげで
存在しないことになったし…」
トビア「もう出来ることと言ったら、
宇宙海賊しかありませんよ」
ウモン「お、おいおい…本気か?」
トビア「もちろん、冗談ですよ」
ベラ「それで…どうするの?」
トビア「ベルナデットやウモンさん…
クロスボーン・バンガードの人達と
もう一度宇宙へ出ます」
トビア「そして、
もう一度確かめてみます…」
トビア「人が人として
宇宙と付き合っていけるかを…」
ベラ「そうですか…」
ウモン「心配はいらんぞ。
マザー・バンガードの艦長はお前さんから
引き継いでワシがやってやる」
トビア「え?」
ウモン「何じゃ、文句でもあるのか?
こういうのはな…年の功じゃ、年の功」
キンケドゥ「ベルナデットの方が
適任なんじゃないか?」
ベルナデット「え?」
トビア「そりゃいいかも知れません。
ベルナデットなら、みんなを
上手くまとめられると思います」
ウモン「じゃあ、
ワシは何やればいいんじゃ?」
キンケドゥ「長年の経験を生かして…
技術長なんてのはどうだ?」
ウモン「技術長?」
キンケドゥ「ほら…じいさんは
モビルスーツに細工をするのが
好きだったじゃないか。適任だよ」
ウモン「う~む…それでもいいか」
トビア「ところで…
キンケドゥさんとベラさんは
これからどうするんですか?」
キンケドゥ「俺か?
そうだな……俺は………」
キンケドゥ「この服を脱いで…
山道を歩いて…雨露をすすって…」
キンケドゥ「好きな女を抱いて、
もう一度じっくりと考えてみるさ…」
キンケドゥ「元々人間が何だったのかを…
そのための時間はいくらでもあるから」
ベラ「…………」
ベラ「おかえりなさい…シーブック」
キンケドゥ「…おかえり、セシリー」
サンシロー「何? 次の任務だ!?」
ヤマガタケ「1週間も待機させておいて、
オチはそれかよ!?」
ブンタ「つまり…
僕達は休みなしということですか?」
ピート「そうだ。
他の部隊も次の仕事に取りかかりつつある。
忙しくなるのはこれからだぞ」
サンシロー「忙しくなるって……」
ミドリ「任務は色々あるわよ。
世界各地への救援物資の運搬とか、
都市再建のお手伝いとか」
サコン「陸・海・空・宇宙と
活動範囲を選ばない大空魔竜の
本領発揮ということだ」
ファン・リー「ああ、
世界中の人々が俺達を待っている。
…休みは当分先になるだろうな」
サンシロー「当分先……」
ピート「どうした、サンシロー?
嫌気がさしたのなら、大空魔竜を降りて
ピッチャーに戻ったって構わんぞ」
サンシロー「馬鹿言え。
俺はガイキングのパイロットだ。
そして、俺のマウンドは…」
サンシロー「この大空魔竜なのさ」
モンシア「オラオラ!
早くモビルスーツを積み込んじまえ!」
モンシア「ぐずぐずしてると
アルビオンが出港しちまうぞ!」
キース「モンシア中尉…
怒鳴ってばかりいないで、
少しは手伝ってくださいよ…」
ファ「…モンシア中尉、
ご機嫌ななめみたいですね」
ベイト「ああ…
結局、休みなしになっちまったからな」
アデル「唯一の救いは
しばらく地球にいられることでしょうか」
カミーユ「地球?
じゃあ、アルビオンの行き先は……」
コウ「実は…ラサなんだ」
フォウ「え…!? あそこは…」
バニング「そう…俺達は戦災復興作業の
警護のため、フィフス・ルナが落ちた地へ
行くことになった」
カミーユ「…………」
コウ「カミーユ、俺はあの地へ行って…
今回の戦いが何だったのか…」
コウ「ガトーやクワトロ大尉のしたことが
人類にとって何をもたらしたか……
ゆっくり考えてみたいんだ」
カミーユ「そうか…」
コウ「カミーユ、お前はどうするんだ?」
カミーユ「正直言って、モビルスーツから
降りることも考えたけど……」
カミーユ「やっぱり、
ロンド・ベル隊へ残ることにしたよ」
コウ「それで構わないのか?」
カミーユ「ああ。
でなきゃ、ジュドー達が代わりに
残ると言い出しかねないし…」
カミーユ「行方不明になった
アラドとイルイも捜してやりたい」
コウ「ああ。こちらの方でも
出来る限りの手を尽くすつもりだ」
カミーユ「それに…
これから世の中が変わるに連れて、
また色々な事件が起きるだろう」
カミーユ「俺は
その時に何も出来なかったことを
後悔したくないんだ」
コウ「そうか………」
キース「…それじゃ、今回は別れ別れだな」
フォウ「別にそんな顔をしなくても…。
二度と会えなくなるわけじゃないんだから」
コウ「じゃあ…みんな、元気で」
ファ「ええ、あなた達も…」
カミーユ「…コウ、
俺もゆっくり考えてみることにするよ」
コウ「何を?」
カミーユ「あの光が…人類にとって
何をもたらしたかということを……」
一矢「エリカ、いい知らせだ。
小バームの動力源の修理が
終了したそうだ」
エリカ「では、
これで私達は火星へ行けるのですね…」
一矢「ああ。
火星はバームやゼーラの人達の手を借りて、
人が住める星として生まれ変わるんだ」
エリカ「こんなにも早く
私達の夢が形になっていくなんて…」
エリカ「兄上とお父様が
このことを知れば、どんなにお喜びに
なるでしょう…」
一矢「最後の戦いの場からリヒテルと
ハイネルは姿を消したままか…」
エリカ「はい…。
しかし、兄上達はきっとどこかで
我々を見守ってくれています…」
エリカ「わたしは、そう信じています」
一矢「そうだな…」
一矢「今日という日を迎える事が出来たのは
父さんやリオン大元帥…平和を愛する
全ての人達が力を合わせた結果だ」
一矢「きっとリヒテルも
この日が来るのを待ち望んでいただろう」
エリカ「ええ…。
そして、一矢…私に戦い続ける
勇気をくれたのはあなたです」
一矢「まだだよ、エリカ…。
俺達の新しい戦いは始まったばかりさ…」
一矢「まあ、俺としては早い所、
火星のテラフォーミングが軌道に
乗ってもらわないと困るけどな…」
エリカ「困ると言うと、
何かあるのですか…?」
一矢「え…いや、その…」
エリカ「どうしたの、一矢?
そんなに慌てて…」
一矢「その…ええっと…
仕事が一段落したら、君に話があるんだ」
エリカ「え…」
一矢「その時が来たら…俺は君に…」
エリカ「一矢…」
マルガレーテ「おひいさま、
ああ…ここにいらしたのですね…!」
一矢「マ…マルガレーテ!」
京四郎「どうした、一矢?
…そんなに慌てている所を見ると
俺達はお邪魔だったようだな」
ナナ「さてはお兄ちゃん、
エリカさんにプロポーズしようと
していたんでしょ?」
一矢「え…いや…その…」
エリカ「ふふふ…そうなの、一矢?」
豹馬「そうか…。
ボルテスチームは火星に行っちまうのか」
健一「ああ。父さんがメルビさんの
手伝いをすることになったんでね」
一平「俺達も一矢と一緒に
小バームの護衛をやるってわけだ」
十三「せやったら、
しばらくは戻ってこれへんな」
めぐみ「ううん、
もっとかかるかも知れないわ」
大作「え? どげんことね?」
健一「実は俺達…
火星のテラフォーミングが一段落ついたら、
ボアザン星へ行こうと思ってるんだ」
豹馬「ホントかよ!?」
大次郎「そうじゃ。
お父さんやダンゲ将軍と一緒に行くとじゃ」
小介「もしかして…
ボアザン星を解放するために?」
健一「ああ。
その時は平和解放機構の人達も
協力してくれることになっている」
日吉「豹馬兄ちゃん達はどうするの?」
豹馬「お前らが宇宙へ行くってんなら、俺達は
地球に残って平和を守るために頑張るさ」
ちずる「ええ。
あなた達がいつ帰って来てもいいようにね」
豹馬「ま、俺達の助けが必要になったら
いつでも呼んでくれ。ワープ装置を
くっつけて、飛んで行ってやるからよ」
健一「ああ…その時は頼むよ」
鉄也「何!? 宇宙開発公団へ行く?」
ジュン「本気なの、2人共?」
さやか「ええ、
甲児君と話し合って決めたの」
ボス「しかしまた、
何でそんな所へ行こうってんだわさ?」
甲児「…今回の戦いで
知りたいことが出来たからさ」
甲児「ビムラーやオルファン、
ゲッター線…そして、ガンエデン…
それらがどこから来たのか…」
甲児「どうして、
地球へ来たのか知りてえんだ」
宙「へ~え…こいつは驚きだぜ。お前が
そんなインテリめいたことを言うとはな」
甲児「わりぃかよ!」
剣造「甲児…お前が
そう決めたのなら、私は何も言わん。
自分で選んだ道を進むがいい」
甲児「すみません、勝手なことを言って…」
鉄也「甲児君、気にすることはない。
後のことは俺達に任せてくれ」
シロー「でも、アニキ…
マジンガーZはどうすんだよ?」
甲児「心配すんなって。
何かあったら、すぐに帰ってくるさ」
さやか「そうよ、シロー君。
私達が行く所はGアイランドシティの
宇宙開発公団なのよ」
シロー「なぁんだ、そうだったのか。
僕、てっきり外国へ行くんだと思ってた」
甲児「ああ。だから、マジンガーZを
博物館に飾ったりすんなよ」
ボス「チェッ、これで俺様の活躍の場が
増えると思ったのに…」
甲児「いやいや、ボスには
鉄也さんを助けてもらわねえとな」
鉄也「心配はいらないぞ、甲児君。
たった今、補充戦力が確保できたからな」
宙「ほ~う…誰なんだ、そいつは?」
美和「宙さん、
あなたのことじゃないかしら?」
宙「な、何!?」
鉄也「ここに顔を出したのが運の尽きだ。
しばらくの間、手伝ってもらうぞ」
宙「しょうがねえな…わかったぜ」
竜馬「ムサシ…見えるか…?
もうすぐ破壊された大阪の街も
復興が始まる…」
隼人「全てはお前が生命を懸けて
日本を守ってくれたおかげだ」
弁慶「ムサシ先輩のガッツは
俺達が受け継いでいきます…」
竜馬「そして、
俺達はお前が愛したゲッターの力と共に
新しい時代を歩んでいく」
隼人「そうだ…。
もうすぐ人類にとっての大きな一歩が
踏み出されるんだ」
ミチル「だから、ムサシ君…。
ゲッターと共に私達を見守ってね…」
竜馬「ムサシ…人類の未来をつかんだ勝利、
お前に捧げるよ……」
デュオ「…さぁて、今回はどうする?
前の時みたいに太陽へ捨てるか?
それとも……」
カトル「…このまま平和が続くのなら、
そうした方がいいんでしょうけど…」
五飛「人々が真の意味で戦いを捨てるまで、
俺達とガンダムは必要とされるだろう」
トロワ「…だが、
あの光は多くの人間の目に映ったはずだ」
トロワ「俺達が帰るべき所へ帰る日は…
そう遠くないのかも知れない」
カトル「…そうですね…」
デュオ「じゃ、決まりだな」
カトル「ええ。今度はそれぞれの責任で
管理をすることにしましょう」
トロワ「ああ」
五飛「いいだろう」
デュオ「ん? そういや、ヒイロは?」
トロワ「奴なら、ドーリアン外務次官と共に
Gアイランドシティへ行った」
デュオ「なるほど、
あいつの見送りに行ったってわけね…」
ナンガ「…いい天気だ。
まさにオルファン日和だな」
ヒギンズ「ええ…今日は頭頂部まで
はっきりと見えるわね」
ラッセ「結局…
あれから浮上もせず、太平洋の上に
浮かんだままか……」
カナン「ええ。オルファンは
私達と共存する道を選んでくれたのよ」
ナンガ「オルファンのおかげで
地球上のエネルギー問題が解決するっていう
噂を聞くが…本当なのか?」
勇「…その答えは親父や姉さん達の
研究結果を待つしかないな」
(複数の速い足音)
比瑪「勇、
ユキオ達の支度は終わったわよ」
勇「よし…じゃあ、行こうか」
ナンガ「行くって…どこへ?」
ヒギンズ「Gアイランドシティでしょ。
今日はあの子が旅立つ日だもの」
ラッセ「ああ…オルファンの代わりにな」
カナン「でも、
見送りはいらないって言われてなかった?」
比瑪「そうなんだけど…あの子達が
どうしても行きたいって言うの」
ラッセ「そうか…。
子供同士で仲が良かったからな」
勇「アイリーン艦長の許可はもらってる。
それに、ブレンも見送りに
行きたがってるんだ」
ネリー・ブレン「…………」
ヒメ・ブレン「…………」
ナンガ「なら、あの子によろしくな」
比瑪「ええ。じゃあ、行って来ます!」
リィナ「お兄ちゃん、
早く支度をしないと時間に遅れちゃうわよ」
ジュドー「わかった、わかった。
そうせかすなって」
リィナ「もう…
そういう所は相変わらずなんだから。
プルやプルツーに笑われちゃうよ」
ジュドー「今日はめでたい日なんだからさ、
小言は勘弁してくれよ」
リィナ「…………」
ジュドー「どうした?」
リィナ「本当に私も行っていいの?」
ジュドー「実は俺も見送りに来なくていいって
言われてるんだけど…何かそういうの、
すっきりしなくってさ」
ジュドー「それに、
リィナにも見せてやりたかったんだ。
俺達の仲間が旅立つところを…」
ジュドー「だから、わざわざシャングリラから
お前を呼んだんだ」
リィナ「お兄ちゃん…」
ジュドー「どうした?」
リィナ「…お兄ちゃんも
いつかどこかへ旅立つの?」
ジュドー「リィナ…」
リィナ「ごめんね…。
何だか急にそんな気がしたの……」
リィナ「でも…もし、そうなったら
私は笑顔でお兄ちゃんを送り出すから」
ジュドー「本当に…いいのか?」
リィナ「うん…。
私だって、もう子供じゃないんだから」
ジュドー「ありがとう、リィナ。
でも、俺…当分はシャングリラで
ビーチャやエル達とジャンク屋をやるよ」
ジュドー「きっと、宇宙に出る前に
やらなくちゃいけないことは
まだ残っているだろうからな…」
ジュドー(そうだろう…? ハマーン…)
護「じゃ、行ってきま~す!」
天海勇「気をつけるんだよ、護」
天海愛「お友達によろしくね」
護「うん、わかってるよ!」
華「護く~ん!」
護「あ、華ちゃんだ!
じゃあ、お父さん、お母さん…
行ってくるね!」
(複数の速い足音・護と華が走り去る)
天海愛「……………」
天海勇「どうしたんだい、ママ?」
天海愛「護ちゃんの……
今日、宇宙へ旅立つお友達って
どんな子なのかしら…?」
天海勇「さあ…。
総裁から話は聞いてないけど…
その子が気になるのかい?」
天海愛「ええ……。
護ちゃんもいつかは私達の下から
旅立っていくような気がして…」
天海勇「…………」
天海勇「…そうだね、ママ…。
僕もそう思う時があるよ」
天海勇「でも…
その時が来たら、僕達は護を笑顔で
見送ってあげなくちゃ…」
天海勇「だって護はどこから来たって
そして、どこに行ったって
僕達の大事な子供なんだから」
天海愛「そうね…そうよね…」
スワン「大河長官…
グッドサンダー、所定位置につきまシタ」
大河「うむ。
念のために周辺区域の確認を頼む」
命「はい。周辺警戒中の各機動部隊、
状況を報告してください」
炎竜「こちら炎竜、異常なし」
氷竜「こちら氷竜、同じく異常なし」
ゴルディマーグ「ゴルディマーグだ。
付近に怪しい奴らはいねえが……」
命「知った顔がいるんでしょ?」
ゴルディマーグ「ああ、そうだ」
凱「ふふ…やはり、来ていたか」
氷竜「でも、さすがに
全員というわけではないようです」
凱「しょうがないだろう。
俺達を含め、みんなはそれぞれの
任務に就いているんだ」
凱「あの子だって、それを承知の上で
見送りはいらないと言ったんだぞ」
麗雄「まあ、彼の旅立ちの様子は
特別中継映像で元αナンバーズの
メンバーの所へ届けておる」
麗雄「ここに来ていない連中も
きっと見てくれているだろう」
大河「うむ…。
人類の新たな第一歩をな………」
サバラス「ケン太…
そろそろ旅立ちの時が近づいている。
準備はいいか?」
ケン太「はい、サバラス隊長!」
OVA「ケン太君…」
ケン太「北斗七星の向こう…
何も無い宇宙の果てで誰かが
僕を呼んでいるんだ…」
ケン太「OVA…僕、行くよ。
広い世界をこの目で見たいんだ」
OVA「行きなさい、ケン太君。
あなたはもうどこへでも
あなた一人で行けます」
真吾「誰もお前を止めはしない。
ケン太、頑張れよ」
キリー「ケン太、また会おうぜ。
向こうで可愛い子に会ったら
よろしく言ってくれよ」
レミー「サンキュー、ケン太。
本当に楽しい時間だったわ」
レミー「あとドクーガ3将軍からも
お祝いのメッセージが届いているわよ」
真吾「かつての敵にお祝いの言葉とは
面の皮が厚いと言うべきか、
それとも憎めないと言うべきか…」
キリー「とりあえず、
あのブンドル兄さんのメッセージは
読まなくてもわかるぜ」
ケン太「うん! きっと、
いつもの『美しい』だからね」
ユキオ「…元気でね、ケン太」
ケン太「うん。
ありがとう、ユキオ」
アカリ「お腹出して寝ちゃ駄目よ。
ケン太はすぐにお腹壊すんだから」
クマゾー「駄目だも」
ケン太「アカリとクマゾーも
比瑪さんをあんまり困らせないようにね」
トッポ「頑張れよ、ケン太!」
護「ケン太…」
ケン太「あれ?
そっちの女の子は誰…?」
護「紹介するよ…、
僕の友達の華ちゃんだよ」
華「はじめまして、ケン太君」
ケン太「ちぇっ…!
こんなガールフレンドがいたの
黙ってたなんて…」
護「え…!
ち、違うよ、そんな…!
華ちゃんは…その…!」
ケン太「ごまかさなくてもいいよ。
でも、今度会う時にはちゃんと
カノジョだって紹介してくれよ」
護「う…うん!」
ボルフォッグ「…ケン太隊員。
お身体はくれぐれもお大事に」
ケン太「ボルフォッグ…!
来てくれてたんだ…」
ボルフォッグ「ええ。護隊員達を
護衛するのが私の任務です」
サバラス「さあ、ケン太…。
そろそろ旅立ちの時だ…」
サバラス「君と…そして、人類の…」
ケン太「みんな元気で…。
でも、僕…さよならは言わない…」
ケン太「だって、みんなとは
いつか、また会えるだろうから…」
(閃光)
万丈「………………」
万丈「…行ってしまったね……」
ギャリソン「はい……」
リリーナ「あの子は私達の希望の代表…
そして、人類の新たな可能性……」
万丈「ケン太は成長し、旅立った…。
だが、彼を送り出した僕達人類は
一歩でも前に進めたんだろうか…」
勇「進んでると思うよ。
だから、オルファンは俺達を認めてくれた」
比瑪「ケン太もきっと…
私達のような出会いをするわ」
ヒイロ「ああ…。
人類は己を取り巻く殻をまた一枚破った」
ジュドー「後は勇気を出して飛び出すだけだ」
万丈「そうだね。
そこにどんなものが待ち受けようと…」
万丈「僕達は進まなきゃならない」
比瑪「そうよ。
だって、私達……生きてるんだもの」
ヴィレッタ「…やはり、行くのね?」
ゼオラ「はい……。
あの子との約束が…スクールの仲間達を
捜すという約束がありますから…」
ゼオラ「それに…私は………」
レーツェル「ならば、
ビルトファルケンを持っていきたまえ」
ゼオラ「え…? でも、あれは…」
レーツェル「すでにハミル博士とは
話をつけてある。君の好きに使うがいい」
ゼオラ「い、いいんですか…?」
レーツェル「ああ。君の捜しものを
見つけ出すのに必要だろう?」
ゼオラ「レーツェルさん……」
ヴィレッタ「ゼオラ、
これは私からのせん別よ」
ゼオラ「これは……データチップ?」
ヴィレッタ「その中には今まで私が調べた
スクールのデータが入っているわ」
ゼオラ「え!?」
ヴィレッタ「おそらく…あなた達と同じように
生き残っている者がいるはず…」
ヴィレッタ「だから、
あきらめずに捜しなさい。
無論、あの子達のこともね」
ゼオラ「は、はい……。
私、あきらめません………」
ゼオラ「…あの子達は…必ず………」
エマ「…ブライト艦長、
搬入作業が終了しました」
ブライト「ご苦労、エマ中尉。
中継映像を見ていた分の遅れは
見事に取り戻せたようだな」
エマ「ええ」
アムロ「……………」
ブライト「どうした、アムロ?」
アムロ「ああ…
ガンエデンのことを考えていた」
アムロ「やはり、
あれは地球を守るための盾ではなく…
俺達を縛りつけるための鎖だったと思う」
ブライト「鎖か……」
アムロ「そうだ。
俺はずっと疑問に思っていた……」
アムロ「何故、あれほどのものが
今まで姿を現さず…未来世界にも
存在していなかったのか…」
アムロ「それは
人類がガンエデンにとって警戒すべき
レベルまで成長していなかったからだ」
ブライト「警戒だと…?」
アムロ「そうさ。今回の戦いで
人類は心の光を目の当たりにし…
オルファンとすら同調してみせた」
アムロ「それはガンエデンにとって
人類が成長した証となり…
脅威となったんだ」
ブライト「だから、
我々を地球へ封印しようとした……」
アムロ「そうだ。認めたくはないが…
シャアのやったことは人が成長する
きっかけの一つとなった……」
ブライト「……………」
アムロ「そして…ガンエデンすらも
倒した俺達は、彼女が言ったとおり、
さらなる災いを呼び込むかも知れん」
ブライト「だが、それを何とかするのが
我々の仕事であり…」
ブライト「これから頼りにするのは
我々自身の力だ」
アムロ「…そうだな」
ブライト「では…
ラー・カイラムの発進準備を…」
アムロ「待ってくれ、ブライト。
岡長官に頼んで、もう少しこの極東支部に
滞在できるようにはならないか?」
ブライト「何だって?」
アムロ「まだ任務を終えていない者がいる。
俺はそいつの帰りを待ってやりたい」
ブライト「アムロ……」
エマ「ブライト艦長、私からもお願いします。
きっと、カミーユ達も同じことを
言うと思います」
ブライト「…わかった。
では、私も彼の帰りを待つとしよう…」
アムロ「すまないな、ブライト……」
<スタッフロール>
SUPER ROBOT WARS α II
THANK YOU FOR PLAYING
THE END
(波の音)
アラド「……………」
アラド「…ビルガー…すまねえ……
おれを守るために……
こんなにボロボロになっちまって……」
アラド「でも……
もうひと頑張りしてくれ……」
(足音)
イルイ(子供)「…アラド………」
アラド「あ、ああ…
大丈夫だよ、イルイ……。
ビルガーはまだ飛べる……」
イルイ(子供)「ホント…?」
アラド「…ああ…だから、帰ろう。
アムロ大尉に任務完了の報告をしに…」
アラド「そして、
ゼオラとの約束を守るために……」
イルイ(子供)「…うん……」